テキサス・チェーンソー

2018年05月10日 00:42

テキサスチェーンソー03

【原題名】THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE
【製作】マイケル・ベイ、マイク・フライス
【監督】マーカス・ニスペル
【脚本】スコット・コーサー
【撮影】ダニエル・パール
【音楽】スティーヴ・ジャブロンスキー
【出演】ジェシカ・ビール、エリック・バルフォー、ジョナサン・タッカー、エリカ・リーセン、マイク・ヴォーゲル
2003年/アメリカ映画/97分


【STORY】
1973年8月18日、5人の若者がワゴン車でドライブしている途中、道の真ん中を呆然としながら歩く少女を見つける。心配した彼らは家まで送り届けようと車に乗せるが、少女は車の向かう方向を見て暴れだす。怯える少女は突然拳銃を持ち出し頭を打ちぬき自殺。5人は助けを求めて近くの民家に向かうが、人皮マスクの大男に襲われる。

【REVIEW】
ホラー映画史に残る名作『悪魔のいけにえ』のリメイク作。あのマイケル・ベイ製作で、これが長編初監督作となるマーカス・ニスペルが演出を担当。心配された出来栄えは、オリジナルとは違った今風(といっても、2003年製作だけど)のスタイリッシュなホラーに仕上がった。フーパー版はオールロケによる現地の生々しい雰囲気(真夏のうだるような暑さが画面から直に伝わってくるような)、殺人鬼一家の異様な風貌と行動、レザーフェイスに襲われる犠牲者の鬼気迫る演技などが一体化し唯一無二の恐ろしい映画だった。このリメイク版では、殺人鬼一家が一見見た目は普通だが、中身は異常と設定が変更、あの狂気じみた食卓風景はなくなり、ほとんどミイラだった爺様も登場しない。

代わりに出てくるのが、リー・アーメイ扮する異様な保安官。こいつが実は一家の一員で、通報を受けてやってくるものの、理不尽な取り調べを行い、若者たちをいたぶるさまが強烈。最後に車に曳かれて死ぬ場面ではおそらく拍手喝采を浴びていたのでは?と思えるくらい。そして、肝心のレザーフェイスは、フーパー版にあったちょっとおどけた雰囲気が無くなり、ひたすら怪物が襲ってくるというキャラクターに。これはこれで迫力があるのだが、人間性が感じられなくなった分、ほとんどジェイソンに近いキャラに見える。また、主演のジェシカ・ビールが逃げ惑うだけではなく強いヒロインを熱演。レザーフェイスの片腕を鉈で切り落としちゃったり、前途の保安官を引き殺しちゃったり(しかも念入りに3回も)、この辺オリジナルとかなり違った印象のキャラになっている。『クライモリ・デッドエンド』では主役扱いだったエリカ・リーセンはほとんど活躍しないまま、あっさり殺されちゃいます。

結果としては、オリジナルとは別路線へ向かっていった感じで、チェーンソーを使ったスラッシャーホラーとしてはまずまずの作品になっていると思う。総合的にオリジナルを超えるのは不可能でも、出来の芳しくなかった3・4作目よりは総じて高評価のようだし、これはこれで楽しめる内容。

テキサスチェーンソー02

テキサスチェーンソー01


飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲

2018年05月09日 00:01

悪魔のいけにえ3D01

【原題名】TEXAS CHAINSAW 3D
【製作】カール・マッツォコーネ
【監督】ジョン・ラッセンホップ
【脚本】アダム・マーカス、デブラ・サリヴァン、クリステン・エルムズ
【撮影】アナスタス・ミコス 
【音楽】ジョン・フリッゼル
【出演】アレクサンドラ・ダダリオ、ダン・イェーガー、タニア・レイモンド、トム・バリー、スコット・イーストウッド、マリリン・バーンズ、ビル・モーズリイ、ガンナー・ハンセン
2013年/アメリカ映画/94分


【STORY】
1973年8月18日。テキサス州で、友人4人が殺された少女が保護される。彼女の証言でソーヤー一家の犯行だと知れ渡ると、激怒した街の住人達が押し掛け、投降を呼びかけていた警官を押しのけ屋敷に火を放ち、一族を皆殺しにしてしまう。そのとき赤子が見つかるが、ある夫婦によって密かに引き取られる。

それから20年後、ヘザーと名付けられ成人した彼女のもとに一通の封書が届く。その中には、彼女の実の祖母が無くなり、遺産として屋敷を相続してほしいとのことだった。自分が養女であったことに驚きと落胆を隠せないヘザーであったが、自分の出生の秘密を知るため、友人たちとテキサスにある屋敷へ向かう。現地についてみると、広大な土地に巨大な屋敷が建っていた。豪華な遺産に喜ぶヘザーたちだったが、屋敷の地下室の奥には隠し部屋があり、そこにはソーヤー一家の生き残り“レザーフェイス”が潜んでいた。

【REVIEW】
あの『悪魔のいけにえ』の直後から始まる3D作品。3Dなので、レザーフェイス愛用のチェーンソーがこちら目掛けて飛んできたりして、「おいおい、大事な物放り投げたらあかんやろ!」と突っ込みたくなったりするが、それよりもフーパーの2作目を無かったことにして、新しいストーリーを構築してしまっていてそっちの方が心配になったが、これが意外によくできた作品。

前半は主人公の友人がレザーフェイスに殺されていき(背中を鉤爪にブッ刺すところとか、箱の蓋を開けると女性が飛び出してくるところとかオリジナルを彷彿させる描写が面白い)、ヘザー自身も追い掛け回されるが、自分の出生の秘密がわかって、なんとレザーフェイスとは親戚関係だったことが判明、最後は一族を虐殺した町長らにタッグを組んで逆襲していく話の展開がなかなか面白いのであった。友人らは殺され損のような気もするが、彼氏はヘザーの女友達といい仲になっていたり、途中拾ったヒッチハイカーの男は無断で屋敷の物品を持ち去ろうとするようなやつらなんで、そんなに同情する余地がない気がしたりする。また、レザーフェイスが町長にとどめを刺す場面で保安官が見殺しにするのも、ソーヤー一家を皆殺しにしようとした報いから「目には目をか」と呟いていて、妙に納得。そして、祖母の遺言に沿って、レザーフェイスに寄り添うヘザー。なんだかんだ言って、血縁関係というものは強いものがあるんだなーと、いやいや、さすがにそこまですんなり受け入れられるだろうか?確かに自分を助けてくれたけれどもね。少々疑問。

主人公のヘザー役はアレクサンドラ・ダダリオ。少し影のある感じの美人さんで適役。ただ、レザーフェイスに追われる場面が少なかったちょっと残念。歴代のヒロインは一家総出で狂気の接待を受けていたので、年老いたレザーフェイス一人だと物足りなかった気がします。ゴア描写は及第点だが、あんまり痛々しさを感じないのはなぜだろう?この辺、『悪魔のいけにえ』がほとんど血を見せていないのに、残酷さを感じさせるのはやっぱり演出が素晴らしいということなんだろうなあ。

ちなみに、エンドクレジット後にもおまけがあるのでお見逃しなく。やっぱり報いは受けねばならないということで。


悪魔のいけにえ3D03

悪魔のいけにえ3D04


トランス/愛の晩餐

2018年02月07日 19:26

トランス03

【原題名】DER FAN
【製作】バーバラ・モールセ、マルティン・モスコヴィッツ
【監督】エックハルト・シュミット
【脚本】エックハルト・シュミット
【撮影】ベルント・ハインル
【音楽】ラインゴールド
【出演】デレジー・ノスブッシュ、ボド・スタイガー
1982年/西ドイツ映画/90分


【STORY】
ロックシンガー“R”の熱狂的なファンのシモーヌは、彼宛のファンレターを送る毎日。返事は来ないが、その想いが募って、家出し会いに行くことに。大勢のファンに囲まれているRを見つけたシモーヌは偶然にも声をかけられ、興奮のあまり失神してしまう。気が付くとそこはRの別荘で、シモーヌは彼と夢のような一夜を過ごすが、翌朝Rは別人のように冷たくなっていた。感情を抑えきれないシモーヌは衝動的にRを撲殺し、死体を電動ノコギリで切り刻んでゆく。


【REVIEW】
ドイツ製青春カニバリズムムービー。可愛さ余って憎さ百倍というのはよくあるが、自分のものにならないのならいっそ殺してしまおうか・・・。極端な発想のような気がするが、主人公がおそらくまだ10代で、夢中で周りが全く見えていない状況ならあり得そうな話だ。物語前半は、シモーヌが憧れのロックスターに思いを募らせる風景をゆったり描いていて、どちらかといえば退屈な運びだが、その想い人を殺してからは急転直下、電動ノコギリでバラバラに切断→冷凍庫に保存→調理して食べる→残った骨は粉砕して散骨、と怒涛の展開に。特に、殺した直後からの解体シーンは、全裸でセリフも一切なし、淡々と作業をこなすシモーヌの姿が切なくも美しく感じられる。この解体シーンの直接的な描写が少ないためゴア度は低い。もっとも、迷いなく彼の肉体を取り込んでいく様子は愛する者と一体化しようとする倒錯した愛情表現であり、ホラーというより異形の恋愛ドラマなのかもしれない。

主演のノスブッシュがその後、アイドル化して人気が出たため、本作の上映差し止め訴訟を起こしたのは有名なエピソード。でも、体当たりでこの役を演じきったからこそ、今もこうして作品が残っているのでは。ブルーレイ化もされましたしね。


トランス01
シモーヌがいつも身に着けている、ソニーのウォークマンが時代を感じさせます。


トランス02


デモンズ2

2017年12月16日 22:04

デモンズ203

【原題名】DEMONI 2
【製作】ダリオ・アルジェント
【監督】ランベルト・バーヴァ
【脚本】ダリオ・アルジェント、ランベルト・バーヴァ、フランコ・フェリーニ、ダルダーノ・サケッティ
【撮影】ロレンツォ・バッタリア
【音楽】サイモン・ボスウェル
【出演】デヴィッド・ナイト、ヴァージニア・ブライアント、ボビー・ローデス、ナンシー・ブリッリ、アーシア・アルジェント
1986年/イタリア映画/90分


【STORY】
高層マンションの一室、サリーの誕生会が開かれ、彼女の友達がお祝いに駆けつけ騒いでいた。気に入った服が見つからないサリーは苛立ち、別室のテレビから流れる奇妙な番組に気を引かれる。それは、4人の若者が廃墟で悪魔を復活させるというものだった。自分の誕生会のことも忘れてテレビを見続けるサリー。そのとき、テレビの画面から復活した悪魔“デモンズ”が飛び出してサリーに襲い掛かる。デモンズと化したサリーは、友人たちに襲い掛かり、犠牲者たちもデモンズの仲間となってしまう。

デモンズの集団が住人たちを襲い続け、住人達はパニック状態に陥る。マンションの住人のジョージとハンナ夫婦は追ってくるデモンズたちをかわして屋上から脱出する。マンションの隣の建物に逃げ込んだ2人は、中が無人のテレビ局であることに気付く。そのとき、テレビ画面の奥から走ってくるデモンズを発見、ジョージは全てのテレビを破壊し、その復活を阻止するのだった。


【REVIEW】
ダリオ・アルジェント製作、ランベルト・バーヴァ監督と同じ布陣で贈る『デモンズ』続編。このあとの『デモンズ3』や『デモンズ4』、『デモンズ‘95』などは日本の会社が勝手に命名しましたタイトルなので、正式なシリーズはこの2作目まで。1作目では映画館のスクリーンから飛び出してきたデモンズが、本作ではテレビ画面から復活し、高層マンション内に閉じ込められた人々を地獄へ突き落す。

デモンズについては特に目新しい変化はなく、1作目の焼き直しのような印象があるが、子どもデモンズや犬デモンズとの格闘、地下室で立て籠もる住人達とデモンズ軍団との激突シーンなど、マニア心をくすぐる場面を用意してくれていて、個人的には嫌いになれない(むしろ好きな部類ともいえる)作品になっています。走って飛び掛かってくるデモンズのアクロバティックな攻撃パターンも、いろいろ種類があって面白いし、さっぱり活躍しないアキロンの大王がしぶとく出てくるのもご愛嬌。トレーニングジムから逃げ出したマッチョ&レオタードの集団が後半まで頑張って抵抗するが、デモンズの猛攻にあえなく全滅してしまうところも見せ場の一つです。本作がデビュー作となった、アーシア・アルジェントの可愛さも特筆もの。彼女を守ろうとする父親も容赦なく殺してしまうあたりはけっこう非情な感じが出ていました。

ただ、途中何度も挿入される屋外のシーンはテンポが中断されてしまい残念。1作目でもヤンキーが車で長々とドライブするシーンがありましたが、この続編でも同じことをさらに長くやっていて、やはりダレてしまっている。誰か編集時に注意してやらなかったのか?!何回見ても突っ込みたくなるところ。無駄で残念。


デモンズ202
このサリーデモンズの独特の構えと走り方、結構好きです。


デモンズ201
グロいメイクは健在。




テケテケ

2017年04月01日 00:24

テケテケ03

【製作】松下順一
【監督】白石晃士
【脚本】秋本健樹
【撮影】百瀬修司
【音楽】清水真理
【出演】大島優子、山崎真実、西田麻衣、一慶、つじしんめい、阿部進之介、小島可奈子
2009年/日本映画/70分


【STORY】
女子高生の可奈は、親友の綾花が深夜の歩道橋で下半身のない死体で発見されたのを聞きショックを受ける。それから数日後、問題の歩道橋を訪れた可奈は、下半身のない不気味な女と遭遇、ものすごい勢いで追いかけられるが間一髪で逃れる。襲ってきたものが都市伝説と化している“テケテケ”ではないかと考えた可奈は、同じくテケテケを調べている従姉妹の理絵と一緒に事件の真相に迫ろうとする。

【REVIEW】
貞子VS伽椰子』の監督白石晃士つながりで2009年の『テケテケ』を鑑賞。ちなみに、この映画、上映時間は70分と短いが、1・2の2本同時に作られたようで、こっちはその1本目。都市伝説では、鉄道事故で体を真っ二つにされて苦しみながら死んだ女性が怪物となって、自分の下半身を求めて女性を襲ってくる、というようなものであったが、本作では強姦被害にあった若い女性が悲観して投身自殺、そして怪物と化して人を襲うとうものにチェンジされている。さらに、「テケテケという音を聞いて振り向くと襲ってくる」「一度逃げ延びても、72時間以内に必ず死ぬ」「赤いものを忌み嫌い標的にしている」など、都市伝説ならではの設定も加味。本当か嘘かは曖昧で(襲われて生き延びたものはいないはずなのに、そういった情報がまことしやかに語られて居る時点で噂でしかない―)、それらが真実かどうかを探っていく面白さもあります。

本来なら過去の事件の真相をもっと掘り下げて、怪物とならざるを得なかった被害者の悲しみなんかも描けばもう少し物語に深みが出たんじゃないかとも思いましたが、その辺はばっさりそぎ落とされていて、今現在の恐怖に絞った物語となっています。これはこれで悪くはないが、どちらかといえばTVのスペシャル版のような感じで薄っぺらい感じは否めない、ちょっと惜しい感じ。しかし、胴体真っ二つのゴアシーンは爽快感すら感じさせるパワフルな描写。テケテケの動きが速すぎて、じわじわ襲ってくる怖さではなく、あっという間に殺されてしまっているので、被害者が悲鳴を上げる暇もないのがある意味斬新かもしれません。

主演の大島優子、グラビアアイドル出身の山崎真実や西田麻衣という綺麗どころを揃えたキャスティングも悪くなく、特に大島優子の演技力は前田敦子の比じゃなく、一日の長があると言えるでしょう。セーラー服も似合っててグッドでしたわ。

テケテケ01

テケテケ02







最新記事