
【原題名】DERANGED
【製作】トム・カー、ボブ・クラーク
【監督】アラン・オームズビー、ジェフ・ギレン
【脚本】アラン・オームズビー
【撮影】ジャック・マッゴーワン
【音楽】カール・ジットラー
【特殊メイク】トム・サヴィーニ
【出演】ロバーツ・ブロッサム、マリアン・ウォルドマン、コゼット・リー、ミッキー・ムーア
1974年/アメリカ映画/84分
【STORY】
父の死後、長い間母親の介護を続けていたエズラは強いマザー・コンプレックスを抱えていた。やがて、母親は病死するが、その事実を受け入れられないエズラは苦しみ続け、埋葬されていた母親の遺体を掘り出し、自宅へ持ち帰ってしまう。再び母親と一緒に暮らせることに喜びを覚えるエズラだったが、死後1年以上たっている遺体はミイラ化し、朽ち果てかけていた。悩んだ彼は、死後間もない女性の遺体を掘り出し、そのパーツを移植して母親の体を蘇らせようと試みる。エスカレートしていくエズラは、遺体だけでなく、生きている女性を標的にしていき・・・。
【REVIEW】
伝説の猟奇殺人犯エド・ゲインをモチーフにした映画は数多く製作され、『サイコ』や『羊たちの沈黙』、『
悪魔のいけにえ』などが有名だが、その犯行のリアルな再現度では群を抜く出来栄えなのが本作品。『ゾンビ』などを手掛ける前のトム・サヴィーニも参加した特殊メイクはチープながらも、逆に不気味な印象を感じさせ、死体を分解し、母親の体にパーツを移植していくシーンなどはかなりグロ度が高めだ。特に、恩師の女性教師の頭を割って、脳みそをスプーンで掻き出す場面がかなり気持ち悪い・・・。←それを、淡々と長~く撮っているのが、なおグッド!
遺体解体シーン以外にも、誘拐してきた女性を椅子に座らせて死体を囲んだ食事場面や(『悪魔のいけにえ』のそれとそっくり!)、全裸女性を逆さづりにして腹を掻っ捌いたりと、当時としてはショッキングな場面が続出。フィルムが行方不明になり長らく幻となっていたこともあり、カルト映画と呼ばれるのに内容も相応しいものになっている。ただ、全体的なテンポはゆるめで、『悪魔のいけにえ』ほど極限の緊張感のようなものは感じられない。そこは、『
死体と遊ぶな子供たち』のボブ・クラークやアラン・オームズビーが参加している影響が大きいと思われる(なんとなく、全体の雰囲気は似ている)。やっていることは凄惨極まりないのだが、演出はゆったりめ、このなんとも言えないアンバランスさが逆に不気味なわけで、主演のロバーツ・ブロッサムも演技というよりは、地のままのようにも見えてくる怪演ぶり。怪作である。
映像特典はほとんどないのだけれども、封入されている縮小版チラシが嬉しい。
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