死体と遊ぶな子供たち

2015年11月29日 00:44

死体と遊ぶな子供たち02

【原題名】CHILDREN Shouldn't Play with Dead Things
【製作】ゲーリー・ゴッチ、ベンジャミン・クラーク
【監督】ベンジャミン・クラーク
【脚本】ベンジャミン・クラーク、アラン・オームズビー
【撮影】ジャック・マッゴーワン
【音楽】カール・ジットラー
【出演】アラン・オームズビー、ジャン・ダリイ、アニア・オームズビー、ヴァレリー・モーチェス
1972年/アメリカ映画/86分


【STORY】
孤島にやってきた若き劇団員たち。彼らを率いる怪しい座長は、深夜墓場に忍び込んで死体を掘り出させる。そこで死体蘇生の儀式を行うがうまくいかず、切れたのか座長は死体のオービルさんを用いて死者への冒涜の限りを尽くす。すると、後からになって蘇生の儀式が現れたのか、それともあまりの不謹慎な行いに死者が怒ったのか、墓地から死者が続々と蘇り劇団員たちに襲いかかるのであった。

【REVIEW】
割と有名な『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の亜流の一本。人里離れた一軒家にゾンビの群れが押し寄せて、立てこもった人間たちが防戦むなしく殺されていく・・・内容的には、ロメロのそれとほとんど同じだが、こちらは学生の自主映画の趣で、登場人物が見せる緊張感も薄く、社会的なメッセージも存在しない。しいて言えば、予算の割にはよくできたゾンビの造形だろうか。監督は、その後、ボブ・クラークの名前で『デッド・オブ・ナイト』や『暗闇にベルが鳴る』を撮り、『ポーキーズ』シリーズで名をはせる。

見どころはゾンビだが、安っぽい仕上がりは目をつぶれば、それなりに楽しめるが、ゴアシーンは控えめ。普通、ヒロインの女の子は助かるのが通例だが、あっけなく死んでいき、仲間を見捨てて死者への冒涜を繰り返した諸悪の根源の座長もまたゾンビにやられておしまい。見終わって気づいたが、一軒家に立てこもる若者×呪いの書で蘇るゾンビ=『死霊のはらわた』の先輩映画とも取れるが、お世辞にもそこまでの出来ではないので、ゾンビ映画がそれほど好きではない人にはあまりお勧めできない1本。画質も動画サイトからダウンロードしてきたのか?と思うくらいの鮮明さだしね。でも、ゾンビ映画好きを公言している人なら、ゾンビ映画の歴史を辿っていくうえでも一度見ておくべき1本。


死体と遊ぶな子供たち01






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マーターズ

2015年11月27日 00:44

マーターズ01

【原題名】MARTYRS
【製作】リシャール・グランピエール、シモン・トロティエ
【監督】パスカル・ロジェ
【脚本】パスカル・ロジェ
【撮影】ステファーヌ・マルタン、ナタリー・モリアフコ=ヴィゾツキー
【音楽】セップク・パラディグム、アレクシス・アンド・ウィルフリード・コルテ
【出演】モルシャーナ・アラウィ、ミレーヌ・ジャンパノイ、カトリーヌ・ベジャン、イザベル・ジャス
2007年/フランス・カナダ映画/100分


【STORY】
1970年代のフランス、ボロボロの姿で彷徨っていた少女リュシーが保護された。彼女は何者かによって、工場の一部屋に長期間監禁され、拷問と虐待を受けていたが、その目的は分からなかった。養護施設に引き取られたリュシーは、同じ年頃の少女アンナの助けもあり、徐々に回復していった。その15年後、森の中に佇む一軒家の玄関にリュシーは立っていた。家の中には朝食を取っていた家族4人が居り、リュシーは猟銃を構え、一人ずつ射殺してゆく。銃弾を浴びて息絶えてい往く住人達。その中の母親らしき死体の顔を見てリュシーは確信する。自分を監禁、虐待していた相手に復讐を果たしたのだと。血まみれの惨状の中、リュシーの背後に何かが忍び寄る。

【REVIEW】
上記ストーリー部分だけで約15分程度だが、ここまでだと監禁、虐待されていた女性の復讐劇かと思いきや、これ以降話は二転三転していく。事件現場に駆け付けたアンナはリュシーの傷の手当てをし、死体の片づけを手伝うが、復讐した相手が正しかったのかを疑う。―すべては、リュシーの妄想ではないのか?―事実、リュシーにしか見えない化け物が襲ってくるのは幻であり、彼女の自傷行為が原因であることが分かってくる。しかし、何が原因で彼女をここまで追い詰めたのか?謎は解明されないまま、リュシーの行動はエスカレートし、ついには喉元を掻き切って自殺してしまう。悲しみに打ちひしがれ、呆然とするアンナ。一夜明け、一軒家の中に地下室があることを知った彼女は中に下りて行き、ついには見てはいけないもの、知ってはいけなかったことを知ってしまう。

その後、物語は急展開していく。リュシーの過去の言っていたことが正しかったことが分かり、監禁と虐待に関与していた組織の人間が現れ、なぜこんなことをしていたのかを説明していく。そして、アンナを待ち受ける凄惨な儀式。先の読めない展開に翻弄されながら、後半延々と続くアンナへの容赦ない拷問の数々を見せられ、おそらく観客の多くが善良な心をベキベキっとへし折られてゆくのではないだろうか。心と体の両面を極限まで痛めつけることで到達できる場所を見せるため、観客にもそれを疑似体験させた後、映画はクライマックスを迎えるが、ラストは崇高で神々しいといえばそうかもしれないが、死の先にあるものは何か知りたいだけの虐待カルト集団の下衆い欲望の末路としか思えないのは、私がただ単にひねくれているからかもしれない。それと、一部の人間の欲望のために犠牲となったリュシーやアンナの人生はなんだったのかを思うと、それもやりきれないと思ってしまう。殉教者ってなんなんでしょうね!?

ただ、今までのホラー映画とは一線を画している別物であるのも事実。ここまでショッキングで、見た後にどよーんと重いものを残す映画も久々。刺激的な映像を見たい方、トラウマ級の拷問映画を見たい方、そしてホラーが三度の飯よりも好きな方は、やっぱり避けては通れない必見の映画だと思います。

マーターズ02

マーターズ03



ファンハウス 惨劇の館

2015年11月26日 16:35

ファンハウス01

【原題名】FUNHOUSE
【製作】デレク・パワー、スティーブン・バーンハード
【監督】トビー・フーパー
【脚本】ラリー・ブロック
【撮影】アンドリュー・ラズロ
【音楽】ジョン・ビール
【特殊メイク】リック・ベイカー
【出演】エリザベス・ベリッジ、クーパー・ハッカビー、マイルズ・チャピン、ラルゴ・ウッドラフ、シルビア・マイルズ、ウィリアム・フィンレイ
1981年/アメリカ映画/96分


【STORY】
年に一度、町にやってくるカーニバルに出かけたエイミーら4人の若者たち。夜中になり、そろそろ閉園というころになって、4人はお化け屋敷で一夜を過ごそうということになり、建物の中に隠れて時を待つ。カップルに分かれていちゃついていたが、ファンハウスの地下でフランケンシュタインの仮面を被った男が女占い師を殺害する所を目撃してしまい、状況は一変する。この男の父親に覗き見していることを感づかれ、4人は殺人鬼親子に追われる羽目になる。


【REVIEW】
80年代前半、スラッシャームービー全盛期にフーパーが撮った王道を行く殺人鬼映画。悪乗りしすぎた若者たちが、無残に殺されていくのに加えて、舞台をカーニバルのお化け屋敷(ファンハウス)に限定し、閉鎖された空間での追いつ追われつの攻防に絞ったのがミソ。出口が封鎖されてしまい、逃げ惑うでしかない若者たちを殺人鬼が容赦なく追い詰めていくわけだが、このフランケンマスクの男が仮面を取ったら、なんともおぞましいフリークス顔というのがまた強烈。リック・ベイカーが造形したその異形な風貌は一度見たら忘れられない(というか、夢に出てきそうな)インパクトで、この辺フーパーの悪趣味ぶりが全開といった感じで、個人的には好きな1本です。

物語は、前半を手品や占い、見世物小屋やストリップといったカーニバルの出し物を順番に見ていくわけだが、このなんとも言えないローカルでいかがわしい感じがまた良く(主人公のエイミーの父親が「カーニバルには行くんじゃないぞ」と忠告したり、いかにも不道徳な感じがいいのです)、後半は、その同じ舞台で自分たちがリアル殺人鬼に追われて、殺人ショーの一部と化してしまうのがなんともシュール。見世物小屋に出てくる本物のフリークスな動物やホルマリン漬けの奇形児(こいつが、殺人鬼の死んだ弟という設定が、なんともやりきれないが)が不気味さをさらに盛り上げています。

悪魔のいけにえ』ほどぎらついてはいないが、スラッシャー映画としては安心して鑑賞できる水準の出来。クライマックスのフリークスとの対決シーンも長めに撮られていて満足度は高い。冒頭の『サイコ』のパロディシーンはご愛嬌ということで。

ファンハウス02

ファンハウス03





燃える昆虫軍団

2015年11月18日 11:40

燃える昆虫軍団02

【原題名】BUG
【製作】ウィリアム・キャッスル
【監督】ジャノット・シュウォーク
【脚本】ウィリアム・キャッスル、トーマス・ページ
【撮影】マイケル・ヒューゴー
【音楽】チャールズ・フォックス
【出演】ブラッドフォード・ディルマン、ジョアンナ・マイルズ、リチャード・ギリランド
1975年/アメリカ映画/100分


【STORY】
アメリカ中西部で巨大な地震が発生した。町の郊外の農地では巨大な地割れも発生、住民はそこからゴキブリに似た真っ黒な昆虫が多数這い出てきているのを発見する。昆虫学者のジムは、地割れから出てきた昆虫が火事を引き起こしていると知らされ現地に調べに行く。真っ黒な昆虫は体に発火する仕組みが備わっており、炭素を栄養源として生きているようだった。新発見に興奮を迎えきれないジムは昆虫を持ち帰り、研究を重ねていくが、やがてこの虫の進化していく様に恐怖を覚え始める。


【REVIEW】
70年代は大自然の驚異を描いた映画が多数制作され、動物・昆虫らが人間に襲いかかるものも人気のジャンルだった。その種類も様々だったが、昆虫自体はサイズが小さいので、群れを成して襲ってくるか、突然変異で巨大化するというパターンが多かった。しかし、本作の主役は明言はされていないものの、見た目はどう見ても“巨大ゴキブリ”!!サイズは全長5~10cm程度で、しかも多数ご登場で、その雄姿を拝むだけでもこの映画は見る価値あり!!(ゴキブリが苦手な方は観ない方がいいでしょう・・・)

普通、火が苦手なはずの昆虫が自ら発火して敵を燃やすという発想がなかなかのもので、特に中盤のジムの奥さんのブロンドヘアーに取り付いて発火、奥さんが火だるまになって焼け死ぬ場面はけっこうショッキング。さらに、妻を失って、虫への執着心がエスカレートしたジムはこの虫をゴキブリと交配させ新種を誕生させてしまう。こいつが、最終的には人間の言語を理解し、自我を主張してくるのには、「ちょっと行きすぎじゃない!?」と思ったりもするが、人類が死滅してもゴキブリは生き残ると言われているくらいだから、あながち無いとも言えないかも。

この映画も、小学生時代にTVで観て、気味が悪かった記憶がありますが、特に印象的なのが、女優さんの顔面に巨大Gが張り付いているスチール写真。当時は当然CGなんてなかったので、あまりにもリアルすぎるゴキブリが目のあたりに食らいついている場面がどうしても頭から離れず、これも幼少時代のトラウマ映画の1本です。

燃える昆虫軍団01



フェイズⅣ 戦慄!昆虫パニック

2015年11月18日 00:37

フェイズⅣ01
【原題名】PHASEⅣ
【製作】ポール・B・ラディン
【監督】ソウル・バス
【脚本】メイヨ・サイモン
【撮影】ディック・ブッシュ
【音楽】ブライアン・ガスコース
【出演】ナイジェル・ダベンポート、マイケル・マーフィ、リン・フレデリック
1973年/イギリス映画/83分


【STORY】
宇宙で起こった異変によってアリが突然変異、周りの生物を攻撃しアリ以外の生き物を排除しつつあった。その異変に気付いた生物学者のハッブズ博士は謎を解明するために、言語学者のレスコとともに砂漠の研究施設で実験を開始する。その地では、奇妙な構造物やミステリーサークルが現れていて、アリの仕業と考えた博士らは、アリたちと交信しようと試みる。しかし、アリたちは研究施設の攻撃を開始、博士らは強力な殺虫剤を散布するが、それに耐性を持ったアリが出現、研究施設の内部にまで侵入してくるようになる。その後、アリに噛まれた博士は錯乱状態に陥り、アリの罠に嵌って死に、レスコは一人で女王アリを捜しに砂漠へ出ていく。


【REVIEW】
タイトルだけを見れば、この時代にありがちな生物パニックものかと思うが、内容は180度真逆の限りなくドキュメンタリーに近い、哲学的スリラー映画な感じ。これが唯一の長編映画監督作品になるソウル・バスの生み出した映像は、まるで演技を指導されたごとく動き回るアリたちの姿と、砂漠の中にポツンと浮かぶ銀色の半円ドーム型の研究施設、そして謎の構造物、などなど、実にアーティスティックで、その映像美は40年以上たった今でも色あせることはない。それだけでも見る価値ありかと思うが、ストーリーの方は起伏に乏しく、淡々とした流れに見入ってしまうか、もしくは眠気を感じてしまうかのどちらかでしょう。実際、娯楽映画としての魅力は薄く、個人的には黒いアリたちの集団が大挙して押し寄せ人間に襲いかかるパターンが大好きな層には(自分もそうですが)受けない内容です。実際、アリに襲われる犠牲者も少なくショックシーンも控えめ(まあ、その辺は狙っていないでしょうが)、アリに噛まれてから常軌を逸していく博士の狂気ももう少し激しかったら面白かったのになあ・・・とか思ったりします。

フェイズⅣ02

フェイズⅣ03





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