ハプニング

2011年11月20日 10:26

ハプニング (特別編) [DVD]ハプニング (特別編) [DVD]
(2009/01/09)
マーク・ウォールバーグ、ズーイー・デシャネル 他

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【製作】M・ナイト・シャマラン、バリー・メンデル、サム・マーサー
【監督】M・ナイト・シャマラン
【脚本】M・ナイト・シャマラン
【音楽】ジェームズ・ニュートン・ハワード
【出演】マーク・ウォールバーグ、ズーイー・デシャネル、ジョン・レグイザモ
2008年/アメリカ映画/90分


【STORY】
それは、ニューヨークのセントラルパークで始まった。突然、様子がおかしくなり自ら命を絶つ人々。原因不明の集団自殺は瞬く間にアメリカ北東部に広がり、人々は大都市から逃げ始める。教師のエリックは同僚のジュリアンと彼の娘、妻のアルマと列車に乗り脱出を図る。メディアでは、この怪現象をテロリストによる仕業、放射能の影響など様様な憶測が伝えられるが、特定には至らず、犠牲者は都市部から周辺の小さな町へと広がっていく。エリックたちは、列車が運行不能に陥ったため、田舎町で降ろされる。車に乗り換えさらに遠方へ向かうが、自殺現象はすでにそこまで迫って来ていた。


【REVIEW】
『シックスセンス』で大ブレイクしたシャマランの監督作。今、見直して気付いたんですが、今までずっとシャラマンだと思っていたんですが、シャマランが正解だったんですね。やっと気付きました。すみません、シャマラン監督。『シックスセンス』のときも、『アンブレイカブル』のときも、『ヴィレッジ』のときも気付きませんでした。

そんな、シャマラン監督ですが、『シックスセンス』以降は評価は下がる一方。大体は風呂敷を広げるだけ広げて、そのまま何事も無く終わっていくという非常に無責任な作風が非難を呼んでいるようですが、この『ハプニング』でも裏切ることなく受け継いでおります。アメリカで起こった突然の集団自殺。工事現場で次々に高所から飛び降りる人々、拳銃で頭を撃ちぬく警官、動物園で猛獣に喰い殺されようとする飼育員。なぜ起こっているのか、さっぱり説明されないままお話は進んでいく。とりあえず、出て来る人間が次々に死んでいく。後半になって、植物が自衛するために出す化学物質が神経に作用して自殺を引き起こしているのではないかという推論が提示されるが、はっきりとした結論には至らず、事態は急速に収束し、また穏やかな日常に戻る。あの異常な現象はなんだったのか?謎は謎で終わる。

映画としては、延々と自殺ショーを見せて、何も解決せずに終わるので、「何じゃこの映画は!?」と言われても仕方がないでしょうが、前半の何か得体のしれない者に襲われている恐怖感、逃げても逃げても追っかけて来る絶望感は、個人的には好きですね~。そういう見せ方、演出はうまいのに、オチをつけるのは苦手(というより放棄している!?)なのは残念です。仮に、植物が原因だったとしたら、どう対処したらいいのか、どこに逃げたらいいのか、いろいろ考えますが、草木を全部刈り取るわけにはいかないし、劇中に一瞬出て来る防毒マスクでも被るくらしかないか。それでもダメなんだろうか。

一番コワイと思ったのは、最後に逃げ込んだ外れの一軒家に住む老婆。食事を出してくれたり、泊めてくれたりと親切な人かと思いきや、「物を盗む気かい!?」「アタシを殺す気だろう!?」と言って来てきたりとよう分からん。最後は例の風に当たって窓ガラスに頭を突っ込んで死亡。その無表情な死に方が怖かった。


ジェイソンがチェーンソーを使ったのは1回だけ!?

2011年11月19日 09:32

3~4日ほど前、仕事から帰って何気にTVを観ていたら、都市伝説の真偽を検証するという番組をやっていた。途中から観たんですが、そのときは“『巨人の星』の星一徹がちゃぶ台をひっくり返したのは1回だけ”というのはホントかウソか!?というのをやっていて、実際に全エピソードを見て検証。(正解は、1回だけ)「懐かしいなあ~」と思って見続けていたら、お次は、“ホラー映画のジェイソンがチェーンソーを使ったのは1回だけ”というお題目に。

「なに~!ジェイソンがチェーンソー!?そう言えば見た事ないなあ・・・」と思いつつ、番組内では、またも全作を鑑賞して検証。オリジナル1作目からリメイク版まで通して、結局1度も使ってませんでした。その後、『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスのチェーンソーのイメージがジェイソンに付いたのではないかというコメントがあって終了(コメントの主は、高橋ヨシキ氏!)。

思い返せば、『13日の金曜日』シリーズは、1~4と、6・7、そんでリメイクは見たけれど、あとは未見でした。
ジェイソンといえば、ナタや槍なんかの凶器、そんで素手で殺しまくるみたいなイメージがあったんで、チェーンソーは使っていた覚えはありませんでしたが、芝刈り機は使ってたようです。でも、やっぱり、ジェイソンはマシーンに頼ってはダメですよね。

ちなみに、番組名は「中居正広の怪しい噂の集まる図書館」でした。

ホラーマニアックス・シリーズ第4期!

2011年11月14日 23:25

ひさびさにHMのサイトを覗いたら、第4期シリーズの発売が告知されてました!

気になるラインナップですが、


第4期第1弾(2012年2月2日発売)
『サンゲリア2-デジタルリマスター版』
特典
◆特典映像(約55分)
(1)C・フラガッソ(原案・脚本)のインタビュー(19分1秒)
(2)B・マッティ(監督)のインタビュー(10分12秒)
(3)マリーナ・ロイ(女優)のインタビュー(6分30秒)
(4)フランコ・ジロラーモ(特殊メイク)のインタビュー(7分54秒)
(5)スタントマン(O・デッラクア&M・ヴァンニ)のインタビュー(7分3秒)
(6)主演二人(B・リング&D・サラフィアン)によるオープニング挨拶(1分3秒)
(7)劇場予告編(2分50秒)
(8)フォト・ギャラリー(1分9秒)


『アクエリアス-HDリマスター版』
特典
映像特典
●劇場予告編を収録(2分17秒)


第4期第2弾(2012年3月2日発売)
『ルチオ・フルチの幻想殺人-デジタルリマスター版』
特典
映像特典【約38分】
(1)メイキング・ドキュメンタリー(33分35秒)
(2)劇場予告編(2分12秒)
(3)イタリアン版オープニング(1分21秒)
(4)ラジオスポット(1分30秒)
(5)フォト・ギャラリー(時間未定)

『ナイトメア・シティ-デジタルリマスター版』
特典
映像特典
●ウンベルト・レンツィ監督のインタビュー収録予定(12分45秒)
●劇場予告編収録(3分44秒)

第4期第3弾(2012年4月3日発売)
『エクスタミネーター-HDリマスター版』
特典
映像特典
●J・グリッケンハウスの独占インタビューを世界初収録
※製作中のため時間未定(約30分予定)
●劇場予告編収録(1分23秒)
●テレビスポット収録(3分10秒)

『暴行列車-HDリマスター版』
特典
映像特典
●アルド・ラド(監督・脚本)のインタビューを収録予定(14分54秒)
●劇場予告編収録(インターナショナル版3分44秒+アメリカ版2分31秒)
音声特典
●ラジオ・スポット収録(2種類/計54秒)
その他
●フォト・ギャラリー収録予定
―以上、公式サイトより抜粋。



今回もなかなか濃いラインナップ。
個人的には、『幻想殺人』『アクエリアス』『暴行列車』が購入候補。『幻想殺人』と『暴行列車』は未見で、『アクエリアス』はVHSでかなり前に見ましたが、DVDは買いそびれて廃盤になっていたんで、やっと買えます。

サンゲリア2』と『ナイトメア・シティ』はそのぶっ飛んだ内容から、まだ未見の人は是非見て欲しいです。名作『サンゲリア』の続編として期待されながら、フルチの途中降板、そしてブルーノ・マッティが引き継いで完成させた『サンゲリア2』は前作の雰囲気を全く無視した突っ込みどころ満載のゾンビ映画に。死人のくせにパワフルなアクションをこなすゾンビ軍団、ご都合主義全開のストーリー、魅力の薄いキャラクターと、見せ場は盛りだくさん!!ウンベルト・レンツィの『ナイトメア・シティ』では武器を操り、組織的な戦術を駆使する吸血ゾンビ軍団が登場、こちらの死人も元気に全力疾走してくれます。なにはともあれ、どちらも必見です。


そして、ホラーマニアックス・シリーズ恒例の応募者全員プレゼントのキャンペーンも健在。
今回は、オール・フルチのサントラCD。収録タイトルは、「サンゲリア 2」「幻想殺人」「ザ・サイキック」「マンハッタン・ベイビー」だそうです。


それにしても、今シリーズから発売元がハピネットに変更。版権とかいろいろあるんでしょうかね。
公式サイト→『ホラーマニアックス第4期



血みどろの入江

2011年11月07日 05:42

血みどろの入江 -HDリマスター版- [DVD]血みどろの入江 -HDリマスター版- [DVD]
(2011/10/05)
クローディーヌ・オージェ、ルイジ・ピスティッリ 他

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【原題名】A BAY OF BLOOD
【製作】ジュゼッぺ・ザッカリエーロ
【監督】マリオ・バーヴァ
【脚本】マリオ・バーヴァ
【撮影】マリオ・バーヴァ
【音楽】ステルヴィオ・チプリアーニ
【出演】クローディーヌ・オージェ、ルイジ・ピスティッリ、クラウディオ・ヴォロンテ、クリス・アヴァラム
1970年/イタリア映画/84分


【STORY】
海辺を望む大きな屋敷で老婦人が絞殺された。犯人はその夫。だが、夫も何者かに襲われ姿を消す。老婦人はこの辺りの広大な入江の所有者だった。やがて、相続人である娘夫婦、入江開発を目論む建築家と秘書がやってくる。彼らの目的は入江の所有権だ。やがて、近所に住む昆虫学者と占い師の夫婦に老婦人の私生児までが加わり、それぞれの目的を果たさんがために、動き出すが・・・。


【REVIEW】
美しい入江を舞台に、欲望渦巻く登場人物たちが繰り広げる血みどろショー。莫大な財産を巡り、いかにも怪しい関係者たちが邪魔者を次々に消していきます。「カネのためなら殺せばいいんだよ!」と言わんばかりに、ためらいもなく行われる殺人。一応、サスペンス調ですが、犯人は誰か!?という謎解きよりも血みどろゴアシーンに比重が置かれているため、緊張感は薄いです。それにある意味、出て来る人物のほとんどが加害者ですし(唯一出て来る子供までも!)、ストーリーは二の次で「次はどんな殺し方!?」みたいな鑑賞の仕方がグッドでしょう。

殺しの場面もきっちり見せてくれていて楽しめます。顔面や喉元を鉈で切りつけたり、槍で腹を突き刺したりと、1970年製作の作品としては、かなりスプラッター指数が高いと思われます。また、ベッドで重なり合ってるカップルの胴体を串刺しにするシーンもあって、なるほど『13日の金曜日』の源流は本作にあるのかもしれません。それと、グロかったのが死体にたかる蛸のシーン。軟体系が苦手な人はけっこうくると思います。

入江の関係者がほとんど死に絶えて終わるというなかなか素晴らしい展開ですが、入江と関係なく殺されてしまうのが最初の方に出て来る若い男女4人組。車で海辺まで乗り付けてきて、勝手に空家に侵入して騒いだりいちゃついたりする。そんで、海で泳いでいたお姉ちゃんが偶然浮かんできた死体(冒頭の老婦人の夫)を発見したため、犯人に皆殺しにされてしまう・・・という、ある意味可哀そうな人たちです。まあ、旅先で傍若無人な振る舞いをすると地元人に返り討ちにあうというのはホラー映画の定番ですけれど、彼らが来なかったら血みどろの連続殺人は起こらなかったような気もします。教訓。知らない土地では、無茶しちゃダメよ!ということでしょうか。


↓こちらは、以前リリースされていたJ.V.D版。
血みどろの入り江 [DVD]血みどろの入り江 [DVD]
(2002/10/11)
クロディーヌ・オージェ、ルイズ・ビスティッリ 他

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デッドゾーン

2011年11月06日 07:15

デッドゾーン01

【原題名】THE DEAD ZONE
【製作総指揮】ディノ・デ・ラウレンティス
【製作】デブラ・ヒル
【監督】デヴィッド・クローネンバーグ
【脚本】ジェフリー・ボーム
【撮影】マーク・アーウィン
【音楽】マイケル・ケイメン
【出演】クリストファー・ウォーケン、ブルック・アダムス、マーティン・シーン、トム・スケリット、ニコラス・キャンべル、ハーバート・ロム
1983年/アメリカ映画/103分


【STORY】
高校教師のジョニー・スミスはある晩交通事故に遭い、昏睡状態になってしまう。その後奇跡的に回復、目を覚ますが、事故から5年もの月日が経っており、かつての恋人がすでに別の男性と結婚していることを知り愕然とする。

そして、ジョニーは事故の後自分にある能力が備わっていることに気付く。彼はその手に触れた人物の過去・現在・未来が透視できるようになっていたのだ。連続殺人事件の犯人を突き止めたり、火災を知らせて子供を助けたりするが、同時に自分の体が徐々に衰弱していることも知る。家庭教師をしながらひっそりとした暮らしを続けるジョニーだが、あるとき偶然触れた男から世界の破滅のヴィジョンを見てしまう。


【REVIEW】
言わずと知れたスティーブン・キングの原作をデヴィッド・クローネンバーグが映像化。映画化するのが難しいと言われていたキング原作の中ではベストの呼び声も高い本作、望まざる能力を得て運命に翻弄される主人公をクリストファー・ウォーケンが好演し、クローネンバーグの少々迎えた演出が絶妙な傑作ホラーです。

選挙運動中の候補の男と握手したときに見たヴィジョン。その野心剥き出しの政治家は将来大統領になり、核ミサイルのスイッチを押す―。知らなければこれほど悩まなかったが、知ってしまった以上放ってもおけない。苦悩するジョニーが主治医に相談するエピソードで、“ナチスが台頭する前の過去に戻れたらヒトラーを殺すのか!?”という質問がある。戦争を体験しているユダヤ人の主治医は「私は殺す」と答え、ジョニーは核戦争を阻止するために議員候補を暗殺する決意を固める。ライフルを持って、演説会場に乗り込むジョニー。暗殺自体は結局失敗するのだが、子供を盾にして逃れようとした写真を撮られた候補者はそれにより失脚、結果核戦争は阻止することができたのだった。

しかし、ジョニーも銃撃戦の末致命傷を負ってしまう。偶然居合わせたかつての恋人に見守られながら、世界を救ったヴィジョンを見ながら息を引き取るジョニー。自分の悲劇的な運命を呪いながらも、愛する人たちを救えた喜びからか、穏やかな表情だったのが印象的。彼の取った行動は、他人には理解されないままかもしれないが、全てをやり遂げた感で満ちたジョニーの孤独なヒロイズムがカッコイイです。



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