キングレコードの最終盤シリーズについて。

2017年10月28日 03:53

“こだわり作品を最強仕様でブルーレイ化”している、キングレコードの最終盤シリーズ。

その第1弾~5弾が、『アルジェの戦い』『悪魔のいけにえ2』『バスケットケース1・2・3』『ヘルレイザー1・2・3』『ファンハウス―惨劇の館』でしたが、続くシリーズが本年12月に発売予定。そのラインナップは・・・、

『ハウリングⅠ・Ⅱ 最終盤』
・3枚組
・特典DISC(140分)
 『ハウリング』
●編集マーク・ゴールドブラットのインタビュー
●「ハウリング」のロケ地を巡る
●製作総指揮スティーヴン・A・レインのインタビュー
●脚本テリー・ウインクレスのインタビュー
●コマ撮り作家 デヴィッド・アレンのインタビュー
●狼男の特殊メイク
●予告編 

『ハウリングⅡ』
●特殊メイクの裏側
●レブ・ブラウン インタビュー
●シビル・ダニング”人狼の女王”を語る
●予告編 


『ザ・フォッグ 最終盤』
・2枚組
・特典DISC(82分)
 ・暗闇の魔術師ディーン・カンディ
・ホラーの聖地をたずねて
・本作の恐ろしさについて
・NG集
・「ザ・フォッグ」霧の物語
・予告編

以上、2タイトルが発売予定です。
≪いずれも、キングレコードHPより抜粋≫


どちらも、作品としては間違いなくホラーの名作ですが、この手のいわゆる“最終盤”と銘打ったシリーズが発売されるたびに気になることがあり、それは―

「もう、本当にこれ以降にこの内容を超える仕様のものが出ることはないのか!?」

ということ。

最終版や完全版、ディレクターズカットなど、名前を変えて仕様を細かく変えたり追加特典をちょこちょこ加えたりして、手を変え品を変えリリースされることは多々あり、そのたびファンは狂喜乱舞したり、泣く泣く買い揃えたり・・・。全てを揃えることに意義を感じる猛者はいいでしょうが、使えるお金に限りのあるファンにとっては(大概はそうでしょうが)、できれば一番いい仕様で持っておきたいもの。キングさんのこの“最終盤”シリーズもまさにそれを謳っているわけで、これが本当に最強仕様なら多少高くても全然購入する価値はあるのですが、果たしてもう追加仕様のようなものが世に出ることはないんでしょうかね。

ちなみに、『ハウリングⅠ・Ⅱ最終盤』は、定価が、16,200円。
      『ザ・フォッグ最終盤』は、定価が、10,800円。

高いか安いかは、個人の物差しによりますが、いかがなものでしょうか―。



アマゾンさんだと、どちらも26%offなので、多少安く買えますが・・・。




蛇足ですが、最終盤ではない、単品も発売されるようで。


個人的には、この単品でも高画質なら欲しい気がします。


しかし、アマゾンでは、かなり前から掲載されているのに、ジャケット写真が出ないのはなぜなんだろう?写真提供がされていから?キングさんのHPには出ているのにね。あと、キングさんのHPのほうが「最終盤」ではなく「最終版」になっているのが、何気に気になります。細かいけど・・・。



追記:ジャケット写真ですが、現在は『ハウリングⅠ・Ⅱ』、『ザ・フォッグ』ともに公開されています。個人的には、『ハウリングⅡ』は悪くないと思うが、『ハウリング』の方はどうだろう?今まで使われてきた、爪が切り裂いた箇所から顔が覗いている定番のビジュアルではなく、人狼の変身途中をパシャっと撮った感じの今回のジャケット。安っぽいととるか、まるでVHS時代の胡散臭さを匂わせるビジュアルが良いと思うか、好みが分かれるところでしょうね。
(H29.12.24)

映画秘宝2007年12月号

2017年10月27日 19:09

映画秘宝2007年 12月号


“完全保存版 ゾンビ映画入門!”

『バイオハザード3』の公開に合わせ、ゾンビ映画を大特集!ヴードゥーゾンビからモダンゾンビの流れを現在まで辿った“HISTORY OF THE DEAD”、ゾンビ博士・伊東美和がチョイスした“ZOMBIE MOVIE ALLTIME BEST10”、『28週後…』『バイオハザード3』『超立体映画ゾンビ3D』『ゾンビーノ』の新作レビュー、そして、「ゾンビ映画はどこに向かうのか?」と銘打ち、これまた伊東美和によるゾンビ長編論考“STUDIES OD THE DEAD”など、これでもか・・・!といわんばかりのゾンビ映画のつるべ打ち特集に、お腹いっぱいになること間違いなしの内容です。

さて、ここで気になるのは、ゾンビ映画のオールタイムベスト10。ランキングに入っているのは、『ゾンビ』『サンゲリア』『バタリアン』など異論のないものから、『ゾンビ3』『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』など少々異端児も入っていておもしろい選考。ただ、『ショーン・オブ・ザ・デッド』を除けば、すべて80年代以前によるものになり、近年の作品はランクインしていなのは評価が分かれるところ。これは見てきた年代層によるもので、若年層のファンからすれば、リメイク版の『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『バイオハザード』シリーズの方が上に来ているのかもしれない。

しかし、表紙には“オールタイムゾンビ映画ベスト20!”とあるが、どれだけ探してもベスト10までしか見つけられなかったのが最後まで謎だった・・・。




映画秘宝2005年10月号

2017年10月26日 18:15

映画秘宝2005年10月号


“日本一詳しい『ランド・オブ・ザ・デッド』&ゾンビ映画大特集!”

先月号に続いてロメロの『ランド・オブ・ザ・デッド』を取り上げながら、首チョンパ映画の特集もプラスした、“映画秘宝10周年強化月間特別企画 小学生でも楽しめる残酷描写!”が見どころの2005年10月号。町山智浩によるロメロのインタビュー、作家・戸梶圭太が語る『ランド・オブ・ザ・デッド』と恐怖の不平等社会、伊東美和・著『ゾンビ映画大事典』以降のゾンビ映画10本をフォローした大事典増補版、さらにはエルゾンビシリーズとユーロ・トラッシュ・ゾンビ映画の紹介が続く。

次いで“切株映画MANIACS これが首チョンパ映画の世界だ!”と題して、人体バラバラ映画を高橋ヨシキ、中原昌也、山口雄大の3人が座談会形式で3ページにわたってトーク。続く“首チョンパ映画 その100年の歴史”では4ページにを費やして、スプラッター以外のジャンルも網羅し数々の人体破壊映画を紹介。こんなにチョンパ映画ってあるのか!?っていうくらい出てきます。映画ファンなら、自分の瞼に焼き付いている首チョンパが紹介されているかどうか、なかなか楽しい特集です。個人的に“首チョンパ”という単語で思い出すのは、やっぱり『オーメン』のガラスによる首切断シーン。子どものころに見たあの映像は今でも忘れられない衝撃がありましたね。


Saw Theme Song

2017年10月25日 19:04







新作『ジグソウ:ソウ・レガシー』の監督は『アンデッド』のスピエリッグ兄弟!なんだか久しぶりにその名前を聞いたんだけど、果たしてその出来栄えは!?

『ジグソウ:ソウ・レガシー』は11月10日公開!

2017年10月25日 08:59



日本の映画会社が「もう続編を作ることはないですよね!?」とアメリカの製作会社に確認を取って付けた邦題が『ソウ ザ・ファイナル3D』だったはずだが、やっぱり出来ちゃった新作。過去の事例を見れば、『~完結篇』と大々的に銘打って公開した後、すぐさま『新・13日の金曜日』が封切られた―なんてこともありましたが、ヒットシリーズに群がる人々は消えることはなく、どうやらまだまだ続いていきそうな気配もします。

まあ、それでも出来上がりが素晴らしければ、ファンも喜ぶと思うので、その出来栄えが気になるところです。

今回、ゲームを仕掛けているのは誰なのか―!?


『ジグソウ:ソウ レガシー』公式サイト

映画秘宝2005年9月号

2017年10月24日 23:05

映画秘宝2005年9月号


“ゾンビ! 首切り! 戦争! 生き残り大作戦”


ロメロのリビングデッドシリーズの新作『ランド・オブ・ザ・デッド』の劇場公開に合わせての特集。町山智浩、伊東美和が寄稿、カラー紙面で4ページが割かれている。最後のページで、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』から『ゾンビ』『死霊のえじき』、そして『ランド・オブ・ザ・デッド』まで、細かい文字が詰め込まれた年表が個人的には好きです。そして、何より表紙が、アーシア・アルジェント!!素晴らしいです!

映画秘宝2005年9月号特集



他では、『ハウス・オブ・ザ・デッド』がDVD化されて2ページにわたって紹介。ゲームでは有名ではあったが、映画化された本作の出来は・・・。それはさておき、監督のウーヴェ・ボルさんの御顔はこの号で初めて見ました。「今までに見たことがなかったような映像をお見せしたかった」とのコメントがあるが、すみません、映画は見ましたが内容は失念してしまいました・・・。



映画秘宝2004年6月号

2017年10月24日 16:56

映画秘宝 2004年6月号


“春のホラー映画大行進!”



河内長野の書店で偶然見かけて手に取り、パラパラっとめくってから数秒でレジに持って行って購入したのを覚えています。以後、ず~~~っと毎月購入している映画秘宝の自分が買った初めての1冊。映画雑誌を毎月買うようになったのは、中・高校生のころにスクリーンやロードショーを買っていた頃以来で、雑誌を定期購読して毎月発売日を楽しみにするようになりました。今現在が2017年だから、足掛け13年、小学生のころから高校生のころまで少年ジャンプを買っていた期間より長くなりました・・・。

さて、ホラー関連の特集では、『ドーン・オブ・ザ・デッド』『MAY』『ヒューマンキャッチャー』『ホーンテッド・マンション』の4本を紹介。とりわけ『ドーン・~』はカラー4ページで登場、トム・サヴィーニやケン・フォーリーらのプレミアの写真なんかも載っていて、当時まだネットに接続されておらず情報難民だった私にはとても新鮮で驚いた記憶があります。

「こんなディープな映画雑誌が存在したのか!!」

Halloween II theme song

2017年10月24日 10:23

今年もこの季節がやってきました。


R.I.P. ウンベルト・レンツィ

2017年10月22日 10:56

ナイトメアシティ004


今年はホラー映画監督が相次いで亡くなっていく。
ロメロとフーパーが逝ってしまったのが、ついこの間だったが、今度はイタリアの食人映画監督(この言い方もどうかと思いますが―)ウンベルト・レンツィが10月19日に逝去されていたらしい。

レンツィが手掛けたカニバリズム・ムービーは、『食人帝国』『怪奇!魔境の裸族 』や『人喰族』があるが、『人喰族』はルッジェロ・デオダートの『食人族』とならんで日本でも大ヒットした彼の代表作。本人的には不名誉な称号だったのかもしれないが、世界のホラーファンは彼の名前を忘れることはないでしょう。


そして、レンツィのもう一つの代表作が異色ゾンビムービーの『ナイトメア・シティ』。放射能事故の影響で超人的に運動能力が飛躍したゾンビたちが群れを成して人々を襲い続けるさまを、ゆったりとしたロードムービー調で撮った問題作。一大事が起こっているのに、それを感じさせない出演者たちのまったりとした行動、武器を使いチームプレーで人間を襲い犠牲者の血を吸うケロイド状のゾンビたち。この違和感はこの時代のイタリアン・ホラーには付物のように共通した雰囲気だが、これが好きな自分にとっては、駄作のレッテルが貼られようとも、『ナイトメア・シティ』も忘れられない1本。同じように、『ヘル・オブ・ザ・リヴィングデッド』も『ゾンビ3』も『人間解剖島/ドクター・ブッチャー』も、どれもこれもどうしようもないんだけれども、たまに無性に見たくなる作品群。ということは、やっぱり何か魅かれるものがあるんでしょうね。

ナイトメアシティ001

ナイトメアシティ005



ベルばらのオスカルは、フルチのヒロインよ!

2017年10月21日 12:12

地獄の門8

「1979年公開、全フランスロケの実写映画「ベルばら」がデジタルリマスター化」

“1979年に公開された、池田理代子原作による実写映画「ベルサイユのばら」がデジタルリマスター化。Blu-ray / DVDが2018年1月6日にリリースされる。”

“オールフランスロケで外国人スタッフ・キャストにより製作された本作では、監督にジャック・ドゥミ、脚本にパトリシア・ルイジアナ・ナップ、音楽にミシェル・ルグラン、オスカル役にカトリオーナ・マッコールを起用。特別に許可を得てベルサイユ宮殿で撮影を行うなど、原作の名場面が豪華に再現された。”

以上、コミックナタリー 2017年10月20日の記事より
http://natalie.mu/comic/news/253493




1979年ころといえば、自分はまだ小学生でリアルタイムでは公開されたのは知らなかったが、あの超人気コミックを実写映画化したのが本作。フランスロケを行ったのは良しとして、監督もキャストも外国人を起用して臨んだもののあまりにも原作とかけ離れた出来栄えにファンが唖然としたという怪作!?の封印が解かれて、このたびデジタルリマスター化されての再発売です。

内容は未見なのでなんともいえませんが、ポイントはなんといっても、400人ものオーディションを勝ち抜いて選ばれたというオスカル役のカトリオーナ・マッコール。一般的にはベルばらの主役という認識でしょうが(これも不遇な扱いですが―)、彼女を一躍有名にしたのは一連のフルチ作品にヒロインとして出演したこと!『地獄の門』『ビヨンド』『墓地裏の家』という油の乗り切ったフルチ全盛期3作品に主演したことで、こちら側の映画ファンには永遠に忘れられない存在となりました。ベルばらとフルチではもう天と地くらいエライ差のある(まず混じり合うことのないファン層)感じがしますが、彼女の名がこうしてまた世に出てくれるのはなんだか嬉しい気もします。

ビヨンド019


オペラ座 血の喝采

2017年10月16日 21:58

【原題名】TERROR AT THE OPERA
      OPERA
【製作】フェルディナンド・カプート、ダリオ・アルジェント
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント、フランコ・フェリーニ
【撮影】ロニー・テイラー
【音楽】ブライアン・イーノ、クラウディオ・シモネッティ
【出演】クリスティナ・マルシラック、ウルバノ・バルベリーニ、イアン・チャールソン、ダリア・ニコロディ、アントネッラ・ヴィターレ、ウィリアム・マクナマラ、コラリーナ・カタルディ・タッソーニ、バーバラ・クピスティ
1988年/イタリア映画/95分(完全版:107分)


【STORY】
舞台マクベスの主演女優が交通事故に遭い、急きょ若手のベティが抜擢される。ベティは大役を無事務め上げ、舞台は成功するが、その公演中に照明係が殺される事件が起きる。その後も、衣装係のジュリア、ベティの恋人のステファノも殺され、犯人に狙われていると感じたベティは警察に相談に行く。ベティの身を案じたアラン警部は、彼女の自宅に部下を警備に向かわせるが、犯人はそこにも現れ、ベティのエージェントのミラも殺されてしまう。行き場を失った彼女は途方に暮れ、劇場に辿りつく。ベティから事情を聴いた舞台監督のマークは犯人が公演を見に来ると推測し、ある計画を立てるが―。


【REVIEW】
フェノミナ』のあと、『デモンズ』シリーズをプロデュースしていたアルジェントが次に演出を手掛けたのがこの『オペラ座 血の喝采』。内容的には、超自然的なファクターもオカルト的なテイストもない、純粋なジャーロ映画になっている。勿論、アルジェントの王道路線である、殺しの美学や流麗なカメラワークは健在。主演のクリスティナ・マルシラックへの仕打ちも過去作品に比べてもよりエスカレートしている。なにせ、犯人はわざわざ殺人場面を見せるためにベティを縛り上げ、瞬きせずに目撃できるように、目を閉じると突き刺さるように目の下に針を張り付ける手の込みよう。それを2回もやってのけ、素性がばれた後も、もう1回椅子に縛り付けるしつこさ。この粘着的な演出には、美少女残酷ホラー作家アルジェントの名に恥じないものを感じる次第で流石です。

殺しのバリエーションも、大型ナイフでいろいろな突き刺し方をしていて、血の量もなかなかのもの。唯一例外が、ダリア・ニコロディ演じるミラが殺される場面で、鍵穴から外を覗いていると、そこから拳銃で撃たれて頭部を弾丸が貫通するところ。その頃は仲は冷えてしまっていたというが、かつての恋人をそんなふうに殺す役でキャスティングするアルジェントも普通なのかどうなのか、ちょっと考えてしまう気もしますが。

警察が捜査するものの全く役に立たず、犯人探しのサスペンスは二の次で、関係者が次々に殺されていくのを独特の美的センスでまとめ上げているのは、いつものアルジェント節全開で見応えはあります。『フェノミナ』からの流れでロック音楽を大音量で入れているのもそれほど違和感なく、荘厳なオペラ音楽と交互になっていても馴染んでいるのは不思議な感じだがこれはこれでアリでしょう。ラストでいきなり真昼間のアルプスの風景にジャンプするのにはびっくりしましたが(それまでは、都会の夜のシーンばっかりだったのに)、マークが蠅を使ったカメラ作業をしていたり、ベティがトカゲに話しかけてうっとりしていたりと、前作『フェノミナ』をイメージさせる場面にファンとしてはなんだか嬉しくなったのでした。



10月15日は、リン・ローリー生誕祭

2017年10月15日 11:59

リン・ローリー01

本日、10月15日は、リン・ローリーの誕生日(1947年生まれというから、今年で69歳・・・!)。
一般の映画ファンには馴染みの薄い方かと思いますが、ロメロの『ザ・クレイジーズ』やクローネンバーグの『シーバース』など、数々のホラー映画に出演していて、このジャンルからは熱い支持を受けてきた女優さん。

近々、デビュー作の『処刑軍団ザップ』のリリースも控えているようで、いまだに怪しい魅力を振りまき続けています。
しかし、往年の女優が年を取って年相応になっているのに対して、彼女は昔のイメージを保ち続けているのは素晴らしい!

リン・ローリー03

リン・ローリー04

彼女のオフィシャルサイトもあったりします。
→ Lynn Lowry.com


謎の映画

2017年10月14日 14:14

謎の映画01

出版社:洋泉社
ページ数:217頁
発行日:2017年2月24日
編:山崎圭司+別冊映画秘宝編集部
定価:1,500円(本体)


・「サスぺリア」謎の39条

第一部 謎の映画人
 
第二部 謎の映画群

第三部 答えの出ない謎



“謎の映画”・・・、書名からして謎なんですが、それはストーリーであったり、登場人物であったり、製作スタッフであったり、そもそもその存在自体が謎であったりと、映画に関する不可解な事象を綴っていった感じの1冊。理解できない、劇中で説明がなされていない、経緯が全く分からない、というものは多々存在しますが、それを無視して映画自体を楽しむのもいいが、その謎にこだわって「これはどういう意味なのか!?」と考えて見直してみると新たな発見があって面白い。そういう、小ネタを収集してまとめあげた感じだが、その映画自体を知らなくても、興味をそそられるので、未見の映画に触れる楽しみもあります。

紹介されているジャンルは、やっぱりホラーを中心とした作品群で、まっとうな映画評論がされてこなかった謎の映画宝庫であることから、この辺は納得。しかし、巻頭がアルジェントの『サスぺリア』で、カラーでしかも15ページも使っているのはびっくり!(しかも、表紙もジェシカ・ハーパーだしね)昨年、パーフェクトコレクションのブルーレイが発売されたとはいえ、もう40年も前の作品が巻頭で特集されるなんて嬉しい限りで、さらにその次が『インフェルノ』って・・・。個人的には、ここだけでも読む価値ありかなと思った次第です。『インフェルノ』は、謎が多いというよりは、ほぼ謎だけで構成されたかのような映画、この本にはふさわしい!

しかし、ネットが網羅された現代では、調べれば大抵の事柄は出てくる時代、逆に分からないことの方が少ないのかもしれません。分からないから知りたい、理解できないから再度見て理解しようとする、起承転結がはっきりしていて映画の中ですべてが説明される映画より、さっぱり分からない謎が満載の映画の方が、後々記憶に残るのも事実。“謎”ってそれだけである意味魅力的な要素なのかも。




アイリーン・ミラクル in 『インフェルノ』

2017年10月13日 14:40

I・ミラクル04


インフェルノ』特典映像でのI・ミラクルの変貌ぶりに時の流れを感じてしまった・・・。
でも、撮影当時のエピソードや、イベント会場でのキース・エマーソンとの楽しそうなやり取りが見れて、それはそれで楽しめました。彼女の話によれば、大病を隠して撮影に臨んでいるとアルジェントが勘違いして、ローズの出演シーンがカットされてしまったとか(カザニアンの死体を見つける役もローズだったとか―)。もし、ローズの出演場面が伸びていたら、『インフェルノ』の印象も変わったものになっていた気がします。
綺麗どころの女優さんが多い本作ですが、やっぱり彼女あっての『インフェルノ』だと思います。

I・ミラクル01

I・ミラクル02

I・ミラクル03



最新記事