ポルターガイスト(2015)

2017年03月28日 18:15

ポルターガイスト01

【原題名】POLTERGEIST
【製作】サム・ライミ、ロブ・タパート、ロイ・リー
【監督】ギル・キーナン
【脚本】デヴィッド・リンゼイ=アベアー
【撮影】ハビエル・アギーレサロベ
【音楽】マルク・ストライテンフェルト
【出演】サム・ロックウェル、ローズマリー・デウィット、サクソン・シャービノ、カイル・キャトレット、ジャレッド・ハリス、ケネディ・クレメンツ
2015年/アメリカ映画/94分


【STORY】
エリックとエイミー夫妻は3人の子供たちと郊外の住宅地に引っ越してきた。しかし、不気味な物音、突然点灯する電球、庭地に埋められた謎の骨、など怪現象が続発、末娘のマディソンは深夜にテレビと会話していた―。ある晩、パーティーに出かけた夫妻は家に帰るとマディソンが居なくなっていることに驚く。超常現象との因果関係を疑った夫妻は、その筋の専門家を訪ね、原因を探ってもらうが、専門家の手に負えず霊媒師に助けを求める。

【REVIEW】
オリジナルはもちろん、1982年のスピルバーグ製作×フーパー監督のSFX大作で、その後シリーズ化もされたが、出演者など関係者が次々に亡くなり、「呪いか・・・!?」となった曰くつきの作品。今回は、サム・ライミが製作に当たり、オリジナルストーリーに沿って、スマホやドローンなど現代のアイテムも絡めた現代的な感じに仕上げている。末娘が真夜中に会話するテレビが本作では大型液晶テレビで、オリジナルがブラウン管なのがやっぱり時代を感じさせます。

家の側にそびえる木が怪物のようになって襲って来たり、この世とあの世をつなぐロープを家族で引っ張ったりするあたりはオリジナルに忠実、霊媒師役が女性→男性に変更されているが、これはこれで悪くないキャスティングで、味があっていいと思う。しかし、見終わってオリジナルと比べると何か物足りなさを感じるのも事実。これは、上映時間が115分から94分と20分も短くなったことで、簡潔だがダイジェスト版のようになってしまったことが一つの要因。尺が長ければ良いというものではないが、あまりにもテンポよく進むので、登場人物に感情移入できないまま、アッという間のエンディングを迎えてしまう。

あと、オリジナルでは、末娘のキャロルアンがあの世から戻ってきて元の生活に戻った・・・と思ったら再び怪現象が起こり、地下から埋葬されていた遺体がワラワラ出てくる下りが好きなのだが、リメイク版では墓地の遺体が地下に残ったままであることが先に明かされていて、この辺も物語が端折られた感があって、やっぱり最後がイマイチ盛り上がらない。オリジナル未見の方なら、そうは感じないかもしれませんが、どうしても比較してしまうとそんな感じがします。ただ、3D映画として企画されたこともあって、映像と音響に関しては楽しめることは間違いなく、四方八方から聞こえてくる物音、光の渦、明かされるあの世の映像(この辺はドローンがうまく生かされている)など、見て損のない1本だと思います。

ただ、個人的には、やっぱりオリジナルの方がいいよなあ~、です。日曜洋画劇場で頻繁に見た記憶があって、あの頃が思い出されて懐かしい。

ポルターガイスト03

ポルターガイスト02


愛蔵版 日本ヘラルド映画全史1956-2006

2017年03月24日 12:06

今月号の映画秘宝の特集「愛蔵版 日本ヘラルド映画全史1956-2006」が素晴らしい。パイ・インターナショナルから刊行された『日本ヘラルド映画の仕事 伝説の宣伝術と宣材デザイン』を記念しての特集だが、懐かしい映画のオンパレード。『地獄の黙示録』『エマニエル夫人』『愛の嵐』などから、『ゾンビ』『悪魔のいけにえ』『死霊のはらわた』などのホラー作品、『吐きだめの悪魔』『片腕サイボーグ』などのヘラルド・ベスト・アクションシリーズなど、70~80年代のピンポイントの作品がずらり。

インターネットのなかった時代は、TVCMや新聞広告、チラシなんかで情報収集していて、その煽り文句に期待を膨らませて劇場へ向かったもの。当然、配給会社のキャッチコピーに騙されてうなだれて家路に着いたことも多々あったが、思いもよらぬ収穫を得て、その後何度も見る羽目になった名作もありました。今では、こんな突き抜けた宣伝はめっきり減り、寂しい気もしますが、このある意味嘘とハッタリの美学というものも映画の味のような気もします。


特に『悪魔のいけにえ』、『悪魔のはらわた』のチラシは、もはや芸術的な感じのするデザイン。
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個人的には、本家版より日本版の『スペースバンパイア』のデザインも大好きです。
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(上記3枚とも、「映画チラシサイト」より)






イット・フォローズ

2017年03月18日 05:10

イットフォローズ01

【原題名】IT FOLLOWS
【製作】レベッカ・グリーン、ローラ・D・スミス、デヴィッド・ロバート・ミッチェル、デヴィッド・カプラン、エリク・ロメスモ
【監督】デヴィッド・ロバート・ミッチェル
【脚本】デヴィッド・ロバート・ミッチェル
【撮影】マイケル・ジオラキス
【音楽】ディザスターピース
【出演】マイカ・モンロー、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ゾヴァット、ジェイク・ウィアリー、オリヴィア・ルッカルディ、リリー・セーペ
2014年/アメリカ映画/100分


【STORY】
ジェイは新しい彼氏のヒューとデートしていたが、SEXをした後衝撃的な告白を受ける。「それは、他人には見えない。それは、歩いて追いかけてくる。それに捕まると必ず死ぬ。それは、SEXした相手を追いかけていく―」にわかに信じがたいジェイの目の前に、不気味な女が現れる。それを確認したヒューはジェイを家まで送り届けるが、それっきり姿を消す。その日から、ジェイは毎回姿を変えて現れ追いかけてくる何かから逃れる生活が始まる。―それは、いったい何なのか?!

【REVIEW】
“それは、いったい何なのか?!”謎は、謎のまま進んでいき、そして謎のまま終わっていく不思議な映画。ジャンルとしてはホラーだろうが、ある意味ティーンエイジャー主体の青春映画とも受け取れる。直接的なゴア描写はないが、静かに追ってくる何かの姿がとにかく不気味で、感染者にしか見えないというのも孤独感が増幅されていて怖い。一応、人間の姿だが、明らかに死んでいる風で、そして喋らない(声を発さない)のが一層不気味で、こんなのに一生追われ続けると思うと、たぶん生きた心地がしないでしょうね。

結局、発生原因とか、抜本的な対処法は明かされず、そのまま終わってしまうんですが、謎は謎のまま残したのは多分正解で、この後味の悪い感じは見た後も結構引きずりそう。おそろしく怖い映画ではないけれども、何か良くわからないものに対する漠然とした恐怖がよく体現されていて、スピード感がない逆にゆっくり迫ってくる怖さも十分に感じられ、この辺、クラシックなゾンビにも相通じる恐怖感が味わえます。低予算での製作だろうけど、アイデア勝利のよくできた1本。

イットフォローズ02

イットフォローズ03


ゾンビ―バー

2017年03月16日 12:03

ゾンビ―バー01

【原題名】ZOMBEAVERS
【製作】エヴァン・アストロウスキー、クリス・ルモール、ティム・ザジャロフ、クリス・ベンダー、J・C・スピンク、ジェイク・ワイナー
【監督】ジョーダン・ルービン
【脚本】ジョン・カプラン、アル・カプラン
【撮影】ジョナサン・ホール
【音楽】アル・カプラン、ジョン・カプラン、ジョーダン・ルービン
【出演】レイチェル・メルヴィン、コートニー・パーム、レクシー・アトキンズ
2014年/アメリカ映画/77分


【STORY】
メアリー、ゾーイ、ジェンの仲良し3人組の女子学生が山奥の湖畔へキャンプへやってくる。途中で、彼氏3人も加わり乱痴気騒ぎになるが、バスルームに野生のビーバーが乱入し襲い掛かってくるが、撲殺し死体を屋外へ捨て去る。翌日、ビーバーの死体が消えていたが、気にせずに湖で泳ぎ始める。実は、この湖は医療廃棄物で汚染されており、それを浴びたビーバーたちも不死身かつ狂暴化していたのだった。若者たちに次々に襲い掛かるビーバー軍団。ビーバーに傷を負わされた人間もまた、ビーバー人間となり、人肉を求めて襲い掛かってくるのだった。


【REVIEW】
タイトルそのまんま(原題も“ゾンビ―バー”で一緒♪)、ゾンビ化したビーバーが人間に襲い掛かってくる、アニマルゾンビホラー。シリアスではなくコメディ路線で作られており、その最たるものが“ゾンビ―バー”の造形!CGではなく、操り人形のマペットタイプで、白昼で惜しげもなくその姿を現す彼らの姿は、恐怖よりもユーモラスと可愛さを感じさせる茶色のモコモコ生物。しかし、容赦なく噛みついてきて、半身をもがれても動き続けるなかなかタフなやつです。さらに襲われた人間も、前歯が伸びて爪も伸びて、ビーバー人間に・・・!もう、この辺ほとんどギャグにしか見えませんが、これを楽しめるか否かで、C級映画への愛着度が図れるのではないか・・・、そんな映画です。

冒頭のトラックからドラム缶が転げ落ちて川を流れてくくだりは『バタリアン』、女の子が2階の窓を突き破って飛び出すのは『悪魔のいけにえ』、後半の一軒家に立てこもってゾンビ―バーの襲撃を防ぐあたりは『死霊のはらわた』・・・、などなど、名作映画のエッセンスもところどころに散りばめられていて、「なんだか、どこかで見たことあるよな~」感がするのもなんだか嬉しい。ニヤニヤもの。オープニングから下ネタが続き、SEXに溺れる若者たちが襲われるのも定石通り、浮気していた男が元カノにナニを食いちぎられたりして・・・因果応報、悪いことははできませんね。真っ先に死んじゃうと思われた人物が生き残ったり、逆に生存率高そうな人がビーバー化したりと、意外性もちらほら。全体的にチープ感満載ながら、ゴアシーンもところどころあって飽きさせない。なかなか拾い物の1本。時間が短いのも丁度良し。ちなみに、エンディングテーマの歌詞を聞くと、ネタが全てバレテしまうので、聞くのは最後にしましょう。

ゾンビ―バー04

ゾンビ―バー02


マッキラー [HDリマスター版 Blu-ray]

2017年03月07日 03:14

マッキラー03

【原題名】DON'T TORTURE A DUCKLING
【製作総指揮】レナート・ジャボニ
【監督】ルチオ・フルチ
【脚本】ルチオ・フルチ、ロベルト・ジャンヴィッティ、ジャンフランコ・クレリチ
【原案】ルチオ・フルチ、ロベルト・ジャンヴィッティ
【撮影】セルジオ・ドフィッティ
【音楽】リズ・オルトラーニ
【出演】フロリンダ・ボルカン、トーマス・ミリアン、バーバラ・ブーシェ、イレーネ・パパス
1972年/イタリア映画/108分


【STORY】
南イタリアの田舎町で少年の連続殺人事件が発生する。地元警察は当初、身代金を要求してきた知恵おくれの青年を逮捕するが、殺人とは無関係と分かり釈放、次にジプシー女のマッキラーが怪しいとして逮捕する。しかし、彼女もアリバイが証明され釈放するが、納得のいかない被害者の父親らはマッキラーをリンチにかけ、死に追いやる。事件は終わったかに思えたが、またもや少年が殺され町は恐怖におののく。新聞記者のマルテッリと一時容疑者と疑われた金持ちの娘パトリツィアは協力して犯人探しを始める。


【REVIEW】
2015年の1月に当ブログでも紹介している『マッキラー』だが、めでたくブルーレイ化されたので再び鑑賞。DVDをすっ飛ばして、VHS→BDだが、製作年度が1972年とかなり古いため、それほど高画質という感じはしないが、南イタリアという陽気な土地で起こる陰湿な殺人事件の対比は、テレビの画面からも迫力十分に感じられ、やっぱり再発売されて良かったと感動の作品です。

間違った容疑者ばかりを逮捕して全く役に立たない警察や、記者の推理も大雑把で、ミステリーとしては凡庸だが、フルチ作品としては珍しく物語が破たんしておらず、最後までじっくり楽しめる作品。さらに、呪いの言葉を吐き、泡を吹く熱演を見せるフロリンダ・ボルカンの壮絶なリンチ場面や、子供でも容赦なく見せる殺人シーン、そして最後の顔面を岩肌で削られながら落下していく場面と(しかも火花までスパークしながら・・・!)、やっぱりフルチならではの残酷描写も散りばめられていて飽きさせないし、ハイウェイをバカンスを楽しむために家族連れの車が往来する側で、マッキラーが息絶えていくシーンはなんともやりきれない感じがあふれ出していて涙を禁じ得ない名場面で、見どころは多い。

そして、再確認できたのは、バーバラ・ブーシェの美しさ!父親の故郷にやってきたものの地元住民とは馴染めず、殺人事件の容疑者と疑われるヤク中という微妙な設定で、おまけにオールヌードで少年を誘惑したりとかなり大胆な行動に出たりもするが、小悪魔的な魅力全開で、彼女を見るだけでも価値ある映画じゃあないでしょうか(もちろん、それだけではないですが)。とにかく、長らく封印されていた本作が再び流通されるようになったのは嬉しい限りで、フルチファン以外にもおススメしたい1本。

マッキラー02

マッキラー01




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