Tubular Bells & Regans Theme

2015年02月23日 21:14





どちらも真夜中に聞きたい曲。

エクソシスト2

2015年02月22日 01:00

エクソシスト2 [Blu-ray]エクソシスト2 [Blu-ray]
(2014/10/08)
リンダ・ブレア、リチャード・バートン 他

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【原題名】EXORCISTⅡ THE HERETIC
【製作】ジョン・ブアマン、リチャード・レデラー
【監督】ジョン・ブアマン
【脚本】ウィリアム・グッドハート
【撮影】ウィリアム・A・フレイカー
【音楽】エンニオ・モリコーネ
【特殊メイク】ディック・スミス
【出演】リチャード・バートン、リンダ・ブレア、ルイーズ・フレッチャー、キティ・ウィン、マックス・フォン・シドー
1977年/アメリカ映画/118分


【STORY】
少女リーガンに憑りついた悪魔にメリン神父とカラス神父が命を懸けて対決してから4年後、リーガンの様子がまたおかしくなる。教会からメリンの取った行動が異端ではないかという疑念を晴らすため、調査に赴いたラモント神父はリーガンに再び悪魔が憑りついているのではないかと推測するが、教会側は深入りしないよう忠告する。リーガンの精神と同調し、メリン神父が昔行った悪魔祓いにヒントがあるのではないかと考えたラモント神父はアフリカへ飛ぶ。そこで彼は、幼い頃メリンに悪魔祓いをしてもらったコクモと接触し、メリン神父の正当性を確信、リーガンの内に潜む悪魔を取り除こうとする。

【REVIEW】
世界中で大ヒットした前作『エクソシスト』から4年後に製作された続編。フリードキンはリーガンが悪魔に憑りつかれる様をまるでドキュメンタリー映画のように淡々と描写し、恐怖感を煽ったが、ブアマン監督は善と悪の戦いを続編の形を借りて仕上げたかったのかもしれない。結果、前作のようなオカルト・ホラーを期待した層にはガッカリさせ、失敗作の烙印を押されてしまったある意味可哀想な作品です。

成功した作品を続編が越えようとすれば、同じ内容でスケールアップするか、全く路線を変えて違う視点でアプローチするかでしょうが、この『エクソシスト2』は後者。吐く息も白く寒々しい空気が支配していた1作目と比べて、アフリカや南アメリカが出てくる2作目は熱帯な空気。大量に飛来するイナゴの大群と、現地の人々の描写など、印象はかなり別物だ。悪魔の描写も、正なるリーガンと邪悪なリーガンの2人に分裂、文字通り正と悪の対決を表現している。ただ、悪魔祓いの儀式のようなものは描写されず、悪魔の心臓をつかみ出して倒しちゃうなど力技な終わり方は少々唖然。ジョージタウンのあの家に大量のイナゴがなだれ込んでくる場面は、『フェノミナ』のハエの大群にも相通じる感じもしましたが・・・。パズズってハエの王じゃなかったっけ?!

心の奥底に眠る意識を他人がシンクロして体験できる装置や、メリン神父が若いころに行っていた悪魔との対決場面など、個々の場面ではおもしろいところもあるのですが、全体的なバランスから言えばやっぱり1作目には及ばない出来。副題のHERETIC=異端者というように、ブアマンに正当な続編を期待した方が間違いだったのかもしれない。個人的には、成長したリンダ・ブレアの姿は悪くないと思うし、エンニオ・モリコーネのスコアもさすがです。

エクソシスト2 01

エクソシスト2 02



エクソシスト

2015年02月21日 11:16

エクソシスト ディレクターズカット版 & オリジナル劇場版(2枚組) [Blu-ray]エクソシスト ディレクターズカット版 & オリジナル劇場版(2枚組) [Blu-ray]
(2010/11/03)
エレン・バースティン、リンダ・ブレア 他

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【原題名】THE EXORCIST
【製作】ウィリアム・ピーター・ブラッティ
【監督】ウィリアム・フリードキン
【脚本】ウィリアム・ピーター・ブラッティ
【原作】ウィリアム・ピーター・ブラッティ
【撮影】オーウェン・ロイズマン
【音楽】マイク・オールドフィールド、ジャック・ニッチェ
【特殊メイク】ディック・スミス
【出演】エレン・バースティン、マックス・フォン・シドー、リー・J・コッブ、ジェイソン・ミラー、リンダ・ブレア、キティ・ウィン
1973年/アメリカ映画/122分


【STORY】
イラクの遺跡発掘に来ていた考古学者のメリン神父は悪魔パズズの偶像を発見、いつか対決する日が来るのでは・・・と戦慄に慄く。舞台は変わり、ワシントン。女優のクリスは映画撮影で一人娘のリーガンを連れて2人で暮らしていた。ある日、クリスはリーガンの様子がおかしいことに気付く。挙動不審になり、嘘をつき始め、卑猥な言葉を発するのだ。不安に駆られた彼女は医者に様様な検査をしてもらうが、体に異常は発見できない。精神科医にも治療を委ねるが、彼らもお手上げだった。やがて、リーガンは顔つきはまるで悪魔のような形相になり、声も別人。暴力的な行動と、ポルターガイスト現象まで起こり、クリスは途方に暮れる。そんな中、医者が匙を投げた後、すがる思いで紹介されたのが、悪魔祓いの儀式。連れてこられた若いカラス神父は半信半疑だったが、悪魔の存在を確信し、悪魔祓いの経験のあるメリン神父とともに、リーガンの体に宿る悪魔を取り除こうと決意する。

【REVIEW】
公開当時、配給会社の人間が「劇場が壊れるほど客が来ている!」と言ったほど、大ヒットした元祖オカルト映画。実話をもとにしたベストセラーの原作者ウィリアム・ピーター・ブラッティも製作に参加、脚本も執筆している。フリードキンのドキュメンタリー風の演出と、リーガンの風貌で観客の度肝を抜いたディック・スミスの特殊メイク、一度聴いたら忘れられないマイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」など、数々の素晴らしい要素が絡み合って出来上がった、ホラー映画という枠組みをも超えた傑作だと言えます。

キリスト教圏の人間からすると、この神対悪魔という構図からして恐れの対象ではないかと思うのだが、宗派の違う人間からすると、それほど嫌悪感を感じないというところはあります。キリストやマリア像を冒涜したり、十字架で猥褻な行為をしたり、「キリストとファックしろ!」など卑猥な言葉の数々。たぶん、これらだけで、タブーを侵しまくっていると感じる客層からすれば、この映画は恐ろしい内容ということになるはずで、センセーショナルなものなんでしょう。逆に、そうでない客層には、悪魔に憑りつかれた少女をいかにして救い出すかという内容に専念できるので、感じ方はだいぶ違うはずです。というか、今改めて見ると、それほど怖さを感じないんですよね。リーガンが悪魔の顔つきに変わっていったり、頭が360°回転したり、汚物を吐き出したりと、見せ場はけっこうあるものの、腰を抜かすほどではない。この辺、やっぱり宗教的な物の見方や、考え方が土壌に有って、そこに訴えかける恐怖というものが我々宗派の違う人間には分かりづらいところがあるんじゃないかと思います。

あと、物語の主になっているのは親子の関係。クリスは女優業が忙しいこともあって家には不在がちだし、夫は離婚(別居?)しているのか母子家庭の構図。家には秘書や執事、家政婦らはいるが、家族との関係に乏しい。そして思春期を迎えて精神的にも不安定な時期に悪魔が憑りついてしまう。例えは違うが、難病に侵された母親の心情のようなものと似た感じがして、「今の時代に悪魔祓いなんて・・・」と非科学的だと笑われようが、我が子を救うためならどんな手段でも構わないという気持ちが伝わってくる。また、カラス神父は、年老いた母親がいて、満足に見てやれないまま、最後は精神病院のようなところに閉じ込められて死に目にも会えなかった。自分を責めるカラスは悪魔が憑依したリーガンに自分の母親を重ね合わせる。彼が、最後自分に乗り移らせて心中したのは、母親に対する贖罪の念からなんでしょうか。信仰を失いかけていたカラス神父が、最後の死に際に取り戻す場面はグッとくるものがあります。

それに比べると、メリンの出てくる場面は意外と少なくて、冒頭のイラク発掘現場と、最後の悪魔祓いのところから。どちらかといえば、続編の『エクソシスト2』の方が、回想場面での出番が多かったような気もします(それでも、マックス・フォン・シドーの存在感は圧倒的、タクシーを降りて、リーガンの屋敷を見上げるシルエットの構図は素晴らしいものがあります)。
また、脇役のキンダーマン警部やダイアー神父などのキャラクターの存在感も忘れ難い。

ちなみに73年公開当時は122分版だったが、2000年に未公開映像を追加したディレクターズカット版も製作・公開されていて、こちらは132分。伝説とも言われたスパイダーウォークが見られます。

エクソシスト001

エクソシスト002



エクソシスト ビギニング

2015年02月15日 02:08

エクソシスト ビギニング [DVD]エクソシスト ビギニング [DVD]
(2005/04/08)
ステラン・スカルスゲールド、ジェームズ・ダーシー 他

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【原題名】EXORCIST: THE BEGINNING
【製作】ジェームズ・G・ロビンソン
【監督】レニー・ハーリン
【脚本】ウィリアム・ウィッシャー、アレクシ・ホーリー
【撮影】ヴィットリオ・ストラーロ
【音楽】トレヴァー・ラビン
【出演】ステラン・スカルスガルド、ジェームズ・ダーシー、イザベラ・スコルプコ、レミー・スウィーニー
2004年/アメリカ映画/114分


【STORY】
第二次世界大戦末期にナチスの蛮行を目の当たりにしたメリン神父は信仰を捨て、考古学者として流浪の旅に出ていた。アフリカに辿り着いたメリンは、古美術品のコレクターと出会い、イギリスが行っている教会遺跡の発掘調査に加わることになる。地中に埋められていた教会のさらに奥には地下通路があり、メリンはそこで悪魔パズスの偶像を発見する。その頃、近くの村のある少年の周りでは奇妙な事件が続発していた。村人たちは、少年に悪魔が乗り移っていると言い始める。

【REVIEW】
あの『エクソシスト』の前日譚にあたる作品で、メリン神父がリーガンの悪魔祓いを行う25年前にも悪魔と対決していたエピソードを描く。メリンには大戦中に、ナチスが無差別に処刑を行っているのを目撃(自身も強制的に加担させられた)、己の無力さに絶望し、信仰を捨て、考古学者になった経緯が出てきます。そんな彼がアフリカで悪魔と対決することで、再び信仰を取り戻していく様が主体になっています。

監督があのレニー・ハーリンなんで、どうなっているのか!?と思いましたが、意外と手堅い演出で悪くない出来。前半が不吉な出来事が重なっていくのをじっくり見せて、後半ではメリン対パズスを(やっぱり)派手に見せてくれます。ハイエナが襲ってくるところや大量のハエが飛んでいる場面、などなどCGが少し不自然で画面とマッチしてないのは残念ですが、アフリカという地を活かした乾いた空気感や雰囲気は伝わってきて、個人的には良くできていると思いました。まあ、1作目を超えるのはみなさん期待はしていないと思うので(失礼)、いかに1作目に違和感なく繋げていくかがポイントであるわけで、最後に黒い衣装に身を包み、再び神父として生きていく姿を見せてくれただけでも、往年のファンは嬉しいんじゃないかと思ったりします。

エクソシスト ビギニング01

エクソシスト ビギニング02


ワールド・ウォーZ

2015年02月11日 00:24

ワールド・ウォーZ Blu-rayワールド・ウォーZ Blu-ray
(2014/10/24)
ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス 他

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【原題名】WORLD WAR Z
【製作】ブラッド・ピット、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、イアン・ブライス
【監督】マーク・フォースター
【脚本】マシュー・マイケル・カーナハン、ドリュー・ゴダード、デイモン・リンデロフ
【撮影】ベン・セレシン
【音楽】マルコ・ベルトラミ
【出演】ブラッド・ピット、ミレイユ・イーノス、ジェームズ・バッジ・デール、ダニエラ・ケルテス、デヴィッド・モース
2013年/アメリカ映画/116分


【STORY】
世界規模で発生したゾンビ・パニック。ゾンビに襲われた者は瞬く間に感染し、新たな獲物を求めて襲いかかる。人類は対抗策を見いだせないままゾンビの量は爆発的に増加していた。元国連職員のジェリーは家族と共に車で移動中、ゾンビ発生の現場に遭遇、からくもに逃げ延びる。そんな彼のもとに現場に復帰せよとの連絡が入る。躊躇うジェリーだが、家族の安全の保障との引き換えに、ゾンビの感染原因を探る作戦チームに加わることになる。


【REVIEW】
ブラッド・ピット主演によるハリウッドの超大作ゾンビ映画・・・のはずだったが、出来上がった作品の内容は、観るものの期待するものによって評価が分かれる仕上がりになっている。ホラーファンが望むいわゆるゾンビ映画を期待して観れば、不満たらたらストレス溜まりまくりになるし、ブラピ目当てで家族でも安心して観られるアクションムービーを期待していたのならば、それなりに満足感が味わえると思います。そう、これはホラームービーじゃなくて、アクション映画です。

アメリカ~韓国~イスラエル~イギリスと場所を変えてスピーディーに展開するストーリーは退屈せずに見られるし、超高速で襲いかかってくるゾンビの攻撃はスリル満点で楽しい。何より、お金が存分に投じられて見せてくれる大規模なゾンビの襲来は、それだけでも見ていて面白みがあります。特にイスラエルでの高い壁を乗り越えてくる、人海戦術のゾンビの塊は圧巻!!まあ、それだけでも見る価値はあるかも。とりあえず、出てくるゾンビの量は今までの映画史上最多じゃなないかと思います。この映画を観てると、「ああー、ロメロも『死霊のえじき』でこんな感じのやつ撮りたかったのかな・・・」と想像したりもしますが、血しぶきが噴き出さない、ゾンビが内臓に喰らいつかないゾンビ映画をロメロが撮ってもやっぱり不満が残ったでしょうな。

ゾンビの走るスピードもかなりのもんで、『28日後・・・』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』よりも早く感じるかも。とにかく早い早い。早すぎて、襲われる瞬間の怖さを感じる暇がないくらい。「アッ!」と思ったら、もう襲われているし、「ギャ~」とか叫んでる間がないくらいですね。この映画でも、厳密に言えば、ゾンビとは言わず感染者と呼んでいるんで、世界規模で起こっている疫病を食い止める映画と言えなくもないですが、ゾンビ関連のものを前面に押し出しすと、観客動員数に影響が出るのを懸念して、ゾンビっぽい匂いはほとんどかき消されてしまった感があります。まあ、それはそれでしょうがないかもしれません。

おもしろかったのは、ゾンビが体調の悪い人間や特定の病気にかかっている人間を襲わないという点。それが、ゾンビ攻略の起点になるわけですが、最後の効果が判別するあたりはなんだか尻すぼみで終わってしまった感があるのは残念なところ。なんとなく続編もあるよ~的な終わり方でもあったけど、ブラピがゾンビの弱点を解明しちゃってるのに作れるんだろうか?


ムカデ人間2

2015年02月07日 23:36

ムカデ人間2 [DVD]ムカデ人間2 [DVD]
(2013/02/02)
アシュリン・イェニー、ローレンス・R・ハーヴェイ 他

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【原題名】THE HUMAN CENTIPEDE II (FULL SEQUENCE)
【製作】イローナ・シックス、トム・シックス
【監督】トム・シックス
【脚本】トム・シックス
【撮影】デヴィッド・メドウズ
【音楽】ジェームズ・エドワード・バーカー
【出演】ローレンス・R・ハーヴィー、アシュリン・イェニー、マディ・ブラック、ドミニク・ボレリ
2011年/オランダ・イギリス映画/91分


【STORY】
地下駐車場で警備員として働くマーティンは映画『ムカデ人間』を愛していた。自宅では巨大なムカデを飼っていて、手製のムカデ人間スクラップブックを眺めては悦に入っていた。やがてエスカレートしていくムカデ愛は、自分の手でムカデ人間を実現しようとするに至る。マーティンは地下駐車場の客を次々に拉致しては貸倉庫に運び込み、結合を試みる。


【REVIEW】
あのカルト映画『ムカデ人間』の続編!しかも今度は10連結!!正直、前作のインパクトに比べてどうなのか!?と思ってみたら、衝撃度はコチラの方が上!ここまで、悪寒のする映画は近年見たことが無いです・・・。各国で上映禁止、日本でも一部をカットしての上映を余儀なくされた、というのも頷ける内容です。

人間の口と肛門を結合させて、人間を繋げていくという発想自体インモラルで不謹慎な発想ですが、この続編はそれにプラスして主人公のマーティンの存在自体がアンモラル!母親と二人で暮らしているマーティンは、おそらく発達障害かなにかで極端に背が低く太っている体型。動きも緩慢で、額には常に汗がにじんでいる。しかも無口で何を考えているかもよく分からない。というか、劇中では全くセリフが無い!不機嫌になったり、笑ったりするので、感情はあるのだが、全く喋らないのである。ある意味、現実社会とは切り離された、社会に適合できない存在で、他の人間と意思疎通が不可能な人間として描かれているのである。彼が心を許しているのは、飼っているムカデと映画『ムカデ人間』だけなのだ。こんな、孤独なキャラクターは過去にも存在したが、人間を10人連結させようとした奴はマーティンだけだ。その行為をひたすら見せつける本作は見る人を強烈に選ぶ作品に仕上がっているので、ホラーに慣れている人でも見るのはしんどいかもしれません。

前作では、主人公は医者で、多少外科的な手術を行って繋げていましたが、今回のマーティンは全くの素人。誘拐してくる場面でも、麻酔なんか使わずに銃で足を撃ち抜いたり、バーベルで殴り倒して車に押し込んだりとかなり乱暴。しかも、肝心の繋げるところは、巨大なステープラーで口と臀部をくっつけているというお粗末なもの!この幼稚な作業で誕生した10連結ムカデ人間を前に狂喜乱舞するマーティンの姿が、哀れで滑稽で不気味だ。

内容的には過激さもグロさも前作を上回っているが、全編モノクロなのがせめてもの救い。これがオールカラーだと、多分しばらく食事をとるのは躊躇うかもしれない(それでも、一部悪意のあるカラー場面があるのだけれども・・・)。こんなシリーズだが、完結篇にあたる3作目も準備されているらしい。これよりも過激になっているとしたら、一体どうなるのか!?興味はあるが、さすがに見るかどうかを考えてしまいそうです。それにしても、こんなマーティン役の俳優、よく見つけてきたなあと思います。とにかく、この映画はこの俳優の存在感に尽きる・・・!と思います。

ムカデ人間2 01



遊星からの物体X ファーストコンタクト

2015年02月04日 02:27

遊星からの物体X ファーストコンタクト [DVD]遊星からの物体X ファーストコンタクト [DVD]
(2013/01/09)
メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン 他

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【原題名】THE THING
【製作】マーク・エイブラハム、エリック・ニューマン
【監督】マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr
【脚本】エリック・ハイセラー
【撮影】ミシェル・アブラモヴィッチ
【音楽】マルコ・ベルトラミ
【出演】メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン、アドウェール・アキノエ=アグバエ
2011年/アメリカ映画/103分


【STORY】
コロンビア大学の古生物学者のケイトは極秘の調査を依頼され、南極のノルウェー基地へ向かう。隊員たちが案内した場所には、約10万年前に墜落してきたとみられる飛行物体と、それに乗ってやってきた地球外生命体が氷に閉じ込められていた。その生命体を基地に持ち帰り、早速調べ始めるが、その中の生命体はまだ生存していて氷を突き破って脱出、隊員たちに襲いかかっていく。ケイトらは、その生き物の細胞を検査し、細胞単位で他の生き物を取り込み同化することができると推測する。

【REVIEW】
原作はジョン・W・キャンベル・Jrの「影が行く」。最初の映画化は51年のハワード・ホークス版『遊星よりの物体X』、そのリメイクが82年の『遊星からの物体X』、本作は82年版の前日譚、なぜノルウェー基地は全滅したのか!?その経緯を描いたもの。前日譚なんで物語の着地点はほぼ決まっているので、要はそこまでをいかに面白く見せるかがポイントだと思うのだけど、個人的には良くできたと誉めてもいいと思います。

82年のカーペンター版は出演者が全員男ばかりでしたが、今回は女性が2人登場。特に主演のケイトを演じるメアリー・エリザベス・ウィンステッドが知的かつ男勝りなヒロインを演じていてグッド!エイリアンに臆することなく、最後まで渡り合って、終始シリアスな演技も良かったです。それに比べると、他の男性陣が若干影が薄いのが残念。また、エイリアンの造形も当然CG技術が格段に進歩した今ならではのスムーズな変化を見せてくれていて、これも及第点。腕が外れて、個別に動き回ったり、人間に顔ごと押し付けて同化していく様は、これぞ物体X!と拍手喝采の場面。この2人同化したままで焼け死んじゃう奴が82年版にも出てくるので、ファンなら思わずニヤリとしてしまうのでは!?ほかにも連動しているネタが散りばめられていて、こういうファンサービスは嬉しいですね。

ただ、全体を見渡せば、82年版の焼き直し~アメリカ基地で起こったことがノルウェー基地で起こっているだけ~とも言え、目新しさが感じられないのは否めない。人間に同化している中から見つけ出す方法に、歯の治療跡を確認するのや有機物以外はコピーできないなど、細かなアイデアが追加されているのは面白かったですが、基本82年版を大きく逸脱しているところはありません。裏を返せば、それだけカーペンター版が良くできていたということ。犯人探しで皆が疑心暗鬼になっていくサスペンスも、クリーチャーのデザインも、前作を越えているかと言えば、正直できていない。CG技術がこんだけ進歩していても、ロブ・ボッティンの超絶特殊メイクで造型された物体Xは今見ても、全く色褪せていません。30年以上前の作品なのに、見劣りしないってスゴイですよね!?多分、これ以後もあのインパクトを超えるものは出てこないんじゃないかと思います。

とまあ、勝ったか負けたかの勝負はさておき、82年版に続いていくプロローグとして見ていけば、クオリティーは保てていると見ていいでしょう。最後、生き残ったヒロインはどこに消えたのか!?謎を残しつつも、基地から逃げ出したあの犬を追ってヘリが飛び立っていくラストシーンも、作り手はよく分かっていると思います。ああー、見終わったら、やっぱりカーペンター版が見たくなってきた・・・。この後、見ます。


THE THING 006

THE THING007


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