ヘルレイザー2

2020年08月06日 11:10

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【原題名】HELLBOUND: HELLRAISER II
【製作】クリストファー・フィッグ
【監督】トニー・ランデル
【脚本】ピーター・アトキンス
【撮影】ロビン・ヴィジョン
【音楽】クリストファー・ヤング
【出演】アシュレイ・ローレンス、クレア・ヒギンズ、ケネス・クラハム
【製作年度】1988年
【製作国】イギリス
【上映時間】99分


【STORY】
魔道士たちを退けたカースティは事件のショックで錯乱状態になり、精神病院に収容されてしまう。そこで事件の真相を話すが、それを聞いた院長のチャナードは事件で押収されていた血まみれのマットレスを入手する。チャナードは長年パズルボックスについて研究を重ねており、患者を使って実験を行い、地獄からジュリアを呼び覚ますことに成功する。さらに自閉症の患者ティファニーにパズルボックスを開けさせたチャナードとジュリアは開いた扉から迷宮へ足を踏み入れる。殺された父親の魂の開放を願うカースティも開いた扉から迷宮へ入っていくが、新たな魔道士に変化したチャナードとジュリアと対峙することになる。

【REVIEW】
前作から主要キャストを引き継いで作られた続編、監督はC・バーカーからトニー・ランデルにバトンタッチ。今回復活するのはジュリアで彼女に仕込まれてチャナード医師が魔道士に変身、新たな脅威となるが、前作の重厚な雰囲気は消え去り、またパズルボックスについて回る苦痛の描写が無いのがちょいと寂しいところ。魔道士たちも前回と同じメンバーで4人登場するが、チャナードにあっさりやられてしまうのがちょっと拍子抜けではあるが、ピンヘッドの過去(生前、普通の人間であった頃が判明)が少し分かったのは良かった。精神病院を舞台に、悪徳院長の残虐ぶりが楽しいが、犠牲者が意外と少なかったのが残念、1作目のゴア描写のインパクトが強烈だったので、それを超えるのはやはり難しかったか。ヒロイン役でA・ローレンスも続投しているが、活躍の場が少々少な目であったのが悔やまれる。悪役ジュリアの生皮剥ぎシーンはお約束で良かったが。

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ヘルレイザー

2020年08月05日 10:31

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【原題名】HELLRAISER
【製作】クリストファー・フィッグ
【監督】クライヴ・バーカー
【脚本】クライヴ・バーカー
【撮影】ロビン・ヴィジョン
【音楽】クリストファー・ヤング
【出演】アシュレイ・ローレンス、クレア・ヒギンズ、アンドリュー・ロビンソン、ショーン・チャップマン、オリヴァー・スミス
【製作年度】1987年
【製作国】イギリス
【上映時間】93分


【STORY】
「究極の快楽」をもたらすという謎のパズルボックスを手に入れたフランクは、箱を開けるが開いた地獄の扉から現れた魔道士たちによって肉体を八つ裂きにされてしまう。やがて、無人となったその家にフランクの弟ラリーと妻のジュリアが引っ越してくる。家具を運んでいる途中、ケガをしたラリーの血が床に落ち、それを浴びたフランクの魂は覚醒し、肉体が復活し始める。かつて愛人関係にあったジュリアはそれに気づくが、フランクの誘惑に負け、彼の肉体を元に戻すため生贄の男たちを家に連れ込み惨殺していく。フランクの凶行は実弟のラリーにまで及ぶが、父親を心配して訪ねてきた娘のカースティに現場を目撃されてしまう。叔父のフランクに襲われたカースティはパズルボックスを奪って逃げだすが、誤ってボックスを開いてしまい、魔道士たちを呼び寄せてしまう。

【REVIEW】
クライヴ・バーカーが自身の小説を自ら映画化したスプラッターホラー。ピンヘッドを筆頭に個性的な外観が特徴の魔道士たち、幻想的な映像美、そして激しいゴア描写とこれまでのスプラッター映画とは一線を画す仕上がりになっている。特に画面に飛び散る血糊の量は結構激しいものがあり、四方八方に肉体がバラバラにされる凄まじい描写に、生皮がない状態の筋肉組織むき出しの肉体や、フランクが犠牲者の生気を次々に吸い取っていく下りなど、なかなかエグイ場面が目白押しで見応え抜群。

このシリーズ、魔道士たちの人気が出て、以後このキャラクターがフューチャーされていくが、この第1作では主人公一家のドロドロした関係がクローズアップされていて、意外と暗いジメジメっとした物語になっている。まず、カースティの実の母親はすでに亡くなっており、父親のラリーはジュリアと再婚して生家に引っ越してくる。しかし、この家の2階でラリーの実兄フランクはパズルボックスを開けて絶命していたが、生前ジュリアとは愛人関係にあった。過去の関係が忘れられないジュリアを利用して肉体の復活を図るフランクはやがてラリーとカースティも殺そうとする・・・。ポイントはやっぱりジュリアで、愛人のために街で男を誘惑しては一軒家に連れ込んで次々に殺していく様は、恐ろしくもあり哀れでもある(特に、最後にフランクに裏切られて絶命するので余計にそう感じます)。救いは、カースティ役のアシュレイ・ローレンスの可愛さか。なかなかの絶叫演技で頑張ってくれているのが嬉しい。

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ビヨンド HDマスター コレクターズ・エディション

2020年07月10日 00:35

『ビヨンド』のブルーレイ版をやっと鑑賞。そろそろ廃盤になるということで、いそいそと買ってあったが、なかなか時間が取れずそのままになっていたやつを本日開封して観ました。『ビヨンド』自体を見るのも久しぶりだったけど、画質は非常に良くなり(当たり前だけれども)、そして音も良くって、叫び声や稲妻の音が左右に響いて凄く心地よかった。ブルーレイ素晴らしい。本編自体は、もう何も言うことはない、フルチの考える地獄絵巻が「これでもか!!」と言わんばかりに展開されていて満足度は非常に高い。グロさで言えば『サンゲリア』や『地獄の門』に劣るところはあるんだけれども、どこかファンタジーのような不思議な感覚はこの『ビヨンド』特有の雰囲気で、バラエティ豊かな人体破壊描写は何となく気品すら感じられるから不思議だ。

そして、このHDマスター パーフェクト・コレクションのウリは、何といっても特典映像の豊富さ。過去パイオニアやエスピーオーから出ていたDVD版もそれなりに特典は付随していたけれども、このBDの方は2枚組(もう1枚の特典ディスクはDVD)で、合計時間が220分にも及ぶボリュームとなっていて全部見るのもなかなか大変なくらい。以前のものと被っているものもあるが、取り合えず30年以上前に作られた作品でこんなに特典が見られるとはそれだけでも嬉しく感じます。唯一残念なのは、DVDではあったサントラが収録されていないことくらいでしょうかね。取り合えず、その内容は下記に載せておきます。最近、老眼が進んであまりに収録内容が多いとジャケットの文字が小さすぎて読みにくくなっているのが辛いところ・・・。


【DISC 1】
●サラ・ケラー(シンツィア・モンレアーレ)インタビュー
●カトリオーナ・マッコールQ&Aセッション
●サラ・ケラー(シンツィア・モンレアーレ)イントロ・コメント
●ダレン・ウォード監督インタビュー

【DISC 2】
●テリー・リヴェイン インタビュー
●ジャンネット・デ・ロッシ インタビュー
●フルチ・フラッシュバック(ダリオ・アルジェントらによるフルチ監督ドキュメンタリー)
●フルカラー版オープニング
●カトリオーナ・マッコールのイントロ・コメント
●Voices From The Beyond(ルチオ・フルチの思い出~関係者インタビュー)
 セルジオ・サンヴァルティ、フランコ・ブルーニ、ジョルジオ・マリウッツォ、マウリツィオ・トラーニ、ヴェロニカ・ラザール、カトリオーナ・マッコール、ダルダーノ・サケッティ、ファブリッツィオ・デ・アンジェリス、ジャンネット・デ・ロッシ、ファビオ・フリッツィ、シンツィア・モンレアーレ
●Images From The Beyond(ギャラリー&監督・主演インタビュー)
 ポスター&スチール集、スナップ写真集、カトリオーナ・マッコール&デヴィッド・ウォーベックのインタビュー、デヴィッド・ウォーベックのコメント、ルチオ・フルチのインタビュー、ルチオ・フルチ&デヴィッド・ウォーベックのインタビュー
●ジム・ヴァン・ベッバーによるミュージックビデオ
●オリジナル劇場予告編

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左から、パイオニア版DVD、是空版BD、エスピーオー版DVD


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裏面



ヘレディタリー/継承

2020年04月04日 22:49

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【原題名】HEREDITARY
【製作】ケヴィン・フレイクス、ラース・クヌードセン、バディ・パトリック
【監督】アリ・アスター
【脚本】アリ・アスター
【編集】ジェニファー・レイム、ルシアン・ジョンストン
【音楽】コリン・ステットソン
【出演】トニ・コレット、アレックス・ウォルフ、アン・ダウド、ミリー・シャピロ
2018年/アメリカ映画/127分


【STORY】
グラハム家の祖母エレンが亡くなり、娘のアニーは家族とともにその葬儀を終える。その後から、祖母に溺愛されていた娘のチャーリーの様子がおかしくなってくる。ある晩、高校生の息子ピーターが学校のパーティーに行くことになり、チャーリーも連れていくように頼むが、その帰り不慮の事故でチャーリーは死亡する。これを機会に、家族間の亀裂はどうしようもなくなり、アニーは精神的に不安定になっていく。悲しみに暮れるアニーは、ふとしたことで知り合ったジョーンという女性から、亡くなった家族を交霊術で呼び寄せることを教えられる。半信半疑のまま、家族を集めて自宅で試してみると、何かが存在するのを感じ、娘のチャーリーが戻ってきたものだとアニーは喜ぶ。しかし、交霊会で呼び出されていたのは、娘の霊ではなく邪悪な何かだった。

【REVIEW】
前評判が非常に高かったのでほとんど予備知識を入れずに鑑賞、近年では最高の出来のホラーと言われていたが個人的には微妙な感じだった。まず、良かった点。ジャンルはホラーなんだけれども、この映画の特徴は主人公一家のドラマを丁寧に描いていたファミリー映画であったこと。祖母から受け継がれていた“何か”が終盤明らかになっていくのだけれども、その何かによって狂わされていくグラハム一家の悲劇がじっくりと描かれているのが素晴らしい。そして、逃れられない祖母の呪縛によって狂っていくアニーを演じたトニ・コレットの鬼気迫る演技。『シックス・センス』の母親役であったのは後で知ったが、とにかく彼女無しでは成り立たなかったであろう本作であるが、娘チャーリー役のミリー・シャピロも独特の雰囲気を持った子役で、表情を変えずに鳥の死体の首を斬るあたりに凄みを感じた(途中で衝撃的な死に方をするのが個人的には一番怖かった)。

逆にもう一つと感じたのは、淡々と進んでいた前半から、スピードアップして謎が明かされていく後半で、祖母がカルト教団に属していて悪魔を召喚しようとしているのが分かるのだが、何となく予感はしていたが、やっぱり感が否めないのが少し興ざめ。特に、悪魔崇拝というオカルトの定番ネタは、どんなに上手に説明してくれても、宗教的な違いからか日本人の自分には恐怖感が薄くなってしまいがちで、それほど怖いと感じないのだ(逆に、日本のしっとりとした心霊物のほうが怖いと感じたりする)。また、取りつかれたアニーが狂暴になり、ものすごい速さで襲ってきたり、空中に浮遊してしまうあたりは、やりすぎなんでは?!と思ってしまったり。ちょっと違和感な気がしました。でも、監督のアスターはこの作品が長編デビューらしく、それを考慮すればとてもよく作りこまれていて、非凡なものを感じます。つい最近には異文化スリラーという独特の触れ込みの『ミッドサマー』も「公開されていて、こちらも気になるところ。

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ハウリングⅡ

2020年03月25日 18:58

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【原題名】HOWLING II: YOUR SISTER IS A WEREWOLF
【製作】スティーヴン・A・レイン
【監督】フィリップ・モーラ
【脚本】ロバート・サルノ、 ゲイリー・ブランドナー
【撮影】ジェフリー・スティーヴンソン
【音楽】スティーヴン・パーソンズ
【出演】クリストファー・リー、アニー・マッケンロー、シビル・ダニング、 レブ・ブラウン、マーシャ・A・ハント
1985年/イギリス映画/90分


【STORY】
人気テレビキャスターであったカレンの葬儀に参列していた弟のベンと同僚のジェニーは、そこで会った人狼ハンターのステファンから、カレンは狼人間であったことを聞かされ驚愕する。さらに狼人間の首領スティルバが復活することを知った二人は、ステファンと一緒に復活を阻止すべく、チェコスロバキアの古城へ向かう。

【REVIEW】
ジョー・ダンテが監督した前作『ハウリング』は、現代に潜む狼人間たちの様子を、ロブ・ボッティンの凄まじい特殊メイクで描いたモダン狼男映画としてホラー映画にその名を刻む名作であった。ヒット作が出れば続編が企画されるのは当然だが、1作目の評判が高ければ高いほどハードルもおのずと高くなるわけで、この『ハウリングⅡ』もファンの期待は高かったが、その出来は・・・。

とりあえず、場所を現代からあえてヨーロッパの古城に移してイメージを古風にしたが新味は薄く、唯一クリストファー・リーがその雰囲気と合っていたが、それじゃあ昔の狼男映画に戻っただけでは・・・!?さらに、ボッティンの創造した超絶変身場面と比べるのは酷だが、本作のこの貧相な変身シーンは余りにもお粗末なのでは??予算は、ほとんどリーのギャラに使ってしまったのか、見るも無残なこの変身シーンの数々に正直『ハウリング』シリーズを名乗ってほしくなかったとまで思ってしまい、DVDの裏面からして「特殊メイクなども低レベルで、映画の出来も遠く及ばないB級映画として知られている」と堂々と敗北宣言をしてしまう始末で、なんだか見る気がどんどん失せてしまう、褒めるところがみつからない駄作の典型じゃあないですか!!と叫びたくなる気が。結局、本作のウリは、中世狼男映画に戻った設定の中に、何故かボンテージ衣装に身を包んだエロいシビル・ダニングが脱ぎまくって作った見せ場だけで、そのほかはほとんど記憶に残らない寂しい映画であったのでした・・・。それにしても、エンディングのおっぱいポロリの無限リピートは何だったんだろうか?

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