2017年03月31日 12:17

【原題名】ZOMBIE ASS: TOILET OF THE DEAD
【製作】宮田昌広、成田尚哉、平田樹彦
【監督】井口昇
【脚本】村田青、継田淳、井口昇
【撮影】長野泰隆
【音楽】福田裕彦
【出演】中村有沙、菅野麻由、護あさな、優希、ダニー、岸建太朗、亜紗美
2011年/日本映画/84分
【STORY】
妹を自殺で失ったことに自責の念を感じていた恵は、気分転換にと先輩の亜矢に誘われ、真希、タケ、直井の5人で山奥のキャンプに出掛ける。道中、人里離れた山中で不気味なうめき声をあげる男に襲われたタケは指を食いちぎられ、廃屋に避難する。腹の調子がどうも悪い真希はトイレにかけこむが、そこに汚物まみれのゾンビが現れ一行に襲い掛かってくる!普段から格闘技の訓練を欠かさずにいた恵はゾンビの群れを撃退し、危機を脱するが、廃屋に現れた医者の男にゾンビ発生の原因が寄生虫によるものであることを聞かされる。
【REVIEW】
『片腕マシンガール』『ヌイグルマーZ』などで知られる井口昇監督の、エロ・グロ・アクション・変態要素などを混ぜこぜに詰め込んだ異色のゾンビ映画。若者5人組がキャンプに行った山奥でゾンビに襲われるというありきたりなパターンながら、襲ってくるところが便所の中から(サブタイトルが、“TOILET OF THE DEAD”!)というのがいやはやなんともで、しかも全員汚物まみれで、おそらく映画史上一番バッチいゾンビではないかと思えるくらいの姿(別の意味で、フルチのゾンビを超えている)。ゾンビの群れはいい雰囲気ながらも、その体にまとわりついたモノが色といい質感といいリアルで、食べながら鑑賞するのは非常に困難な映画となっています。
ただ、ゾンビの発生原因が寄生虫で、さらにそれを村に持ち込んだのが医者だったということが分かった以降の後半は趣も変更。ケツからパラサイトを生やした村人ゾンビとの格闘、医者の娘とのナイフバトル、そしてパラサイトラスボスとの最終決戦まで、ホラー要素よりもアクション風味が勝っているのは好みの分かれるところでしょうか。しかし、主演の中村有沙のアクションが本格的で、アクションシーンが決まっているのが心地よく、この展開にしたのは良かったと思います。
まあそれにしても、観終わって感じるのは、よくまあここまでお下劣要素をぶちこんだなあ~というところ。村人ゾンビがパラサイトに操られて尻から襲ってくる滑稽な姿や、ウ○コまみれのゾンビの風貌にあきたらず、主要キャラの女優陣にもオナラをバンバン出させるは、さらに全員尻丸出しにさせ、トコトンASSにこだわったところはある意味潔さすら感じます。いやー、素晴らしい役者根性です。しかし、こんなにお下劣要素に溢れているのに、それでお腹が一杯にならないのは、中村有沙の制服姿が大きい。「なんで山奥のキャンプにセーラー服で来てるん!?」と最初は違和感があったが、汚物まみれのゾンビたちに立ち向かっていく彼女の姿がある意味ヒーローのように(ヒロインだけど)見えてきて、このセーラー服の清純さや美少女のオーラのようなものが、お下劣要素を絶妙に中和したんじゃないかと感じます。セーラー服、恐るべしです。
ただ、観る人を選ぶ映画であることは間違いなく、一般受けは難しいでしょうが、個人的には「こういうのもアリ」だと思えるので、興味のある方は迷わずどうぞ。特に、セーラー服ヒロインの中村有沙とビッチ友達役の護あさなの姿を見るだけでもこの映画は価値ありだと思います。




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