2011年01月28日 17:07

【原題名】THE HOUSE BY THE CEMETERY
【製作】ファブリッツィオ・デ・アンジェリス
【監督】ルチオ・フルチ
【原案】エリサ・リヴィア・ブリガンティ
【脚本】ルチオ・フルチ、ダルダノ・サケッティ、ジョルジョ・マリウッティ
【撮影】セルジオ・サルヴァティ
【音楽】ワルテール・リッツァート
【特殊メイク】ジャネット・デ・ロッシ
【出演】カトリオーナ・マッコール、パオロ・マルコ、アニア・ピエローニ、ジョヴァンニ・フレッツァ、シルヴィア・コラティーナ、ダグマール・ラッサンデール、ジョヴァンニ・デ・ナヴァ、ダニエラ・ドリア
1981年/イタリア映画/87分
【STORY】
自殺した前任者の研究を引き継ぎ、周囲を荒れ果てた墓地に囲まれた一軒家に越してきた学者のノーマン。しかし、直後から起こる不可解な出来事と相次ぐ失踪者。妻のルーシーは邸内の異様な雰囲気に怯え、息子のボブは謎の少女から警告を受ける。固く閉ざされた地下室に蠢く物は一体何なのか―。
やがて、ノーマンは前任者の肉声が入ったテープを発見する。そこに残されていた驚愕の事実。その屋敷は19世紀に人体実験を繰り返した悪名高きフロイトシュタイン博士の家で、博士は腐っていく肉体を殺した人間のパーツで補って生き続けていたのだった。ノーマンは急いで自宅へ向かうが、すでにボブは博士に連れ去られた後だった。ボブを追って、ノーマン夫婦は地下室の奥へ向かうが、そこは死体の山に埋もれた地獄だった―。
【REVIEW】
さて、やっと『墓地裏の家』です。キャンペーンのCD目当てにまとめ買いした3本のうち、『地獄の門』『ビヨンド』はかなり前から見終わっていたんですが、ようやく最後に辿り着きました。あらためて見直してみると、派手さはないものの落ち着いた感じのお化け屋敷モノみたいで、フルチ監督の別の一面が垣間見える1作でした。
一応博士がゾンビなんで、ジャンル的にはゾンビですが、ゾンビは彼一人しか出てきませんし、姿を現すのも終盤です。途中までは一軒家に何かが潜んでいて、来訪者に襲いかかるゴーストハウスチックな趣きで進みます。淋しい墓地に囲まれた風景と、不気味な屋敷。迎えた演出もあって、おどろおどろしさも感じさせる、なかなか味のある作品に仕上がっていると思います。
とはいえ、お得意の残酷描写も勿論用意されています。脳天から突き刺さったナイフが口元まで貫通し、ざっくり喉を切られて生首がゴロリ。はらわたや脳味噌が剥き出しの死体もデーンと披露するあたり、やっぱりフルチです。そして、自身が腐りまくっているフロイトシュタイン博士の造形もインパクト大。目なのか鼻なのか口なのか、腐っちゃって何が何だか良く分からんお顔ですが、気持ち悪さはなかなかです。お腹をざっくり刺されるとウジ虫が大量に湧き出てきたりと、悪趣味ぶりも健在。
『サンゲリア』から続いたイケイケのゾンビ路線も、本作でトーンダウン、以後のフルチはゾンビ以外のホラーにも挑戦しますが、下降の一途を辿ることになります。特典映像にも収録されていますが、病気による体調の悪化、撮りたい映画が思うように作れないもどかしさなど、晩年は辛い日々だったようですが、彼の残した作品はフロイトシュタイン博士のように、ファンの心に生き続けています。もう30年以上前の作品ですが、こうしてまたDVDが発売され、観ることが出来るのは嬉しい限りです。
再発売版。インタビュー、予告編、TVスポット、フォトギャラリー、削除シーンなど特典映像も充実。デジタルリマスター化も嬉しいが、音声がモノラルのままなのは残念です。
関連作品
『サンゲリア』
『地獄の門』
『ビヨンド』
『ザ・リッパー』
『マーダ―ロック』
『サンゲリア2』
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