アイランド・オブ・ザ・デッド

2018年04月05日 16:44

アイランド02

【原題名】ISLAND OF THE LIVING DEAD
【製作】ルイジ・パオルッチ
【監督】ヴィンセント・ドーン
【脚本】アントニオ・テントリー
【撮影】ルイジ・チッカレーゼ
【出演】イヴェット・イゾン、アルヴィン・アンソン、ジム・ゲインズ
2006年/イタリア映画/93分


【STORY】
トレジャーハンターを乗せた船が濃霧に巻き込まれて座礁、航行不能となり、やむを得ず近くの島に上陸する。海図にも載っていない謎のその島を探索すると、16世紀ごろのスペイン人の墓らしきものを発見する。そこに現れた血まみれの男に船員が襲われ、一行は島の砦へ逃げ込む。そこに残されていた書物から財宝が隠されていることを知った彼らは見つけ出そうとするが、集まってきた大量のゾンビと戦うことになってしまう。

【REVIEW】
あのヴィンセント・ドーン監督のゾンビ映画だけに、その出来たるやある程度は想像できるが、結果はやはり期待を裏切らない出来映え。『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』でも、臆面もなく他の映画からいろんな場面を持ってきてくっつけたパッチワークの様なゾンビ映画だったが、本作でもその指向は全くブレておらず、オリジナリティの無さは変わっていない。『サンゲリア』と『ゴーストシップ』が合体したようなストーリーに大量の汚らしいゾンビを登場させて主人公らに襲い掛かからせる。沖に停泊していた船に突如ゾンビ軍団がなだれ込んでくるのも微妙だが(泳いできたのか!?)、16世紀ころの死人なのにあんまし肉体が腐っていないのも説得力に欠ける(その点、『サンゲリア』のゾンビの造形は素晴らしすぎます)。ゾンビ軍団に追われているのに休憩したり、ワインを飲んでくつろいだりと緊張感も皆無、至近距離でゾンビに囲まれてもなかなか襲ってこないのは、ヴィンセント・ドーンの十八番。でも、たまに喰われちゃったりもして、その差が良く分からんかったりします。

後半には、ゾンビ以外にもスペイン人の亡霊のようなものや、フラメンコを踊るゾンビなんかも出てきて、さらに良く分からん展開に。極めつけは、扉から出てきたゾンビに髪の毛を引っ張られたヒロインが、砕けた木片の先に目ん玉が串刺しになりそうな展開に「モロ『サンゲリア』のパクリかい!!」と突っ込みかけると、あっさり助かってしまうという脱力演出。もうどうでもいいです、と諦めているとヒロインだけが助かっていかだで脱出、無事救出されます。そして、その後は『ゾンビ2009』に引き継がれていくという、まさかの続編的展開に。しかも、これがドーン監督の遺作。ほぼ『エイリアン2』の焼き直しの様なゾンビ映画が生涯最後の作品というのも、彼の映画作りをよく表しているのではないだろうか。

アイランド03



アイランド01
ゾンビ映画というジャンルには酷い出来栄えのものも数多く存在するが、本作もその最底辺に位置する1本。ゾンビ映画ファンなら見ておくべきだろうが、それ以外のまっとうな映画ファンには全くおススメできない作品でしょう。


悪魔のしたたり/ブラッドサッキング・フリークス

2018年02月05日 12:46

悪魔のしたたり02

【原題名】BLOODSUCKING FREAKS
【製作】アラン・G・マーゴリン、ジョエル・M・リード
【監督】ジョエル・M・リード
【脚本】ジョエル・M・リード
【撮影】ゲーリー・トール
【出演】シーマス・オブライエン、リネット・シェルドン、ニルズ・マクマスター
1974年/アメリカ映画/89分


【STORY】
見世物小屋で行われている拷問ショー。オーナーのサルドゥは誘拐してきた女性たちを飼い馴らして、舞台で拷問の上死に至らしめる本物の殺人ショーをウリにしていた。ある日、インチキだ!と難癖を付けてくる客の男が居たので、サルドゥは監禁し拷問する。さらに、バレリーナを誘拐し調教した挙句、SMバレエの舞台に立たせるのだった。助手の小男とともにやりたい放題を続けるサルドゥだったが、悪徳刑事が近づいてきたことによって、彼の栄華は崩壊へと向かっていく。

【REVIEW】
裸の女性が延々と拷問され殺されていくカルト中のカルト血みどろ残酷映画。ショーで殺人を実演してしまうといえば、ルイスの『血の魔術師』が思い浮かぶが、本作はストーリーは二の次で、ひたすら女性を凌辱して苦しめる、エロ・グロにサディスティックさをごちゃ混ぜにミックスしたあくまで見世物に徹した低俗映画の極みといった感じ。主人公のオーナーと小男のコンビが、終始笑顔を絶やさず、もう人権なんか糞喰らえ!と言わんばかりの拷問を続けていく様をひたすら見せられ、多分シナリオはあってないようなもので、出てくる役者の演技もグダグダなため、見ているこちら側もある種の拷問を受けているような気になってくる(映画を見て楽しむというスタンスではなく、不快なものを見せられる我慢大会のよう)。

頭に付けられた鉄の輪を締め付けられたり、首チョンパ、指チョンパ、足首チョンパはお手の物、磔台で四肢を引き裂かれたり、くりぬいた目ん玉をそのまま食べてしまったり。極めつけは、頭部を電動ドリルで穴をあけ、長~いストローで脳みそを吸いまくる変態医者・・・!監禁され調教された女たちは精神も崩壊して、放りこまれた男性の内臓を抉り出して被り付く。女性蔑視の描写も数多いため、不快さは格別だが、低予算で特殊メイクがチープでいかにも作り物に見え、役者の演技下手のおかげで拷問されていてもあまり痛そうに見えないところが救いかもしれない。この手の好事家にとってはマスター・ピースでしょうが、間違いなく一般受けすることのない恐るべき作品。

悪魔のしたたり01

悪魔のしたたり03

悪魔のしたたり04




最近知りましたが、昔JVDからリリースされていたものは廃盤となって、『ハロウィン・ナイト 悪魔のしたたり』と改称されて再発されていたんですな。
ハロウィン・ナイト 悪魔のしたたり [DVD]
DARK RABBIT (2008-10-25)
売り上げランキング: 106,914







悪魔の性キャサリン

2018年01月17日 18:16

悪魔の性キャサリン01

【原題名】TO THE DEVIL...A DAUGHTER
【製作】ロイ・スケッグス
【監督】ピーター・サイクス
【脚本】クリストファー・ウィッキング、ジョン・ピーコック
【撮影】デヴィッド・ワトキン
【音楽】ポール・グラス
【出演】リチャード・ウィドマーク、クリストファー・リー、ナスターシャ・キンスキー
1976年/イギリス・西ドイツ映画/88分


【STORY】
悪魔崇拝者であったため教会から破門されたマイケル神父は、邪教集団を率いて密かに邪神アスタロトを信仰し続けていた。彼は買い取った赤子を教会で育て、邪教の教えを施していく。やがて美しく成長したキャサリンは18歳の誕生日を迎え、父親に会いに行くが、マイケル神父は邪神復活の儀式の生贄にキャサリンを使おうと動き始める。父親は娘を売り渡したことを激しく後悔、邪教集団から逃れようと、オカルトに詳しい作家のヴァー二ーに助けを求める。

【REVIEW】
邪神復活をもくろむ狂信的な神父と、生贄に選ばれた美少女を守ろうとするオカルト作家との闘いを描いたホラー。リチャード・ウィドマーク、クリストファー・リー、そして若き日のナスターシャ・キンスキーと、俳優陣が豪華ながらも、あまりこれといった見せ場に欠け地味な印象の残念な作品。特に、導入部の30分あたりまで、何がどうなっているのからず、リモコンの早送りボタンと格闘しなければいけない。クリストファー・リーの厳つい顔面の演技、血まみれ赤ちゃんの悪夢のような出で立ちなど、少し見どころもあるが、今となってはナタキンのヌードシーンばかりが取り上げられてしまうのもしょうがないかも。撮影当時15歳くらいだったというナタキンの美しさはやはり格別で、本当に彼女を見るためだけの映画といっても過言はないでしょうなあ・・・。

悪魔の性キャサリン03

悪魔の性キャサリン02



狼の血族

2018年01月16日 17:45

狼の血族01

【原題名】THE COMPANY OF WOLVES
【製作】クリス・ブラウン 、スティーヴン・ウーリー
【監督】ニール・ジョーダン
【脚本】ニール・ジョーダン
【撮影】ブライアン・ロフタス
【音楽】ジョージ・フェントン
【出演】アンジェラ・ランズベリー、サラ・パターソン、スティーヴン・レイ、デヴィッド・ワーナー、グレアム・クラウデン、テレンス・スタンプ
1984年/イギリス映画/95分


【STORY】
屋根裏部屋に一人閉じこもって眠り続けるロザリーンは夢を見ていた。夢の中では彼女は中世の村娘で、預けられた祖母からいろいろな話を聞かされる。“行商人の夫が行方不明になり、数年後戻ってきたときには狼男になっていた” “領主の息子に捨てられた村娘がその息子の結婚式に現れ、参列者の貴族たちに呪いをかけると、狼に変身した” “眉毛のつながった男は狼だ”

ある日、母親から手土産の酒を持って祖母の家に向かっていたロザリーンは森の中で猟師と出会う。猟師はロザリーンに賭けを持ちかける。自分が先に祖母の家に着いたら彼女のキスを頂くと。猟師はロザリーンよりも先に到着すると、祖母の首を跳ね飛ばし、その体を食べてしまうのだった。

【REVIEW】
『狼の血族』が公開された当時は(1985年ごろ―)、まだまだホラー映画が熱かった頃で、特殊メイク技術を競ったような映画も話題を集めていた。狼男モノも往年のクラシックなものとは一線を画したリアルな変身シーンを売り物とした『ハウリング』や『狼男アメリカン』が公開され、これも人気を博し、この『狼の血族』も当時は斬新な変身シーンがフューチャーされたが、本質はおとぎ話をモチーフにした文芸ファンタジー映画といった趣が強い。ストーリーは、主人公のロザリーンの見る夢の中に狼にまつわるエピソードが数珠つなぎになったような感じで、抽象的で何を訴えかけているのかは分かり辛い。むしろ、ここはやはり、良くできた中世の村や森のセットから醸しだれる幻想的な映像美に酔いしれたり、所々で出てくる独特の変身シーンを楽しんだ方がいいと思われます。特に、変身場面では、男の口から狼の口が出てきたり、人間の皮をバリバリ剥いでいくとやがて狼になっていったりと様様なバリエーションを見せてくれ、飽きさせないのが嬉しい。また、ヒロインのロザリーン役の、サラ・パターソンの美少女っぷりも見どころの一つです。

狼の血族02

狼の血族03


オペラ座 血の喝采

2017年10月16日 21:58

【原題名】TERROR AT THE OPERA
      OPERA
【製作】フェルディナンド・カプート、ダリオ・アルジェント
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
【撮影】ロニー・テイラー
【音楽】ブライアン・イーノ、クラウディオ・シモネッティ
【出演】クリスティナ・マルシラック、ウルバノ・バルベリーニ、イアン・チャールソン、ダリア・ニコロディ、アントネッラ・ヴィターレ、ウィリアム・マクナマラ、コラリーナ・カタルディ・タッソーニ、バーバラ・クピスティ
1988年/イタリア映画/95分(完全版:107分)


【STORY】
舞台マクベスの主演女優が交通事故に遭い、急きょ若手のベティが抜擢される。ベティは大役を無事務め上げ、舞台は成功するが、その公演中に照明係が殺される事件が起きる。その後も、衣装係のジュリア、ベティの恋人のステファノも殺され、犯人に狙われていると感じたベティは警察に相談に行く。ベティの身を案じたアラン警部は、彼女の自宅に部下を警備に向かわせるが、犯人はそこにも現れ、ベティのエージェントのミラも殺されてしまう。行き場を失った彼女は途方に暮れ、劇場に辿りつく。ベティから事情を聴いた舞台監督のマークは犯人が公演を見に来ると推測し、ある計画を立てるが―。


【REVIEW】
フェノミナ』のあと、『デモンズ』シリーズをプロデュースしていたアルジェントが次に演出を手掛けたのがこの『オペラ座 血の喝采』。内容的には、超自然的なファクターもオカルト的なテイストもない、純粋なジャーロ映画になっている。勿論、アルジェントの王道路線である、殺しの美学や流麗なカメラワークは健在。主演のクリスティナ・マルシラックへの仕打ちも過去作品に比べてもよりエスカレートしている。なにせ、犯人はわざわざ殺人場面を見せるためにベティを縛り上げ、瞬きせずに目撃できるように、目を閉じると突き刺さるように目の下に針を張り付ける手の込みよう。それを2回もやってのけ、素性がばれた後も、もう1回椅子に縛り付けるしつこさ。この粘着的な演出には、美少女残酷ホラー作家アルジェントの名に恥じないものを感じる次第で流石です。

殺しのバリエーションも、大型ナイフでいろいろな突き刺し方をしていて、血の量もなかなかのもの。唯一例外が、ダリア・ニコロディ演じるミラが殺される場面で、鍵穴から外を覗いていると、そこから拳銃で撃たれて頭部を弾丸が貫通するところ。その頃は仲は冷えてしまっていたというが、かつての恋人をそんなふうに殺す役でキャスティングするアルジェントも普通なのかどうなのか、ちょっと考えてしまう気もしますが。

警察が捜査するものの全く役に立たず、犯人探しのサスペンスは二の次で、関係者が次々に殺されていくのを独特の美的センスでまとめ上げているのは、いつものアルジェント節全開で見応えはあります。『フェノミナ』からの流れでロック音楽を大音量で入れているのもそれほど違和感なく、荘厳なオペラ音楽と交互になっていても馴染んでいるのは不思議な感じだがこれはこれでアリでしょう。ラストでいきなり真昼間のアルプスの風景にジャンプするのにはびっくりしましたが(それまでは、都会の夜のシーンばっかりだったのに)、マークが蠅を使ったカメラ作業をしていたり、ベティがトカゲに話しかけてうっとりしていたりと、前作『フェノミナ』をイメージさせる場面にファンとしてはなんだか嬉しくなったのでした。





最新記事