歓びの毒牙

2012年10月22日 22:34

歓びの毒牙 HDリマスター版 [DVD]歓びの毒牙 HDリマスター版 [DVD]
(2012/07/03)
トニー・ムサンテ、エヴァ・レンツィ 他

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【原題名】THE BIRD WITH THE CRYSTAL PLUMAGE
【製作】サルヴァトーレ・アルジェント
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント
【撮影】ヴィットリオ・ストラーロ
【音楽】エンニオ・モリコーネ
【出演】トニー・ムサンテ、スージー・ケンドール、エンリコ・マリア・サレルノ、エヴァ・レンツィ
1970年/イタリア・西ドイツ映画/96分


【STORY】
ローマに滞在している米国人作家のサムは、夜に帰宅途中、通りがかった画廊で争う2人の姿を目撃する。揉み合う中、腹部をナイフで刺された女性が倒れ、もう1人の黒いコートの人物は逃げ去って行った。女性はこの画廊のオーナーの妻のモニカで、幸いにも一命は取り留めた。事件の目撃者として、警察から足止めをくらったサムは、好奇心から犯人を捜し始める。その頃、ローマでは、若い女性ばかりが襲われる連続殺人事件が起こっていた。そして、手掛かりをつかもうとするサムの周りにも、犯人の魔の手が伸びて来ていた。


【REVIEW】
ダリオ・アルジェントが推理小説「通り魔」をベースに脚本を書き下ろし、そして自らの監督デビュー作ともなった記念すべき作品。次々に襲われる若い女性たち、犯人の黒づくめの衣装、凶器のナイフに対する異常な執着心など、アルジェント独自のこだわりはすでに第1作から垣間見える。そして、主人公が外国からやってきて、たまたま事件に巻き込まれる、犯人は過去にトラウマを負い人知れず苦しんでいて、それが犯行の動機だった、などの設定もお馴染みであり、基本的な骨格はこの後もずっと続いていくわけである。

事件を担当する警察が全く役立たずで、主人公の推理がビシバシ当たって面白いほど核心に迫ってゆくストーリーはご都合主義とも取れなくはないが、この流れるような展開こそアルジェント節なのかもしれない。だから、犯人は誰だ!?という謎解きよりも、スタイリッシュに魅せる殺人絵巻を堪能する映画なんでしょう。エンニオ・モリコーネの奏でる渋いBGMも、さすがの出来栄え。

サムの恋人役のスージー・ケンドールは、同じイタリア製のジャーロの名作『影なき淫獣』でもヒロインを演じてた女優さん。冒頭で襲われるモニカ役のエヴァ・レンツィもキレイな人ですが、ラストの狂気をはらんだ高笑いは最後まで耳に残ります。でも、特典のインタビューで、この作品のこの役を演じた事は役者人生においてマイナスだったと言い放っているのには意外でした。やっぱ、俳優さんて自意識過剰というか、プライド高い人が多いんですかねえ。


歓びの毒牙01

歓びの毒牙02

歓びの毒牙03



遊星からの物体X

2012年09月20日 15:23

遊星からの物体X(復刻版)(初回限定生産) [DVD]遊星からの物体X(復刻版)(初回限定生産) [DVD]
(2012/11/02)
カート・ラッセル、A・ウィルフォード・ブリムリー 他

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【原題名】THE THING
【製作】デビッド・フォスター、ローレンス・ターマン
【監督】ジョン・カーペンター
【脚本】ビル・ランカスター
【撮影】ディーン・カンディ
【音楽】エンニオ・モリコーネ
【特殊メイク】ロブ・ボッティン
【出演】カート・ラッセル、A・ウィルフォード・ブリムリー、T・K・カーター、デビッド・クレノン、キース・デビッド、リチャード・ダイサート、チャールズ・ハラハン、ピーター・マロニー、リチャード・メイサー、ドナルド・モファット、ジョエル・ポリス、トーマス・ウェイツ
1982年/アメリカ映画/109分


【STORY】
南極、アメリカの観測基地に一匹の犬を追ってノルウェーのヘリコプターがやってくる。ノルウェーヘリの乗組員は犬を殺そうと銃を乱射して、射殺される。異様な事態にパイロットのマクレディたちはノルウェー基地へ向かう。基地内外は無残に破壊され、隊員たちは全滅していた。マクレディらは、資料と、変わり果てた死体を基地へ持ち帰る。

それらを調べて分かって来たのは、10万年前に宇宙から飛来したUFOが南極大陸に着陸して埋まっていたものを、ノルウェー隊が発掘したこと。そして、そこには生物らしきものが眠っていて、それを起こしたことにより、ノルウェー基地は全滅したこと。その頃、持ち帰った死体から溶けた血液が隊員に襲いかかる。

【REVIEW】
1951年の『遊星よりの物体X』を原作の「影が行く」により忠実にリメイクしたのが82年の本作。『遊星よりの~』は人型エイリアンがやってきたが、ジョン・カーペンターの『遊星からの~』の方はエイリアンが特定の姿を持たないことにより、誰に乗り移っているのか分からないサスペンスを生むのに一役買っている。さらに、今年になって、ノルウェー基地でのエイリアンとの遭遇を描いた前日譚『遊星からの物体X~ファースト・コンタクト』も公開された。

個人的にはSFホラーで1,2を争う傑作だと言い切りたい!(もう1本は、やっぱり『エイリアン』かな・・・)演出のカーペンター、主演のカート・ラッセル、音楽のエンニオ・モリコーネ、特殊メイクのロブ・ボッティン。非凡なる彼らの才能が結集して作られた本作は、初めて見たときは本当にもう衝撃で、そして30年たった今見ても全く色褪せない素晴らしい作品だと思います。

南極という閉ざされた空間で男ばかりの隊員らに襲いかかる物体X。とにかくこの造形が見事の一言。相手の体内に入り込み、同化していくわけですが、正体を見破られるとその姿を露呈。冒頭の犬は顔が四方に裂けクモのような長い脚が生えて他の犬に襲いかかり、人間の胴体から現われたヤツは天井の梁にしがみつき、その異様に長い首と表情が一度見たら忘れられない不気味な姿をしてました。さらに、首だけ千切れてニョキニョキと足が生えて歩き出すわ、頭がバカっと割れて噛みつくわ、あり得ない人体変形のオンパレード。これらを創造したボッティンは当時20歳くらいだったというから天才というしかないんでしょうね。

公開当時はSFX過剰で映画としての出来はイマイチと、評判は芳しくなかったようですが、それだけ素晴らしい出来栄えであったということ。それはCGによるVFXが主流の現在でも、全く見劣りしない、というか手作り感が生み出す迫力は昔の方が上じゃあないでしょうか。それ位エイリアンの造形は見事。最後に対決するブレアモンスターが意外なほど、あっさりダイナマイト一発でやられちゃうのは、もったいない気もしましたが。

ラスト、燃え上がる南極基地を見ながら男2人が凍えてゆくのを待つシーン。残った2人は人間だったのか、それともエイリアンに同化されていたのか、最後まで分からないまま終わっていきます。どちらにしても、主人公たちを待つのは死でしかない、救いようのない終わり方がいつまでも印象に残ります。バックに流れるエンニオ・モリコーネのスコアもマッチしていて最高!

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