2012年11月26日 23:16

【原題名】NIGHT OF TERROR/ZOMBIE 3: THE NIGHTS OF TERROR/BURIAL GROUND
【監督】アンドレア・ビアンキ
【脚本】ピエロ・レニョーリ
【音楽】エルシオ・マンキューゾ、バート・レクソン
【特殊メイク】ジャネット・デ・ロッシ
【出演】カリン・ウェル、ジャンルイジ・チリッチ、シモーネ・マッティオリ、アントネッラ・アンティノーリ、ピーター・バーク、マリアンジェラ・ジョルダーノ
1979年/イタリア映画/93分
【STORY】
遺跡で発掘中に誤ってゾンビを蘇らせてしまった教授が生きたまま喰われて絶命する。丁度、その頃、バカンスに来ていた男女7人組の宿泊している屋敷にも、ゾンビの群れが押し寄せていく。
【REVIEW】
悪名高いイタリア製ゾンビ映画の1作(イタリア製ホラーには、悪名高いのがなんと多い事でしょうか・・・)。
原題の“NIGHT OF TERROR”はまだしも、“ZOMBIE 3”はどうよ!?いわく、ロメロの『ゾンビ』にかこつけて、フルチの『サンゲリア』が“ZOMBIE2”と付けたので、その続編ということ・・・らしい。けれども、『サンゲリア』とは何の繋がりも無いし、ましてやロメロとは完全に無縁。しかも、『サンゲリア2』の原題は同じ“ZOMBIE3”だし、ややこしくてしょうがない。まあ、商魂逞しい、イタリア映画ならではのことでしょうか。
そして、哀しくなってくるほど薄いストーリー。遺跡で突然甦ったゾンビ軍団。折しも教授の屋敷でいちゃつくカップルたちにのっそりと襲いかかるわけですが、ただそれだけ。ゾンビが近づく→気付いて逃げる→ゾンビのドアップ。ゾンビが襲いかかる→悲鳴を上げて逃げる→ゾンビのドアップ。ゾンビがつかみかかる→応戦する→ゾンビのドアプ。ひたすら、その繰り返し。腐ってるというより、乾燥してミイラ化したようなマスクにウジやらミミズやらを垂らしながら出て来るゾンビの顔を「どうだ! この顔は! スゲーだろ!?」と言わんばかりに見せつけられても・・・。まあ、それがこの映画の売りなんだろうけれども。ねえ。
内容的にも、演出面でも非常に最下位にランクされるであろう映画ですが、それでも見るべきものが無いわけではないのがこの『ゾンビ3』。とりあえず汚ければ汚いほどいいんじゃない!?ゾンビの造形。見た目の気持ち悪さは『サンゲリア』に匹敵しそう。しかも、このゾンビ、知能指数がやたらと高くて、手裏剣やら大ガマなんかの道具は使うし、電ノコといった機械も使える。どう見ても脳ミソ腐ってそうなんすけれども。そして、花壇から這い上がるゾンビ。なんでそんな狭いところに埋まってるの!?適当過ぎるんとちゃう?と突っ込みどころは、多いです。
さらに、このゾンビより怖いのがマザコン坊や。異様にきっちり分けられた髪型に、ギョロっとした目、不気味な位白いお肌と、一度見たら忘れられないこの人、インパクトは絶大です。しかも、演じてた役者さんは25歳だったとか。この坊や、ゾンビ化した後、母親に再会するんですが、母親に抱き締められると、胸にむしゃぶりついて、挙句の果てに乳房を食いちぎってしまいます。こんな迷場面、滅多に見られませんよ。
そんでもって、最後まで生き残っていたカップルも、ゾンビに追い詰められて絶体絶命。どう切り抜けるのか!?と思ったら、2人とも殺されて終わり・・・、何とも後味の悪い終わり方。『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』もそうでしたが、救いようのないアンハッピーなエンディングは、イタリアンホラーならではの重~いものを感じさせます。決して傑作ではないけれども、ゾンビファンなら避けては通れない、不思議な味のあるゾンビ映画です。
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