マッドマン・マーズ

2019年06月16日 19:35

マッドマン・マーズ03

【原題名】MADMAN
【製作】ゲイリー・セイルズ
【監督】ジョー・ジャノン
【脚本】ジョー・ジャノン、ゲイリー・セイルズ
【音楽】ウィリアム・メレディス
【出演】アレキサス・ダビン、ジャン・クレア、トニー・フィッシュ
1981年/アメリカ映画/89分


【STORY】
森の中でキャンプファイヤーを囲む若者たちが指導員らから怖い話を聞かされる。
「家族を皆殺しにした狂った農夫“マーズ”の名を呼ぶと、彼は姿を現して、名前を呼んだ者を血祭りに上げる」
若者の一人リッチーはふざけて“マッドマン・マーズ”の名を大声で叫んでしまう。キャンプはその後お開きとなり、皆ロッジへ帰っていくが、不審な人影を目撃したリッチーはその後を追って森の奥へ。指導員のティーピーはリッチーが居ないことに気付き、森へ捜索に行くが、突然荒縄を首に巻かれて木に吊るされて窒息死する。ティーピーも戻ってこないことを心配するガールフレンドのベティは親友のステイシーに相談、他の指導員らも森へ捜索に行くが、謎の大男に次々に殺されていく。一人残っていたベティは殺人鬼が仲間を殺していたことに気付き、子供たちを避難させ、猟銃を持って殺人鬼を追って森へ向かう。

【REVIEW】
製作されたのが81年なんで、丁度スラッシャー映画が全盛期であったころに作られた1本。森の中のキャンプ場で若者が襲われるお決まりのパターンながら、殺人鬼は田舎の農夫スタイルで登場、凶器は斧がメインながら、強制首吊りや怪力を生かした殺し方などもあり少し変わった味付け。名前を呼ぶと殺人鬼が現れるという都市伝説的な登場の仕方も悪くないが、何故殺人を重ねるのかははっきり描かれず(まあ、もともと狂っていたという設定なんで、そこはどうでもいいのかもしれないが―)、とりあえず見つけた奴は皆殺しにしていく。自分が殺した犠牲者は全員自分の家まで引きずっていき、地下室に並べてパーティー状態にしているのもよく見かける光景で、この辺はもはや定番化していたんだろう。

スラッシャー映画なんで何はともあれ“殺し”が見せ場なわけだが、殺される人数も多いし、肝心の殺しの場面もテンポ良く見せてなかなか飽きさせない。首チョンパが計2回あり、そのどちらも生首ゴロリを見せてくれるのも嬉しいし、首吊り状態の男が必死で枝に捕まって一息ついていたところを殺人鬼のおっさんがベルトを引っ張ってとどめを刺すシーンも楽しい(首の折れる音が、妙にリアル)。しかし、なんか危ないデ~という雰囲気なのに、なぜ一人ずつ探しに行くのか(たぶん、皆、殺されに行ってるようなもんだぞ!と突っ込んでいると思う)、殺人鬼の家がエライ近くにあるのに、なぜ誰もその存在に気付いていないのか、など突っ込みどころはやっぱりあるけれどもその辺はまあ気にしないということで。ちなみにヒロインのベティ役は、『ゾンビ』のゲイラン・ロスがアレキサス・ダビンの変名で出演。『ゾンビ』以外だと『クリープショー』も出演作があるが、ほとんどまともにカメラに映っていないんで、本作は貴重な存在と言えましょう。


マッドマン・マーズ02

マッドマン・マーズ01



ミミズバーガー

2019年03月07日 12:23

ミミズバーガー表

【原題名】THE WORM EATERS
【製作】テッド・V・マイクルズ
【監督】ハーブ・ロビンズ
【脚本】ハーブ・ロビンズ
【出演】ハーブ・ロビンズ、バリー・ホステットラー、ジョセフ・サケット、リンゼイ・アームストロング・ブラック、ロバート・ギャリソン
1975年/アメリカ映画/89分


【STORY】
町はずれの沼地を再開発してひと儲けしようと企む市長一派は、土地を所有しているアムガーを疎ましく思っていた。人付き合いを敬遠して生活しているアムガーの楽しみはミミズを飼育すること。一匹一匹に名前を付けて愛情を持って接しているが、他人には変人扱いされている。ある日、アムガーの家にやってきたっ女性が、ミミズの混入したパスタを食べてしまい、彼女は下半身がミミズになってしまう。困ったアムガーは彼女を檻を作って中で飼育する。その頃、町では沼地の開発案が可決され、それを知ったアムガーはそれを阻止しようと、町の食物にミミズを入れミミズ人間を増やしていく。

【REVIEW】
ミミズを扱ったホラーといえば、『スクワーム』が有名だが、もう1作答えなさいと言われたら、出てくるのがこの『ミミズバーガー』。『スクワーム』は大量発生したミミズやゴカイが街や人を飲み込んでいくスケールの大きい作品だったが、本作はほとんどが主人公の家の周りで起こる珍事を描いた小粒な作品。ミミズを食べたら、ミミズ人間になっちゃった!・・・というのをバカ真面目に撮っているだけにかなり痛い仕上がりとなっている。主人公のアムガーおじさんを演じたハーブ・ロビンスは生ミミズを吹き替えなしで食べており、劇中ではミミズを手に取ってうっとり話かけるシーンを熱演。監督・脚本も彼の名前でクレジットされており、アムガーおじさんワンマンショーといった趣だ。

さらに肝心のミミズ人間の姿が下半身に布をぐるぐる巻きにしただけで、出来損ないの人魚みたいなのも凄い。そんなミミズ人間が腕の力だけで這って進んでいく姿はシュールを通り越して唖然とするしかない光景。ミミズ人間の男3人組は、俺たちに女のミミズ人間をあてがえ!と脅し、檻の中ではミミズ人間が奇妙な声を上げて暮らしている。アムガーがミミズと戯れる場面で流れる安っぽいエリーゼのためにも切ない。ほとんど予算の無いコントを延々と見せられている感じがし、リモコンの早送りボタンから手が離せない。製作のテッド・V・マイクルズは、エド・ウッドの唯一のライバルという触れ込みだったが、他に手掛けた作品が、『人間ミンチ』や『アストロ・ゾンビ―ズ』などがあり、ソフトの特典で映像が紹介されているが、どれもこれも同じようなレベルの仕上がりで、ある意味凄いな・・・と思ってしまった。ホラー映画には玉石混合様々な作品が存在するが、間違いなくその最底辺に位置するといっても過言ではない、カルト作だ。

ミミズバーガー裏
中古で購入したら、なぜか未開封の新品が送られてきた。それほど嬉しくないのはなぜだろうか。



マーターズ(2015)

2017年12月12日 06:00

マーターズ01
【原題名】MARTYRS
【製作】ピーター・サフラン、アニエス・メントレ
【監督】ケヴィン・ゴーツ、マイケル・ゴーツ
【脚本】マーク・L・スミス
【撮影】ショーン・オディー
【音楽】エヴァン・ゴールドマン
【出演】トローヤン・ベリサリオ、ベイリー・ノーブル
2015年/アメリカ映画/83分


【STORY】
何者かによって長期間監禁され、拷問と虐待を受け続けていた少女リュシーは、逃げ出して放浪していたところを保護され施設に収容される。そこで同年代の少女アンナと心を通わせ回復していくが、得体のしれない何かに襲われ続ける悪夢は消えなかった。
数年後、とある一軒家を訪ねたリュシーは、持っていた銃で住人を次々に射殺する。連絡を受けてやってきたアンナは、死体の山を見て驚き、リュシーは自分を監禁していた犯人に復讐を果たしたと告白するが、自傷行為を続ける姿を見て、アンナの疑念は消えない。その後、アンナは一軒家に地下室があることを発見、そこには監禁された少女たちが居り、リュシーの過去の謎が判明する。


【REVIEW】
パスカル・ロジェが監督した『マーターズ』のハリウッドリメイク作品。オリジナルの残虐度と先の読めない展開、そして理不尽で不条理なラストの衝撃はかなりのものがあったが、それをハリウッドがどう料理したのか興味があったが、結果はあえなく撃沈―。オリジナルを初めて見たときのインパクトには到底及ばず、かつ改変されたストーリーも「これで良かったのか!?」と何とも言えん感じで巷の評価が低いのも仕方がない出来栄え(そもそも、オリジナルに勝つのは至難の業であるのは明白であったが、それじゃあ、なんでわざわざリメイクしたの?というところではありますが・・・)。以下、新旧主だった相違点を比較してみますと―、

①オリジナルでは途中でリュシーが自殺してしまい、後半はアンナが主役を引き継ぐが、リメイクの方はリュシーは最後まで生き残り、W主役という感じに。2人の友情を強調したような演出も見られるが、何も関係なかったアンナに強烈な業を背負させるオリジナルの不条理さと比べるといささか爽やかすぎる。

②謎の組織の黒幕の女性がリメイクではバンバン登場、惜しげもなく姿を見せ続ける。オリジナルは出番は少ないものの、それが逆に正体不明の得体のしれない不気味な雰囲気を出していたのにね。

③あの世まで逝って見てこさせるための拷問のはずなのに、リメイクは時間短縮であっさりめ。またリュシーの皮剥ぎ場面も大幅に減少され、「あんなもんでいいの!?」と突っ込みたくなります。

④そして、パッケージの謎の金属器具を付けられた監禁女性ですが、リメイクの方では全く出てこず・・・。このジャケット、あかんでしょ!?

などが気になった点ですが、やっぱり改悪されたという雰囲気しか感じない気がします。ストーリーを変更し、アンナがリュシーや監禁された娘たちを助け出そうとするところ、犯人たちをバッタバッタと撃ち殺していくところなんかは、いかにもアメリカ的な分かりやすい、共感を呼びやすい流れではあり、それが狙いだったのでしょうが、オリジナルの良く分からない理解し難いところから生じる不条理な怖さと対比すると、やはり凡庸な普通のホラー映画に成り下がった感は否めません。結果、「やっぱりオリジナル版の方はスゴかったよな!」ということを再確認させてくれた映画ということですかね。


マーターズ02


マッキラー [HDリマスター版 Blu-ray]

2017年03月07日 03:14

マッキラー03

【原題名】DON'T TORTURE A DUCKLING
【製作総指揮】レナート・ジャボニ
【監督】ルチオ・フルチ
【脚本】ルチオ・フルチ、ロベルト・ジャンヴィッティ、ジャンフランコ・クレリチ
【原案】ルチオ・フルチ、ロベルト・ジャンヴィッティ
【撮影】セルジオ・ドフィッティ
【音楽】リズ・オルトラーニ
【出演】フロリンダ・ボルカン、トーマス・ミリアン、バーバラ・ブーシェ、イレーネ・パパス
1972年/イタリア映画/108分


【STORY】
南イタリアの田舎町で少年の連続殺人事件が発生する。地元警察は当初、身代金を要求してきた知恵おくれの青年を逮捕するが、殺人とは無関係と分かり釈放、次にジプシー女のマッキラーが怪しいとして逮捕する。しかし、彼女もアリバイが証明され釈放するが、納得のいかない被害者の父親らはマッキラーをリンチにかけ、死に追いやる。事件は終わったかに思えたが、またもや少年が殺され町は恐怖におののく。新聞記者のマルテッリと一時容疑者と疑われた金持ちの娘パトリツィアは協力して犯人探しを始める。


【REVIEW】
2015年の1月に当ブログでも紹介している『マッキラー』だが、めでたくブルーレイ化されたので再び鑑賞。DVDをすっ飛ばして、VHS→BDだが、製作年度が1972年とかなり古いため、それほど高画質という感じはしないが、南イタリアという陽気な土地で起こる陰湿な殺人事件の対比は、テレビの画面からも迫力十分に感じられ、やっぱり再発売されて良かったと感動の作品です。

間違った容疑者ばかりを逮捕して全く役に立たない警察や、記者の推理も大雑把で、ミステリーとしては凡庸だが、フルチ作品としては珍しく物語が破たんしておらず、最後までじっくり楽しめる作品。さらに、呪いの言葉を吐き、泡を吹く熱演を見せるフロリンダ・ボルカンの壮絶なリンチ場面や、子供でも容赦なく見せる殺人シーン、そして最後の顔面を岩肌で削られながら落下していく場面と(しかも火花までスパークしながら・・・!)、やっぱりフルチならではの残酷描写も散りばめられていて飽きさせないし、ハイウェイをバカンスを楽しむために家族連れの車が往来する側で、マッキラーが息絶えていくシーンはなんともやりきれない感じがあふれ出していて涙を禁じ得ない名場面で、見どころは多い。

そして、再確認できたのは、バーバラ・ブーシェの美しさ!父親の故郷にやってきたものの地元住民とは馴染めず、殺人事件の容疑者と疑われるヤク中という微妙な設定で、おまけにオールヌードで少年を誘惑したりとかなり大胆な行動に出たりもするが、小悪魔的な魅力全開で、彼女を見るだけでも価値ある映画じゃあないでしょうか(もちろん、それだけではないですが)。とにかく、長らく封印されていた本作が再び流通されるようになったのは嬉しい限りで、フルチファン以外にもおススメしたい1本。

マッキラー02

マッキラー01


ムカデ人間3

2017年02月19日 11:55

ムカデ人間301

【原題名】THE HUMAN CENTIPEDE III (FINAL SEQUENCE)
【製作】イローナ・シックス、トム・シックス
【監督】トム・シックス
【脚本】トム・シックス
【撮影】デヴィッド・メドウズ
【音楽】ミシャ・シーガル
【出演】ディーター・ラーザー、ローレンス・R・ハーヴィー、 エリック・ロバーツ、北村昭博、ブリー・オルソン
2015年/アメリカ・オランダ映画/103分


【STORY】
アメリカのとある刑務所。所長のビル・ボスは、度重なる囚人の暴動とあまりの収支の悪さに州知事から解任を迫られ頭を悩ませていた。問題の多い囚人を再教育と称して拷問を繰り返すが、自身も妄想に囚われ、所長の精神も崩壊寸前。そんな中、所長の部下のドワイトは自分の好きな映画「ムカデ人間」を習って、囚人の口と肛門をつなげてムカデ化してはどうかと提案する。


【REVIEW】
1作目は人間をつなげてみたい欲求に囚われたマッドサイエンティスト、2作目は映画「ムカデ人間」が大好きな孤独な中年男が暴走してしまうお話、で、完結編の3作目の舞台は刑務所。言うことを聞かない囚人たちに、矯正プログラムと称してみんな連結してしまうというとんでもないストーリーだが、出来栄えは・・・残念ながら前2作には及ばない中途半端な作品になってしまった。

人数こそ、3人→12人→500人と一気に増えたものの、肝心のムカデが出てくるのが最後のほうで、大半が所長と部下のやり取りが中心で、ホラーというよりは暴走した刑務所所長のコメディーになってしまった感が強い。1作目の猟奇的な味わいや、2作目のアンモラルな佇まいは、見てはいけないものを見てしまった、気持ち悪いけど忘れられない、といった生理的に訴えかけるものがあったが、この3作目にはそういった趣がなく、これが完結編というのはシリーズを通して見てきた者には一抹の寂しさを覚えます。評価的には、『ムカデ人間2』≫≫≫『ムカデ人間』≫≫≫≫≫≫≫≫≫『ムカデ人間3』かな。特に2作目の陰湿さとローレンス・R・ハーヴィーの怪演は忘れられない。本作は、1作目主役のディーター・ラーザーと2作目主役のローレンス・R・ハーヴィーの2人が好きな方向けでしょうか。


ムカデ人間

ムカデ人間2

ムカデ人間302

ムカデ人間303





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