映画秘宝 2014年1月号

2013年11月28日 07:08

11月21日発売号だけれども、号数はすでに2014年1月。もう来年かよ~と、気が早いなあと思いますが、年を取ると時間が経つのが早く感じるというのをヒシヒシと実感する次第です。

この秋はいろいろありまして、映画をほとんど見られてないんですが、そろそろ見ないで放置したままになっているDVDをそろそろ消化していこうかな・・・と思ってます。休みが全くないわけではないんですが、なんかアッという間に過ぎてしまい(ホントにアッという間です)、このブログもほとんど触ってない日々が続いています。先月なんかは1回しか更新しておらず、ブログ開設以来最低でしたちょっと、気を取り直して、がんばっていこうかな~と思います。


さてさて、映画秘宝ですが、DEVILPRESSに『ゾンビ』の記事が2点。1点目は韓国の釜山国際映画祭でロメロの『ゾンビ』が3D化されて上映されたとのこと。これは、ロメロ自身が関わっている仕事ではなくて、3D化の作業も当地韓国で行われたそう。立体効果が抜群の場面も多いと思うので、こういうのは劇場の大スクリーンで観たらいいでしょうね~。

もう1点は12月に発売も迫ったブルーレイの『ゾンビ』。見出しに“ロメロのゾンビが究極版でBD化!”とありますが、あの貧弱な仕様で究極版と紹介してもいいの!?吹き替え・TVスポット収録、解説書、ポストカード、などの特典も、やっぱり貧相でどこか物悲しい。これなら、いっそ特典一切なしで、その分本体をグッと値下げして本編の映像+音声の良さで勝負した方が、なんぼかマシだったような気もします。“作り手の誠意が感じられる”とか“ボーナス出る前に売り切れるかも”という煽り文句もいかがなものかと。まあ、雑誌とソフト会社との微妙な関係もあるのかもしれませんし、紹介してくれているだけでも良しでしょうか。個人的には「うちの会社はボーナスすら出ねーよ!」と、そこに怒りを感じていたりして。トホホ。



クレイジーズ

2013年11月24日 22:41

クレイジーズ [DVD]クレイジーズ [DVD]
(2011/06/02)
ティモシー・オリファント、ラダ・ミッチェル 他

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【原題名】THE CRAZIES
【製作】マイケル・アグィラー、ロブ・コーワン、ディーン・ジョーガリス
【監督】ブレック・アイズナー
【脚本】スコット・コーサー、レイ・ライト
【オリジナル脚本】ジョージ・A・ロメロ
【撮影】マキシム・アレクサンドル
【音楽】マーク・アイシャム
【出演】ティモシー・オリファント、ラダ・ミッチェル、ジョー・アンダーソン、ダニエル・パナベイカー
2010年/アメリカ映画/101分


【STORY】
アメリカの小さな田舎町オグデンマーシュ。平和なこの町の保安官デヴィッドはパトロール中に、野球場で試合の最中、銃を持った男が乱入してくるのを発見、制止するが聞かなかったためやむ得ず射殺する。男は酒乱気味に見えたが、検死ではアルコールは検出されなかった。その後、夜中に夫が自宅で妻と子を自宅で焼き殺す事件が発生、夫は様子が変だということで昼間に病院で診察を受けていたが特に異常はなかったという。

翌日、町を流れる川で死体発見の一報を受け、デヴィッドらは現地に向かう。そこで見つけたものは、川底に沈んだ大型の輸送用飛行機だった。デヴィッドは積荷の中身が川に流れ出し、汚染された飲料水が住民を狂わせているのではないかと推察するが、その頃、町には大量の軍隊が投入され、町全体を封鎖しつつあった。


【REVIEW】
1973年製作のジョージ・A・ロメロ監督作のリメイク。細菌兵器に侵された田舎町の破滅していく様を淡々と描いていくストーリーはほとんど同じだが、決定的に違うのは軍隊の視点の有無。ロメロのオリジナルには、上層部の責任のなすり合いに街ごと消し去ろうとする陰謀、現場に着任した大佐らの鎮圧作戦、細菌兵器を開発した博士とのやり取りなどが描かれていたが、リメイク作にはその辺が全くない。なので、現場では何が起こっているのかほとんど説明がないので(何かに町が汚染されて、住民がおかしくなっているのは読み取れるが)、よく分からないまま進んでいくある種の怖さは感じられます。

全体的にみれば、よくできた小品といった感じでしょうか。ロメロの『ザ・クレイジーズ』を現代風にアレンジした結果は―成功でしょう。でも、オリジナルを超えたかといえば・・・。やっぱり、そこまではたどり着けていない。見た後の印象は薄い。よくはできているけれども、結局そこ止まりなんでしょうね。今、改めてロメロの方を見直すと、おもしろいんですよね、これが。もう40年前にもなる作品なのに、今見てもある種の新鮮な驚きがあります。救助に来た兵士を笑顔で編み物棒で刺し殺す老婆、焼身自殺する聖職者、解決の糸口を発見した博士は無残にもパニックになった住民に押しつぶされて死んでゆく・・・。“狂気”の描き方は、やっぱりオリジナルの方が上ですね。古い作品ですが、見比べてみるのもおもしろいと思うので、おススメいたします。



ホステル3

2013年11月18日 00:12

ホステル3 [DVD]ホステル3 [DVD]
(2012/02/22)
ブライアン・ハリセイ、キップ・パルデュー 他

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【原題名】HOSTEL:PARTⅢ
【製作】スコット・スピーゲル、クリス・ブリッグス、マイク・フライス
【監督】スコット・スピーゲル
【脚本】マイケル・ウェイス
【撮影】アンドリュー・ストレイホーン
【音楽】フレデリック・ウィードマン
【出演】キップ・パルデュー、ブライアン・ハリセイ、ジョン・ヘンズリー、サラ・ハーベル、クリス・コイ、スカイラー・ストーン、ズライ・エナオ
2011年/アメリカ映画/88分


【STORY】
結婚を間近に控えたスコットは、友人のカーターらとともにラスベガスで独身最後のハメはずしパーティーに興じる。その翌日、友人の一人マイクがパーティーから行方不明になっていることが判明、スコットたちは、一緒に消えた女性の足取りを追って、一軒のホステルにたどり着く。


【REVIEW】
人が人を拷問して殺す嫌~な設定が思いのほかヒットして作られたホステルシリーズ。1・2作目が東欧を舞台だったのに対して、3作目ではなんとラスベガスに進出。監督はシリーズで製作総指揮をしていたスコット・スピーゲルが担当、日本では劇場公開はされず、ビデオでのみの発売となった。

前2作との違いはホステルシリーズ特有の陰湿さというか、独特の暗さが消えて明るいスプラッター映画になったこと。大金を払って、暗い地下室でひたすら拉致ってきた人間を拷問していたエリートハンティングが、今回はショービジネス化しちゃってます。一応、処刑人(割と個性的でキャラクターはいい)がいてまして、犠牲者をなぶり殺しにしていくのですが、そのガラス越しに観客が酒を飲みながら見物。で、何分で命乞いするとか、弓矢を何発受けたら絶命するとかで、賭けを楽しんでいるわけです。前は、生きている人間を拷問したくてしかたがない、クレイジーな金持ちたちの悪趣味な所業を~なにか見てはいけないものを見せられている~アンモラルな感じで眺めている感じでしたが、この3作目ではそういった感じがすっぽり抜け落ちていて、本当に普通のスプラッターになっています。

一応、顔面皮剥ぎやボウガンで弓矢の乱れ撃ち、美女に巨大ゴキブリを浴びせかけたりと、新たな拷問シーンを登場させていますが、やっぱり以前ほどの痛々しさは感じない。じわじわなぶっていく、あの「もうやめてー!一思いに殺してくれー!」というのは無かったですね。だから、お決まりの主人公の復讐劇も意外なほどあっさりしていてカタルシスが出てこない。クラブの警備がおどろくほど、お粗末なのもいただけない。これじゃー、秘密もなにもあったもんじゃないわよねー、てな感じ。それともラスベガス支店は人手不足だから!?

ホステル3 01

ホステル3 02


ホステル

ホステル2


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