食人族の発売中止騒動…。なんだかなあ…。

2015年09月20日 01:06

ホラーマニアックスの今期ラインナップの『食人族』が、先日発売中止の噂が流れて、ちょっとした騒ぎになっていました。私もツイッターで知ったのですが、突然の知らせにホラーファンらからは疑問の声が次々にあがってきて、丸一日その話題が続いて、最終的には、ハピネットからニューラインに発売元を変更して無事発売されることで落ち着いた模様。

しかし、メーカーは理由をはっきりと明かしてはいないが、噂では例の亀を殺している場面にクレームが入ったとか。なんでもかんでも気に入らないものには抗議して、人の目に付かないようにしてしまえ!という連中の考えとその行動には半ば呆れてしまうけど、無事発売されてなにより。

大体、見たくなければ、気に止めずに素通りすればいいわけで、いちいち抗議するとはよっぽど暇をもて余しているんでしょうな。

とりあえず、安心しましたが、何かあると、すぐに叩かれるホラー映画、不謹慎でアンモラルで不道徳で厭な映画と言われようとも、それを許容できる寛容な社会であって欲しいものです。

ザ・カー

2015年09月15日 21:22

ザ・カー01

【原題名】THE CAR
【製作】マーヴィン・バート、エリオット・シルヴァースタイン
【監督】エリオット・シルヴァースタイン
【脚本】デニス・シュリアック、マイケル・バトラー、レイン・スレート
【撮影】ジェラルド・ハーシュフェルド
【音楽】レナード・ローゼンマン
【出演】ジェームズ・ブローリン、キャスリーン・ロイド、ジョン・マーリー、R・G・アームストロング
1977年/アメリカ映画/99分


【STORY】
アメリカ中西部の田舎町に突如現れた黒い車。それは轟音と不気味なエンジン音を響かせて猛スピードで疾走、サイクリング中のカップルを跳ね上げ、ヒッチハイク中の若者を轢き殺す。警察は非常線を張るが、黒い車は町中にも出現し、警察関係者も次々に轢き殺していく。保安官たちは郊外におびき寄せ、ダイナマイトで車を破壊しようと試みる。


【REVIEW】
1970年後半に作られた珍しい車が主人公のオカルトホラー。車が襲ってくる映画といえばスピルバーグの『激突!』やカーペンターの『クリスティーン』などが思い出されますが、この『ザ・カー』はどちらかといえば後者寄り。なにせ、途中で運転者がいないことが判明、無人で人間を次々に轢き殺す殺人マシンながら、墓場にはどうしても入っていけない(聖域には侵入できない)などこの車を操っているのは邪悪な何かというのが推察されるから。特に、子供を守るため車のことを罵ったヒロインは建物の中に避難していたのに、猛スピードで突っ込んできた車に跳ね飛ばされて殺されるなど、執拗な狙い方が恐ろしい。襲われる場面が昼間のシーンが多くて、画面が明るすぎて何だか能天気な感じがしてしまうのは残念なところだが、黒塗りセダンの外観のインパクトと、不気味なエンジン音はなかなか強烈な印象を残します。

その昔、子供時代にTV放映されていたのを観たときにはかなり怖かった記憶がありましたが、今見直すとそれほどの恐怖は感じないもので、それはやはり他にもいろんな作品を観てきて、ホラーやオカルトにある程度の耐性が備わったのもあるのかなと思います。逆に思うのは、こんな悪魔憑きの車でなくても、現代では至る所で危険な個所や場面はあるわけで、どんなにこちらが注意していても交通事故に巻き込まれる可能性は存在するわけで、命の危険は常日頃の普通の生活の中にあるほうが怖いと思います。

ザ・カー02



スクリーム4 ネクスト・ジェネレーション

2015年09月03日 02:30

スクリーム4 02

【原題名】SCREAM 4
【製作】ウェス・クレイヴン、ケヴィン・ウィリアムソン、イヤ・ラブンカ
【監督】ウェス・クレイヴン
【脚本】ケヴィン・ウィリアムソン
【撮影】ピーター・デミング
【音楽】マルコ・ベルトラミ
【出演】ネーヴ・キャンベル、デヴィッド・アークエット、コートニー・コックス、エマ・ロバーツ、ヘイデン・パネッティーア
2011年/アメリカ映画/111分


【STORY】
ウッズボローで起こった連続殺人事件から10年が過ぎ、生き残ったシドニーは忌まわしい記憶と訣別するため自叙伝を執筆し成功をおさめ普通の生活に戻っていた。本のキャンペーンのため久々に故郷に戻ったシドニーは、同じく事件から生き残ったデューイやゲイルとの再会を果たすが、時を同じくして地元の高校生が刺殺されるという事件が発生、またしても連続殺人事件に遭遇することになってしまう。


【REVIEW】
ウェス・クレイヴン監督が2015年8月30日にこの世を去ってしまった。享年76歳。1980年代には『エルム街の悪夢』で一躍ホラー映画の名ディレクターの仲間入りし、1990年代には『スクリーム』シリーズの大ヒットで低迷していたスラッシャー映画に再び光を浴びせることに成功、特に『エルム街~』シリーズから生み出された“フレディ・クルーガー”という殺人鬼はホラー映画史に残る名キャラクターとなった。

クレイヴンは元々大学で教鞭を取っていて、そこから映画界に転身した経歴を持っている。何本かの編集の仕事を手伝った後、その後『13日の金曜日』でヒットを飛ばすショーン・S・カニンガムと出会い、彼の協力を得て『鮮血の美学』で監督デビューを果たす。そのバイオレンスな内容に当時の評価は賛否両論だったようだが、『サランドラ』『スワンプシング』などを経て、1984年の『エルム街の悪夢』で一躍メジャー監督の仲間入りに。その後も、『ゾンビ伝説』や『デッドリーフレンド』など、コンスタントにホラー系の作品を監督するが、『エルム街~』ほどの評価は得られず、その『エルム街~』シリーズも1994年の『エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア』で終了してしまう。それから2年後、送り出した『スクリーム』大ヒットし、クレイヴンの名は不動のものとなり、シリーズも4作目まで作られたが、その4作目の『スクリーム4』が彼の遺作となってしまった。

『スクリーム』シリーズは純粋なホラー映画というよりは、ホラー映画の常識や定説を逆手に取ったコメディー&サスペンス映画という趣だが、この4作目でも「昨今のリメイクブームに物申す!」といったセリフが出てきたりと雰囲気は昔と変わらず、意表を突く展開はこのシリーズの目玉でもある。勿論、ショッキングな殺害シーンと追いつ追われつのハラハラな場面も散りばめられていて、飽きさせないのも変わらない。また、主演のネーヴ・キャンベルら1作目からの主要キャラの3人が出てきてくれるのも安心して見られる要因の一つだろう。

冒頭の劇中映画『Stab』の中の登場人物に『ソウ』シリーズに代表されるトーチャーホラーやゾンビものに強烈な批判セリフを言わせたり、昨今のリメイクブームが多すぎるのもいかがなものかと考えさせられたりと、クレイヴンの物申す的な演出が面白かったし、シリーズが前作から10年近くたって、スマホやSNS、ライブカメラなど、今の新しいものを劇中に取り入れているのも良かったと思います。しかし、クレイヴンが亡くなったことにより、おそらく『スクリーム』シリーズも打ち止めでしょうね・・・。劇中映画の『Stab』は7作目まで製作されていましたが―。


スクリーム4 01

スクリーム4 03





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