2014年08月05日 12:46
![]() | ヒッチハイク(ヘア無修正 ニューマスター版) [DVD] (2009/01/23) フランコ・ネロ、コリンヌ・クレリー 他 商品詳細を見る |
【原題名】HITCH-HIKE
【製作】マリオ・モンタナリ、ブルーノ・ターチェット
【監督】パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
【脚本】オッタヴィオ・ジェンマ、アルド・クルード、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
【撮影】フランコ・ディ・ジャコモ、ジュゼッペ・ルッツォリーニ
【音楽】エンニオ・モリコーネ
【出演】フランコ・ネロ、コリンヌ・クレリー、デビッド・ヘス
1976年/イタリア映画/103分
【STORY】
アメリカの荒野をキャンピングカーで旅行中の夫婦。夫のウォルターは三流記者で妻のイヴは社長令嬢だが、二人の仲は冷め切っていた。途中、二人はヒッチハイクの男アダムを親切心から車に乗せるが、この男実は200万ドルを盗んだ強盗犯だった。次第に本性を現し始めたアダムは拳銃で二人を脅し、メキシコまでの逃亡を強要する。脅されたウォルターは言いなりになり、目をつけられたイヴは夫の前でレイプされてしまう。その後、アダムは検問の警察官を射殺し、さらに強盗の共犯者も合流して、狂気は加速していくのだった。
【REVIEW】
ヒッチハイクの恐怖を描いた映画では後年の名作『ヒッチャー』を思い出しますが、こちらは夫婦二人が強盗犯に脅迫される設定。ポイントは何と言っても濃いキャストで、飲んだくれてうだつの上がらないダメ亭主を、どう見ても強盗犯よりも強そうなフランコ・ネロが演じ、その妻を『O嬢の物語』のコリンヌ・クレリーが熱演。途中、車に乗り込んでくる犯人役はデビッド・ヘス。彼は、『鮮血の美学』や『真夜中の狂気』でも同様の異常な殺人鬼キャラを演じていて、まさにハマリ役。この異常者が夫婦二人をネチネチいたぶっていく様を、エンニオ・モリコーネのスコアで味付けした、いかにも嫌~な空気が画面からビシバシ滲み出すのは、さすがメイド・イン・イタリア。
いくら夫婦仲が冷め切っているとはいえ、目の前で妻が凌辱され続けているのに何にもできずにただギラギラした視線を送り続けるのみのネロの姿も異様だが、無理やり抑え込まれて暴行されつつもそれを受け入れて欲求不満を解消する人妻役のコリンヌ・クレリーの可憐な姿の方がやっぱり魅力的。ダメ亭主が何もできないため、反撃に出るのも彼女だし、なんだかんだ言っても夫に尽くす献身さもいいです。そんなこんなで、全くカッコ良さが感じられない(目線以外に無い)ネロが、最後に取った驚くべき行動とは・・・!?正直、「そうする!?」と言ってしまった意外なラストですが、スッキリしないどんよりしたものが残る終わり方。これもまた、イタリアならではなのかも。


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