2014年11月23日 20:54

【原題名】THE DEVIL'S RAIN
【製作】ジェームズ・V・カレン、マイケル・S・グリック
【監督】ロバート・フュースト
【脚本】ゲイブ・エッソー、ジェームズ・アシュトン、ジェラルド・ホップマン
【撮影】アレックス・フィリップス・Jr
【音楽】アル・デ・ロリー
【出演】アーネスト・ボーグナイン、アイダ・ルピノ、ウィリアム・シャトナー、トム・スケリット
1975年/アメリカ映画/89分
【STORY】
嵐の夜、雨に打たれながら帰ってきたマークの父親は家族の目の前でドロドロに溶けてしまった。その後マークの母親も失踪してしまう。母親を捜すマークは郊外の寂れた教会に辿り着く。中には黒づくめの衣装に身を包んだ怪しげな邪教集団がいた。集団のリーダーのコービスは、マークの一族に奪われた本を返せと迫る。必死で抵抗し逃げようとするが集団に捕まってしまうマーク。彼は集団の中に母親が居るのを発見するが、彼女の目は無くなっていた。その後、家族の失踪を知った、マークの兄弟のトムが、再びこの教会に乗り込んでいく。
【REVIEW】
1970年代のオカルトブームの最中に製作された異色の1本。まず、原題の『THE DEVIL'S RAIN』をズバリ漢字3文字で表した邦題が絶妙で、小学生の頃ホラーの本で初めて見たとき、この『魔鬼雨』というタイトルだけで不気味なものを感じたのを覚えています。さらに雨に打たれてドロドロに溶けていく人間の姿!何とも言えない顔がズブズブと崩れて、目も鼻も口も何が何だか分からなくなっている姿は強烈で、これもトラウマ必至の映像でした。
ちなみにマークの先祖は、邪教集団を裏切って本を盗んで逃げていたため、コービスらはマークの家族を狙ってきたようですが、なんで今頃になって襲ってきたのかは不明。邪教の集団はけっこう大勢いたんですが、みんな人探しは下手だったんでしょうか。ともかく、捕まったら、怪しい儀式にかけられて目ん玉が無くなって彼らの仲間になってしまうのだ。まあ、そんな筋書なんですが、この映画の見どころは何と言ってもクライマックスの一大ドロドロショー!これに尽きます!それまでの70分くらいのドラマは付録で、最後の溶ける場面を見るためにこの映画は作られていると言っても過言ではありません。
コービスらが何百年もため込んでいた魔鬼雨と呼ばれる壺みたいなものを壊すと、なぜか教会内部に雨が降ってきてそれを浴びた邪教徒が溶けていくわけなんですけれども、なんで溶けるの!?という疑問はどうでもいいんです。とにかく人間が溶けていく場面を見せたかった!!だから、溶けていくシーンはバッチリ長回しでじっくり撮ってるよ!そんな潔よい声が聞こえてきそうな気がします。
コービス役にはアーネスト・ボーグナインが扮し、悪魔みたいな角が途中から生えてきたりしますが、素顔でも十分な迫力。さらに、母親のアイダ・ルピノも怖い。特に洗脳されて目が無くなってからが異様に怖い。車の後部座席からヌッと出てくる場面は、ドキッとさせられました。それに比べると、ウィリアム・シャトナーは冴えない役。勇んで教会に乗り込んでいった割にあっさり捕まっちゃうし、見ていてなんだか弱弱しい。カーク船長以外はイマイチなお方です。


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