新・死霊のはらわた

2012年12月25日 16:50

新・死霊のはらわた<デジタル・リマスター版> The Dead Next Door [DVD]新・死霊のはらわた<デジタル・リマスター版> The Dead Next Door [DVD]
(2011/05/25)
ピート・フェリー、ボグダン・ペシック 他

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【原題名】THE DEAD NEXT DOOR
【製作総指揮】サム・ライミ
【製作】J・R・ブックウォーター
【監督】J・R・ブックウォーター
【脚本】J・R・ブックウォーター
【撮影】マイケル・トロチコ・Jr
【音楽】J・R・ブックウォーター
【出演】ピート・フェリー、ボグダン・ペシック、マイケル・グロッシ、ジョリー・ジャッカナス
1986年/84分/アメリカ映画


【STORY】
ゾンビ・ウィルスが蔓延した世界、政府によって組織されたゾンビ壊滅部隊のリーダー格のライミはゾンビの血清を入手できるかもしれないとの情報を得て、ボウ博士のもとへ向かう。しかし、博士の自宅に姿はなく、代わりにゾンビを保護するカルト教団の集団と戦うはめになる。


【REVIEW】
ゾンビ・ハザード発生後の世界を舞台に、軍vsゾンビvsカルト教団の戦いを描いた自主製作映画。デジタル・リマスター版となっていますが、元が8mm撮影のためか、粗い映像は見づらく雰囲気も古臭い(それが、また80年代テイストを醸し出していていいんですが)。そして、紛らわしいのがこの『新・死霊のはらわた』というタイトル。製作総指揮に名を連ねているサム・ライミは偶然撮影現場を通りかかって声をかけただけとか、劇中で流れているTV映像に『死霊のはらわた』が使用されているとか-そんなところらしいです。だから、ストーリーは全く関連性は無いです。

俳優陣もほとんど素人に毛の生えた程度の演技で悲しくなってきますが、意外と頑張っているのがゴア描写。ゾンビの首をちょん切ったり、内臓つかみ出しのシーンがあったりと、なかなか見せてくれます。ゾンビのメイクも悪くないし、自主製作レベルははるかに超えていると思います(あくまで自主製作映画の中でですが)。ライミやらジェイソンやらサビーニなど、ファンならニヤリとするネーミングもご愛嬌ということで。

新・死霊のはらわた01


新・死霊のはらわた02




ホステル2

2012年12月19日 09:50

ホステル2 [無修正版] [DVD]ホステル2 [無修正版] [DVD]
(2008/02/22)
ビジュー・フィリップス、ヘザー・マタラッツォ 他

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【原題名】HOSTEL PARTⅡ
【製作】マイク・フレイス、 クリス・ブリッグス
【製作総指揮】ボアズ・イェーキン、 スコット・スピーゲル、 クエンティン・タランティーノ
【監督】イーライ・ロス
【脚本】イーライ・ロス
【撮影】ミラン・チャディマ
【音楽】ネイサン・バール
【出演】ローレン・ジャーマン、ロジャー・バート、ビジュー・フィリップス、ヘザー・マタラッツォ
2007年/アメリカ映画/95分


【STORY】
ローマに留学中のアメリカ人女子大生のべス、ホイットニー、ローナの3人は休暇を取ってプラハへ向かう。途中、列車内でアクセルという女性から天然スパの情報を聞いた3人は、急きょ行き先を変更、スロバキアへ。ホテルへチェックインを済ませ、その晩収穫祭へ繰り出した3人だが、ローナが知り合った男性と行方不明に。そして、べスとホイットニーも黒ずくめの男たちに拉致され、謎の工場跡地へ運び込まれる。そこには世界中の金持ちが大金を払って、拷問・殺人を行う会員制の秘密クラブ“エリート・ハンティング”が存在していた。


【REVIEW】
タランティーノがプロデュース、『キャビン・フィーバー』のイーライ・ロスが監督したウルトラ残酷ムービー『ホステル』の続編。冒頭で、前作の生き残りが殺され、今回の獲物はアメリカ人女子大生3人に。スロバキアへやってきた彼女たちは、あのホステルに宿泊すると、すぐさまネットオークションにかけられ金持ち会員たちに落札されてしまう。1作目では、殺される側の恐怖をじわじわいたぶるように描いていたが、今回は殺す側の視点が増えているのが特徴。べスとホイットニーを落札したアメリカ人男性の対照的な2人がおもしろい。(1人は殺す気満々、もう1人は誘われて仕方なく来ちゃった・・・的な感じを匂わせつつ、いざ本番になったら俄然やる気が出てきて「このビッチ!殺しちゃるー!!」と豹変します。でもそれが、裏目に出るんですが)

ただ、1作目のいかがわしさ・グロ全開の拷問描写などに比べると、なんだかパワーダウンが否めないのが本作。拷問の描写も淡泊だし、意外とあっさりしてるのが残念。逆さ吊りにしたローナを切り刻んで生き血を浴びる女性会員の描写はおもしろかったけど(これで美貌を保ってるんでしょうか。そんな吸血鬼映画もありましたなあ)。最後の、立場が入れ替わるどんでん返しは痛快ながらも、予見できてしまうのがもったいない。あと、途中で拷問しながら人肉を食す会員役で『食人族』のルッジェロ・デオダートがゲスト出演しています。食人映画監督だけに、やけに嬉しそうに人肉を食しているのが印象的。

ホステル2 01


ホステル2 02




ホステル

2012年12月18日 13:57

ホステル 無修正版 コレクターズ・エディション [DVD]ホステル 無修正版 コレクターズ・エディション [DVD]
(2009/07/03)
ジェイ・ヘルナンデス、デレク・リチャードソン 他

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【原題名】HOSTEL
【製作】イーライ・ロス、クリス・ブリッグス、マイク・フライス
【製作総指揮】クエンティン・タランティーノ、スコット・スピーゲル、ボアズ・イェーキン
【監督】イーライ・ロス
【脚本】イーライ・ロス
【撮影】ミラン・チャディマ
【音楽】ネイサン・バー
【出演】ジェイ・ヘルナンデス、デレク・リチャードソン、エイゾール・グジョンソン
2006年/アメリカ映画/94分


【STORY】
アメリカ人大学生のパクストンとジョシュはヨーロッパ各地を旅行中、アイスランド人のオリーと合流し、遊びに興じていた。彼らはアムステルダムに滞在中、スロバキアに男の求める快楽を存分に提供してくれるホステルがあることを聞き、早速そこへ向かう。現地に到着して早々、同室となった美女たちと楽しい夜を過ごすが、翌朝オリーが携帯に「帰国する」とメッセージを残して消えてしまう。さらに翌日にはジョシュも行方不明に。二人を探すパクストンは、相部屋の女性を問い詰め、ある廃工場跡へ案内される。


【REVIEW】
金を払って人間を拷問し殺すことができる―。都市伝説ではよくありそうな話ですが、それをリアルに描いたのが本作。スロバキアのとあるホステルを舞台に、旅行客たちを巧みに誘い込み拉致、監禁した後は、金持ち変態連中が登場し残虐の限りを尽くす。自分が知らないうちに商品として買われて、同じ人間に殺される運命なんて非常に嫌な設定です。逃げられない状態で肉体がいたぶられる~この拷問という行為は、個人的は非常に嫌で、それがこの映画をあまり好きになれないになっているのかも知れません。だから、あんまし純粋なホラー映画とは捉えていない『ホステル』ですが、ジャンル的にはやっぱしホラーか。

登場人物が偶然出会うシーンが多かったり、殺す側の人間が血で滑って自分の足を電ノコで切っちゃったり、被害日本人女性がめっちゃカタコト日本語だったり、意外と笑えるところもあるんですが、全体的にはやっぱり暗~い雰囲気。ただ、一つ言えることは知らない土地に行って、興味本位で入っていくのはやっぱり危険だということ。刺激と危険は紙一重。テキサスの片田舎も危ないけれど、スロバキアのホステルも行っちゃダメみたいです。ちなみに、2作目では『食人族』のR・デオダートがゲスト出演してますが、1作目では三池崇史が出ています。


ホステル01


ホステル02




SFコンクエスト/魔界の征圧

2012年12月17日 02:10

SFコンクエスト

【原題名】CONQUEST
【製作】ジョヴァンニ・ディ・クレメンテ
【監督】ルチオ・フルチ
【脚本】ジーノ・カポーネ、ホセ・アントニオ・デ・ラ・ローマ
【撮影】アレハンドロ・ウロア
【音楽】クラウディオ・シモネッティ
【出演】ジョージ・リヴェロ、アンドレア・オキピンティ、サブリナ・シアニ
1984年/イタリア映画/84分


【STORY】
青年イリアスは悪の支配者オクロンを倒すために旅を続けていた。途中知り合った屈強な男メイクスと知り合い、意気投合した二人は、狼男やゾンビを退けながらオクロンのもとを目指す。


【REVIEW】
イタリアン・ホラーの鬼才ルチオ・フルチが監督したヒロイック・ファンタジー。コナンシリーズを思わせる時代背景や衣装でファンタジーな感じを演出するものの、いかんせんストーリーが平凡。主人公2人が敵を倒しながらオクロンのもとへ向かうものの、アクションシーンが弱いので、なんだか学生の劇を見ているみたいだ。生贄の乙女の八つ裂きシーンや乾燥ゾンビの造形にフルチらしさを感じるものの、フルチが監督していなければ見ることはなかったであろうと思われます。

終盤で、それまで主役と思っていたイリアスの首チョンパ展開には、ある意味唖然とさせられますが(当然、メイクスが仇をうつんだけれども)、美形ヒーローキャラをあっさり殺しちゃうフルチのセンスって凄いのかなんなのか。武器の光の弓矢が合成処理されたちゃっちいのもご愛嬌を通り越して、寂しかった・・・。まあ、誰が見ても「フルチ、あんたにはファンタジーは向いてないよ!」は明らかで、結局フルチはこの後、主戦場であるホラーに戻って『マーダー・ロック』を監督することになります。

近況報告(12/16)

2012年12月16日 18:00

・気が付いたら、今年もあと半月で終わりです。月並みですが今年もあっという間に過ぎ去っていった感があります。年を取ると、時間が経つのが早く感じられる―という話を聞いたことがありますが、ホンマに最近早く感じます。

・今年は劇場に足を運んだのは4本。でもDVDでソフトとして家で見る機会は去年より減ったような気がします。原因としては、魅力的なソフトのリリースが少なかったことと、仕事の関係で見る時間自体があまり取れなかったこと。来年は、どうなるか分からない身なんで、のんびり映画を見ている時間はあるのか、ないのか、どうなんでしょうか?厳しいご時世です。


・仕事の環境が変わったのに関連して、この半年で体重が2~3kg増加してしまった。健康診断の結果メタボ寸前らしい。何とか元に戻さなければ、と思いつつ、何も変わっていないのが現実。休みの日に体を動かすのってすごく億劫です。時間があったら好きなことしているか、寝ているか―。うーん、このだらだらさは何年経っても変わりません・・・。

・そういえば、ホラー・マニアックスの第6期シリーズは、まだアナウンスされませんねえ。あんまり空くと、これで終わっていしまわないか少し心配です。まだまだ発掘してほしい作品は多々あるんで、頑張ってほしいなあ。

・今日12月16日は衆議院選挙の投票日でした。結果は、どうなるんでしょうか。今夜はのんびりTVでも見ようと思います。

フェノミナ

2012年12月05日 23:14

フェノミナ HDリマスター版 [DVD]フェノミナ HDリマスター版 [DVD]
(2012/09/04)
ジェニファー・コネリー、ドナルド・プレザンス 他

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【原題名】PHENOMENA/CREEPERS
【製作総指揮】アンジェロ・ジャコノ
【製作】ダリオ・アルジェント
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
【原案】ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
【撮影】ロマノ・アルバーニ
【音楽】ゴブリン、ビル・ワイマン、アイアン・メイデン、モーターヘッド、サイモン・ボズウェル、アンディ・セックス・ギャング、クラウディォ・シモネッティ、ファビオ・ピニャテッリ
【特殊メイク】セルジオ・スティヴァレッティ
【視覚光学効果】ルイジ・コッツィ
【出演】ジェニファー・コネリー、ダリア・ニコロディ、ドナルド・プレザンス、ダリア・ディ・ラッツァーロ、パトリック・ボーショー、フィォーレ・アルジェント、フェデリカ・マストロヤンニ、マリオ・ドナトーネ、フィオレンツァ・テッサリ、ミケーレ・ソアビ
1985年/イタリア映画/115分(インターナショナル版111分)


【STORY】
スイスのチューリヒの寄宿学校に転入してきたジェニファーは、長旅による疲れからか治ったはずの夢遊病が再発してしまう。そして、学校を抜け出し、夜の街を彷徨っているうちに、彼女は偶然殺人事件の現場を目撃してしまう。実は、この地では、以前から少女ばかりを狙った連続殺人事件が起こっていて、犯人は未だに捕まっていなかった。ルームメイトのソフィも襲われ、学園で孤立してしまったジェニファーは、夢遊病を発症し彷徨っているときに知り合った昆虫学者のマクレガー教授を頼る。ジェニファーが虫たちと交信できることを知った教授は、彼女に犯人捜しを依頼するが、殺人鬼の魔手はすぐ近くにまで迫っていた。


【REVIEW】
先に個人的な思い入れから言わせていただきますと、アルジェントの作品の中ではNO.1の作品であり、私をホラー映画好きにさせた記念碑的な1本です。ちなみに、確か劇場公開時中坊であった私は友達と、この『フェノミナ』かラッセル・マルケイの『レイザーバック』のどちらを見に行くかを悩んで、結果『フェノミナ』に決めて観に行った記憶があります(この決断がなければ、ホラー好きにはなっていなかったかもしれません・・・)。初めて見たホラーは、小学生のとき深夜TVで観た『ゾンビ』で、初めて映画館で観たホラーは『死霊のはらわた』。で、とどめを刺されたのがこの『フェノミナ』というわけです。

では、なぜそこまで『フェノミナ』にはまってしまったのか?ほかにも素晴らしいホラー映画は数多くありますが、多分一番多感な時期に見た衝撃が大きかったんじゃないかと思います。映画が見たくて見たくてたまらなかったころ。とりわけ怖いもの、恐ろしい映画が見たかった、渇望していた時期に見たインパクトがこの映画を忘れられないものにしているんだと思います。アルジェントが仕掛ける残酷絵巻の数々、美少女ジェニファー・コネリーの神秘的な美しさ、そして耳について離れなかったサウンド。何もかもが初体験の衝撃だったから、今もその気持ちは持続しているんでしょうなあ。

正直、今見直してみると映画としての完成度はそれほど高くない。謎解きサスペンスものとしては話がかなり乱暴だし、展開も唐突で分かりにくい。-例えば、犯行の動機は何だったのか。母親が子供を助けるためにというのは分かるが、当の子供自身は何で殺すの!?冒頭の壁から鎖を引き抜くシーンはインパクト大きいけれども、あの子供にそこまで力あんの!?マクレガー教授の前で「絶対、犯人見つけますよ」と約束しておきながら、ジェニファーの後追い捜査くらいしかせず、あげく犯人に捕まってボコられ監禁さてちゃう役立たずのガイガー警部(役立たずならまだしも、ジェニファーを驚かして、問題の蛆虫プールに落としてしまう役どころにもなっていて、ダメダメ過ぎです)。ラストの首チョンパのためにだけ、突然現れる秘書も大概だけどね。

映画としての弱点は挙げていくとけっこうあるんですが、それらを補って余りあるのが主演のジェニファー・コネリーの魅力。撮影当時14歳くらいだったというから、ビックリしましたが~自分らとそれほど変わらない年頃なのに、こんなに綺麗な娘がいるの!?と思いましたが~、主演に起用したアルジェントの眼力はさすがです。彼女はこの後『ラビリンス』でデヴィッド・ボウイと共演したり、日本でも化粧品のCMに出たりとアイドル的な人気が一時期出て、自分も写真集を買ってしまったりして・・・。懐かしいなあ。

そんな彼女が、殺人鬼に襲われるわ、蛆虫のたかった腐乱死体の浮くプールに突き落とされるわと、過激な虐め具合のミスマッチが映像として映えるんですねえ。加えて虫と交信できるという神秘性。彼女がピンチになったときに助けに来てくれるハエの大群には背筋がゾゾーっとしますが、それを見て「アイ・ラブ・ユー」と呟くジェニファーの恍惚とした表情にはうっとりしてしまいます。

共演陣もけっこう充実していて、ジェニファーの唯一の理解者マクレガー教授役に名優ドナルド・プレザンス、狂気すら感じさせる演技が迫力のダリア・ニコロディ、冒頭滝で首を切られて殺される少女役にはアルジェントの長女フィオーレが。ガイガー警部の助手のチョイ役でミケーレ・ソアビも出演。教授を世話するチンパンジーが人間よりも活躍し過ぎるのが気になりますが、ラストシーンを撮った後、ジェニファーの手に噛みついたとか。チンパンジーってけっこう猛獣らしいんで、共演するのも大変だったかもしれませんねえ。

フェノミナ02

フェノミナ03

フェノミナ04





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