フロム・ビヨンド

2018年05月17日 10:16

フロムビヨンド01

【原題名】FROM BEYOND
【製作】ブライアン・ユズナ
【製作総指揮】チャールズ・バンド
【監督】スチュアート・ゴードン
【脚本】デニス・パオリ
【撮影】マック・アールバーグ
【音楽】リチャード・バンド
【出演】ジェフリー・コムズ、バーバラ・クランプトン、ケン・フォリー
1986年/アメリカ映画/86分


【STORY】
共振器によって脳に刺激を与える実験を行っていたプレトリアス博士が頭をもぎ取られて絶命した。警察は現場にいた助手のクロフォードを逮捕するが、事件の経緯を解明することを女医のマクマイケルズ博士に依頼。彼女は警官のババとクローフォードと3人で事件のあった屋敷で実験を再現することに。実験機械を操作していくの異様な磁場が形成され、死んだはずのプレトリアス博士が異形なる姿で出現、彼は別次元で謎の生命体と融合しこちらの世界に舞い戻ってきたのだった。


【REVIEW】
ZOMBIO/死霊のしたたり』に続いて、スチュアート・ゴードンが再びラヴクラフトの原作をベースに作り上げた作品。といっても、ラヴクラフトの『彼方より』は短編小説で、松果体を刺激する実験機器や博士が死ぬくだりは設定として生かされているが、あとはほとんど映画オリジナル。プレトリアスのグチャグチャして何パターンにも変体していく怪物や、SMテイストなところは別物と言える。

前作に引き続いて、J・コムズ、B・クランプトンが出演。コムズは怪物と化したプレトリアスと対峙する助手役だが、事件の影響で成長し、眉間から飛び出した松果体(グネグネ動いて蛇のよう)に操られて殺人を繰り返すクレイジーな演技を披露。クランプトンは最初真面目な医者役で登場するものの、これまた実験の影響で性欲が暴走、勝手に実験機器を動かしてしまったり、突然SMのボンテージ衣装に着替えて誘惑してきたりとこちらも前作よりも暴走気味。さらに、今回のマッドドクターのプレトリアス博士は趣味が女性をSM部屋でいたぶってビデオ撮りしているというまさに変態なおっさんで、ヌチョヌチョ怪物と化した後もクランプトン嬢をひん剥いて狂喜乱舞する始末。この中では、警官役のケン・フォリーが唯一一番まともな役柄だった(途中で、悲惨な死を迎えてしまうが)。

『ZOMBIO/死霊のしたたり』とほぼ同じ製作・出演で作られた本作は、ややパワーダウンを感じるものの、映画としてはまとまった印象を受ける。しかし、製作費を増やしたおかげでSFXは見応えがあり、プレトリアスの怪物の質感はCGでは出しにくいリアルさが滲み出てていい。そして、何より個性的な出演陣がこの無茶苦茶な設定にも負けず奮闘しているのが素晴らしい。『~死霊のしたたり』が気に入った方は必見の1本。個人的にもお気に入りの傑作。

フロムビヨンド05

フロムビヨンド03



フォービドゥン/呪縛館

2018年04月29日 14:48

フォービドゥン01

【原題名】THE DISAPPOINTMENTS ROOM
【製作】ガイヤー・コジンスキー、ヴィンセント・ニューマン、タッカー・トゥーリー
【監督】D・J・カルーソー
【脚本】ウェントワース・ミラー 、D・J・カルーソー
【撮影】ローヒエ・ストファース
【音楽】ブライアン・タイラー
【出演】ケイト・ベッキンセール、メル・レイド、ダンカン・ジョイナー、ルーカス・ティル
2016年/アメリカ映画/92分


【STORY】
建築家のディナは夫のデヴィッド、幼い息子のルーカスとともに郊外の一軒家に引っ越してきた。長く空き家だった屋敷は所々傷んでおり、ディナはリフォームの計画を立てていく。ある晩、誰もいないはずの窓に明かりが点いていることに気が付いたディナは最上階に図面に載っていない小部屋を発見する。小部屋は外側からしか開閉できず、窓も固定されていて、部屋はまるで牢屋のようだった。その後、謎の黒い犬がルーカスを襲う幻覚や、前の住人の不気味な肖像画が彼女の不安を駆りたてる。デヴィッドは1年前に事故死した長女のことを引きずっているのではないかと心配するが、ディナは情緒不安定なのはこの屋敷のせいではないかと疑う。そして、地元の住民から聞かされた事実。前住人の判事一家の主は、生まれつき障害のあった娘を長年小部屋に閉じ込めていたが、外部に知られないように撲殺していた―。


【REVIEW】
アンダーワールド・シリーズのケイト・ベッキンセール主演のホーンテッド・ハウス・ホラー・・・、のようだが、数々の怪現象が果たして幽霊が引き起こしたものなのかは最後まで明かされないので、幽霊屋敷モノと呼んでいいのかは謎。主人公一家が移り住んだ家には忌まわしき過去があったのは事実だが、その霊を見たのも、怪現象を体験したのもディナ一人。霊が見えていたのが彼女だけなのか、それとも娘の事故死以降心を病んでいた彼女が見た幻覚だったのか、どちらとも取れるラストなので、あとは観客の皆様ご自由に解釈を・・・みたいなところか。

しかし、はっきり幽霊の存在を示さなかったことで、不完全燃焼なのは否めないし、怪現象も地味な演出で心底怖がらせるまでには行っていない。結局、最後はこの奇妙な屋敷を引き払って去っていくが、誰も死んでいなかったことに気付き、犠牲者なしのホラー映画っていうのも健全すぎやしないだろうか?怖がっていたのもディナ一人だったし、ディナ役のベッキンセールを見るのには申し分はないが、彼女のファン以外だとちょっと物足りないと感じる。せめて、屋敷の修理に来た若い修理工の兄ちゃんをフルチの『ビヨンド』みたいに目ん玉握りつぶして殺すとかしてくれたら評価はもうちょっと上がっただろうに・・・。

しかし、『アンダー・ワールド』のセリーン役のイメージが強すぎるのか、金髪がイマイチ似合っていない気がするのは自分だけだろうか?


フォービドゥン03





Pro9 治験

2018年02月24日 17:00

Pro9-治験 [DVD]


【原題名】THE FACILITY
【製作】ミーガン・スチュアート・ウォレス、マット・ウェイカム
【監督】イアン・クラーク
【脚本】イアン・クラーク
【出演】アナイリン・バーナード、オリヴァー・コールマン、スティーヴ・エヴェッツ、スカイ・ローリー
2012年/イギリス映画/83分


【STORY】
新薬の治療実験に参加した男女7人、人里離れた医療施設で、彼らは2週間被験者として過ごすことになった。初日に新薬「プロナイン」を投与された7人は夜になり眠りにつくが、夜中になり被験者の一人ジェロームが苦しみだす。ナースコールを押し、医師たちがジェロームを処置室へ連れて行って手当てをすることになる。ほどなくして、被験者の一人アリフが血まみれになって部屋に戻ってくる。異常事態に他の被験者たちも慌てて逃げようとするが、病院職員の姿は無く、入り口は施錠されていた。館内を探すうちに食堂で担当医が血まみれで居るのを発見、医者は「プロナインの副作用でジェロームが狂暴化した・・・」と言い残して息絶える。そして、ジェロームの叫び声が聞こえてきた。

【REVIEW】
「新薬の治験ってこんな感じなのか~」みたいな導入部から、予期せぬ副作用による混乱が生じるまではなかなかドキドキさせてくれるが、中盤以降の展開が今一つ。被験者たちが閉じ込められた病院内で、狂暴化した人間から逃れようとしたり、いつ自分たちも発症するかもわからない恐怖に晒されたりするくだりはいいのだが、病院側の人間が逃げ出してしまって、かつ誰もこの事態を何とかしようとする人間が現れないのも不自然。最後に一人残っていた病院側の男が出てくるが、この男も部屋に閉じこもったままで出てこず、薬の秘密も明かさない。結局、副作用が切れる17時間後までひたすら放置で、何だかほったらかしのような終わり方。現実も、何か起こったらこんなものなのかも知れないが、やっぱり映画なんだからもう少し一捻り欲しかった。



ホウリー・マウンテンの秘宝/密林美女の謝肉祭

2018年02月17日 19:52

ホーリーマウンテン01

【原題名】THE MOUNTAIN OF THE CANNIBAL GOD
【監督】セルジオ・マルチーノ
【脚本】チェザーレ・フルゴーニ、セルジオ・マルチーノ
【撮影】ジャンカルロ・フェランド
【音楽】グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
【出演】ウルスラ・アンドレス、ステイシー・キーチ、クラウディオ・カッシネリ
1978年/イタリア映画/98分


【STORY】
ニューギニアで失踪した夫を探し出すため、妻のスーザンは弟と白人ガイドとともに現地へ向かう。密林の中を進んでいく内に大蛇やワニに襲われ、現地の案内人たちが犠牲になっていく。さらには、謎のお面を被った民族にスーザンたちは捕まってしまう。なんと、彼らは人間の内臓を貪り喰う食人族だった。


【REVIEW】
イタリア製のカニバリズム映画の1本。セルジオ・マルチーノが監督・脚本を担当しているが、映画の出来は芳しくない。全体の2/3程度がジャングルをひたすら歩いているだけで、その途中襲ってくるのは、ワニや蛇、タランチュラなど大自然の生き物たち。それもどこかで見たようなパターンが多くて、ひたすら襲ってくる眠気と格闘する方が大変に思えてくる。後半、やっとこさ食人族のアジトが出てきて「さあ、これからか!?」と思わせながらも、肝心の食人場面がとても短く、かつあっさりしていて拍子抜け。これでは、最初の方のトカゲの解体シーンの方がまだ気持ち悪かった。ボンドガールのウルスラ・アンドレスのヌード・シーンもちょこっと見せ場としてはあるが、なぜかおばさんっぽく見えていてあまりお美しく撮れていないのも残念。やるなら、もっとエロ・グロに特化してほしかった、どうにも中途半端な印象の作品。

ホーリーマウンテン03 (2)

ホーリーマウンテン02 (2)


バッド・バイオロジー 狂った♂♀ども

2018年02月12日 07:27

バッドバイオロジー02

【原題名】BAD BIOLOGY
【製作】R・A・ソーバーン
【監督】フランク・ヘネンロッター
【脚本】フランク・ヘネンロッター、R・A・ソーバーン
【撮影】ニック・ディーグ
【音楽】ジョシュ・グレイザー、プリンス・ポール
【出演】チャーリー・ダニエルソン、アンソニー・スニード
2008年/アメリカ映画/85分


【STORY】
女性写真家のジェニファーは異常性欲を満たすため、男と情事を重ねるが、興奮のあまり相手を殺してしまうこともしばしば。しかも異様に新陳代謝が速いため、妊娠・出産を2時間で済ましてしまい、生まれてきた異形の胎児はそのつど処分していた。そんな中、知り合ったバッツという男が異常なほど巨大な性器を持っていることを知り、彼に興味を持ち始める。しかし、バッツの性器はステロイドの打ち過ぎでそれ自身が意志を持ったモンスターとなっていた。バッツ自身も制御できない彼の性器は、自らの意志で女性宅に侵入し襲い始める。

【REVIEW】
ストーリーを書いていて、どう書いてもバカバカしさしか浮かんでこなかった、『バスケットケース』のフランク・へネンロッターの監督作品。物語の陳腐さ、役者の演技下手、監督の演出不足、特撮のチャチサ・・・など出来の悪い、底辺に属する映画は数多いが、本作は扱っている題材が中学生の妄想そのままみたいで、展開していく物語も無茶苦茶。特に、バッツのナニが本体から分離して、それだけで住居の壁や床を突き破って侵入し、女性を次々に襲っていく場面は失笑を通り越して唖然とするところ。しかも、続けざまに何人も同じことを見せ続けるしつこさに、「もう降参です」と言わせんばかり。その他にも、ナニに心臓マッサージしたり、ナニに人工呼吸したり(ナニがCGではなく、ちゃんと造形されているのは嬉しい)、最後には、新型のナニが生まれて終了!!総合的な映画の出来栄えはかなり疑問符が付くが、“異常な性欲と性器”という誰も映画にしてこなかったテーマだけで映画を作っただけでも価値ある映画、こんな映画があってもいいんじゃない!?

バッドバイオロジー03

バッドバイオロジー04




最新記事