ダリオ・アルジェント 恐怖の幾何学

2016年08月31日 21:01

ダリオ・アルジェント恐怖の幾何学

出版社:ABC出版
出版年月:2007年3月
著者:矢澤利弘
ページ数:332頁
定価:3,800円(本体)


・青少年期、評論家時代
・脚本家時代
・歓びの毒牙
・わたしは目撃者
・4匹の蠅
・サイコ・ファイル
・ビッグ・ファイブ・デイ
・サスぺリアPART2/紅い深淵
・サスぺリア
・ゾンビ
・ゴブリン 創成期から黄金期まで
・インフェルノ
・シャドー
・フェノミナ
・デモンズ
・トラサルディ・アクション
・デモンズ2
・フィアット・クロマ
・オペラ座/血の喝采
・ジャッロ
・デモンズ3
・マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴
・デモンズ4
・トラウマ/鮮血の叫び
・スタンダール・シンドローム
・肉の蝋人形
・オペラ座の怪人
・スカーレット・ディーバ
・スリープレス
・デス・サイト
・ゴブリン 混迷期・円熟期
・ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック?
・愛しのジェニファー


“わたしは悪夢を映画にした”
アルジェント研究会を立ち上げ、アルジェント映画の研究をライフワークとしている著者の集大成ともいえる研究書。おそらく本邦初、ホラー映画に関する書籍自体が多くない中、さらに対象をアルジェント一人に絞った大変貴重な研究本です。『歓びの毒牙』『サスぺリア』『フェノミナ』などの代表作から、『ゾンビ』『デモンズ』などのプロデュース作、アルジェント作品には欠かせない存在であるゴブリンについて、さらにはダリア・ニコロディや娘のアーシア・アルジェントに関するエピソードの数々など、「これでもか!」と言わんばかりの情報量に圧倒されること間違いなし!(総ページ330頁強と凄いボリューム!)アルジェントファンのみならず、ホラー映画ファンならぜひ読んでもらいたい内容となっています。

この文字の量にも圧倒されますが、文中に挿入されている写真の数々もかなりのもので、しかも貴重なものばかり。本当に、よくここまで収集・研究しましたよね・・・と驚くばかりです。多少、お値段が高めの設定ですが、この充実の内容なら納得の価格、むしろ、学術本として考えれば安いくらいかもしれません。もうすでに新刊としては流通していないかもしれませんが、所有していて損のない1冊だと思います。




ゾンビ・マニアックス―ジョージ・A・ロメロとリビングデッドの世界―

2016年08月30日 18:07

ゾンビ・マニアックス

出版社:徳間書店
出版年月:2014年8月
ページ数:223頁
定価:1,800円(本体)


・ゾンビの誕生

・ゾンビの夜明け

・ゾンビの警告

・ゾンビの進化

・ゾンビの拡散


発行されたのは今から2年前になりますが、その2014年にほぼロメロ・ゾンビの世界に特化した内容で構成された、ロメロファンにはタマラナイ1冊。『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『ゾンビ』『死霊のえじき』の旧3部作から、『ランド・オブ・ザ・デッド』『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』『サバイバル・オブ・ザ・デッド』に至るまで、とにかくどっぷりロメロのゾンビワールドに浸れること間違いなしの内容。

スタッフ&キャストのデータ、ストーリー解説、登場したゾンビ図鑑、特殊メイクのトム・サヴィーニにゴブリンのサントラ、関連グッズや各国でリリースされたビデオソフトの紹介まで、ありとあらゆるテーマが取り上げられていて見ていて本当に楽しい、まさに童心に帰った気分(これとて、マニアの方々からすれば、完全なコレクション紹介とはいかないでしょうが、これだけ集めっただけでも壮観なものがあります)。

シリーズの中でも当然『ゾンビ』を取り上げている項目は多く、日本での劇場公開時の様子、ロケ地のモールについて、バージョン違いの考察、ソフト化の苦労話など、すでに知っている内容も含まれるが、これだけまとまって読めるのは嬉しい限り。惜しむらくは、カラーでの写真ページが少ないことくらいでしょうが、個人的には、新刊でロメロ本が発売されたことだけで満足!執筆しているノーマン・イングランド氏も言っているけど、“生涯ベストワン映画”が『ゾンビ』と公言している人は多い。多分に漏れず私もその中の一人なんで、やっぱり満足の1冊です!






厭な映画

2016年08月29日 16:57

厭な映画

出版社:洋泉社
出版年月:2015年10月
著者:山崎圭司・岡本敦史+別冊映画秘宝編集部:編
ページ数:239頁
定価:1,500円(本体)


・ショック!テキサス自動ノコギリ大虐殺の世界

・狂気の世界地図

・凄まじき人間の悪業!

・人生と映画のたそがれ



“厭な時代には、厭な映画を”
タイトルの厭な映画の定義は人それぞれだと思うが、ジャンル的にはホラーに属するものが多い。異常な殺人鬼、襲いかかる大自然の驚異、実録殺人もの・・・。人が殺されるのにそれなりの理由があれば(因果応報とか、復讐とか、戦争とか)、理解できるが、理解不能な不条理な殺人は厭な印象を与えるわけで、落ち度がないのに殺されていったり、意味もなく殺人行為を見せられると、やっぱり厭な気分にさせられる。

その代表格でもある『悪魔のいけにえ』が巻頭で約40ページにもわたってデデーンと特集されているのは(表紙も飾っている)、素晴らしく、公開から40周年であったこと、ついでに40周年記念ブルーレイの発売もあったこととリンクしてたこともあるだろうが、とにかく『悪魔のいけにえ』が40年たった今でも色あせることなく魅力を発し続けていることは間違いないわけです。もし、まだ未見の方が居れば、この機会にぜひ見てほしいのです。見ないで人生を過ごすのって、どこかで損してますよ~。

そのいけにえの特集の後も、古今東西さまざまな厭な映画を紹介されているので、自分の好きな映画が出てきたら、素直に喜ぶべきなのか、悪趣味であることを再確認して落ち込むべきなのか、迷うところですが、厭な映画にも何かしらの魅力があるということで納得します。感動大作ばかりが映画じゃあないし、たまには騙されたともって、変な映画を見るのも一つの人生経験になると思うのですが、いかがなもんでしょうか?



血しぶきホラーの世界

2016年08月28日 15:10

血しぶきホラーの世界

出版社:芳賀書店
出版年月:1985年10月
著者:梶原和男(責任編集)
ページ数:176頁
定価:2,000円(本体)


・ルイス・ホラーの世界

・ロメロ・ホラーの世界

・ルイスvsロメロ
 “恐怖”からみたH・G・ルイス
 現代ホラーの革新者G・A・ロメロ

・スプラッター・ムービー小史

・日本公開スプラッター・ムービー・リスト

・ビデオで見れる傑作群

・スプラッター・ムービー・ビデオ・リスト


日本でホラー映画、とりわけ血糊がスクリーンや画面に飛び散るスプラッター映画が人気を博していた80年代に、美男美女の映画スターのシネアルバムを発行していた芳賀書店から出た1冊。アラン・ドロンやらオードリー・ヘプバーンらのタイトルの中に、血まみれゾンビの表紙が混じっているのも凄いが、当時はそれだけホラー映画がパワフルだったという証拠でもあり、人気が出てユーザーが求めていたからこそ作られたものなんでしょう。

内容の半分くらいは、ロメロとルイスの作品群の詳細な解説と、彼らのプロフィールなどを紹介。ロメロは、『クリープショー』が公開され、『死霊のえじき』が丁度日本公開間近というタイミングで、人気知名度ともにあったと思われるが、それに対抗してルイスを持ってきているのは当時としては画期的だったのでは。今でこそ、ホラー・ファンなら知らないものはいないくらいの存在ですが、この85年当時はインターネットで情報を簡単に得ることができるほどでは無かったはずで、本当に知る人ぞ知るくらいだったのでは?当然、劇場で公開なんかはされておらず、ビデオバブルの恩恵を受けて、『血の祝祭日』や『2000人の狂人』、『ゴア・ゴア・ガールズ』などが次々にビデオ・リリースされ、“スプラッター・ムービーの始祖”などと言われ始めていたころだったと思います。

スチル写真やポスターの紹介もあるが、大半がビデオの静止画を持ってきているのも当時は多かった手法で、なんともアングラな感じがこれまた懐かしいです。後半は、北島明弘氏によるホラー映画の歴史が紹介されていて、この当時までの主要な作品が網羅されており、さすがの内容。そのあとの、スプラッター・ムービー・リストにも2行程度ながら寸評が掲載されていて、買った当時は、そこからどんな映画なんだろうと想像を膨らませたものでした。ああ、懐かしい。

発行が85年なので、それ以降の情報がないのは致し方ないが、ロメロファンなら文句なしに楽しめると思うし、ルイスに関してこれだけ取り上げた本はその後も存在していないと思うので、それを考えると貴重な1冊。





エッ!?また出るの?『ラビリンス/魔王の迷宮 30周年アニバーサリー・コレクターズ迷宮BOX』が発売

2016年08月27日 21:32

今年の2月2日の記事で、『ラビリンス』のメモリアル・エディションが発売されるという内容を書いたのですが―、

『ラビリンス/魔王の迷宮』メモリアル・エディションが発売!

なんか、また新しいのが出るようです。
今度は、30周年アニバーサリー・コレクターBOX・・・!


仕様・特典につきましては、いつものごとくamazonさんより抜粋してみます


<映像特典>
★デヴィッド・ボウイと魔王ジャレス
★ジム・ヘンソンの遺産
★製作25周年記念Q&A
●メイキング:迷宮の内側
●迷宮をめぐる旅:キャラクターの王国
●迷宮をめぐる旅:ゴブリン・シティの探求
●ラビリンスへの招待状 ピクチャー・イン・ピクチャー (BONUSVIEW)
●ブライアン・フラウド(コンセプチュアル・デザイン)による音声解説

★は新規特典

<封入特典>
ポストカード5枚セット

<ポイント>
製作から30周年を迎え、待望のアニバーサリー・エディションがリリース!
主演女優のジェニファー・コネリーらがボウイの思い出を語る新規収録インタビューや、
『セサミストリート』のキャラクターデザインでも知られるジム・ヘンソンが創りあげたマペットの世界に迫る映像など、
約60分に及ぶ新規特典映像を収録。

30ページのデジブック(ブックレット付きケース)仕様。
ブックレットには製作秘話やデヴィッド・ボウイへのインタビューを掲載、キャラクターデザインのスケッチや場面写真などのビジュアル資料も満載!
さらに、これまでに制作されたキーアートをモチーフにしたポストカード5枚セットを同梱!



今回は、ブルーレイ1枚ものみたいですが、新録による60分の映像特典が見どころでしょうか。
ただ、これがなんで今発売なのか?この前のメモリアルエディションが出たのが今年の3月で、それからまだ7か月しか経過していないのに、特典を追加した仕様を発売って、メモリアルエディションを購入したユーザーをあまりにも軽視していないか?特典が追加される仕様が後から出るって分かっていたら、買い控えるユーザーも当然いたでしょうし、このインターバルの短さはあまりにも不親切、あまりにもバカにしている気がしてならないんですが。

作品自体が素晴らしく、お気に入りのものだけに、メーカーの対応が残念でなりません。




あと、同日に、『ラビリンス 魔王の迷宮 4K ULTRA HD & ブルーレイセット 』も発売されますが、こっちの仕様も買う人いるのかな・・・?



グリーン・インフェルノ

2016年08月26日 21:03

グリーン・インフェルノ01

【原題名】THE GREEN INFERNO
【製作】イーライ・ロス、ジェイソン・ブラム、ニコラス・ロペス
【監督】イーライ・ロス
【脚本】イーライ・ロス、ギジェルモ・アモエド、ニコラス・ロペス
【撮影】アントニオ・クエルチャ
【音楽】マヌエル・リベイロ
【出演】ロレンツァ・イッツォ、アリエル・レビ、ダリル・サバラ、カービー・ブリス・ブラントン、マグダ・アパノヴィッチ
2013年/アメリカ映画/101分


【STORY】
女子大生のジャスティンは、大学で環境活動を行っているグループの集いに参加、南米で企業の違法な森林伐採によって住処を追われている先住民を保護するため、抗議活動を一緒に行うことになる。ジャングル奥地の伐採現場にやってきた学生たちは、その現場を撮影し、ネットにアップすることで世界中にアピールすることに成功するが、強制送還されることに。ネットでの反響の大きさに喜ぶ学生たちだったが、彼らの乗ったセスナ機はエンジントラブルでジャングルのど真ん中に墜落してしまう。生き残った学生たちの前に現れたのは全身を真っ赤に塗りたくった先住民部族で、彼らこそ、抗議活動で保護したかったヤハ族だった。部族民は、学生たちを自分たちの村へ連れて帰り檻に閉じ込め、その内の一人を生きたまま解体し、調理し始める。ヤハ族は食人の風習を持つ部族だったのだ!捕まえられた学生たちは、一人ずつ殺され彼らの食糧となっていく。


【REVIEW】
70~80年代に次々と製作され人気を誇ったカニバリズムムービー、まさかの復活、食人映画が劇場で公開される日が来るなんて・・・!ちょっと前までは予想すらできませんでしたが、なんにせよ、こういう内容の映画もちゃんと生き残って一ジャンルとして認知されていくのなら映画界もまだまだ捨てたもんじゃないと思います(健全で、感動お涙頂戴な作品ばかりじゃあ窮屈で息苦しいでしょ)。

内容は、環境保護を訴える意識高い系の若者たちが飛行機事故でジャングルに不時着、自分たちが守ろうとしていた原住民が実は食人の風習持ちで、自分たちがそのえじきになっていくという、なんとも悲惨でブラックなものですが、全編通してみると、それほど際立ったゴアシーンがないのに強烈なインパクトはあり、なおかつエンタテイメント作品になっているということ(イーライ・ロスはやっぱりただ者じゃあないですな)。実際の人間解体シーンは初回の1回のみで、そのあとは、すでに解体された後で料理されちゃってたり、よってたかってバラバラにするのもあるんですが、群衆に囲まれてダイレクトに見えないので、意外とあっさり終わります。それ以外だと、グロいところは、飛行機の墜落現場で、墜落の衝撃で死んだり、プロペラでサクッと切れて死んじゃったりとあるものの、それほど気持ち悪くなく、逆にお約束過ぎて笑ってさえしまうくらい(笑える箇所はほかにもいろいろありますが)。なので、人体破壊の怖さよりも、人が人を食べるというアンモラルな行為そのものが強烈な印象を与えていて、そこからくる「見てはいけないものを見ている」後ろめたさや、気持ち悪さがインパクトを生み出しているわけです。

タイトルの『GREEN INFERNO』は勿論、デオダートの『食人族』からでしょうが、2つを比べてみると、イーライ・ロスの方は意外にもだいぶまともな映画になっているということ。個人的には、もっと無茶苦茶(いい意味で)なことしてくれているのかと思っていたら、「食人行為」以外はそれほどでもない感じがしましたし、逆に、デオダートの『食人族』は演出がドキュメンタリータッチということもあって淡々としていて、生きた亀を解体したり、原住民をレイプしたり焼き殺したりとやりたい放題(勿論、その反動で取材スタッフは皆殺しにされちゃうわけですが―)。陰湿さでは、『食人族』の方に軍配が上がり、『グリーン・インフェルノ』は見ている間は重たいものが漂っているものの、見終わった後は何だかすっきりしていて、さっぱりした感じ。この辺が大きな違いかな、と思います。ともあれ、現代に甦った“食人映画”、やっぱり必見、一度は見ておきましょうね(絶対地上波TVじゃあ見れないでしょうが)。

グリーン・インフェルノ02



『悪魔のいけにえ2』≪最終版≫Blu-rayが発売!

2016年08月24日 12:01

映画雑誌『南海 Ⅲ』の特集は“続編大爆発”。なんとも素晴らしいタイトルですが、成功・失敗にかかわらず、様々な続編映画の魅力を語ってくれている企画。1作目がヒットしたから、その流れで続編を撮ってやれ!という二番煎じ、柳の下のドジョウ狙いというのは古今東西皆さんが考え付くことであって、実際出来上がった作品が1作目を超える出来栄えになったかと言えば、はてさて、ほとんどが下回る内容もしくは散々な出来にしかならなかったというのが定説です(ヒットした作品は、やっぱりそれだけ素晴らしかったということですね)。


まあ、作る側も、「あんな名作を超えろなんて土台無理。仕事だからやるけど、後で文句言うなよ!」みたいなところもあるでしょうし、最近では、映画の方向性を変えたり違う方面からアプローチして、あえて違う土俵で戦うというような作り方をしているところも見受けられます。ただ、これは、1作目をリスペクトしているファンや、1作目の内容をもう一度味わいたくて見に来た観客からすると、「期待外れ」「肩透かしを食らった」という反応が起きるのは致し方ないかと思います。それでも、あえてそのやり方で撮ったのが『エクソシスト2』であり、『悪魔のいけにえ2』ではないでしょうか。


『エクソシスト2』については、『南海 Ⅲ』の中の「続編という名の恐るべき挑戦」(岩本克也氏執筆)で詳しく解説されていますが、目茶目茶怖かったフリードキンの1作目の恐怖を再び・・・!と期待して観た観客はそりゃ大ブーイングだったはずで、監督のブアマンはあえて「観客の求める恐怖」を与えていなかったというのだから。ホラー作品を観に来た観客に、違うテイストの作品を見せたらそりゃ大半の客は怒り出しますよね(中には『エイリアン2』のような成功例もありますが)。だから、公開当時、散々叩かれた『エクソシスト2』も、あえて、ホラーではなく、ミステリー・スーパーナチュラルな映画として捉えてみれば、感じ方も違ってくるというもの。ラモント神父の探偵みたいな行動も、ちょっと大人びて色気の出ちゃったリーガンの扱いも、怖いよりも気持ち悪かったイナゴの大群も、セット臭さがきになった映像も、何か別の意味があるように思えてくるから不思議なもんです。『エクソシスト2』については、再度気を取り直して観てみようと思った次第ですが、さて、本題は『悪魔のいけにえ2』です。

こちらは、もう語る必要がないくらいのホラーの名作『悪魔のいけにえ』をフーパー自らが監督した正真正銘の続編。内容は、デニス・ホッパー演じる保安官が、殺された親族の仇を取るために殺人鬼一家をず~っと捜しつづけていて、テキサスの古い遊園地で発見、自らもチェーンソーを持って対決する・・・!というもの。・・・がしかし、あれだけ、リアリティに満ち満ちてとんでもなく怖かった1作目だったのに、2作目はスプラッター・コメディー路線に変更!レザーフェイスはヒロインのDJに恋に落ちてしまうし、保安官のレフティーは「復讐だ!」とか言って、チェーンソー二刀流で暴れまくり(クライマックスは、ほとんどチャンバラ)。レフティーがお店でチェーンソーを購入しようとして、店主の前で木材を試し切りするところなんて、ほとんどギャグにしかみえません。


でも、あえてフーパーはそこを狙ったようで「誰が見ても、神がかり的だった1作目を超えるのは無理。ならば、違うタッチで撮ってもいいんじゃないか」という感じの開き直りが観ていて爽快ですらあります。そして、コメディー路線に花を添えているのが、トム・サヴィーニの特殊メイクで、ほとんど画面に血が映らなかった1作目に対して、続編では血が出るわ出るわの正真正銘の出血大サービス!このやり過ぎ感が、ラストのヒロインの狂気のダンスまで続く、これはこれで非常に楽しめる作品に仕上がっていると思います。


そんな『悪魔のいけにえ2』ですが、キングビデオから≪最終版≫シリーズの第2弾として、11月16日にブルーレイが発売予定です。映像特典も豊富なようですが、とにかく画質・音質にはこだわって製作されているとのことで、仕上がりに期待。いけにえファンなら、やっぱり持っておきたいところですね(日本語吹き替えが無さそうなのは残念ですが)。

悪魔のいけにえ2パンフ01







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