ザ・リング2

2018年06月09日 11:30

ザ・リング202

【原題名】THE RING TWO
【製作】ローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス
【監督】中田秀夫
【脚本】アーレン・クルーガー
【撮影】ガブリエル・ベリスタイン
【音楽】ハンス・ジマー
【出演】ナオミ・ワッツ、サイモン・ベイカー、デヴィッド・ドーフマン、シシー・スペイセク
2005年/アメリカ映画/128分(完全版)


【STORY】
あの事件から半年後、レイチェルとエイダン親子はシアトルを離れ、アストリアという小さな町へ引っ越してきた。地元の新聞社で働き始めたレイチェルだが、10代の青年が変死体で発見される事件を知り、呪いのビデオテープがまだ存在していたことを知る。忌まわしき因縁を断ち切るためそのテープを処分するが、それからエイダンに異変が起こり始める。サマラが再びエイダンに憑りつこうとしている事を知り、レイチェルはサマラの出生の秘密を追っていく。

【REVIEW】
ハリウッドリメイク版『ザ・リング』の続編。ストーリーは日本版とは違いオリジナルもので、監督はこれがハリウッド初進出となった中田秀夫。1作目が日本版とほぼ同じ内容で作られていたのに対し、オリジナルストーリーである2作目は、レイチェル親子を執拗に狙うサマラと、そこから何とか逃れようとするレイチェルの奮闘が主なお話。冒頭で、ビデオを見た青年が変死するが、ビデオテープはこれ以降登場せず、エイダンの周囲や夢の中から徐々に侵食していく。ビデオを見ていないのに変死するレイチェルの同僚や家の中の家具が突然動き出したりと、前作にはなかったルールの変更に戸惑うが、サマラの目的も恐怖の拡散から母親への愛情を求めていた、に変わっており、ホラー映画としてはそれほど恐怖感が感じられないのがイマイチ。日本版では、自分の親に井戸に投げ込まれ、暗い井戸の中で死んでいった貞子の怨念が無差別に拡散して人が死んでいくという、何とも言えない理不尽な怒りや恐怖があったが、このリメイク版2作目は家族愛に焦点を当てたことにより、全く別物という感じに仕上がっているのは、人によって評価が分かれるところでしょう。

レイチェルは息子のエイダンを救うため必死に行動する母親を演じ、最後はサマラの呪いからも解き放たれ、ハッピーエンドになっているが、見方を変えれば、とても自己中心的な行動にも取れる。助けを求められた同僚のマックスは呪いで変死し、エイダンを助けようとしていた精神科医も死亡、サマラから逃れるために井戸から這い上がった後、ドスンと容赦なく井戸に蓋をして閉じ込めてしまうのも逆にサマラが可愛そうに思えてくるくらい。そもそも、1作目のラストでエイダンを救うため、ダビングされたビデオテープを見た人はどうなったのか!?松嶋菜々子は自分の親を犠牲にいていたが、赤の他人を犠牲にして我が子を助けていたのなら、なんとも言えない気分になる。

本作も水が象徴的に使用されているが、母子愛を絡めたストーリーも含めて同じ中田秀夫の『仄暗い水の底から』連想される(特に、中田秀夫が監督していたことをすっかり忘れて観ていたので、「なんでこんなに似ているんだろ!?」と不思議に思いながら観ていた)。また、サマラの出生を辿っていく内に生みの親を探し当て会いに行くが、母親役をシシー・スペイセクが演じており、その鬼気迫る様な演技が印象深い。しかし、結局、なぜサマラが異形なる力を持っていたのかは説明されず、消化不良気味に終わっているのは残念。


ザ・リング203

ザ・リング201



ザ・リング

2018年06月06日 06:06

ザ・リング01

【原題名】THE RING
【製作】ローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス
【監督】ゴア・ヴァービンスキー
【脚本】アーレン・クルーガー
【撮影】ボジャン・バゼリ
【音楽】ハンス・ジマー
【出演】ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、ブライアン・コックス、デヴィッド・ドーフマン
2002年/アメリカ映画/115分


【STORY】
若い男女4人が夜の10時ちょうどに同時に死亡する事件が発生する。その中に自分の姪が居たことから、記者のレイチェルは彼らが亡くなった原因を探り始める。死の一週間前に山荘に泊まりに行っていたことを突き止め、そこで見たビデオテープが関係しているのではないかと推測するが、そのビデオを見たことから自身も1週間後に死ぬのではないかと考える。1週間というタイムリミットが迫る中、レイチェルは元夫のノアに相談、2人でビデオの内容を探っていくが、その途中で、一人息子のエイダンもビデオを見てしまう。エイダンは「女の子からビデオを見るように言われた」と呟く。やがて、ビデオに移っている場所が判明し、レイチェルとノアは現地へ向かうが、ビデオに映っていた女性はすでに自殺していた。そして彼女の娘サマラにまつわる怪現象の話を聞いた2人は、ビデオテープはサマラに原因があったのではないかと推測する。

【REVIEW】
ヒットシリーズ『リング』のハリウッドリメイク版。登場人物、ストーリーはほぼオリジナルに忠実で、舞台を日本からアメリカに置き換えたが、ほぼ違和感なく見られるが細かいところでは少しアレンジもされている。まず、高山竜司役のノアには超能力は持っておらず、一般人と変わりがないので、貞子の呪いを解く過程での説明役としての役割は無くなっている。また、サマラは少女のままで井戸に投げ込まれていて、大人になっていた貞子との印象に少し差があるのと、被害者の死に顔にも変化が。日本版では恐ろしい形相で死んでいたが、ハリウッド版ではさらにメイクアップされ恐怖の死に顔がパワーアップ。これを見たら、普通の死に方ではないなと一目でわかるでしょう、そんな顔です。

全体的に暗い色調で(雨が降り続いているので、それも影響しているが)、モノトーンに近い雰囲気は好みが分かれるところだろうが、ホラー映画としての雰囲気は良く出ている。また、サマラの登場前後に滴ってくる水の使い方も恐怖を盛り上げるアイテムとしてなかなかいい。ただ、肝心のサマラと貞子を比較すると大人と子供との比較になる感じもあり、やはり怖さは貞子の方が上。サマラは『エクソシスト』の悪魔に憑りつかれたリーガンのような顔を見せてくれるが、肝心の顔は見せず、黒髪の隙間から見える目のドアップだけで表現した貞子の方がインパクトは勝っていた感がある。そして、当たり前だが、先にオリジナルの『リング』を見ていたら、当然展開が分かっているので、先が読めてしまえば恐怖感も薄れてしまうのは当然。それはそれで仕方がないので、異国版『リング』として割り切って見ればこれはこれでアリと思える1本。

ザ・リング04

ザ・リング05


ZOMBIO/死霊のしたたり

2018年05月16日 07:23

死霊のしたたり01

【原題名】RE-ANIMATOR
【製作】マイケル・エイベリー、ブルース・ウィリアム・カーティス
【製作総指揮】ブライアン・ユズナ
【監督】スチュアート・ゴードン
【脚本】スチュアート・ゴードン、デニス・パオリ、ウィリアム・J・ノリス
【撮影】マック・アールバーグ
【音楽】リチャード・バンド
【出演】ジェフリー・コムズ、ブルース・アボット、バーバラ・クランプトン、ロバート・サンプソン、デヴィッド・ゲイル
1985年/アメリカ映画/86分


マサチューセッツ州の医大にやってきたハーバード・ウエストは脳外科医の権威ヒル博士の研究室に入る。同じ研究室のダンのルームメイトになったウエストは、猫の死体に自分の発明した血清を注射し生き返らせてみせる。人間で実験を試みたいウエストはダンを説得し、大学の遺体安置室に潜り込み、死後間もない死体に血清を注射。死体はほどなくして動き出すが、狂暴化したゾンビとなり二人に襲い掛かる。その頃、ダンの恋人のメグと父親で学長のホルジーが遺体安置室にやってくる。ホルジーはウエストが無謀な実験を行っていると聞き、その処分を言い渡そうとするが、安置室から飛び出してきたゾンビに殺されてしまう。目の前にできた新たな死体にウエストはまたもや血清を注射、死んだホルジーは生き返るが、収容された後、ヒル博士が実験体にしてしまう。ウエストが死体を生き返らせる血清を発明したことを知ったヒルは、ウエストを脅迫してその研究自体を横取りしようとするが、逆に殺されてしまい、血清を打たれてゾンビとなる。隙をついて逃げ出したヒルは、奪った血清を使って次々に死体を生き返らせ自分の手下に。ウエストとダンはヒルを追いかけて遺体安置室へ向かう。


【REVIEW】
H・P・ラブクラフトの『死体蘇生者ハーバード・ウエスト』が原作だが、出来上がったのは原作を忘れてしまうくらいエロ・グロにブラックなユーモアを織り交ぜたパワフルなスプラッタームービー!手当たり次第死体を蘇生しまくるマッドサイエンティストなウエスト、そのウエストの首チョンパされた後ゾンビ化して暴走するヒル博士、さらにその首なしゾンビとなったヒルに犯されかかるメグと、無茶苦茶なストーリーが展開するが、これが映画初監督となったスチュアート・ゴードンが見事に演出。グロテスクな見せ場を強引にまとめあげ、やり過ぎたゴア描写が笑いを誘うあたりは、『死霊のはらわた』を彷彿させるものがあり、ゾンビ映画史にその名を残す傑作となった。

ジャンルとしてはゾンビ映画(マッドサイエンティスト物とも言える)なのだが、そのゾンビがとにかくパワフルで超元気!意識は欠落しているのだが、手当たり次第に暴れまくって手に負えず、事故死したゾンビなどは生々しい傷跡を晒しながら動き回って、怖いのか可笑しいのか絶妙のバランス。さらにヒル博士が蘇生したゾンビたちはロボトミー手術が施されて、ヒルの思念で操られているが、博士が苦しんだら他のゾンビも一緒に苦しんだりと、シンクロしているのも面白い。ヒル博士の生首のシーンや、巻きついてくる腸、ゾンビ猫のシーンなど、低予算なのが丸わかりだが、アイデアと工夫で乗り切ろうとしているのが微笑ましい。大金をかければ良いというものではないし、むしろ低予算映画の方が作り手側の熱気も感じられて、いい方向に仕上がっていることも多い気がします。

プロデューサーのブライアン・ユズナは、この5年後に自ら監督した『死霊のしたたり2』を発表、『フランケンシュタインの花嫁』をモチーフにしたような内容で、スクリーミング・マッド・ジョージが製作に参加したのも話題に。さらにユズナは3作目となる『RE-ANIMATOR 死霊のしたたり3』を2003年に製作、こちらは刑務所を舞台にした作品だったが、やはり、どちらも1作目を超える評判は得られなかった。

死霊のしたたり02

死霊のしたたり04


死霊のしたたり03
確かに、この状況下でなお愛を語るヒル博士は、紛れもないヘンタイでしょうな。




サベージ・キラー2

2018年04月17日 20:49

サベージ02

【原題名】THE BRIDE
【製作】マルチェロ・ダシアーノ
【監督】マルチェロ・ダシアーノ
【脚本】マルチェロ・ダシアーノ
【出演】ヘンリエッテ・リダーヴォルド、レイン・タウンゼンド、バート・カルヴァー
2014年/アメリカ映画/82分


【STORY】
結婚を2日後に控えた美しい女性キラは婚約者のマルコとともに山奥の別荘に旅行にやってくる。幸せな一夜を過ごす2人だが、翌朝、突然押し入ってきた男4人組によってマルコは銃殺されてしまう。隙をついて、森の奥へ逃げ込むキラだったが、男たちに捕まり、暴行の末殺されてしまう。元々、キラを誘拐して身代金を要求しようとしていた犯人たちだったが、計画が失敗したため、2人の遺体を埋めて事件の隠ぺいを図る。ところが、数時間後地中から息を吹き返したキラが甦る。彼らが埋められていたのは、呪われた曰くつきの木の下で、超自然の力を得たキラは犯人たちに復讐を開始、一人ずつ殺しては頭の皮を剥いでいくのだった。

【REVIEW】
レイプリベンジものにネイティブインディアンの魂を憑依させ、一風変わったホラーアクションに仕上げていた秀作『サベージ・キラー』の続編・・・であるかのように見せ掛けた全く別物作品。原題は、『サベージ・キラー』=SAVAGED、『サベージ・キラー2』=THE BRIDEで全く違うのだが、パッケージは驚くほど激似。しかも、ストーリーも大筋がほとんど一緒で、「設定まるごとパクッた!?」と聞き返したくなるような内容。なのに、こっちの『サベージ・キラー2』は恐ろしいほど面白くなく、同じことをやっているはずなのに、結果は雲泥の差がありありの駄作。なぜこうなった?

もう、いろいろと駄目な要素が満載なので、それを羅列するのがしんどいくらい。しいて言うなら、ヒロインが凌辱された挙句殺され、その復讐に男どもをぶち殺していくのは同じ流れなのに、肝心の復讐シーンがあまりにあっさり&迫力不足で盛り上がらないのが最大の敗因。悪役の俳優がちっとも強そうにも怖そうにも見えず、ただ間抜けな奴らと化してしまっているのも悲しい。キラ役の女優さんはがんばっているが、『サベージ・キラー』と比較すると、どうしても見劣りしてしまう。この辺、話の流れの悪さ、テンポの悪さ、編集がイマイチ、音楽も盛り上がりに欠け・・・・など、全体的に劣っているのだから仕方がないかも。結局、便乗商法で売り出したため、逆に「何やねん、これ。全然あかんやん!?」と突っ込まれてしまい、全く別物で紹介した方が良かったんじゃない??と言いたくなるのでした。取りあえず、あまりに気が滅入ったので、『サベージ・キラー』を見直して本作は忘れるようにします。

サベージ01

サベージ03


サンズ・オブ・ザ・デッド

2018年04月08日 20:03

サンズ03

【原題名】IT STAINS THE SANDS RED
【製作】ブランドン・クリステンセン、ビック・トラン、スチュアート・オルティス、コリン・ミニハン
【監督】コリン・ミニハン
【脚本】スチュアート・オルティス、コリン・ミニハン
【撮影】クレイトン・ムーア
【音楽】ブリッツ//ベルリン
【出演】ブリタニー・アレン、フアン・リーディンガー、クリストファー・ヒギンズ
2015年/アメリカ映画/92分


【STORY】
モリーは恋人のニックとメキシコに行くため飛行場に向かっていた。途中、砂漠の真ん中で車が砂にハマって動かなくなり立ち往生、全く人通りも無いため途方に暮れる2人。すると、スーツ姿の男が歩いてくるのが見える。男はゾンビで、ニックは無残にも食い殺されてしまい、モリーは車に在った水を持って逃げ出す。砂漠の中、飛行場を目指して歩くモリーの後をゾンビも執拗に追いかけてくる。途中、モリーを襲った囚人の男をゾンビが食い殺した後、着かず離れずで歩き続ける2人。モリーはかつて生んだ一人息子を姉の家に預けて自堕落な生活を送ってきたことをゾンビに話しながら、歩き続けていく。

【REVIEW】
一風変わったロードムービータイプのゾンビ映画。登場するゾンビが走るタイプではなく、歩くヤツにしたのがミソ。なので、一定の距離を保てば、捕まらずに歩いて行けるというもの。ちなみに、夜寝るときは、岩場の高所に這い上がって安全圏を確保。最初、主人公はイケイケのファッションで厚底ヒールを掃き、ドラッグやり過ぎて気持ち悪くなってゲロ吐いているようなどうしようもないキャラで登場。ゾンビから逃げるときも、思わず「そうじゃないだろ!?」と突っ込みまくってしまう行動を取りまくって、本当に感情移入できないのが、後半になってそれが急展開。ヤクが切れたのか、過去の自分を反省し、息子を残してきたことを後悔する。そして、芽生えるゾンビに対する不思議な感情。たとえ、相手が怪物でも、性悪な人間よりかはよっぽどマシかと思っってしまうのか、それとも砂漠で一人ぼっちになるよりかはゾンビでも居た方が少しはいいのか、ともかく慣れって怖いなあと思ってしまった。自分なら、やっぱりゾンビとは仲良くしたくありませんけどね。

ラストの、車をかっ飛ばして町へ戻り、息子を助けに行くというのは、ちょっと変わり過ぎてびっくりだが、人間いくつになってもやろうと思えばやり直せるんだって、有難い教訓を教えてくれました。あと、ゾンビがしっかり内臓を穿り出して、腸を引っ張って喰っていたのには好感が持てましたよ。やっぱり、ゾンビの食事はこうでなくっちゃね。

サンズ02

サンズ01




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