Goblin Works

2011年04月29日 06:53

アルジェント映画には欠かせないゴブリンの音楽。
どのスコアも秀逸ですが、個人的にはクラウディオ・シモネッティ名義で発表された『フェノミナ』が最高です。


『サスぺリア』


『ゾンビ』


『サスぺリアPART2』


『シャドー』


『フェノミナ』




ホラーマニアックス・シリーズの特典CDの内容ですが

2011年04月28日 21:51



第2期プレゼントCD収録内容決定!

ホラー・マニアックス第2期のプレゼント・キャンペーン商品、イタリアン・ホラー・オリジナルサウンドトラックCDの収録内容が確定しました。

「ザ・リッパー」 8曲 音楽:フランチェスコ・デ・マージ
「墓地裏の家」 6曲 音楽:ワルテール・リッツァート
「悪魔の墓場」 5曲 音楽:ジュリアーノ・ソルジーニ
「影なき淫獣」 7曲 音楽:グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス

以上全26曲が、1枚のディスクに収録しています。
サントラCDが発売されていない作品もあり、貴重な内容で、勿論、非売品です。

CDの完成、発送開始は5月中旬を予定しています。
応募者全員プレゼントですので、どうぞ奮ってご応募下さい!

ホラーマニアックス・シリーズHPより



第2期シリーズの特典CDの収録曲が公開されてました☆
ウーン、今回のラインナップは・・・。

『影なき淫獣』は欲しいんですが、あとは悩むところです。



『スリープレス』テーマ曲&予告編

2011年04月28日 06:29

やっぱり、ゴブリンです。いいです。



こっちは、予告編。

スリープレス

2011年04月20日 08:28

スリープレス01
【原題名】SLEEPLESS
【製作】クラウディオ・アルジェント
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
【撮影】ロニー・テイラー
【音楽】ゴブリン
【特殊効果】セルジオ・スティヴァレッティ
【出演】マックス・フォン・シドー、ステファノ・ディオニジ、キアラ・カセッリ
2001年/イタリア映画/117分


【STORY】
17年前のイタリア・トリノで起こった連続殺人事件。その犠牲者の1人である若い母親は金属製の縦笛でメッタ突きにされて息絶えていた。現場に駆け付けたモレッティ警部は、犯行の一部始終を目撃していた犠牲者の息子のジャコモに犯人の逮捕を約束する。

現在―。娼婦のアンジェラは変質的な客に恐怖を感じて、客の家から逃げだす。その帰路、夜行列車の中で彼女は誤って客の家にあったファイルを持ち出していたことに気づく。ファイルには17年前の連続殺人事件に関する資料が入っていた。その秘密を知ったアンジェラは友人に駅まで迎えに来てくれるよう電話するが、何者かに殺され、駅に着いた友人も車の中で惨殺される。

列車の車掌の証言から、警察は17年前の連続殺人との関連があるのでかないかと考える。しかし、当時事件の容疑者は死体で発見されていて、解決済みとなっているはずだった。そんな中、同様の手口で女性が惨殺されていく。犯人は模倣犯なのか、それとも17年前の事件の真犯人が引き起こしているのか。一度は警察を引退していたモレッティは、当時の記憶を呼び起こしながら事件の真相に迫ろうとする。そして、17年前と現在の事件との決定的な違いに気づいた時、犯人の魔の手はモレッティ自身にも迫っているのだった。

【REVIEW】
『サスぺリアPART2』や『シャドー』などの初期サスペンス・スリラー路線に久々に回帰したのが本作。『サスぺリア』、『インフェルノ』などの魔女ものに代表される超自然的なホラーとは異なり、犯人探しのミステリーにしっかりと貼られた伏線、多様な登場人物、プラスお得意のエグイ殺しの場面がインサートされた本格ジャーロ映画に仕上がっています。そして、何より嬉しいのは音楽を担当したゴブリンの復活!長らく解散状態にあった彼らが、本作のために再結成し、恐怖のメロディーを提供してくれています。

『ダリオ・アルジェント 恐怖の幾何学』で矢澤利弘氏が述べているように、『スリープレス』のオープニングシーンにおけるスピード感、スリリング感はなかなか見応えがあります。ゴブリン・サウンドと相まって、名作『サスぺリア』を彷彿させる出来栄えに仕上がっていると思います。逆に、その後の殺しのシーンが印象が薄く~残酷度はけっこうあるのですが、それほど印象に残らない~、平坦な感じがしたのは残念。ストーリーは驚くほど真面目な推理物で、アルジェントらしからぬ丁寧な作り。また、主役のモレッティを名優マックス・フォン・シドーが貫録で演じ、物語に深い味わいを与えています。

ラスト、大人になったジャコモが意外な真犯人を突き止めるのですが、身近な人間が人知れず狂っていて殺人を繰り返していたというのはアルジェントお得意のパターンで、ニンマリ。そこに警察が駆けつけて犯人を射殺して終わるのですが、建物の外から窓越しに頭部を撃ちぬいてジ・エンドと少々荒っぽい展開。頭部から肉片が飛び散ってスプラッターなシーンですが、いきなり撃ち殺したらいかんのちゃう!?と少し突っ込んでみたりして。ちなみに、連続殺人に引用される童謡はアルジェントの愛娘アーシアの作だそうです。



チャイナ・シンドローム

2011年04月10日 02:18

チャイナ・シンドローム01
【原題名】THE CHINA SYNDROME
【製作】マイケル・ダグラス
【監督】ジェームス・ブリッジス
【脚本】マイク・グレイ、T・Sクック、ジェームス・ブリッジス
【撮影】ジェームズ・グレーブ
【音楽】スティーブン・ビショップ
【出演】ジェーン・フォンダ、ジャック・レモン、マイケル・ダグラス、スコット・ブラディ
1979年/アメリカ映画/122分


【STORY】
テレビ局の人気キャスターのキンバリーは原子力発電所へドキュメンタリー番組の取材に訪れる。丁度、コントロールルームを見学中、不気味な揺れが襲う。何かのトラブルが発生したのか、慌てて事態の収拾に当たる作業員の様子を、カメラマンのリチャードは密かに撮影していた。持ち帰ったフィルムを特ダネとして放送の準備をするキンバリーたちだが、テレビ局側は何かの圧力がかかったのか放送を取りやめフィルムを封印してしまう。

納得のいかないリチャードは無断でフィルムを持ち出し原子力の専門家にそれを見せる。フィルムから分かったのは、現場では何か重大な事故が起きていた可能性が高いということだった。しかし、発電所側からは事故に関する発表は何も行われず、早期に原発の運転を再開しようとしていた。コントロールルームにいたベテラン技師のジャックは、事故の原因に疑問を抱き、独自に調査を始める。そして、安全に関する資料を調べる中で、ずさんな設計ミスを発見するが、時を同じくして何者かに命を狙われ始める。

【REVIEW】
この映画が公開されたわずか12日後の1979年3月28日、スリーマイル島の原発事故が発生、実際の事故を予言したかのようなこの社会派サスペンス映画は、今見ても古さを感じさせない内容です。3.11の大震災に起因する福島原発の事故報道を見ていて、この映画をもう一度観てみたくなりました。中学生の頃、初めてこの映画のタイトルを聞いて“不思議な題名やな”と思いましたが、意味は、「アメリカの原発でメルトダウンが起こったら、地球の裏側の中国まで溶けて行ってしまう」ということで、china syndromeらしいです。

安全に関しては万全の体勢が取られていたはずの原子力発電所。ジェーン・フォンダ演じる女性キャスターが偶然目撃したのは、あってはならない事故だった。その原因は、ずさんな設計と手抜き検査などの人為的ミス。さらに利己主義に走る電力会社は事故をもみ消しに走り、挙句の果てには、事実を公表しようとする者を抹殺してでも隠蔽しようとする。構図としては、真実を伝えようとする主人公側と、それを隠そうとする電力会社という形が成り立つが、あってはならないミスが重なって、重大な事故が起きるというパターンは30年以上たった現在でも変わらない。たとえ、想定外の未曾有の災害が原因であっても、“想定外”の一言で片づけてしまうには、あまりにもお粗末だ。そういう意味では、今だからこそ見る価値のある1本だと思います。

個人的にはJ・フォンダは『バーバレラ』のイメージが強くてセクシーな女優さんという感じなんですが(偏り過ぎ!)、本作ではジャーナリスト魂に燃えるレポーター役を熱演、事実を公表しようとする技師役のジャック・レモンの迫真の演技もこれまた素晴らしいです。テレビ局の同僚役では『バタリアン』の真面目なフランク役を好演したジェームズ・カレン、さらにはジャックの同僚役では『遊星からの物体X』のブレアを演じたウィルフォード・ブリムリーなんかの姿も見られます。




デイ・アフター・トゥモロー

2011年04月09日 11:08

デイ・アフター・トゥモロー01
【原題名】THE DAY AFTER TOMORROW
【製作】ローランド・エメリッヒ、マーク・ゴードン
【監督】ローランド・エメリッヒ
【脚本】ローランド・エメリッヒ、ジェリー・ナクマノフ
【出演】デニス・クエイド、ジェイク・ギレンホール、イアン・ホルム、エミー・ロッサム、サラ・ウォード、タムリン・トミタ
2004年/アメリカ映画/124分


【STORY】
気象学者のジャックは、南極で氷棚の調査中に地球温暖化の影響で、氷河が溶け始めているのに気付く。このままでは温暖化が原因で海流が変化し、近い将来氷河期が訪れる可能性があると予想し政府に警告するが、副大統領には相手にされず取り合ってもらえない。しかし、その頃世界で異変が起き始める。

東京では巨大な雹が降り注ぎ、ヨーロッパでは大雪で極寒に。そして、ロサンゼルスでは竜巻が大量に発生、市街地は壊滅的な被害を受け、ニューヨークは大洪水に襲われ水没する。現状のデータを再計算し、ジャックたちがはじき出した答えは、実際に驚くべき速さで進行する北半球の氷河期化だった。


【REVIEW】
気象の異常により現代に氷河期が訪れる様をVFXを駆使して描くディザスター超大作。監督が『インディペンデンス・デイ』『Godzilla』のローランド・エメリッヒなんで、とりあえず派手で豪華で大味な期待を裏切りません。最大の見所である自然が猛威を振って災害を巻き起こす場面は迫力もあり、「映像の技術も進歩したなあ~」と感心させられます。しかし、裏を返せばそれだけの映画でもあるということ。パニック映画には必要な群像劇も無く、主人公のジャックがニューヨークに取り残された息子のサムを救出しに行く話が後半のメインになっています。水没したニューヨークは絶対零度化で氷に閉ざされ、サムは生き残った人々と図書館に逃げ込み、ジャックが助けに来るのをじっと待ちます。数々の苦難を乗り越え、ラスト父子は感動の再会―。しかし、ただそれだけ。周囲の人間の様子はすっぽり抜け落ち、ご都合主義的な展開は自然の怖さよりも、冒険エンタテイメント的な方向を目指した印象しか残りません。逆に言えば、良く出来た娯楽映画とも言えるかも。



ヘル・オブ・ザ・リビングデッド

2011年04月02日 00:23

ヘル・オブ・ザ・リビングデッド01
【原題名】HELL OF THE LIVINGDEAD
【製作総指揮】セルジオ・コルトーナ
【監督】ヴィンセント・ドーン
【脚本】クラウディォ・フラガッソ、J・M・カルニス
【撮影】ジョン・カブレラ
【音楽】ゴブリン
【出演】ロバート・オニール、マルグリット・イヴリン・ニュートン、フランク・ガーフィールド、セラン・カレイ
1981年/イタリア・スペイン合作/96分


【STORY】
ニューギニアの奥地にあるホープセンター。ジャングルにそびえ立つこの化学薬品工場で事故が発生。漏れ出した有毒ガスは作業員をゾンビ化させ、他の作業員に襲いかかり生肉を喰らい始めた―。

事態の収拾のため政府は現地に特殊部隊を派遣、彼らは途中で取材中のTVクル―の2人と合流し現地へ向かう。ジャングルに住む原住民の集落ではすでに異変が起きていて、死者が甦り次々に人間に襲いかかってきていた。からくも難を逃れ、一行はホープセンターに辿り着く。静まり返る工場内には生存者は無く、すでにゾンビの集団で溢れ返っていた。ゾンビに襲われ、次々に命を落とす隊員たち。生き残った2人は、この工場で研究されていた恐るべき計画に気づく。しかし、時すでに遅く、ヨーロッパのある都市でもゾンビの行進が始まっていた。


【REVIEW】
数あるゾンビ映画でも悪名の高い1本。ロメロの『ゾンビ』が世界的大ヒットを飛ばした後、それに便乗するゾンビ映画がわんさか製作され、80年代前半はゾンビ映画の黄金時代のようでした。『サンゲリア』や『死霊のはらわた』、『バタリアン』に『死霊のしたたり』。それぞれ皆、独自のゾンビ像で楽しませてくれましたが、当然出来のよろしくないのもあるわけで、本作の評判が非常に低いのはそのオリジナリティの無さにあると思います。

バイオハザードが発生した化学工場に向かう面子がSWAT隊員とテレビクルー、音楽はあのゴブリン担当だが、サウンドはまんま『ゾンビ』から流用、特に前半で要人を人質に立てこもるテロリストをSWAT部隊が制圧する場面はゴブリンの音楽と相まってまんまゾンビのパクリだ(しかも、当然出来の悪いパクリ)。更に、原住民やジャングルの動物のシーンは別映像を差し込んで巧みに合成、ゾンビ映画にモンド的な雰囲気を醸し出しているのも不思議な感じだ。そう言えば、ヴィンセント・ドーン監督は後の『サンゲリア2』でも、熱帯ジャングルでのゾンビ発生を撮っていましたが、あれも珍品といえば珍品でした。

気味の悪いゾンビのメイクや、人肉貪り食いシーンもそれなりにあってゴア度はなかなかのものだが、緊迫感の無い演出、テンポ悪さが映画の出来をさらに落としてしまっているのは残念。学生の自主製作の映画でも、もうちょっとマシなんでない?といいたくなるほどのユルイ展開はなかなか見るのに忍耐を要求します。特に主人公のSWAT隊員の素行にはビックリ!素人みたいなテロリスト制圧作戦や、ゾンビの群れに会話しに行くキチガイ隊員、コスプレダンスをしていてゾンビに喰われて絶命する隊員など、ギャグでやっているのか?!と疑いたくなるような行動を次々に取ってくれます。しかし、真面目に撮った結果がこれなんだったら、すごいセンスですね。

ラスト、ヒロインのTVレポーターの女性から、化学工場で行われていた研究が人口爆発を抑制するために、人間同士を共食いさせようというものだったということが語られビックリしますが、それよりも唖然とさせられたのがヒロインの死に様。ゾンビたちに舌を引きちぎられ、口から突っ込まれた手で眼球を内側からくり抜かれるという壮絶なもの!普通、助かるはずの人間がもっとも悲惨な死に方をするという、なんともどんよりした重いものが残る終わり方です。






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