
【原題名】ESCAPE FROM NEW YORK
【製作】デブラ・ヒル、ラリー・フランコ
【監督】ジョン・カーペンター
【脚本】ジョン・カーペンター、ニック・キャッスル
【撮影】ディーン・カンディ
【音楽】ジョン・カーペンター
【出演】カート・ラッセル、リー・ヴァン・クリーフ、アイザック・ヘイズ、ドナルド・プレザンス、ハリー・ディーン・スタントン、エイドリアン・バーボー、アーネスト・ボーグナイン
1981年/アメリカ映画/99分
【STORY】
近未来のニューヨーク。島まるごとを封鎖し、巨大な刑務所となったマンハッタン内部は無法地帯となっていた。そこにハイジャックされたエアフォースワンが不時着、乗っていた大統領は無事だったが、囚人たちに拉致されてしまう。囚人たちは大統領の生命と引き換えに全員の解放を要求してくる。うかつに手を出せない状況の中、警察部長のホークは、元軍人で今は終身刑の身になっているスネーク・プリスキンを大統領救出の任に着かせることを提案。恩赦を条件にスネークは引き受けるが、逃走防止の劇薬を打たれて24時間以内に戻ってこないと自分の身も危ない・・・。タイムリミットが迫る中、スネークは単身マンハッタンへ潜入する。
【REVIEW】
ホラー映画ではないが、前から見なければと思いながらもずーっと未見で来ていた『ニューヨーク1997』をやっと鑑賞。製作年度が1981年だから、今からもう36年前の映画・・・。それでも古さを感じさせない、B級エンタテイメント映画のお手本のような映画だった!
もちろん、万人が全て拍手喝采!受けする内容ではないが、この手の映画が好きな人には多分堪らないだろうという魅力があふれているのも事実。今からすると低予算で製作されたのはバレバレだが、それを補うために夜のシーンを多くして作られた街並みは独特の雰囲気が醸成されていてグッド。そもそも、マンハッタン全体が刑務所というのも奇想天外なアイデアで、それだけでなんだかワクワクしてくるものがあるし、そこにスネークが立っているだけで絵になるというもの。カート・ラッセル演じるスネークは、無敵ではないが、やはり腕っぷしの強さと度胸の良さ、ヒーローには欠かせない強運、そしてキザな振る舞い。男子なら憧れるちょっと悪いヒーロー像がうまく体現されていると思います。
その他にも共演陣が豪華で、カーペンター常連組のドナルド・プレザンスにエイドリアン・バーボーなどが脇を固め、陽気なタクシードライバー役にアーネスト・ボーグナインも出演。敵ボスのアイザック・ヘイズはどこがどう凄かったのか良くわからなかったが、乗っていた車にシャンデリアが付いていたりして無駄に派手だったのが印象的(あんな奴いませんわ)。大統領役のプレザンスが意外にも、嫌味な役だったのも珍しかったです。
一応、SFアクション映画なんだろうけど、意外なほどアクションは地味で、肝心のカート・ラッセルもあんまりアクションしていないのも笑えるんだけれども、なぜだか許せてしまう不思議な映画。現在のアクション映画と比較すると驚くほど“緩い”のだが、それも独自の魅力なんだと思います。その緩さを許せたら、最後まで楽しめる1本。


アマゾンのレビューを見ると、左のジェネオン・ユニバーサル版の字幕構成が酷く、右の東北新社版(旧版)の方が見やすいとのこと。私は、ジェネオン版で見ましたが、確かに字幕のフォントも訳も固い感じがしました(見れないことはないけれども―)。まだ、東北新社版も中古なら手に入るようなので、気になる方はそちらをどうぞ。
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