13日の金曜日(1980)

2011年05月31日 05:31

13日の金曜日(1980)01
【原題名】FRIDAY THE 13TH
【製作】ショーン・S・カニンガム
【監督】ショーン・S・カニンガム
【脚本】ビクター・ミラー
【撮影】バリー・エーブラムズ
【音楽】ハリー・マンフレディニー
【特殊メイク】トム・サヴィーニ
【出演】エードリアン・キング、ケビン・ベーコン、バッツィー・パルマー
1980年/アメリカ映画/95分


【STORY】
1958年6月13日、ニュージャージー州ブレアーズタウン・クリスタルレイクキャンプ場で若い男女が殺された。以後、閉鎖されていたが、20年ぶりに再開されることになり、その準備に若い男女がやってきた。近くの町の住人らは不吉なことが起こると警告するが、若者たちは意に介さない。しかし、13日の金曜日の嵐の晩、彼らは次々に殺されていく。最後の1人になったアリスの目の前に現れたのは、20年前にクリスタルレイクで息子を失ったボーヒーズ夫人だった。息子のジェイソンが溺れ死んだのは、当時の監視員の若者たちがサボっていたためだと吐露する夫人。彼女は息子の復讐のため、この湖に来る若者たちを殺していたのだった。

【REVIEW】
“13日の金曜日”は不吉の象徴と、一般に広く認知させたのはこのシリーズが大ヒットしたため。そして、ホラー映画の代表的なキャラクターであるジェイソンを生み出した功績もはかりしれないものがあります。(ただ、この1作目ではジェイソンはほとんど姿を見せず、凶行に走るのは母親のボーヒーズ夫人だ)。セックスやドラッグでバカ騒ぎする男女が次々に殺されていき、最後に残ったヒロインが殺人鬼と戦うという、黄金パターンも確立されていて、スラッシャーもののお手本のような作品。

13金=ジェイソンというイメージだが、1作目のプロットは、息子を失ったボーヒーズ夫人(昔はボリーズだったっけ!?)が、やつ当たり的に若者を惨殺するサイコホラー的な感じ。ジェイソンの声が頭に響き、その声に導かれて殺人に走っていたわけで、ジェイソンは主に回想シーンで出てくる程度。ジェイソンが本格的に活躍するのは2作目以降で、ホッケーマスクを被るのはもう一個あとのPART3からだ。

殺される人数の多さ、殺しのバリエーションが様々なのも本シリーズの特徴。ナイフで腹をえぐったり、斧で顔面をカチ割ったり、弓矢で目ん玉を串刺しにしたりと手を替え品を替え大盤振る舞い。中年の女性でありながら、殺して殺して殺しまくる夫人のパワーは凄まじい。演じるべッツィー・パルマーの鬼気迫る表情が素晴らしいです。最後は、アリスに返り討ちにあって首チョンパですが、2作目にはミイラ化した生首でも登場。なかなかしぶといです。

殺人鬼を倒してほっとしたのも束の間、襲いかかってきて終わるのも定番になりましたが、湖から飛び出てくるジェイソンの容姿は、一度見たら忘れられない気持ち悪さ。さすが、トム・サヴィーニ、いい仕事してます。若者の中には売れる前のケビン・ベーコンもいますが、中盤であっさり死んでおります。
13日の金曜日(1980)02



13日の金曜日(2009)

2011年05月29日 13:39

13日の金曜日(2009)01
【原題名】FRIDAY THE 13TH
【製作】マイケル・ベイ、アンドリュー・フォーム、ブラッド・フラー
【監督】マーカス・ニスベル
【脚本】ダミアン・シャノン、マーク・スウィフト
【撮影】ダニエル・C・パール
【音楽】スティーヴ・ジャブロンスキー
【出演】ジャレッド・バダレッキ、ダニエル・パナベイカー、アーロン・ヨー、アマンダ・リゲッティ、トラヴィス・ヴァン・ウィンクル、デレク・ミアーズ
2009年/アメリカ映画/97分


【STORY】
クリスタルレイクという人里離れた湖のほとりにやってきた若者たち。週末を別荘でバカ騒ぎして過ごそうとルンルン気分だ。そこへ行方不明の妹を探すクレイという男が現われる。彼の妹はここにキャンプに来てから消息を絶っていた。若者の中の1人ジェンナはクレイとともに妹を探しに。その頃、ホッケーマスクを被った大男が、ジェンナの仲間たちを次々に血祭りにあげていく。その男は、幼い頃、このクリスタルレイクで溺れて死んだはずのジェイソンだった。

【REVIEW】
言わずと知れたホラー映画の金字塔『13日の金曜日』のリメイク作。オリジナルの1作目ではキャンプ場の監視員たちの怠慢で、息子のジェイソンが湖で溺れ死んだとして、母親のボーヒーズ夫人がキャンプ場に来る若者たちを殺すある意味復讐劇で、ジェイソンが本格的に活躍するのは2作目以降だったが、リメイクされた2009年版はそのあたりを端折って、ジェイソンの殺戮をメインに据えている。また、布袋を被っていたジェイソンが偶然見つけたホッケーマスクを愛用するくだりは、2~3作目をなぞっている。そういう意味では、オリジナルの第1作~3作目までのダイジェスト版のような感じもあったりするが、逆に忠実にリメイクしすぎて新鮮味が少ないのは残念。

『13日の金曜日』はキャンプ場に来た若者らが殺人鬼ジェイソンに殺されるのが見せ場の映画で、ストーリーはほとんど無いに等しい。なので、当然重要になるのは殺しの場面であって、オリジナルシリーズは毎回いろいろな凶器で殺しまくって、ホラー映画~とりわけスプラッタームービー~全盛期であった80年代という時代にマッチし大ヒットしたわけです。しかし、このリメイクでは意外なほど、殺しのシーンが印象に残らない。『エルム街の悪夢』のフレディが獲物を追い詰めて怖がらせてトドメを刺すのと対照的に、ジェイソンは驚くほどあっさり殺すのが特徴だった。その辺は変わらないのだが、何かさっぱりしていて怖くない。映像がスタイリッシュになり過ぎて、怖さに直結しないんですよね。個人的に80年代ホラー大好きだからかもしれませんが。

製作のマイケル・ベイ、監督のマーカス・ニスベルは『悪魔のいけにえ』を現代に甦らせたコンビ。リメイクされた『テキサス・チェーンソー』は大筋は変わらないものの、よりアップした残虐度、息が詰まるような緊張感に包まれていて、近年量産されるリメイクホラーの中では頭一つ抜け出た秀作でした。なので、このリメイク13金も少なからず期待したわけですが、期待してしまった分だけ、失望感も感じてしまったのかもしれない。もし、シリーズが続くのなら、よりパワーアップしたジェイソンで、オリジナリティー溢れるゴアシーンを用意して帰って来て下さい。よろしくお願いします。


『インフェルノ』テーマ曲&予告編

2011年05月14日 09:10

音楽は、キース・エマーソン。


こっちは予告編♪

インフェルノ

2011年05月10日 08:20

インフェルノ08
【原題名】INFERNO
【製作】クラウディオ・アルジェント
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント
【撮影】ロマーノ・アルマーニ
【音楽】キース・エマーソン
【出演】リー・マクロスキー、アイリーン・ミラクル、サッシャ・ピトエフ、ダリア・ニコロディ、エレオノア・ジョルジ、アリダ・ヴァリ、ヴェロニカ・ラザール
1980年/アメリカ・イタリア映画/107分


【STORY】
ニューヨーク。女流詩人のローズは骨董店で買った「三人の母」という本を読んで、自分が住んでいるアパートが魔女のために建てられたものではないかと思い、不安にかられる。ローズはローマにいる弟のマークにそのことを知らせ、すぐに来てほしいと手紙に託すが、嵐の晩に何者かに惨殺されてしまう。

マークは急いでニューヨークに駆け付けるが、すでにローズの姿はなかった。マークは姉の所在を探し始めるが、彼の近辺では「三人の母」の本に関わった者が姿を消していく。ローマでは偶然手紙を読んで本に興味を持った女友達のサラがナイフで背中をえぐられ死亡、ローズの知り合いであった同じアパートに住むエリーゼも多数の猫に襲われたあと刺殺される。次いで、ローズが本を買った骨董店の店主、アパートの管理人なども次々に殺されていく。マークは手紙に残されていた“第三の鍵は靴の底にある”という謎を解き、隠し通路を見つけ、その先で事件の張本人と出会う。

【REVIEW】
『サスぺリア』に続くアルジェントの魔女を題材にした作品。マーテル・サスピリオルム(嘆きの母)、マーテル・ラクリマルム(涙の母)、マーテル・テネブラルム(暗闇の母)の三人の母について書かれた本をきっかけにストーリーは進みますが、ニューヨークの館に住むのは暗闇の母。ちなみに、ローマでマークが出会う美女(演じるのはアニア・ピエロニ)は涙の母だそう。しかし、『サスぺリア』とは直接の繋がりは無い。

魔女の秘密を知ろうとした人々が次々に殺されていくわけですが、プロットはそれだけで、細かな設定はけっこういいかげん。「三人の母」は骨董店にも図書館にも所蔵されていて、誰でも気軽に読めてしまうのも安易な気がするし、ローズが見つけるアパートの地下に水没した部屋も簡単に見つけられてしまうのはどうなんだろうか。大事なところなら鍵くらいかけとかなくちゃ!?

それに意味不明なシーンも続出。唐突にインサートされる首吊り女性のカット、転倒しネズミに襲われ助けを求める骨董店の主人の首に突然ナイフを振りかざすホットドッグ屋のコック。エリーゼの執事と管理人の女性が殺された理由は分からない。そして、ラスト、魔女はその姿をついに(というか突然)現すが、マークに襲いかかるでもなく、炎上する館で炎にまかれていく。本当に姿を現しただけだった。このラストは何かを明示しているのか、それとも何もないのか、よく分からない。

ただ見方を変えれば、それらも気にはならない。『インフェルノ』は魔女を題材にしたアルジェントのイマジネーションを映像化したものであって、純粋な謎解きやサスペンス映画ではないのだ。殺人のシーンも恐怖感を徐々に積み上げていく手法は取らず、突然行われ、そして終わる。観客に理解を求めていない。一見、乱暴で無責任な印象がありますが、ただ素直に見たままを受け取ればそれでいいのでしょう。おもしろいか、そうでないかは個人の判断によるでしょうが。イタリアンホラーの重鎮だったマリオ・バーヴァの特殊効果、キース・エマーソンの荘厳な音楽、それらに彩られた不可解な出来事を堪能するのが『インフェルノ』の正しい鑑賞法ではないでしょうか。

マーテル・ラクリマルム役のアニア・ピエロニは『シャドー』の冒頭で殺される万引きの常習犯の女役でも出ていましたが、『インフェルノ』ではセリフが一切なく、印象が全然違います。また、アパートの管理人には『サスぺリア』のアリダ・ヴァリ、マーテル・テネブラルム役のヴェロニカ・ラザールはフルチの『ビヨンド』でもみかけました。



シャドー

2011年05月02日 05:58

シャドー06
【原題名】TENEBRE
【製作】クラウディオ・アルジェント
【製作総指揮】サルヴァトーレ・アルジェント
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント
【撮影】ルチアーノ・トヴォリ
【音楽】クラウディオ・シモネッティ、マッシモ・モランテ、ファビオ・ピニャリ
【出演】アンソニー・フランシオサ、ジュリアーノ・ジェンマ、ジョン・サクソン、ダリア・ニコロディ、クリスチャン・バーロメオ、ララ・ウェンデル
1982年/イタリア映画/101分


【STORY】
人気推理作家のピーターは新作「暗闇の祈り」のプロモーションのため、ニューヨークからローマへやって来た。彼がホテルに着くと、2人の刑事が待ち構えていた。万引きの常習犯の女が剃刀で切り殺され、死体の口には「暗闇の祈り」のページが詰め込まれていたという。その会話の最中、電話が鳴り、受話器を取ったピーターに犯人の不気味な殺人予告の声が響く。

予告通り殺人事件は次々に起こり、その手口は彼の小説から引用されていた。ピーターは犯人を突き止めようと独自に捜査を開始。やがて、書評家のベルティが怪しいと睨み、彼の邸宅に忍び込むが、ベルティもまた何者かに斧で惨殺されてしまう。身の危険を感じたピーターはエージェントのブルマーにローマを去ることを告げるが、そのブルマーも白昼の雑踏の中殺され、ピーターの婚約者も斧でメッタ切りにされる。犯人は一体誰なのか―。


【REVIEW】
『サスぺリア』の続編にあたる『インフェルノ』に続いて発表したのが本作。オカルト的な要素が満載だった前作に比べて、こちらはどぎつい残酷シーンがメインのジャーロになっています。ただ、スリラー映画としては評価はイマイチのよう。粗っぽいストーリー展開はいつものアルジェントと変わらないのですが、さすがにラスト犯人が分かる場面では「それは反則なのでは?!」と突っ込まれてしまうかも・・・。まあ、終盤、主要な登場人物がばったばったと殺されていき、ほとんどキャラが残らなくなるので、推理物としては弱いのも事実。

ただ、その分、剃刀やナイフ、斧にロープなど、様様な凶器で殺されるヨーロピアン・ビューティーの姿をゴブリン・サウンドに耳を傾けながら観るのが楽しいです。冒頭の万引き女、レズビアンのカップル、管理人の娘、主人公の婚約者・・・。よくまあ、これだけキレイな女優さんばかり集めたもんだなあ、と感心します。白と黒を基調にした画面に鮮やかな血糊が勢いよく飛び散り、ストーリーの弱さを補うビジュアルの強さが印象に残る映画です。

ラストの場面で、ジュリアーノ・ジェンマ演じる刑事の背後から現われるピーターの姿はは何度見てもドキドキします。そして、ピーターが腹から血しぶきを流しながら息絶えていくのを見て、絶叫を続けるダリア・ニコロディの叫び声で終わるエンドロールも忘れ難いです。




トラウマ

2011年05月01日 00:01

トラウマ05
【原題名】TRAUMA
【製作】ダリオ・アルジェント
【製作総指揮】アンドレア・ティニレロ
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント、T・E・D・クライン
【撮影】ラファエル・マルテス
【音楽】ピノ・ドナジオ
【特殊メイク】トム・サヴィーニ
【出演】クリストファー・ライデル、アーシア・アルジェント、ローラ・ジョンソン、ジェームズ・ルッソ、ブラッド・ドゥーリフ、フレデリック・フォレスト、パイパー・ローリー
1992年/アメリカ映画/106分


【STORY】
橋の上から飛び降りようとしていた少女を偶然通りかかったデビッドは助ける。彼女の名はオーラといい、拒食症のため入院させられていた病院から脱走していたのだった。警察に保護され、オーラは自宅に連れ戻される。彼女の母親エイドリアンは有名な交霊師で、その日の夜も降霊会が行われていた。

やがて降霊会が始まるが、途中騒ぎがあり、エイドリアンの姿が消えていた。降りしきる雨の中、2階の窓から両親が出ていくのを見たオーラは後を追いかけていく。そこで、オーラが目撃したものは、父親と母親の切断した生首を持ち去っていく怪しい人影だった。

両親を失ったオーラはデビッドを頼って、犯人探しを始めるが、その間にも同じ手口での殺人事件が発生。そんな中、偶然見つけた古い写真から被害者たちの繋がりを発見する。2人は写真に写っている残りの人物を捜すが、やはり首を切られて殺されていた。やがて、オーラの主治医の車のトランクから犠牲者の生首が発見され、彼が犯人だとされ事件は解決したかに見えたが・・・。


【REVIEW】
ダリオ・アルジェントが愛娘のアーシアを初めて自作に出演させたのがこの『トラウマ』です。ダリオは、次の『スタンダールシンドローム』でもアーシアを再び出演させていますが、この『トラウマ』では彼女の初々しい姿が印象的。パッケージに“『サスぺリア』『フェノミナ』に続く、美少女残酷ホラー”みたいなキャッチフレーズがありましたが、蛆虫プールに突き落とされることもなく、そんなにヒドイ目にはあわせていないような気がします。やっぱり、その辺は実の娘だから!?

それにしても、この『トラウマ』はどこかいつものアルジェント映画とは雰囲気が違う。出演者がアメリカ人が多いのもそうだし、残酷シーンも控えめ。レイティングを意識したためとのことらしいですが、首チョンパ殺人鬼が出てくるのに血糊の量はかなり少なく、クレジットされているトム・サヴィーニの仕事にしてはかなりマイルドな感じだ。千切れた生首が絶命寸前にダイイング・メッセージを残すなんてお茶目な演出もありますが~理論的にはありないけど~凶器がワイヤーを首に巻きつけて機械で締め付けて首を刈る、というものなんでスピード感もイマイチ。まあ、その分、じわじわ締まってくる気味悪さは残ります。

アルジェントにしては珍しくラブ・ストーリーを軸にしたのはちょっと新鮮。トラウマを抱えていたのはアーシアが演じたオーラだけど、真犯人にトドメをさしちゃった(凶器の首刈り器を巻きつけて、首チョンパ!)近所のメガネの男の子のトラウマを抱えたこれからの人生が少し気になります・・・。






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