キャンディマン

2018年08月08日 21:24

キャンディマン03

【原題名】CANDYMAN
【製作】シガージョン・サイヴァッツォン、アラン・プール、スティーヴ・ゴリン
【監督】バーナード・ローズ
【脚本】バーナード・ローズ
【撮影】アンソニー・B・リッチモンド
【音楽】フィリップ・グラス
【出演】トニー・トッド、ヴァージニア・マドセン、ザンダー・バークレイ、ケイシー・レモンズ、ヴァネッサ・ウィリアムズ
1992年/99分/アメリカ映画


【STORY】
大学院生のヘレンは都市伝説についての論文作成を進めている最中、“鏡に向かってその名前を5回唱えると、キャンディマンが現れる”という噂を聞き調べ始める。キャンディマンが犯人ではないかと噂される殺人事件の現場に向かったヘレンは、そこで奇妙な壁画を発見する。さらに興味本位で鏡に向かって名前を唱えてしまったヘレンの前に背の高い黒人の男が現れる。彼こそが、100年前に白人女性と禁断の恋に落ちたため、残酷な方法で処刑されたキャンディマンだった。単なる都市伝説だと決めつけその存在を否定してきたヘレンは夢か現実かも分からないまま、キャンディマンに追い詰められていく。

【REVIEW】
都市伝説を調査していく過程で触れてはいけないものに触れてしまったため、猟奇殺人事件に巻き込まれ、最後は自分自身がその伝説になってしまった女性の悲劇を映画いたホラー。人を殺す直接的な残酷描写はないが、おびただしい血糊や切り裂かれた死体の描写はあり、血なまぐささは感じられる。しかし、それよりも、伝承の中でしか生きられないキャンディマンが現実に現れ、主人公をあちらの世界にひきずりこもうとするやりとりが幻想的に描かれ、単なるゴアホラーで終わっていない。ヘレンがキャンディマンから逃れようともがけばもがくほど、抜けられない深みにはまっていく流れは心理的に絶望感が溢れていてドンヨリ来ます。特に、殺人犯として追われて病院から逃げ出してきたのに、自宅に戻ったら夫が他の女子大生とデキていたのを発見したときのヘレンの「もう、どうでもいいわー」感が切ない(そのあと、きっちり夫に復讐を果たすが)。また、アメリカに存在する根強い人種差別問題が物語の根底にあり、それが映画全体に重みも与えている。途中、登場する黒人たちの住む団地の怖さは格別、普通、白人女性が一人で行ったら絶対無事に帰ってこれない感が満載だ。この手の題材を扱う映画を見ていて思うのは、触れてはいけないものを見つけたらそっとしておけよ・・・!ということ。「やばそうだな~」と思ったあとには、絶対やばいことになっている確率100%なのに、それでも、首を突っ込まずにいられないのが人間なんでしょうなあ・・・。

キャンディマン02

キャンディマン01


ゲシュタポ卍(ナチ)死霊軍団/カリブゾンビ

2018年04月04日 14:04

カリブゾンビ01

【原題名】SHOCK WAVES
【製作】ルーベン・トレイン
【監督】ケン・ウィーダーホーン
【脚本】ジョン・ケント・ハリソン、ケン・ウィーダーホーン
【撮影】ルーベン・トレイン
【音楽】リチャード・エインホーン
【出演】ピーター・カッシング、ルーク・ハルピン、ブルック・アダムス、ジョン・キャラダイン
1976年/アメリカ映画/86分


【STORY】
カリブ海をクルージング中の一行の乗った船が座礁し、ボートで近くの島に避難するが、そこには老人が一人で暮らしていた。実は老人は元科学者で、戦時中に“絶対に死なない兵士”を生み出した人物であったが、不死の軍隊の脅威に恐怖を感じ、船ごとカリブの海に沈めて一人で隠居生活を送っていたのだった。やがて、水中から軍服姿のゾンビ兵士の軍団が現れ、生存者を抹殺していくのだった。

【REVIEW】
カリブ海を舞台にしたゾンビ物。今回はそこにナチの遺物というスパイスが散りばめられているが、ゴア描写も控えめなため、全体的には地味な印象の映画。「不死身の兵士たちは一人も捕虜のならなかった」という冒頭の思わせぶりな説明にちょっとは期待してしまうが、殺し方が首絞めみたいなこれまた地味な攻め方で落胆。パンチ一発で人体破壊とか、銃で撃たれまくっても全く平気とか、人間離れしたところを見せてくれないと説得力がなさすぎるんでは?ターミネーターやジェイソンが魅力的な悪役なのは、純粋に「こいつ、スゲー!!」みたいなのを見せてくれるからだと思うんだけれどもねー。海中から、ゾンビ軍団が立ち上がってくる場面は、唯一カッコいいと思えた場面。それ以外は見せ場なし。不死身なのに、ゴーグル外されただけで息絶えるのも意味不明です。

ピーター・カッシングやジョン・キャラダインなど名優が出ているのに、ほとんど活躍せず存在感は薄い。全体的には駄作に分類されるだろうが、後に『バタリアン2』を撮るケン・ウィーダーホーンの監督作品だけにこれも致し方ながないところか。フルチの『サンゲリア』よりも先に水中を闊歩するゾンビを見せたところは覚えておきます。

カリブゾンビ02

カリブゾンビ03


キャビンフィーバー(2016)

2018年02月09日 17:54

キャビンフィーバー01

【原題名】CABIN FEVER
【製作】エヴァン・アストロウスキー、クリス・ルモール、ティム・ザジャロフ
【監督】トラヴィス・Z
【脚本】イーライ・ロス、ランディ・パールスタイン
【撮影】ギャヴィン・ケリー
【音楽】ケヴィン・リープル
【出演】マシュー・ダッダリオ、ゲイジ・ゴライトリー、ダスティン・イングラム、サミュエル・デイヴィス、ナディーン・クロッカー
2016年/アメリカ映画/98分


【STORY】
森の中のキャビンでバカンスを楽しみにやってきたポール、カレン、バート、マーシー、ジェフの若者5人組。羽目を外して騒いでいる彼らの前に全身血だらけの男が助けを求めてきた。その不気味な風貌に5人は追い払おうとして、松明の火が男の体に引火、火だるまになった男はもがきながら逃げて行った。翌日、カレンの下半身の皮膚がめくれ上がり血が噴き出していることが分かる。昨夜の男の病気が移ったのではないかと思った彼らは、カレンを別の小屋に隔離する。車が故障して足を失ったため修理を試みるポールたち。その間にも、謎の皮膚病は仲間内で広がりつつあった。

【REVIEW】
イーライ・ロス版『キャビンフィーバー』1作目のリブート作。設定も展開もほぼ同じだが、細部が微妙に変更されている。出てくる保安官が男性から金髪の女性に変わっていたり、ラストシーンも病院の場面が無くなり、森の中で息絶えている場面に変わっていたり。グロ度は同程度保っているのだが、オリジナル版にあったちょっとした可笑しさ(店の子供の謎のカンフー場面とか、間抜けな保安官の行動とか)がリブート版にはなく、どちらかといえばひたすらグロシリアス路線というか。好みの問題もあるが、怖さと笑いをうまくミックスさせていたオリジナル版の方が、鑑賞後に不思議な印象を残す分やはり軍配が上がる。比較しなければ、リブート版も平均点クラスなので、見て損はないでしょう。

キャビンフィーバー04

キャビンフィーバー02


キャビン

2018年02月08日 18:23

キャビン03

【原題名】THE CABIN IN THE WOODS
【製作】ジョス・ウェドン
【製作総指揮】ジェイソン・クラーク
【監督】ドリュー・ゴダード
【脚本】ジョス・ウェドン、ドリュー・ゴダード
【撮影】ピーター・デミング
【音楽】デヴィッド・ジュリアン
【出演】クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース、アンナ・ハッチソン、フラン・クランツ
2011年/アメリカ映画/95分


【STORY】
山奥の小さな小屋にバカンスにやってきた大学生男女5人組。その小屋の地下室で見つけた日記を読み上げたとき、何者かが目覚め彼らを襲い始める。一人ずつ目覚めた怪物に襲われ殺されてゆくが、その様子をじっと監視する謎の組織の姿があった。


【REVIEW】
山小屋でいちゃつく若者たちが何者かに襲われていく、というパターンは王道中の王道ながらも、後半の展開はおおよそ予想できず、思わず「なんじゃこりゃ!?」と叫びたくなる、いい意味での予想裏切りホラー映画。若者5人が襲われるところから、最後は地球規模の問題にまで発展していくスケールのでかさに、やり過ぎ!?と思ったりもするが、細かな突っ込みどころも忘れてしまうくらいなんで、なんか良く分からんが面白いものを観たなあ~という感覚は残ります。特に、見どころは、後半の古今東西のモンスターが次から次へと出てきて殺戮を繰り広げる阿鼻叫喚の地獄絵巻。仕組みは分からんが、エレベーターが着いて、チンと鳴った後、扉が開いたら一瞬で襲われていくシーンは、恐怖というよりむしろ笑いが止まらない名場面。世界中で同時進行しているプロジェクトで、アメリカと並んで最後まで残っていた日本編が定番の女性の幽霊みたいなのも良く分かってらっしゃるなあと。ただ、バイクで崖を飛び越えた兄ちゃんがATフィールドみたいなバリアに当たって死んでいったのには、不満。ここで、リアルさが吹っ飛んでしまった。

キャビン01

キャビン02


恐怖の子守歌 衝撃の夜・女子大生の異常な体験

2017年05月04日 20:34

恐怖の子守歌01

【原題名】FRIGHT
【製作】ハリー・ファイン、マイケル・スタイル
【監督】ピーター・コリンソン
【脚本】チューダー・ゲイツ
【撮影】イアン・ウィルソン
【音楽】ハリー・ロビンソン
【出演】スーザン・ジョージ、イアン・パネン、オナー・ブラックマン
1971年/イギリス映画/84分


【STORY】
人里離れた屋敷にベビーシッターとしてやってきた女子大生のアマンダ。ロイド夫妻が出かける間、幼子のタラの面倒を見ることになる。夫妻が出かけた後、彼氏のクリスがやってくるが、喧嘩して追い出してしまい、外から様子を伺っていたクリスは何者かに襲われる。ほどなくして隣人を名乗るブライアンという男が訪問してくる。彼は、以前異常な行動に及んだため精神病院に隔離されていたタラの父親だった。病院を抜け出して戻ってきたブライアンは、次第にその異常性をアマンダに向け始める。


【REVIEW】
ベビーシッターの女子学生が精神異常者にいたぶられるサイコサスペンス。舞台が、屋敷と夫妻が出かけるバーくらい、さらに登場人物も少なめでこじんまりとした作品だが、アマンダとブライアンの2人の俳優の演技で最後まで魅せる英国製の佳作。精神病院に閉じ込めた恨みから復讐に戻ってくるものの、いまだ捨てきれない妻と子供への愛情から、グラグラと揺れ続ける感情の波がよく描かれていて、単なる狂人ではない、一人の人間の変わり果てた姿をうまく表現できています。それに対して、恐怖の一夜を体験する女子学生役にスーザン・ジョージ。ソフトパッケージなんかの解説からは、彼女のエロティックな側面を強調してますが(まあ、体のラインを強調した衣装や、それっぽいシーンもあるんだけれども)、異常な男に追い詰められていく情緒不安定なヒロインを熱演していて、ここがこの映画の一番の見どころ。ホラー映画のヒロインは殺人鬼に追い詰められて、逆に返り討ちにしちゃう強いケースもありますが、70年代はそうもいかず、やられるのをじっと耐え忍ぶのが時代かなーという気もします。ただ、最後にやってしまうのは、ちょっと驚きの展開で、「いきなり撃っちゃう!?」という感じで、なんともいえない後味の悪さが・・・。地味だけど、印象に残る映画です。

恐怖の子守歌02

恐怖の子守歌03




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