スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間

2015年12月18日 17:00

スリーデイズボディ03

【原題名】CONTRACTED
【製作】エリック・イングランド、J・D・リフシッツ、ラファエル・マーグレス
【監督】エリック・イングランド
【脚本】エリック・イングランド
【撮影】マイク・テスティン
【音楽】ケヴィン・リープル
【出演】ナジャラ・タウンゼント、キャロライン・ウィリアムズ、アリス・マクドナルド
2013年/アメリカ映画/84分


【STORY】
サマンサはレズビアンで、ニッキーという恋人がいたが、最近彼女の冷たい態度が気になっていた。ある晩、サマンサはニッキーをパーティーに誘うが返事がなく、自棄になったサマンサは酒を飲んで我を忘れ、見ず知らずの男と関係を持ってしまう。翌朝から、体調の異変に気付いた彼女は性病に感染したかと思い、病院を受診するが原因は分からずじまい。その間にも症状は悪化の一途をたどり、彼女の体は腐り始めていく。そして、3日目を迎えたとき、サマンサの取った行動とは・・・。

【REVIEW】
生きながらゾンビ化していく過程そのもを淡々と映し出すサスペンスホラー。ゾンビ発生の原因となった男のことは解明されず謎のままで、それよりも、人間が徐々に死に向かっていくプロセスを映像で見せ、主人公の行動を追っていく。「自分の体に異変が起きたとき、どうするか?」様様なパターンが考えられるが、本作は主人公に若い女性を選び、かつレズビアンという設定を付け加えたのがミソ。正直、最終日、自暴自棄になった彼女の行動は共感できるものではないが、実際自分が死ぬと分かったら、やけっぱちになってとんでもない行動を起こすかもしれない。そんなことをふと考えさせてくれるが、本作の見どころはやっぱり、若くて美しい女性が少しずつゾンビ化していくのをいかに美しく(あまりグロくなく)見せているのが売りなわけで、そこを堪能できればOKではないでしょうか。中年のおっさんがゾンビになっていくのを長々見せられても困るしねー。あと、サマンサの母親役のキャロライン・ウィリアムズが懐かしい。『悪魔のいけにえ2』のヒロイン役が印象深いですが、すっかりおばさんで、やっぱり年は取ってましたね。



バイオ・インフェルノ

2015年12月15日 21:58

バイオ・インフェルノ01

【原題名】WARNING SIGN
【製作】ジム・ブルーム
【監督】ハル・バーウッド
【脚本】ハル・バーウッド、マシュー・ロビンス
【撮影】ディーン・カンディ
【音楽】クレーグ・サガン
【出演】サム・ウォーターストン、キャスリーン・クインラン、ジェフリー・デマン、リチャード・A・ダイサート、ヤフェット・コットー
1985年/アメリカ映画/100分


【STORY】
ユタ州の農村地帯にある科学研究所バイオ・テックでは、農業技術の研究が行われていたが、ある日、偶然が重なり、所内で細菌が漏れ出てしまう。警備担当のジョニーは、緊急時の手順に従い、研究所を封鎖して救援を要請する。所内には研究者や職員らが多数閉じ込められたままで、安否を気遣う家族らが研究所に詰めかけるが、やってきた軍によって立ち入り禁止となり中の様子は窺えない。ジョニーの夫で保安官のキャルは、妻の身を案じ、研究所を辞めたフェアチャイルドという男のもとへ助けを要請する。その頃、所内では細菌に感染した人々の様子がおかしくなり、正常な人間を襲い始めるのだった。


【REVIEW】
研究所で発生したバイオハザードの恐怖を描いたパニック映画。農業研究とは表向きで、極秘に進められていたのは細菌兵器の研究。未知のウィルスを扱っていた最中に、誤って割れた試験管から感染が始まり、この菌に侵された人々は攻撃的かつ破壊行動に走り始める。この姿が、ゾンビ映画を想像させていたのだが(個人的には)、襲いかかっても噛みついたりはせず、殺そうとするだけなので、ゾンビ映画ではないのです。外部では事態を密かに処理しようとする軍部と対立する住民たち、研究所内では感染者と生存者の攻防が描かれていて、非常にわかりやすくかつ安定したストーリーの流れで、細菌パニック映画としては標準的な出来栄えだ。感染者が群れを成して襲ってくる姿はなんとも言えず不気味で、逃げ場のない封鎖空間でのサスペンスの盛り上げも成功していると言えます。ただ、ホラー映画としてのテイストは薄めで(ゾンビじゃないしね)、あんまりグロシーンがないのも個人的には物足りないところかなと感じたりもして・・・。

雰囲気的にはロメロの『ザ・クレイジーズ』を連想したりもしましたが、そこまで感染者たちの行動が狂っていないのが本作を地味に感じさせる一因化も。本作では、解決の糸口をつかんで一応ハッピーエンドに向かいますが、『ザ・クレイジーズ』なんて、全てが破滅に向かっていってしまって、そのやりきれなさがなんとも言えない余韻を生んでいたのですが、バッドエンドが嫌いな人もいると思うので、その辺は人それぞれお好みということで。しかし、何よりも嬉しかったのは、今になってDVDで発売されたのが感激!“映画ファンからのリクエストを実現するリクエスト・ライブラリー第7弾作品”ということですが、こういった取り組みは、どんどんやっていって欲しいなあーと思います。

バイオ・インフェルノ02

バイオ・インフェルノ03


MARTYRS 2016 OFFICIAL TRAILER

2015年12月15日 16:21

マーターズ』のリメイク新作!?

HIHOnewsより

トールマン

2015年12月12日 11:32

トールマン02

【原題名】THE TALLMAN
【製作】ジーン=チャールズ・レヴィ 、ケヴィン・デウォルト、クレマン・ミゼレ、スコット・ケネディ
【監督】パスカル・ロジェ
【脚本】パスカル・ロジェ
【撮影】カマル・ダーカウイ
【音楽】トッド・ブライアントン
【出演】ジェシカ・ビール、ジョデル・フェルランド、スティーヴン・マクハティ、ウィリアム・B・デイヴィス、ジェイコブ・デイヴィーズ、サマンサ・フェリス
2012年/アメリカ・カナダ・フランス映画/106分


【STORY】
広大な森に囲まれた炭鉱の町コールド・ロック。数年前に鉱山が閉鎖され、仕事と活気を失った町は寂れていく一方で、町は死に瀕していた。そんな状況に追い打ちをかけるように、幼い子供の失踪事件が多発、犠牲者はすでに18人にのぼり、その痕跡すら警察は掴めていなかった。人々は、この誘拐犯を“トールマン”と呼び、恐れていた。町で、診療所を営む看護師のジュリアは、ある晩自宅から子供が連れ去られるのを目撃し、必死で追いかけるが森の中で見失ってしまう。またしてもトールマンの仕業なのか!?ジュリアは町の人々に助けを求めるが、住民の態度はいつもとどこか違っていた。その訳は―。


【REVIEW】
マーターズ』でホラー映画の新たな道筋を示したパスカル・ロジェが送るサスペンス・ドラマ(ホラーとは言い難いので)。前半で認識していた設定と状況が、後半ではガラッと変わり、見るものを二転三転させ混乱に陥れる作風は、ロジェ監督ならではの作り。同じことでも、見方を変えれば全く逆であり、被害者と加害者は紙一重、張り巡らせた伏線が心憎い。ただ、子供を誘拐する理由がイマイチ納得(もしくは共感)しにくいのが難点なところ。命を懸けてまで行わなければいけなかったのか、この場所よりももっと悲惨なところがほかにもあるんじゃないかと思ってしまったりして、この辺がすっきり感動できなかった要因かもしれません。

先の見えない寂れた町と、無限に広がるかのような広大な森の景色は素晴らしく、雰囲気は抜群で、ミステリーとしての舞台としては合格点かと思います(雰囲気重視!)。そして、個人的にポイントが高いのが主演のジェシカ・ビールの熱演。彼女の演技がこの映画の出来を左右するといっても過言ではなかったはずなので、良かったと思います。『テキサス・チェーンソー』で、レザーフェイスと対決していたのが懐かしいですね。

トールマン01



共喰山

2015年12月07日 21:33

共喰山01
【原題名】PRIMAL
【製作】ロブ・ギブソン、ジョン・コーダクス、ナイジェル・クリステンセン、ジョシュ・リード
【監督】ジョシュ・リード
【脚本】ジョシュ・リード
【撮影】ジョン・ビギンズ
【出演】ゾーイ・タックエル=スミス、クリュー・ボイラン、リンジー・ファリス、レベッカ・フォード、ダミアン・フリーリーガス、ウィル・トラヴァル
2010年/オーストラリア映画/84分


【STORY】
奥深い森の中へ車でやってきた若者6人のグループ。彼らが目指すのは古代壁画が描かれた洞窟の出口だ。目的後に着いた彼らは、キャンプを設営して夜を過ごそうとするが、池で水浴びをしていた仲間の一人が蛭に襲われて発熱し倒れてしまう。キャンプを中止し医者に見せようとするが、容体は悪化し、無数の牙の生えた化け物に変身し仲間に襲いかかってくるのだった。


【REVIEW】
DVDのパッケージには「ノルウェイ・ホラー映画『処刑山』に続く、“山”シリーズ最新作」とあるが、何の繋がりもない、こちらはオーストラリア産のサバイバル・ホラー。奇病に侵されたのか、はたまた太古の自然の呪いなのか、その辺さっぱりよく分かりませんが、とにかく獣のように変貌した仲間が襲いかかってきて、食い殺されていく若者たち。生き残るためには、かつての仲間や恋人を返り討ちにしなければならない。葛藤して、仲間割れするグループ内。恋人に未練たらたらの彼氏は「これは病気だ、きっと治るに違いない!」と信じて、助かりかけたのに戻って行って最後死んじゃったりと、なんか見ていてイライラしてしまうのは、自分がドライ過ぎるからだろうか?ゾンビ映画でよくありがちな展開だが、ゾンビに感染したら肉親でも恋人でも殺すことができるだろうか?いざ、その時が来なければ答えは簡単には出ない難問だが、この映画を見ていて少し考えてしまった。

短いカットを繋げたり、アクションシーンは独特のテンポで不思議な感じ。共喰い攻撃の後には、謎の生物(こいつが全ての元凶!?)も出てきて、「おおっ!!」と思わせるが、最後はなんだかよく分からずじまいで終わってしまっているのが残念。一応、あの壁画は警告だったのよとか、この地には昔から邪悪な何かが住み着いていて・・・うんぬんとか、何か説明が欲しかった気がします。その辺が若干消化不良気味。ゴアシーンも、血しぶきはそれなりに出ているが、それほど残酷度は高くない。このあたりも、軽いノリが画面の雰囲気をもライトにしているからかも。それにしても、キャッチコピーの「友を喰う!恋人を喰う!カンガルーも喰う!!」って、なんだかな~って感じだ。確かに喰ってたけど、あれが本物だったら、やっぱり発売禁止のクレームが来てたかな!?

共喰山02





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