バタリアン4

2012年01月30日 13:20

バタリアン4 [DVD]バタリアン4 [DVD]
(2006/10/27)
ピーター・コヨーテ、ジョン・キーフ 他

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【原題名】RETURN OF THE LIVING DEAD:NECROPOLIS
【製作】アナトリー・フラディス、スティーブ・スカルドゥッツィオ
【監督】エロリー・エルカイェム
【脚本】ウィリアム・バトラー、アーロン・ストロンゴーニ
【撮影】ガブリエル・コサス
【音楽】ロバート・ダンカン
【出演】ピーター・コヨーテ、エイミー・リン・チャドウィック、ジェイナ・クレイマー
2005年/アメリカ映画/90分


【STORY】
軍が極秘に開発したがゾンビ発生の原因となったため廃棄処分となったトライオキシン5。巨大企業のハイブラテック社は、残っていたトライオキシンを手に入れ、生物兵器での実験に使用していた。高校生のジュリアンは両親を事故で亡くし、ハイブラテック社に勤める叔父の科学者チャールズと弟と暮らしていた。ある日、友人のジークがバイクで転倒事故を起こし搬送されるが、病院ではなくハイブラテック社へ運び込まれていた。ジュリアンは友人たちとともにジークを助け出すためにハイブラテックへ忍び込むが、中で出会ったチャールズから驚くべき事実を聞かされる。ジュリアンの両親は事故死したのではなく、生物兵器の実験に利用されていた。そして、手違いから、実験用のゾンビたちが溢れ出し、人々を襲いだす。


【REVIEW】
『バタリアン・リターンズ』から12年ぶりに作られた4作目。監督は『スパイダー・パニック』などで知られるエロリー・エルカイェム。冒頭のトライオキシンを回収する場面はチェルノブイリでロケしたそうで、死の大地と化した風景は印象的ですが、その後場面は変わってティーンエイジャーが主人公の明るい雰囲気に。ゾンビ実験のモルモットにされかかった友達を助けるために、怪しいハイブラテック社に忍び込むのがメインストーリーになっています。

この企業、裏で人体実験を繰り返しているあくどい会社なんですが(某アンブレラみたい)、出て来る科学者は叔父さんだけだし、警備員には主人公のクラスメイトがバイトしていたりと、かなり人出不足のよう。重要な研究をしている割に、ほとんどもぬけの殻状態。そんな中、素人高校生にやすやすと侵入を許し、挙句の果て、実験用ゾンビを大量放出させてしまう。この辺、ゆるゆるで緊張感のかけらも無く、スリルも何もない。

後半になって、ゾンビとの乱戦になるわけですが、死なないはずのバタリアンが銃で頭を撃つとあっさり死んでしまうのに??さらに体を撃ってもやられちゃうやつもいて、かなり弱くなってしまってます。これじゃあ、その辺のゾンビ映画のゾンビと何ら変わりはありません。とりあえず「脳ミソをくれ~」と叫ぶのが唯一共通しているところでしょうかね。と思いきや、ゾンビ化したジークだけはやたらと喋りまくるし、ジュリアンと格闘戦でタイマンを始めるし、こいつだけは別格だったのか。最後は手榴弾であえなく爆死しちゃいますが。

結局、友達1人を助けるためにゾンビ大発生を起こしてしまった割に、その友達もゾンビ化、仲間たちも次々にやられ(ジュリアンの弟まで食われてしまう。普通、子供は生き残るパターンが多いはずですが)、最後はヒロイン格の女の子まで死んでしまう。なんとも、後味の悪い終わり方。

バタリアン4 01



ゾンビ大事典~VSゾンビ生存マニュアル

2012年01月28日 09:51

ゾンビ大事典―VSゾンビ生存マニュアルゾンビ大事典―VSゾンビ生存マニュアル
(2009/07)
不明

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出版社:笠倉出版社
ページ数:255頁
発行日:2009年8月
定価:600円


・第一章
 ゾンビの特徴を知る

・第二章
 ゾンビ警戒区域

・第三章
 日本でゾンビハザードが起こったら

・第四章
 対ゾンビ戦闘マニュアル

・第五章
 対ゾンビ脱出マニュアル

・第六章
 各国のゾンビとその特色

・第七章
 ゾンビVS人類 未来予想図


近年、新型インフルエンザウィルスが蔓延したらどうするか?、大地震などの災害が起こった時どう対処したらよいのか?というようなことをテーマにした本はかなりの数が発行されていましたが、本書はズバリ“もし、ゾンビが実際に発生したら、どう生き延びるのか!?”を真面目に考えて作られたものです。

ゾンビとはどういう物体なのか。ゾンビに襲われたらどう戦えばいいのか、もしくはうまく逃げ切れる方法は!?
などをゾンビを題材にした映画、ゲームから検証して紹介しています。また、“ゾンビハザードが起こったら”の項目では、のろのろゾンビと走るゾンビに分けて2通りのシュミレーションも展開、特に疾走系ゾンビの場合、人類社会が壊滅してしまう予想はリアルでちょっとコワイ・・・(銃器の所有が禁じられている日本では対抗する手段が限られてしまうのが致命的でしょうか)。

多くのゾンビファンが同じ体験をしたと思いますが、自分もロメロの『ゾンビ』を見た衝撃で「もし本当にゾンビが発生したらどうしよう!?」ということばかりを考えた時期がありました(今でも、たまに妄想してしまいますが・・・)。「ゾンビが襲ってきたら何で戦おうか」「どこに逃げたらいいのか」「籠城するなら何が必要か」「将来、家を建てるなら地下室あった方が安全かなあ」などなど、そんなことを想像している時間は、なんだかワクワクして落ち着かなかった記憶があります。今ある社会が崩壊して、自由できままに生きられるサバイバルワールド。ゾンビを避けながら、食料を調達して、安全な土地を目指して生き延びていく。誰もが、自分を主人公にしたシュミレーションを繰り返したのではないでしょうか。こういうことを本気でリアルに考えたお遊び本は今まであまり無かったと思うので、おもしろい(アメリカなどではゾンビ研究本などはいろいろ出ているようですが)。

参考にしている映画が比較的新しいものに偏っている、ゲームからの影響が大きいなどオールドゾンビファンには多少違和感もあるかと思いますが、写真掲載も多いので600円でこれだけ楽しめるのなら、買っても損はないかと思います。

個人的には、やっぱり起こるならのろのろ歩くゾンビに限りますね。疾走系走るゾンビ軍団だと生き残る自信はありませんので(笑)。



バタリアン・リターンズ

2012年01月27日 01:16

バタリアン・リターンズ [DVD]バタリアン・リターンズ [DVD]
(2006/11/08)
ミンディ・クラーク、J・トレバー・エドモンド 他

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【原題名】RETURN OF THE LIVING DEAD3
【製作】ゲイリー・シュモーラー、 ブライアン・ユズナ
【監督】ブライアン・ユズナ
【脚本】ジョン・ペニー
【撮影】ジェリー・リヴリー
【音楽】バリー・ゴールドバーグ
【出演】J・トレバー・エドモンド、 ミンディ・クラーク、 ケント・マッコード、 サラ・ダグラス
1993年/アメリカ映画/97分


【STORY】
恋人のジュリーをバイク事故で死なせてしまったカートは軍の研究所へ忍び込む。彼の父親はここで生物兵器の実験を行っており、そのことを知るカートはトライオキシンという薬品を使って、ジュリーを蘇生させることに成功する。2人は研究所から逃げるが、ジュリーの体には異変が起きつつあった。


【REVIEW】
『バタリアン』の正式なシリーズなんだけど、3作目だけ『~リターンズ』というタイトル表示。1作目がロメロのパロディ、2作目がコメディー路線、で3作目はシリアスなラブロマンス!(どっかで“ゾンビ版「ロミオとジュリエット」”というキャッチフレーズを聞きましたが―)監督のブライアン・ユズナは自身の作品『死霊のしたたり2』でもゾンビの花嫁を創りだしていましたが、本作はさらに異形の愛のカタチを押し進めたストーリーが展開。事故で死なせてしまった恋人を生き返らせてしまったため、悲劇が起こります。

「愛する人が生き返るのなら、ゾンビでもかまわない」カートの純粋な気持ちは、周りを不幸に陥れます。生前の意識が残っているとはいえ徐々にゾンビ化の進むジュリーは空腹に耐えかね、人間の脳味噌にかぶりついてしまう。これが、襲ってきた悪人ならまだしも、チンピラに絡まれたところを助けてくれた店主や、下水道で匿ってくれたリバーマンなど善人ばかりで、なんとも救いようがない。さらに、研究所に収容されたジュリーを再び逃がしたために、ゾンビの集団も暴れだし研究所は壊滅、自身もゾンビに噛まれて破滅へと向かっていきます。二人の純粋な愛情が素晴らしいと考えるか、それとも無知なカップルの暴走が引き起こす悲劇的なお話しと考えるかは、観る人によってそれぞれ捉え方は違ってくると思います。私個人的には、前者の方で、ゾンビの形を借りたラブストーリーだと思いたい。今回、改めて見直しましたが、かなりググッときました。泣けるゾンビ映画もそうそう無いですし。

ジュリーのゾンビ化するスピードが遅いとか(そういえば、体の傷も治っていたような―。むしろ腐っていってるはずでは!?)、研究所の様子がお粗末だとか、あれだけ大事件を起こしておいてカートは罪に問われていないの??とか、突っ込みどころも多々ありますが、それらを補って余りあるのは、なんと言ってもミンディ・クラークの魅力でしょう。出てきた当初はビッチなケバイお姉ちゃんでしかなかったのに、一度死んでからゾンビの症状が進むにつれて俄然良くなっていきます。極めつけは、空腹を傷みで紛らわすために施す全身ピアス!この妖しいオーラをまとったミンディ・バタリアンを観るために、本作が存在するといっても過言ではないでしょう。

物語の大半が2人の逃避行なんで、他のゾンビは影が薄いですが、冒頭の蘇生実験に使われる死体、ジュリーに襲われたチンピラたちのなれの果てゾンビ、改造されたリバーマン(彼は巻き込まれた上、実験体にまでされてホントに不幸だ)の姿など、独特のゴア描写も見られます。バタリアン・シリーズは第1作がベストなのは、皆さん異論はないと思いますが、この『バタリアン・リターンズ』も捨てがたい魅力があると思います。『~2』のダメダメさにやられて、3以降を見てない方は、是非一度見て欲しいですね。

バタリアン・リターンズ02

バタリアン・リターンズ01

バタリアン・リターンズ03



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2012年01月26日 06:20

バタリアン2 [DVD]バタリアン2 [DVD]
(2011/12/21)
ジェームズ・カレン、トム・マシューズ 他

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【原題名】RETURN OF THE LIVING DEAD PARTⅡ
【製作】トム・フォックス
【監督】ケン・ウィーダーホン
【脚本】ケン・ウィーダーホン
【撮影】ロバート・エルスウィット
【音楽】ウラジミール・ホルンツィ
【出演】ジェームズ・カレン、トム・マシューズ、マイケル・ケンワーシー、マーシャ・ディートレイン、ダナ・アシュブルック、フィリップ・ブランズ、スザンヌ・スナイダー
1987年/アメリカ映画/89分


【STORY】
米軍のトラックが走行中に誤って荷台からドラム缶を落として走り去って行った。ジェシーたち3人の少年は墓地のはずれで、そのドラム缶を発見、いじっているうちに中からガスが噴出した。そのガスは墓地に流れ込み、眠っていた死人たちを蘇らせる。

【REVIEW】
前作に引き続いて、ジェームズ・カレンとトム・マシューズが出演。今回は墓泥棒に訪れた墓地で、トライオキシンを吸ってゾンビ化、医者に診察され「死んでいる!」と宣告されるあたり、前と同じ役回りです。まあ、誤ってガスを放出させてそれが墓地に→雨で地下に流れ込む→死体が甦る、この辺の描写はリメイクかというくらい似ています。

ただ、作風は違って完全にコメディ路線。1作目が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の真面目なパロディだったのに対して、本作は初めからお笑いに走っている感じ。這い出したゾンビは他のゾンビに手を踏まれるし、人間を追いかけて転んでいるやつもいます。助けを求めた近所の医者のオジサンはおとぼけキャラで、緊張感は皆無。主人公に子供を据えた時点で、ハードな怖さは求めてはいけなかったんでしょうが、怖さと笑いが中途半端になってしまっているのが残念。監督のケン・ウィーダーホンは他に『ゲシュタポ・ナチ死霊軍団/カリブゾンビ』なんかを撮った人。才能でオバノンと比べるのは酷というものでしょうか。

ゾンビで付け加えられたのが“電気に弱かった”という点。高圧電流でゾンビ軍団は壊滅させられちゃいますが、不死身のバタリアンが感電して死んじゃうのはなんだか拍子抜け。ビリビリ感電して倒れてゆくゾンビの集団の中に、マイケル・ジャクソン似のゾンビがいるのが時代を感じさせます。

バタリアン2 01

バタリアン2 02



クライモリ デッド・リターン

2012年01月25日 10:19

クライモリ デッド・リターン [DVD]クライモリ デッド・リターン [DVD]
(2012/03/07)
トム・フレデリック、ジャネット・モンゴメリー 他

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【原題名】WRONG TURN 3: LEFT FOR DEAD
【製作】ジェフリー・ビーチ、フィリップ・J・ロス
【監督】デクラン・オブライエン
【脚本】コナー・ジェームズ・デラニー
【撮影】ロレンツォ・セナトーレ
【音楽】クロード・フォイジー
【出演】トム・フレデリック、ジャネット・モンゴメリー、ギル・コリリン
2009年/アメリカ/92分


【STORY】
ウェストヴァージニア州の森の奥地、友人たちとキャンプに来ていた女子学生のアレックスは突然何者かに襲われ逃げ出すが、友人たちは全員殺されてしまう。一方、凶悪犯を護送途中の車が事故に遭い、看守ネイトは囚人たちに脅されて一緒に逃亡する羽目に。その途中で、アレックスも合流するが、その集団を奇形の者が狙っていた。

【REVIEW】
クライモリ・シリーズ第3弾は、奇形ファミリー対凶悪囚人+看守+女子大生。前作の『~デッドエンド』が良かったんで、期待して見たものの結果は―あえなく撃沈。奇形ファミリーも今回登場するのは2人で、しかも小さい方は序盤で返り討ちにあって死んでしまい、後はラストまで1人で頑張るしかない状況に。で、こいつが襲ってくるシーンじゃ足りなかったのか、囚人同士の仲間割れ、ケンカ、途中で見つけた現金輸送車から大金を運ぶ、なんかがミックスされているが、なんとも間延びした展開でイマイチ。

囚人のリーダー格の男がやたらと目立って(主人公の看守のお兄ちゃんよりも)、奇形のオヤジとタイマンするあたりは少し盛り上がるものの、やはり普通の人間では勝てず、ドタマをカチ割られてしまいます。ただ、殺しのバリエーションはけっこう豊富で、仕掛けた罠で人体がスパスパっと切断されたり、弓矢で目ん玉串刺しとか、生きたまま車で引きずりまわしたりと、そのあたりはなかなか(ちょっとCG丸分かりな個所はいただけませんが)。そして、またまた続編を予感させる終わり方。って、まだこの一族には生き残りがいたの!?

さらに疑問なのが、一応、毎回生存者がいるわけなんで、その証言から警察が現地を捜索したりはしないのでしょうか。それとも、犯人がうまいこと隠れて生き延びてるのでしょうかねえ。人間離れしてますし。
クライモリ3 01

クライモリ3 02

で、4作目『WRONG TURN Bloody Beginnings』の予告編。

今度は雪山で若い男女がやつらに襲われるみたい。楽しみです♪



デビル

2012年01月23日 09:50

デビル [DVD]デビル [DVD]
(2011/11/23)
クリス・メッシーナ、ローガン・マーシャル=グリーン 他

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【原題名】DEVIL
【製作】サム・マーサー、M・ナイト・シャマラン
【監督】ジョン・エリック・ドゥードル
【脚本】ブライアン・ネルソン
【原案】M・ナイト・シャマラン
【撮影】タク・フジモト, A.S.C
【音楽】フェルナンド・ベラスケス
【出演】クリス・メッシーナ、ローガン・マーシャル=グリーン、ジェフリー・エアンド、ボヤナ・ノヴァコヴィッチ、ジェニー・オハラ、ボキーム・ウッドバイン
2011年/アメリカ映画/80分


【STORY】
とある高層ビルから男性が墜落死した。現場に着いた市警のボーデン刑事は自殺と判断するが、死体の手にロザリオが握られていることに気付く。丁度、その頃、ビルのエレベーターが一基止まり、乗り合わせていた男女5人が中に閉じ込められていた。ビルの警備員らは復旧を進めるが、エレベーターに異常は無く、点検をしていた修理屋はエレベーターシャフトで転落死してしまう。さらに、エレベーター内で停電が起き、電気が付くとガラスが割れ、若い女がケガをしていた。

警備員からの通報を受けボーデン刑事らが警備室に到着、マイクで呼びかけるがこちらの声は届くものの、中の音声は聞こえない。そして、また停電が起こり、電気が付いた時、中の1人が死んでいた。パニックになるエレベーターの乗客たち。ボーデン刑事は壁を壊して救出しようとするが、停電のたびに犠牲者は増えていくのだった。

【REVIEW】
シャマラン製作・原案で「The Night Chronicles project」という3部作シリーズの企画があって、この『デビル』は第1作目のなるのだとか。監督は、『REC レック ザ・クアランティン』を手がけたジョン・エリック・ドゥードル。舞台をエレベーターに限定し、時間も80分と短めにしたことで、ラストまで一気に見せるワンシチュエーションムービー。ホラーっぽい匂いはあるものの、殺人シーンは暗闇の中なので、グロい描写はなく、超自然スリラーといった感じ。

エレベーターの乗り合わせた5人は偶然居合わせたのではなく、何かによって集められたメンバー。それぞれ理由があって、後半それが明かされていくのだが、事件を追うボーデン刑事にも深い繋がりがあったのがミソ。業を背負った者たちに審判を下すのは、文字通りデビルなわけですが、『セブン』なんかの七つの大罪の殺され方なんかに比べると、非常にスマートで残忍さは感じられない。また、最後に許しちゃったりして、妙に優しかったりします。

でも、余計な物をそぎ落として、ワンアイデアで最後まで見せてくれる展開は悪くないし、80分という時間も丁度いい。でも、劇場で見るのはちょっともったいない気もする。家でDVDで見るのがベターかも。




池袋・新文芸坐のルチオ・フルチオールナイト

2012年01月17日 05:28

2/18に池袋・新文芸坐で催される「ルチオ・フルチオールナイト」、上映作品は、
幻想殺人(1971・伊=西=仏)※国内初上映、デジタル・リマスター
ビヨンド(1981・伊)※デジタル・リマスター、5.1chサラウンド上映
ザ・サイキック(1977・伊)※デジタルリマスター
サンゲリア2(1988・伊)※国内初上映、デジタル・リマスター、ステレオ上映
の4作品。

『幻想殺人』と『サンゲリア2』は国内初上映なんですね。
そして、オールナイトなんで、すべてのプログラムが終わるのは、朝の6時過ぎ!!
(始まりは、18日の22時30分)

中原昌也さん、山崎圭司さんらのトークショーもあって、今回も濃い~一夜になるんでしょうが、フルチ作品を連続で4作も見たら、いろんな意味で体力持たないでしょうなあ。


文芸坐の新着情報とお知らせは→コチラ

パラノーマル・アクティビティ2

2012年01月16日 18:21

パラノーマル・アクティビティ2  [DVD]パラノーマル・アクティビティ2  [DVD]
(2012/02/10)
ケイティ・フェザーストーン、スプレイグ・グレイデン 他

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【原題名】PARANORMAL ACTIVITY2
【製作】オーレン・ペリ、ジェイソン・ブラム
【監督】トッド・ウィリアムズ
【脚本】マイケル・R・ペリー
【撮影】マイケル・シモンズ
【出演】ケイティ・フェザーストーン、スプレイグ・グレイデン、ブライアン・ボーランド、モリー・イフラム、ミカ・スロート
2010年/アメリカ映画/91分


【STORY】
クリスティとダニエル夫婦は、ある日帰宅すると家中が荒らされていて空き巣に入られたようだった。ダニエルは不安を解消するために監視カメラを設置する。やがて、幼い息子のハンターの乳母が「家の中の様子がおかしい」と言い始め、夜中に怪現象が起こり始める。超常現象だと信じようとしなかったダニエルだったが、遂にはクリスティの様子が豹変、ダニエルは彼女に取り付いている“何か”を取り除こうと考えるが・・・。


【REVIEW】
続編ながら、時間軸的には前作を遡ったところから始まる本作、なぜこのような超常現象が起きたのかその原因が少しずつ明かされていきます。ケイティとクリスティ姉妹は、なぜこんな目に遭い続けるのか!?それは、彼女たちの先祖が行ったあることが発端だった―。まあ、それは置いといて、相変わらず一軒家で起こる数々の不気味な現象を定点カメラ目線で追っかけております。

前作と違う点は、カメラの数が増えて画像が鮮明になったこと、主要キャラが増えたこと。特に赤ん坊と飼い犬の存在は大きい。大人の気付かない存在を敏感に感じ取って「そこに何かが居る!」というのを表現してくててます。今回の怪現象は、夜中にキッチンの鍋が落ちる(掛けなおしてもしつこく落ちる)、扉がいっせいに開く、不気味な物音がする、など、この辺はお決まりのパターンで、怖くなってくるのはクリスティンが地下室まで引きずりこまれて人格が変わってしまうあたりから。ラストは前作と似た感じですが、悪くはないです。カメラに向かって放り投げるのはもはや定番と化してますね。

続編ということで、1作目とストーリーをうまく繋げたのはよろしいんですが、いろいろと明らかになっていくと逆に怖さは感じなくなっていくような気もします。1作目はほとんど謎のまま始まって、説明付けされないまま終わっていくので、それが得体の知れないなんとも言えない感がありました。なので、純粋な怖さ度はどうしても負けてる感があります。とりあえず、何かが起こりそう、何かが出てきそう、というお化け屋敷的なアトラクションとしては、まずまず楽しめると思います。

パラノーマル・アクティビティ


クライモリ デッド・エンド

2012年01月12日 06:02

クライモリ デッド・エンド [DVD]クライモリ デッド・エンド [DVD]
(2008/04/04)
エリカ・リーセン

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【原題名】WRONG TURN2 DEAD END
【製作】ジェフ・フライリック
【監督】ジョー・リンチ
【脚本】テューリ・メイヤー、 アル・セプティエン
【撮影】ロビン・ローウェン
【音楽】ベアー・マックレアリー
【出演】エリカ・リーセン、ヘンリー・ロリンズ デール、 テキサス・バトル
2007年/アメリカ映画/97分


【STORY】
ウェストヴァージニア州にやってきたテレビ撮影クルー。彼らはサバイバル番組「アポカリプス」を撮影するためにこの奥深い山中に来たのだ。5日間のサバイバルゲームを勝ち抜いた者には10万ドルが出るとあって、出演者たちもやる気十分。予定の時間になっても、出演者の一人が来ないので、代役を立てて撮影を始めるが、実は来る途中で何者かに惨殺されていた。そして、撮影を続ける彼らにもそいつらが襲いかかる。

【REVIEW】
2003年製作の『クライモリ』の続編。前作で出てきたフリークス一家がパワーアップして登場、そして彼らの出生の秘密も語られます。その昔、山中にできた製紙工場の汚水の影響で体に異変をきたした一家の末裔が、近親相姦の末さらに奇形な姿に。そして、付近を通る人間を狩っては食料にしていた―。と、化学汚染による影響が付け加えられています。

今回は、弓矢が得意のハンターの親父、人肉料理を振る舞う母親、そして親以上にフリークスな子供(しかも夫婦になっている!?)なんかが勢ぞろい。さらに、前作でちょこっと出ていたガソリンスタンドの汚い親父もこの家族の一員だったことが判明します。(やっぱりか、という感じですが)

最初~中盤はまったりした展開ですが、後半になってくると物語は加速。斧で体が真っ二つ、ナイフで背中をメッタ切り、宙づりになった男女の頭を弓矢でグサリ、などゴア度は前作以上。飛び出る内臓や、人体解体シーンもじっくり見せてくれ、多少チープな感じはするものの血糊の量はかなりのもの。暴走する殺人鬼ファミリーとあいまって、やり過ぎ感が逆に笑いを誘います。

殺される被害者側もバラエティ豊か。故障した元フットボール選手、女兵士、女優にチャライお兄ちゃんなど若い男女が犠牲に。さらに裏方のスタッフたちもやられますが、特異なキャラが“アポカリプス”の看板キャラ・元軍人の大佐。いきなり捕まってしまうものの逆襲に転じ、まずは汚い親父をダイナマイトで爆殺。その後、ランボーかという出で立ちで森を突き進み、ファミリーのアジトへ乗り込みいざ最終決戦!子供を倒すが、逆上した親にやられてしまいます。(死にそうな予感がぷんぷんしながら、最後まで生き残ったのはたいしたもんですが)最後に生き残るのは2人ですが、前作ほど突出した主人公タイプがいないので、誰が生き残るのか予想しづらいのはいいです。さらに、捕まえてきた女性を椅子に有刺鉄線で縛り付け、人肉料理で迎える殺人鬼ファミリーの晩餐会!ここは、まんま『悪魔のいけにえ』ですが、食事の前には、祈りをささげたりと何だか意外に芸が細かいのは笑えます。

ラスト、途中で生まれていた奇形ベイビーが生きていることが判明(ほとんどもうエイリアンのようですが)、続編を暗示させて終わります。とりあえず、知能指数はだいぶ下がりましたが、不快指数にアンモラル度、タブー犯しまくりで血しぶき爆発と、個人的には非常に楽しめた1本。名作と呼ばれることはまず無いでしょうが、このパワフルさは評価されてもいいと思います。
クライモリ2 01

クライモリ2 02

クライモリ2 03



パラノーマル・アクティビティ

2012年01月11日 06:08

パラノーマル・アクティビティ [DVD]パラノーマル・アクティビティ [DVD]
(2010/12/22)
ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート 他

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【原題名】PARANORMAL ACTIVITY
【製作】オーレン・ペリ、ジェイソン・ブラム
【監督】オーレン・ペリ
【脚本】オーレン・ペリ
【編集】オーレン・ペリ
【出演】ケイティ・フェザーストーン、ミカ・スロート
2007年/アメリカ映画/86分


【STORY】
一軒家に暮らすミカとケイティのカップルは、真夜中に起こる不思議な出来事に頭を悩ませていた。ケイティは8歳の頃から謎の現象を経験していて、自分に何かが取り憑いているのではないかと疑う。彼女の不安を取り除くため、ミカは寝室にビデオカメラを設置して、夜中に何が起こっているかを観察することにする。翌朝、カメラを再生してみると―。


【REVIEW】
驚くほどの低予算自主製作映画ながら(たしか130万円程度だったはず)、全米で大ヒットした作品。カメラを怪現象が起こる寝室にセットし、定点観測でひたすら2人に起こる出来事を追ってゆく。出演者も僅か数人だし、一軒家の中しか映らないが、この限定された空間だからこそ、「何が起こるんだろう」という興味と怖さに集中できたんだと思います。

いろいろなメディアで「とんでもない怖さ!」「ハリウッドもリメイクをあきらめた!」などと、煽りに煽りまくっていたおかげで、全編見終わると「いうほど怖くなかったかも!?」と感じてしまうのはいたしかたない所。怪現象も、大人しめのポルターガイストといった感じで、霊(なのか悪魔なのか結局よくわからんが)の仕業も可愛いもんだ。

ただ、晩になって寝静まって、何かがやってくる雰囲気が漂ってくると「何が起こるの!?」「何が写ってるの!?」という期待感が高まって来て、画面に食い入るように(怪現象を見逃すまいと)集中して息をのむという感じは悪くは無い。この辺、日本の心霊映画に共通した雰囲気が感じられます。派手さはないけれども、後からじわ~っとくる怖さですかね。

見えない何者かの足音や、突然つくテレビ、誰もいないのに閉まるドア、など怪現象をいろいろ見せてくれますが、個人的に一番ゾッとしたのは、真夜中に彼女がベッドの脇でずっと立っているところ。ビデオを早送りで再生していて分かるんですが、ひたすら寝ている彼氏の横で立っています。その表情は真っ暗で分からないんですが、じっと彼を見つめているよう。実際に体験したらこれが一番コワイだろうなあ。

DVDには2パターンのエンディングが収録されているが、しっくりくるのはやっぱり劇場版の方でしょうか。ミカの体がカメラに向かってぶっ飛んでくる瞬間に驚き、その後ろに見えるケイティの姿が怖さを増幅させています。
パラノーマル・アクティビティ01

パラノーマル・アクティビティ02



怒霊界エニグマ

2012年01月10日 07:17

怒霊界エニグマ [DVD]怒霊界エニグマ [DVD]
(2001/01/25)
ジャレッド・マーティン、スージー・ケンドール 他

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【原題名】AENIGMA
【製作】エットレ・スパニョーロ
【監督】ルチオ・フルチ
【脚本】ジョルジオ・マリウッツォ、ルチオ・フルチ
【撮影】ルイジ・チッカレーゼ
【音楽】カルロ・マリア・コルディオ
【出演】ジャレッド・マーティン、・ララ・ナツィンスキー、スージー・ケンドール
1988年/イタリア映画/89分


【STORY】
ボストンの名門校に通う内向的なキャシーは、ある晩同級生たちにいじめられ、あげく車にはねられて昏睡状態に陥る。しかし、復讐に燃えるその魂は転校してきたエバに乗り移り、恨みを晴らしてゆく。鏡から出てきた自分に首を絞められて窒息死する男子教師、博物館の銅像に襲われる女生徒。いじめの中心人物だった同級生には、寝ている間に無数のカタツムリが体を覆い、そのボーイフレンドは首がはねとばされる。

その後、担当医のロバートに恋をしたキャシーはエバの体を使って彼に接近するが、ロバートはすでに恋人がいた。嫉妬に燃えるキャシーの怨念がさく裂する。


【REVIEW】
ルチオ・フルチ晩年のサイキック学園モノ。いじめられっ子の復讐劇、寝たきり状態でのサイコパワーの発動など、『キャリー』や『パトリック』など他の映画から拝借したようなアイデアが散見できるのはご愛敬。さらに言えば、女子寮に転校生がやってくるくだりは『サスぺリア』か『フェノミナ』か、ともかくフルチが学園モノに挑戦したということが意外です。

さて、フルチ監督といえば、何を置いてもゴアシーン。『サンゲリア』『地獄の門』などの突き抜けた残酷描写で熱烈なファンを生んだだけに、どうしても期待されてしまうのはいたしかたない所。で、本作はどうかというと、残念ながらゴア描写はほとんど無し。首チョンパはあるものの、全然血しぶきも飛ばず、殺しの場面も平凡。唯一、カタツムリ女体盛りが生理的に何か訴えかけているくらいか。(それでも、ゴキブリやウジ、タランチュラなんかに比べたら可愛いもんです)「フルチ=残酷」というレッテルが貼られてしまっている以上、それがないとどうしても駄作という評価が下されてしまうのはちょっと可哀そうだが、それを差し引いてもやっぱりイマイチかも。

唯一、残っているのは訳の分からない邦題『怒霊界エニグマ』の“怒霊界”。丹波さんの大霊界というのはありましたが、怒霊界とは一体なんぞや!?


サンゲリア
地獄の門

バタリアン

2012年01月09日 09:03

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(2004/04/02)
クルー・ギャラガー、ジェームズ・カレン 他

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【原題名】THE RETURN OF THE LIVING DEAD
【製作総指揮】ジョン・ダリー、デレク・ギブソン
【製作】トム・フォックス、グラハム・ヘンダーソン
【監督】ダン・オバノン
【脚本】ダン・オバノン
【原案】ルディー・リッチー、ジョン・ルッソ、ラッセル・ストライナー
【撮影】ジュールス・ブレンナー
【音楽】マット・クリフォード
【出演】クルー・ギャラガー、ジェームズ・カレン、ドン・カルファ、トム・マシューズ、べバリー・ランドルフ、ジョン・フィルビン、ジュエル・シェパード
1985年/アメリカ映画/91分


【STORY】
ケンタッキー州のルイビル。小さな医療会社の倉庫で新入りのフレディは先輩社員のフランクから仕事を教わっていた。真っ二つに割れた犬の剥製や、実験に使用される死体など、不気味なものが保管されている。そんな中、フレディがフランクに、今まで見た中でいちばん恐ろしかった物は何か?と尋ねる。すると、
「お前、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』っていう映画を見た事があるか?あれは実話なんだぜ。軍の研究していた薬品が死体安置所に漏れて、それを浴びた死体が跳びはねたのさ!軍は秘密裏にそれらを処理したって話さ。」フランクが嬉しそうに新入りに話し続ける。
「なんで、そんなこと知ってるかって!?軍の間抜けなところは、処理した死体を手違いで民間の会社へ送っちまったことだ。そう、この会社にね。ホントだぜ。ウソだと思うなら今から見せてやろう」

半信半疑のフレディを連れて地下室に降りて行ったフランクは、倉庫の奥の古びたタンクの蓋を開ける。恐る恐るフレディが覗くとミイラ化した死体が見える。
「これって、大丈夫なのかい!?」
「当り前さ、軍が作ったもんだぜ!?」
フランクがそう言って、タンクの横をたたくと、突然タンクから煙が噴き出した。煙を吸い込んだ2人は気を失い、通気口を伝わった煙を浴びた死体が動き始めた。

死体が甦ったことに困ったフランクは社長のバートに連絡する。やって来たバートら3人は映画にならって死体の頭を破壊するがいっこうに死なない。途方に暮れる中、バートは隣に住む葬儀屋のアーニーに頼み込んで、死体を焼却してもらうことにする。炎に巻かれた死体は燃え尽きてなくなるが、空に舞い上がった煙は突然降りだした豪雨で隣接する墓地へしみ込んでいく。そして、何百もの死体が這いずり出し、人間を襲い始めた!

【REVIEW】
『エイリアン』『ゾンゲリア』『ブルーサンダー』などの脚本を手掛けてきたダン・オバノンが満を持して監督したのが本作。内容的にはロメロのパロディーながら、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の権利を取得した正式な続編で、『ナイト~』が本当にあった事件として、それをベースにお話は進んでいきます。ゾンビの頭を破壊しても倒せないのを見て、「映画はウソか!?」なんてセリフも。ロメロ版と違うのはそれだけでなく、“会話が出来る”“走ることが出来る”など、かなりアクティブ。現場に来た警官を襲ったあと、無線で「もっと、応援をよこしてくれ」なんて言ったり、悪知恵も働きます。今のゾンビ映画では、走るゾンビはかなりメジャーになりましたが、80年代はまだまだ歩くゾンビが主流だった時代。イタリア製の『ナイトメア・シティ』でも機関銃をぶっ放して走るやつがいましたが、あれは放射能を浴びた人間が狂ってしまった感じで、死体から甦ったゾンビという観点からいえば、『バタリアン』の方が走るゾンビのパイオニアなのかも。

ロメロのパロディーながら、登場する人物たちはいたって真面目。ゾンビを始末しようとあれこれ手を尽くすものの、全て裏目に出てしまって、ゾンビは増える一方。警官隊も全滅し、一縷の望みでタンクの電話番号をダイヤルすると、軍部は事務的に処理してゆき、ミサイルを発射してキノコ雲とともに消滅させてしまう。こんなに簡単に核ミサイルで片づけてしまうやり方に寒気を覚える一方、その直後に雨が降り出して、結局また振り出しに戻ってしまい、何ともやり切れなさも残ります。

『バタリアン』がホラー映画よりも、コメディー映画のような印象があるのは日本での公開時に東宝東和が行ったプロモーションによるところが大きい。日本独自の題名“バタリアン”は流行語ともなったオバタリアンという言葉の源流にもなり、オバンバやタールマン、ハーゲンタフといったキャラクター名も有名になった。これらは、ホラー映画をそれほど見ない層にも認知させるという効果を生み出した半面、「なんかホラーっぽいキャラクターが出て来るコメディー映画」というイメージを作ってしまったような気がします。

本作は基本的には真面目なストーリーで、脳味噌をえぐり出したり、頭が吹っ飛んだりとゴアシーンもあるまっとうなホラー映画で、純粋なコメディー映画では無いと思います。生きている人間が徐々にゾンビ化していく様子や、「もはやこれまで!」と自ら焼却炉に入って自殺したりと、“死”をめぐるやりとりが笑いを誘っていたりするのであって、キャラクターで笑いを取っているのではない。正統なホラー映画として見られていない、日本での『バタリアン』の扱われ方はちょっと可哀そうかな・・・と感じます。

同時期に製作された本家ロメロの『死霊のえじき』よりもヒットしたことにより、続編も作られたが、評判が良かったのはブライアン・ユズナが監督した3作目の『バタリアン・リターンズ』くらいで、ケン・ウィーダーホーン
の『バタリアン2』は1作目の平凡な焼き直し、近年作られた4・5作目も芳しくなかったようです。


DVDのジャケット違いバージョン。劇場公開時のパンフとたしか同デザインだったはずで、懐かしい。
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(2008/10/24)
クルー・ギャラガー、ジェームズ・カレン 他

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バタリアン02

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クライモリ

2012年01月08日 10:09

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(2005/04/22)
エリザ・デュシュク、エマニュエル・シューキー 他

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【原題名】WRONG TURN
【製作】スタン・ウィストン
【監督】ロブ・シュミット
【脚本】アラン・B・マッケルロイ
【音楽】エリア・クミラル
【特殊効果】スタン・ウィストン
【出演】エリザ・ドゥシュク、エマニュエル・シューキー、リンディ・ブース
2003年/アメリカ・ドイツ映画/84分


【STORY】
医学生のクリスは面接に遅れないよう、事故で渋滞していた国道を避け、地図にものっていないような奥深い森の道を車で飛ばしていた。わき見をしてしまった瞬間、立ち往生していた車に激突、車は大破してしまう。その車は道に張られた有刺鉄線でパンクしていた。車の持ち主たちはキャンプに来ていた若者グループで、クリスは彼らたちと、助けを求めて人家を探すことに。しかし、不気味な視線が森の中から彼らを狙っていた。

【REVIEW】
オープニングで暗示される「近親相姦で生まれた~遺伝子に異常をきたした人間~不気味な姿~強靭な肉体と凶暴性」などの情報、そして増え続ける行方不明者の数。これだけで、映画の方向性はほぼ見えたも同然、脱出不可能な森の奥地に迷い込んだ若者たちに殺人鬼ファミリーが襲いかかります。

人里離れた森の中で、車は壊れて使えず携帯も通じない。仕方なく歩いて助けを求めて進んでいくと、一見廃屋寸前の一軒家を発見。不気味な外観に不穏な空気を感じつつも背に腹は替えられんと、中に入って見たものは―。この辺名作『悪魔のいけにえ』と同じパターンで(人肉ソーセージは作ってませんでしたが)、見てはいけないものを見てしまいます。急いで逃げようとするものの、そこに家主たちが帰ってきます。何とかやりすごそうと物陰に隠れるものの、彼らが目にしたものは、途中ではぐれた仲間の死体!!さらに、その死体が切り刻まれる様を見せ付けられます。この辺の緊張感はなかなかのもの。やっぱり、うさんくさい家には勝手に入らない方が賢明ですね。

その後、からくも脱出したものの、追ってくるやつらに一人、また一人と殺されてゆき、ヒロインも捕まりまたあの一軒家に連れ戻されてしまいます。意を決したクリスはやつらと対峙、勝負の行方は・・・。てな感じですが、ストーリーはいたってシンプルで、一軒家を抜け出してからは、森の中をひたすら逃げる・追いかけるの展開。よくあるパターンなんですが、おもしろいのは追ってくる殺人鬼ファミリーのキャラクター。見た目はフリークスで、会話もしない(できない!?)でうめき声くらいしか発してないんですが、登場する3人の間では意思疎通ができているようで、チームワークで追い詰めてきます。弓矢で正確に射抜いてくるやつ、怪力の大男、身軽で木の上を軽業師のように移動するやつなど、マンガチックでよく出来ています。で、彼らの強さもなかなかのもの。斧で切りつけられても、ドタマを弓矢で貫かれても、車でぶっ飛ばされても死にません。一応、苦しそうにはなりますが、高耐久なやつらです。

しかし思うのは、こういうタイプの映画がつくられるのは、広大な土地を持つアメリカならではのお国柄でしょうか。21世紀になっても、未だに未開発、謎の土地が存在していて、そこに人知れず殺人鬼が住んでいてもおかしくない―そんなリアリティが“知らない土地へ行ったら、どえらい目に遭っちゃった”的ムービーを作らせている様な気がします。

クライモリ01



ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル

2012年01月08日 06:58

ミッション:インポッシブル ゴーストプロトコル

【原題名】MISSION:IMPOSSIBLE GHOST PROTOCOL
【製作】トム・クルーズ、J・J・エイブラムス、ブライアン・バーク
【監督】ブラッド・バード
【脚本】アンドレ・ネメック、ジョシュ・アッぺルバウム
【撮影】ロバート・エルスウィット
【音楽】マイケル・ジアッキーノ
【出演】トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、ポーラ・パットン、ミカエル・ニクヴィスト、ウラジミール・マシコフ、ジョシュ・ホロウェイ、アニル・カプール、レア・セドゥー、トム・ウィルキンソン
2011年/アメリカ映画/132分


【STORY】
IMFのイーサン・ハント率いるチームはロシアのクレムリンに潜入していたが、作戦途中で爆破テロに巻き込まれてしまう。ロシア側からテロの容疑をかけられたイーサンは合流したIMF長官からIMFを解体する指令:ゴースト・プロトコルが発動されたことを知る。事件の真相を暴く決意をしたイーサンは、仲間たちとともに黒幕たちが取引を行う現場へ向かう。そこはドバイにそびえ立つ地上828mの超高層ビル、ブルジュ・ハリファ。高レベルのセキュリティーを突破し、イーサンたちは黒幕たちをおさえることができるのか!?

【REVIEW】
正月、2日に観てきました。今年初の劇場映画は『ミッション・インポッシブル』の4作目でした。このシリーズは劇場で観るのは1作目以来なので、実に15年ぶりでしょうか。自分も年をとりましたが、トム・クルーズもやっぱり少し老けた!?初めてT・クルーズを観たのは『トップガン』だったんで、それから数えると25年!四半世紀になります。そう考えると、ず~っと第一線でスターであり続けているというのはすごい事ですよね。

このシリーズ、毎回メガホンを撮る人は違いますが、今回は『MR.インクレディブル』を撮っていたブラッド・バードが実写映画を初監督。実写初らしいですが、違和感なく手堅い演出力を発揮しております。(シリーズ最高傑作とも言われてるらしいですね)

見所は、高所恐怖症には絶対マネできない、超高層ビルの外壁をよじ登るシーンに始まり、冒頭のクレムリン大爆破、砂嵐の中のカーチェイス、核ミサイル発射阻止の潜入ミッションなど、手に汗握る場面が満載。最新の映像技術と音響システムのおかげもあって、大画面スクリーンで見るにはうってつけの映画の1本でしょう。

エージェントの1人でとぼけたいい味を出していたのがサイモン・ペッグ。すっかり忘れていましたが、彼は3作目にも出ていたんですね。個人的には『ショーン・オブ・ザ・デッド』がベスト!なんですけど、本作でもなかなかの存在感を発揮してました。


とりあえず、難しいことを考えずに理屈抜きで楽しめる1本。132分というランニングタイムの長さも気になりませんでした。


年末年始

2012年01月04日 21:15

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

あっというまに今日はもう4日、早いもんです。

年末は、31日まで仕事だったこともあって、師走の実感が湧かないまま2011年も終わりを迎え、大晦日もだらだら『絶対に笑ってはいけないエアポート24時』を見ていたらいつの間にか年が変わっておりました。(番組終わるの12時過ぎだったのね・・・)

正月三が日もあっという間でしたが、今年は近所の神社に初詣プラス、京都の北野天満宮にも初詣に行ってきました。行ったのは2日でしたが、なかなかの混み具合。で、その後和歌山まで戻って、映画鑑賞。今年一発目の劇場映画は『ミッション・インポッシブル』でした。

昨年はいうほど映画も見れませんでしたが、今年はもう少し時間を作って見られるようにしたいと思います。(去年も同じこと言ってたような気がしますけど)

北野天満宮
混んでます。


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