クライモリ デッド・ビギニング

2013年05月27日 19:10

クライモリ デッド・ビギニング [DVD]クライモリ デッド・ビギニング [DVD]
(2012/05/02)
ジェニー・パダヴィック、ケイトリン・ウォン 他

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【原題名】WRONG TURN 4: BLOODY BEGINNINGS
【監督】デクラン・オブライエン
【脚本】デクラン・オブライエン
【撮影】マイケル・マーシャル
【音楽】クロード・フォイジー
【出演】
ジェニー・パダヴィック、ケイトリン・ウォン、テニカ・デイヴィス、テラ・ヴネサ、ディーン・アームストロング
2011年/アメリカ映画/94分


【STORY】
1974年、ウェストヴァージニア州にある人里離れた療養所。そこでは社会に適応できない人々が監禁されていたが、その中でも特に狂暴な人食い三兄弟が脱走、他の患者たちも解き放ち、医師たちに襲いかかる。惨劇の日から30年後、若い男女グループが森に遊びにやってくるが、途中で道に迷ってしまい、日が暮れて吹雪に遭う。偶然見つけた建物に彼らは避難し休息をとるが、翌朝仲間の一人が見当たらない。ここは、実はあの療養所で、三兄弟は人知れずここで生き延びていたのだった。若者たちは一人、また一人と奴らに狩られていく。


【REVIEW】
『WRONG TURN~』シリーズ第4弾は、よくあるビギニングもので、時間軸が遡り、ミュータント一族の幼年期から始まります。対して、殺される被害者側は女性多めの若者学生集団。3作目が囚人グループ主体でむさ苦しかったので、本作は若い男女がキャーキャー言って殺されまくるので、スラッシャームービーの定番な形に戻ったのかも。

で、本作の出来栄えですが、はっきり言ってイマイチ。監督は3作目に引き続いて登板のD・オブライエンですが、前作よりは成長したのかもしれませんが、脚本がよくないのか、盛り上がらないまま終わってしまいます。このシリーズ、途中までは殺人鬼集団に襲われ逃げながらも、逆襲に転じ、後半は「やり返してやる!!」というパターンがあったのに、この4作目では、被害者側がほとんどやられっぱなしで拍子抜け。おまけに殺人鬼側も、有刺鉄線でのアレンジした殺し方を見せてくれるものの、意外とあっさりした殺し方が多くて、ここもマイナスポイントです。

さらに、悲しいのが登場人物たちのバカさ加減が群を抜いていること。今までは、道に仕掛けられたトラップで足止めを食った人たちが、森に迷い込むパターンでしたが、今回は地図も持たずに遊びに来て「悪りい~。迷っちゃったよ。あれ、あそこに建物があるぜ。よーし、ここで一晩過ごそうぜ。不法侵入だけど、気にするな、みんなパーっとやろうぜ!」とどんちゃん騒ぎ。誰も、止めようともしないバカ騒ぎ集団の行動に、なんだか天誅くらってもしゃーないんとちゃう!?という気になってきます。

そんな感情移入できない彼らですが、いきなり現れたミュータント殺人兄妹にビックリ!ギャーギャー騒いで逃げ惑い、有刺鉄線で首つり状態になった彼女を助けようとした彼氏は、動転したのか足を引っ張って彼女の首チョンパを助長しちゃいます。その後、三兄弟を牢屋に閉じ込めるのに成功し、彼女を殺された男がとどめを刺そうとすると、ベッキー似の女性が「殺しちゃだめだよ!やつらと一緒だよ」と余計なことを言って止めに入ります。で、思いとどまった彼氏は、牢屋の見張りにつくものの、あろうことか居眠りしてしまい、三兄弟の脱走を許す体たらく。その後、敵の仲間らしき人物を発見、弱そうだから、女でも4人でかかれば殺せるよとの提案にあっさり同意するベッキー、あなた意見変わりすぎ!なのに、主人公だったの!?そんなこんなで、ヒドイ目に遭っていっても、なんだか、自業自得かな・・・という気がして。唯一まともそうだった、女の子がスキーで滑って助けを呼びに行って、殺されはしなかったものの、凍死しちゃってたり・・・「なんだ、それ!?」てな感じです。

シリーズとしての評価は、まとまった1作目、突き抜けた2作目までがベター、で、3・4作はどっこいどっこいですね。5作目は―、期待薄そうですなー。そういえば、ミュータント一族の発祥原因は近親相姦と、化学工場の汚水だったはず。その辺はすっぽり抜け落ちたままでした。まあ、どうでもいいんでしょうなあ。

シリーズの記事
クライモリ

クライモリ デッド・エンド

クライモリ デッド・リターン

クライモリ デッド・ビギニング01

クライモリ デッド・ビギニング02

クライモリ デッド・ビギニング03




HMの特典は・・・。

2013年05月26日 14:49

ハピネット公式サイトで告知が出てます。
今回は、

“第6期8作品中から4作品以上購入で、世界初CD化となる「デビルスピーク」サントラCDを全員プレゼント”



・・・。



今回も応募者全員プレゼントは嬉しいものの、「デビルスピーク」のサントラとは意外。

それと、“4作品以上”って、ハードルが上がっています!

まあ、ラインナップが6→8作品に増えたのは良かったんですが、その分ノルマも1枚上乗せ・・・。しかも、今回からブルーレイになって、単価も上がってますし、ちょっと財布にやさしくないですねえ。


今回ので買うとしたら、『フロム・ビヨンド』『ハロウィンⅡ』『キャッスルフリーク』『ドールズ』かなあ・・・。アンディ・ウォーホール2作品も捨てがたいんですが、個人的にはゴードン監督の方が優先でしょうか。予算があれば、全部欲しいですけれど(←毎回思いますが)。

フォレスト・オブ・ザ・デッド

2013年05月12日 22:33

フォレスト・オブ・ザ・デッド [DVD]フォレスト・オブ・ザ・デッド [DVD]
(2006/04/05)
ポール・キャンベル、サラ・リンド 他

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【原題名】SEVERED/FOREST OF OF DEAD
【製作】アンドリュー・ブティリエ、シンシア・チャップマン
【監督】カール・ベッセ
【脚本】カール・ベッセ、トラビス・マクドナルド
【撮影】ジェームズ・W・リストン
【音楽】クリントン・ショーター
【出演】ポール・キャンベル、サラ・リンド、ジュリアン・クリストファー
2005年/アメリカ映画/95分



【STORY】
人里離れた森林の奥地で自然保護団体が抗議活動を行うのを避けながら、林業者たちが伐採作業を行っている。そんな中、一人の労働者が巨木を裁断途中でケガを負う。仲間たちは彼を町まで連れて行って手当をしようとするが、突然狂暴になり襲いかかってきた。

とある企業の会議室。この会社では木の成長を3倍に促進させる新薬の開発を行っていて、その実験を行っている森の製材所と連絡が途絶えていることが問題視されていた。そこで、社長は息子のタイラーに現地に行って調査してくるように命じる。父親に反発するタイラーは渋々製材所へ向かうが、そこには作業員の姿はなく、替りに不気味なゾンビの集団に襲われる。


【REVIEW】
『~オブ・ザ・デッド』という題名のゾンビ映画は数多いが、本作の舞台はズバリ“森”。自社の利益優先に走る企業の研究が思わぬ副作用を生み、新薬で成長した木々の樹木を浴びた人間をゾンビ化させてしまうのだ。しかも元が屈強な林業作業員のためか、ゾンビになった後もけっこう力が強くてなかなか手強い。そして、生存者側も銃器が無いため、木切れや斧で対抗するしかなく、簡単に倒せない追いつ追われつの展開はスリルがあっていい感じです。

また、おそろしく深い奥地の森の中のため、携帯は通じず、道路も封鎖されてしまい逃げ道なし。そこでタイラーは生き残った作業員や抗議団体のメンバーたちと共に脱出しようと試みます。この登場人物の面々がそれぞれちゃんと描かれているので、見ていて奥行きがあります。会社の手先で自己優先するため事態をどんどん悪化させていく男、息子同然だった部下のゾンビを前にして立ちすくむ作業員のリーダー、そして別の作業所では異様な雰囲気の中ゾンビ狩りを鬼気として楽しんでいた―。ヘタレだったタイラーはサバイバルしてゆく中、抗議団体のリーダーリタと心を通わせて生き残ろうと必死になっていくが、仲間を助けに行ってあえなくゾンビの餌食に。一人生き残ったリタは・・・。

ちょっと、尻切れトンボな終わり方は消化不良感がありますが、全体的にはよくできた作品。それなりに血糊も出ていて、ゾンビの造形も悪くないです。ただ、日本版のパッケージは「木、切るな」とか「ゾン流ブーム」とかおふざけ過ぎで逆にイメージを悪くしていると思います。

フォレスト・オブ・ザ・デッド01

フォレスト・オブ・ザ・デッド02

死霊のはらわた(2013)

2013年05月07日 01:06

EVIL DEAD(2013)

【原題名】EVIL DEAD
【製作】ロブ・タパート、サム・ライミ、ブルース・キャンベル
【監督】フェデ・アルバレス
【脚本】フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス
【撮影】アーロン・モートン
【音楽】ロケ・バニョス
【出演】ジェーン・レヴィ、シャイロー・フェルナンデス、ルー・テイラー・プッチ、ジェシカ・ルーカス、エリザベス・ブラックモア
2013年/アメリカ映画/91分


【STORY】
森の中をケガを負った女性が何かから逃げている。しかし、2人の男に捕えられ地下室に監禁される。女性の前に現れたのは彼女の父親。「邪悪な本のなしたことは、本によってのみ正される。魂を救う唯一の方法だ」父親は娘にガソリンをかけていく。父親は死霊に憑りつかれ、母親を殺した娘を焼き殺そうとしているのだ。「お前のことも殺してやるよ!チクショウ!」娘の声がおぞましい声に変わる。「ごめんな」謝りながら父親は火を放つ。炎に包まれる娘の頭を父親は手にした散弾銃で撃ち抜く。

ある山奥の小屋に若い5人の男女がやってきた。ミアは薬物依存症であり、その治療のために、兄のデビッドとその彼女ナタリー、看護師のオリビア、教師のエリックとともにこの地を訪れたのだ。ドラッグを捨て治療が始まるが、禁断症状でミアは苦しみ始める。そんな中、小屋に地下室があることを発見したデビッドとエリックはその中で、無数の猫の死体と封印された古書を発見する。

エリックは好奇心を抑えきれず封印を解き、本を開き、書かれていた呪文を唱えてしまう。その頃、薬の禁断症状で苦しんでいたミアは車で逃げ出すが、途中で謎の女を避けようとして池へ転落、かろうじて脱出するが、森の木々に縛り付けられ、その女の吐いたドス黒い何かに襲われる。

デビッドたちは森の中でミアを見つけ、小屋へ連れて帰る。ミアは明らかに様子が変だったが、皆薬の禁断症状だと思いそのままにしていた。しかし、ミアは突如不気味な姿に変貌し、手にした散弾銃を乱射する。さらにオリビアに大量の赤い液体を吐き散らしたあと、地下室へ突き落され閉じ込められるが、今度はオリビアが豹変してエリックに襲いかかる。エリックは大怪我を負いながらもオリビアを撃退する。エリックは自分の唱えた呪文が死霊を呼び寄せ、ミアたちに乗り移ったのではないかと、デビッドに話す。その頃、小屋に残っていたナタリーにミアが襲いかかる。


【REVIEW】
リメイク版『死霊のはらわた』、見てきました。オリジナルの第1作は当時はレイティングが緩かったこともあり、小中学生でもバンバン観れましたが、今回はR-18指定。私が観に行った堺MOVIXは席数117でしたが、観客数は10人ほど。公開2日目の日曜の夕方でこの入りは「どうなん!?」という感じでしたが、まあ一般受けするものでもないし、好きな人しか見に来ないと思えばこんなもんでしょうか。ともかく、劇場で鑑賞できたことは“感謝”であります。

で、結論から言えば、ライミ版『死霊のはらわた』と比較すると、ほとんど別物になっていて、『EVIL DEAD』でなければよくできた作品だったと思います。オリジナルが、その後スプラッター映画と称される過剰なゴア描写を主体としたホラー路線にコメディ的な要素も混ぜ込んだ(やりすぎた残酷描写は、逆に笑いを誘うということが実感できた稀有な作品でした)欲張りな作品でしたが、リメイク版は笑いの要素をほぼ取り除き、ひたすらリアルな怖さを追求した内容になっています。確かに、ほぼ伝説と化しているライミ版を超えるのは並大抵のものでは不可能―ならば、こちらはいかに怖がらせるかに重点を置いて作ったのではないでしょうか。

この試みは極力CGを廃して、メイクアップ等の特殊効果でグロ・ゴア描写を演出したこともあって成功したといえるでしょう。顔面を刃物で切り刻んだり、腕を小型チェーンソーで切断したり、舌をカッターナイフで裂いたりと、とにかく人体を切る描写が多くて、かつそれらが全てリアルで、見ていてとても痛い!ほかにも、散弾銃をぶっ放したり、釘打ち機で体にくぎをバンバン打ち込んだりと、この辺も非常に痛々しかったです。この辺の見せ方は上手くて、技術の進歩もあって、この辺のリアルさはリメイク版に軍配ありかと思いました。

ただ、やっぱり『EVIL DEAD』を名乗っているからには、オリジナルとの共通点、相違点を考えてしまうわけで、共通しているのは、山小屋、地下室、死者の書(今回は燃えません!)、森が襲ってくる・・・この辺でしょうか。死霊の造形はリアルになったものの、個人的には蒼白い顔に白目むいてくれないと“はらわた”の死霊という気がしないんですよね。今回のメイクはなんとなく『エクソシスト』のリーガンっぽい気がするような・・・。あと、死霊が意外に弱かったりしたのも残念。やっつけても、やっつけても蘇ってくる、あのしぶとさが無いのはちょっと拍子抜け。また、最後のミアと死霊の親玉!?との一騎打ちは新展開でそれはそれでよかったんですが、終わり方がなんとなく地味な気がしました。これも、オリジナルのストップモーションを駆使した、派手な人体爆発&崩壊が余りにもインパクトがありすぎて、比べるとどうしても見劣りしてしまうんですようねー。邦題もあの描写があったから『~のはらわた』だったはずだし、リメイク版ははらわたがほとんど出てませんでした。

というわけで、結論としては、リメイク版としてはオリジナルの素晴らしさにはやっぱり及ばず、一般的なホラー映画としてはよくできた作品であると言えると思います。ミアとデビッドの2人に詳しい設定を加えて兄弟愛を感じさせていたのは良かったし、ゴア描写の見せ方も良かったし。ただ、ライミ版『死霊のはらわた』をリアルに観てきた世代にとっては―うーん、これは『はらわた』じゃない!!と感じてしまうんじゃないかな・・・。そんな感じでした。この辺が名作のリメイクの難しいところでしょうね。


『死霊のはらわた』の記事は→コチラ



レガシー

2013年05月04日 22:08

レガシー [DVD]レガシー [DVD]
(2012/11/09)
キャサリン・ロス、サム・エリオット 他

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【原題名】THE LEGACY
【製作】デヴィッド・フォスター、ラリー・ターマン
【監督】リチャード・マーカンド
【脚本】ジミー・サングスター
【撮影】ディック・ブッシュ
【音楽】マイケル・J・ルイス
【出演】キャサリン・ロス、サム・エリオット、ロジャー・ダルトリー、チャールズ・グレー、ヒルデガード・ニール
1978年/アメリカ映画/102分


【STORY】
建築デザインの事務所を経営するマギーと恋人のピートは仕事の依頼を受け、ロンドンへ向かう。途中、バイクで走行していた二人はロールス・ロイスと接触事故を起こし、足を無くした二人を車の主のジェースンが自分の屋敷に案内する。彼の屋敷は恐ろしいほどの豪邸で、不思議なことに二人を待ち構えているかのような準備がなされていた。

さらに、マギーたち以外にも客人が到着し、時を同じくしてジェースンが重病にかかっているという。そして、屋敷にいる人間が一人ずつ不審な死に方をして消えてゆく。彼らの指には同じデザインの指輪がはめられていた。そして、ジェースンに招かれ面会したマギーも手に同じ指輪をはめられてしまう。恐怖を感じたマギーとピートは屋敷から脱出を図るが―。


【REVIEW】
思いもよらぬ力を受け継いだ女性の恐怖を描いたオカルト・サスペンス。『エクソシスト』『オーメン』に代表されるように70年代はオカルト映画が隆盛を誇った時代でしたが、『レガシー』もゴシック調のなかなか見応えのある1本。今見直してみると、ショックシーンには派手さは感じられないものの(前出の『エクソシスト』や『オーメン』のようなショッキングさはなく~よく言えば、スタイリッシュ、悪く言えば地味)、常に何かに見張られている嫌な感じ、古城と寒村を舞台にしたムード感、そして、いかにも裏がありそうな登場人物たちと、その映像を見るだけでも70年代ホラーの雰囲気に浸れて和みます。

『卒業』のキャサリン・ロスがちょっと影のあるヒロインを演じ、なかなかはまり役。最後の展開はちょっと意外でしたが、レガシー=遺産を受け取るのが彼女で、予定調和だったとしたら、すべては筋書通りのハッピーエンドだったのかも。でも、その他の殺されちゃった人間はかわいそうな気もしますが、やってきた過去を知ればある意味自業自得ということか。

ブルーレイとDVDの両方が出てますが、どちらもいきなりの廉価版で発売されているので、どちらを買っても損はないでしょう。こうした旧作が手頃な価格でどんどん出てくれるとありがたいですよね。
レガシー01

レガシー02






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