美女のはらわた

2018年01月31日 19:26

Bijo_no_harawata01.jpg

【製作】佐藤祀夫 、半沢浩
【監督】ガイラ
【脚本】ガイラ
【撮影】大澤栄一
【出演】小沢めぐみ、石井絢子、北川聖良、吉沢健
1986年/日本映画/68分


【STORY】
女医のひろみは、ヤクザから逃げ延びてきた少女を助けようとするが、眼前で飛び降り自殺されてしまう。少女を救えなかった自責の念からヤクザたちに報復を試みるが、逆に彼らに捕まったひろみは輪姦されたあと、エンジェルレインというドラッグを打たれてしまう。動かなくなったひろみをヤクザたちは遺棄するが、エンジェルレインの効果で甦ったひろみは怪物に変身し、ヤクザたちを血祭りに上げていく。

【REVIEW】
「はらわた」シリーズの第2弾。今度は犯された女医がヤクザたちを皆殺しにする復讐もの。劇中登場するエンジェルレインという謎のドラッグの投与された量が多かったのか、女医のひろみは絶命。しかし、下手を打って処刑されていたヤクザの青年の死体と合体して筋肉剥き出しのモンスターとなって復活。両性具有のこのモンスターは女性と交わったときは(まるでエイリアンのような)男性器でヤクザの情婦の腹を突き破って殺し、男性とヤルときは(なぜか、人間のひろみの姿に戻る)怪力で首をねじり殺してしまう。前作『処女のはらわた』はエロシーンが非常に多かったが、続編の本作は、エロ度がやや控えめになり、その分スプラッター度はパワーアップ。血糊の量も増え、モンスターの造形もグロくて当時としてはよく頑張っていたなあと感じます。

だがしかし、ドラマ部分は薄く、ひろみを演じる小沢めぐみのセリフ棒読み感はAVのドラマ部分のそれとほぼ同じ感覚。また、やくざの事務所も出てくるやくざの組員たちも迫力不足で、この辺は低予算映画の泣き所か。たまたま助けた見ず知らずの少女のために、危険を顧みずヤクザに復讐しようとするひろみの動機付けもあまりピンと来なかったのも残念。ともあれ、エロとグロのバランスは前作よりも遥かに良くなっているし、映画自体のテンポもいい。日本映画におけるエログロスプラッターの屈指の1本。

Bijo_no_harawata_04.jpg

Bijo_no_harawata_02.jpg




処女のはらわた

2018年01月30日 23:25

処女のはらわた02


【監督】ガイラ
【脚本】ガイラ
【撮影】伊藤昭裕
【音楽】吉澤秀樹
【出演】木築沙絵子、萩尾なおみ、川島めぐみ、加藤大樹、鶴岡修、高橋秀樹
1986年/日本映画/72分


【STORY】
山中でグラビアの撮影を行っていた男女6人がその帰り道、霧で迷いとある空き家で夜を明かすことになる。酒に酔った勢いでやりたい放題になり、カメラマンとクライアントの中年オヤジに余興を強要された助手の青年は自棄になり空き家を飛び出すが、そこに現れた殺人鬼に鈍器で頭部を殴られ絶命する。次に、クライアントのオヤジの変態プレイに嫌気が差したモデルの女性も襲われたあと死亡。他のメンバーも次々に殺されていき、最後にアシスタントの女性だけが生き残るが彼女は殺人鬼の子供を身籠っていた・・・。

【REVIEW】
日本初の本格スプラッター映画として1988年に封切られた『死霊の罠』よりも2年早く製作されたので、こちらが日本最初のスプラッター映画と言われている作品。ただ、グロさよりもエロさに重点を置いた(2:8くらいの割合か?)作品なので、ホラーよりもポルノにジャンル分けされても仕方のないところ。また、予算的にも厳しかったのか殺人鬼のビジュアルも裸に土か葉っぱか何か纏わりついたような感じだが、暗くて良く分からず誤魔化された感じ。肝心のスプラッタ描写ですが、頭をかち割られて目ん玉が飛び出したり、女性の陰部から内臓を引きずり出したりと、時間は少ないものの、ちょこちょこ出てきます。殺人鬼の放った槍が刺さって串刺しになる場面は、まるで槍投げの選手が投げているかのようで、笑ってしまいましたが。

それらよりも目立っているのはやっぱりエロ場面。出てくる女優が全て絡んでくるんで、そっち方面を期待して見ている分にはいいが、当時流行っていた13金などのスラッシャームービーのテイストを取り入れた感はあるものの、ホラー映画としてはやっぱりどっちつかずで中途半端かも。途中のパワハラ余興の場面で助手が女性にプロレス技をかけまくるのにはびっくりしたが、さらにその後、その女性が発狂して色情狂になり(なんで!?)、無茶苦茶し放題になって、殺人鬼と絡んだ挙句、内臓を素手で抉り出されて死亡!唖然とするそのパワフルさはある意味殺人鬼よりも目立ってました。このアングラ感はいいですね。

処女のはらわた01







貞子と伽倻子が女子会してるギャグ漫画

2018年01月21日 11:49

ほのぼのしてます。

https://twitter.com/hisakawa_haru/status/954379038797082625

南海3 特集/続編大爆発

2018年01月20日 21:01

南海03

発行元:ロウバジェット
ページ数:122頁
編集・デザイン:桜井雄一郎
発行日:2016年4月23日
定価:1,000円(本体)


・続編がはじまるとき、おわるとき
 ~ユニバーサルの「フランケンシュタイン」にみる続編の寿命

・続編という名の恐るべき挑戦

・トーク!現代ハリウッド続編地獄

・続編VHS図鑑

・続編をめぐるはてしない妄想

・そこにはビデオ屋さんがあった
 ~小坂裕司さんによる[閉店作業]


映画雑誌『南海』の3冊目の特集は“続編”。なぜ、映画には続編が存在するのか、続編ならではの醍醐味・楽しみ方は、失敗作と成功作の違いは―。あまり、続編という括りで論じられることの少ないキーワードだが、考えてみると、いろいろと謎や考え方が浮かんできて面白く、意外と深いものがあるんだなと思った次第。作られる理由は、映画がビジネスである以上、ヒット作が生まれれば、それをもう一度味わいたいと思うのは皆一緒のはずで(近年は企画不足が、続編やリメイクを助長しているとも言われているが)、しかしながら、1作目がヒットしても次もヒットするとは誰も分からないのも事実。同じように作ったら飽きられたり、違うテイストを入れたらこんなんじゃないと言われたり、監督や俳優がごっそり変わってしまうものもあれば、世界観まで変わってまるで別物になった続編も数知れず。本当に深い続編の世界。今回は、『フランケンシュタイン』『2010年』『エイリアン2』『エクソシスト2』などを例に挙げて、その周辺を解説。だが、個人的には、続編VHS図鑑で掲載されている、B級C級のホラーやアクション映画の続編シリーズが見ていて楽しかった。「ハロウィン」や「ハウリング」、「デモンズ」のシリーズ末期なんかはビデオならではの怪しさがプンプン匂ってきて、レンタル店に並んでいた当時はそれがまた何とも言えない興味をそそられたりしたもんでしたが。

南海2 特集/家で映画を観ること 名画座としてのビデオレーベル

2018年01月19日 13:50

南海02

出版社:ロウバジェット
ページ数:122頁
発行日:2015年1月22日
編集・デザイン:桜井雄一郎
定価:850円(本体)


・『all cinema SELECTION』
 寝ても覚めても作品のことを 岩本克也
 解禁!ソフトづくりの裏話

・『HIGH-BURN VIDEO』
 こんな、よくわからないものを出すのはおれたちが最後
 HIGH-BURN VIDEOに聞きました

・映画の深い森へ
 洋画篇 SOV ビデオ撮り映画を観てみよう
 邦画篇 ビデオとフィルムとVシネマ史
 
・ビデオケースがなくなる日


映画雑誌『南海』の2冊目は前号の倍のボリュームになって特集も盛りだくさん。メインのall cinemaとHIGH BURNで大方三分の二を占めており、これだけでもかなり読み応えがある。特にall cinema SELECTIONは、発売リストや、ソフト別の解説、ビデオジャケットの紹介なっかもあって、これだけでも見ていて楽しめます。『グリズリー』に『センチネル』、『吐きだめの悪魔』や『溶解人間』など、「これ、欲しい!」と思わせる作品がまだまだゴロゴロしていて、いつになったら購入できるのか分からないが、ワクワクさせる作品には事欠かないレーベルだ(リスト見て、持ってるのを探してみたが、『ゾンビ 新世紀完全版』だけだった・・・)。『エクストロ』とか『猛獣大脱走』なんかも、最近販売終了したってアナウンスされていたし、欲しいソフトは買えるときにかっておかないと、次いつ買えるか分からないもんね。肝に銘じておきます。

HIGH-BURN VIDEOは、この時点ではまだ3作品しかリリースしていないが(その後、『シングス 悪夢のバグズベイビー』がリリースされているよう)、よそがやらないことをウチがやろう!というコンセプトが面白い。ビデオバブルの時代にいろんなメーカーが参入してきて、日本未公開の得体のしれぬ作品がわんさかリリースされていたアングラ感が現代に蘇ったような感覚が新鮮に感じます。作品自体は、ユーザーを選ぶかもしれないが、それもまた魅力の一つなんでしょう。

また、最後の「ビデオケースがなくなる日」では、前号に続いてビデオ博物館の小坂さんが登場。ビデオケースにまつわるお話だけれども、話すことは尽きません。メーカーによって様々なデザイン、大きさがあったビデオケース、当時はバラバラで統一してくれたらもっと見やすいのに・・・なんてレンタル店で思ったりもしましたが、少しでも目立って客の目を向かせよう!と各メーカーが競って作っていたのなら、それはそれで味があっていいのかも。ケース一つとっても、いろいろ楽しめるのがビデオの魅力なんでしょうなあ。




またもやロメロの名作をリメイク、『死霊のえじき:Bloodline』

2018年01月19日 13:16

ロメロの『死霊のえじき』は2008年にスティーブ・マイナー監督で一度リメイクされているが(『デイ・オブ・ザ・デッド』)、今回2度目のリメイク。キャラクターや設定はオリジナルを引き継いだものも見受けられるが、果たしてその出来栄えは・・・?



≪以下、アマゾンより抜粋≫

街にはロッターと呼ばれるゾンビが蔓延していた。大学の医療センターで医学生ゾーイはロッターの研究を行っている。ある日、ゾーイは一方的に好意を寄せられている患者のマックスに強姦されそうになるが、マックスがゾンビに襲われ、ゾーイは助かる。
5年後─ゾーイたちは生き残り軍事施設にいたが、さらに世界中にはゾンビが増殖していた。その施設内で抗生剤の効かない謎の伝染病が発生し、ゾーイは施設外へ薬を取得しに行くことになる。途中、5年前に死亡したはずのマックスがゾーイを追って施設内に忍び込んで来る。ゾーイはマックスにはウィルスへの抗体があることに気づき、ミゲル大尉たちの反対を押し切りマックスの血清から特効薬を作ろうとしていたが、マックスは鎖を引きちぎり脱走してしまう…




“ロッター”って何!?
ミゲル、大尉になってるよ!





やっぱり、ゾンビ全力疾走してるタイプですか・・・。
画面見る限り、別に『DAY OF THE DEAD』を名乗る必要のないような気が・・・。
これも、期待薄ですな。


南海1 特集/VHSの現在

2018年01月18日 11:21

南海01

出版社:ロウバジェット
ページ数:58頁
発行日:2014年7月31日
編集・デザイン:桜井雄一郎
定価:500円


・「VHSテープを巻き戻せ」
・ジョシュ・ジョンソン監督への12の質問
・知られざるカバー・アート職人の職人たち
・知っていますか?VHSのアーカイブ ビデオ博物館
・これが定番!お宝ビデオの世界
・ビデオ博物館 小坂裕司さんインタビュー
・ビデオの深~い話 ①VHSは壊れない   ②ケースもいろいろ
・超レアVHS×21選


映画雑誌『南海』の存在は、確かツイッタ―で知ったのかな?その辺は記憶も曖昧で、定かではないんですが、現在3号まで刊行されている、判型はちょうど手帳のバイブルサイズくらいのミニコミ誌。その創刊第1号は、VHSにスポットを当てたもので、映画『VHSテープを巻き戻せ』の監督ジョシュ・ジョンソンへのインタビューと、ビデオ博物館を運営している小坂裕司氏へのインタビューがメインになった作り。映画メディアの主流がVHSからDVDやブルーレイに移行した今現在でも、VHSを収集したり、再評価したりする動きを追っている。

個人的には、後半のビデオ博物館が特に面白く、ビデオデッキが家庭に普及したころ~80年代のビデオバブル~DVDに取って代わられる頃をリアルタイムで体験してきた同年代ならではの共感できるところがツボにはまり、本当に「そうそう、分かる分かる」と相槌を打って読んでしまった。また、小坂氏が脱サラしてから、ビデオを収集しそれをレンタル業としていく過程のエピソードも面白く(本当に、あらゆる都道府県に足を延ばして収集しているんだな、と)、趣味を職業とする楽しさと大変さを味わいつつも両立されているのが分かる。読んでいて思ったのは、自分は映画は好きだが、VHSやDVDといったメディア媒体事態も好きだということ。それを収集するのも楽しいし、その流通過程や、それに関わっている人の話を聞くのも面白い。

VHS自体は、ビデオデッキの生産も終了しているし、いずれは消えゆく媒体であろうが、DVDで再発売されずにビデオでしか見られない作品もまだまだ数多く存在している。それらを探し求めている人々がこの世に存在し続ける限り、VHSビデオは生き続けるだろうし、もしかしたらアナログレコードのように復活したりするかもしれない。貞子だって、媒体を変えて出現しているけれども、一番しっくりくるのはやっぱり“呪いのビデオ”だと思うしね。


※小坂氏の運営している、VHSネットレンタルのHPはこちら→ 『K-PLUS

※『南海』自体は書店取次を通していない直販雑誌なので、下記HPにて販売店のご確認を
 →『映画雑誌「南海」 NANKAI the movie magazine


悪魔の性キャサリン

2018年01月17日 18:16

悪魔の性キャサリン01

【原題名】TO THE DEVIL...A DAUGHTER
【製作】ロイ・スケッグス
【監督】ピーター・サイクス
【脚本】クリストファー・ウィッキング、ジョン・ピーコック
【撮影】デヴィッド・ワトキン
【音楽】ポール・グラス
【出演】リチャード・ウィドマーク、クリストファー・リー、ナスターシャ・キンスキー
1976年/イギリス・西ドイツ映画/88分


【STORY】
悪魔崇拝者であったため教会から破門されたマイケル神父は、邪教集団を率いて密かに邪神アスタロトを信仰し続けていた。彼は買い取った赤子を教会で育て、邪教の教えを施していく。やがて美しく成長したキャサリンは18歳の誕生日を迎え、父親に会いに行くが、マイケル神父は邪神復活の儀式の生贄にキャサリンを使おうと動き始める。父親は娘を売り渡したことを激しく後悔、邪教集団から逃れようと、オカルトに詳しい作家のヴァー二ーに助けを求める。

【REVIEW】
邪神復活をもくろむ狂信的な神父と、生贄に選ばれた美少女を守ろうとするオカルト作家との闘いを描いたホラー。リチャード・ウィドマーク、クリストファー・リー、そして若き日のナスターシャ・キンスキーと、俳優陣が豪華ながらも、あまりこれといった見せ場に欠け地味な印象の残念な作品。特に、導入部の30分あたりまで、何がどうなっているのからず、リモコンの早送りボタンと格闘しなければいけない。クリストファー・リーの厳つい顔面の演技、血まみれ赤ちゃんの悪夢のような出で立ちなど、少し見どころもあるが、今となってはナタキンのヌードシーンばかりが取り上げられてしまうのもしょうがないかも。撮影当時15歳くらいだったというナタキンの美しさはやはり格別で、本当に彼女を見るためだけの映画といっても過言はないでしょうなあ・・・。

悪魔の性キャサリン03

悪魔の性キャサリン02



狼の血族

2018年01月16日 17:45

狼の血族01

【原題名】THE COMPANY OF WOLVES
【製作】クリス・ブラウン 、スティーヴン・ウーリー
【監督】ニール・ジョーダン
【脚本】ニール・ジョーダン
【撮影】ブライアン・ロフタス
【音楽】ジョージ・フェントン
【出演】アンジェラ・ランズベリー、サラ・パターソン、スティーヴン・レイ、デヴィッド・ワーナー、グレアム・クラウデン、テレンス・スタンプ
1984年/イギリス映画/95分


【STORY】
屋根裏部屋に一人閉じこもって眠り続けるロザリーンは夢を見ていた。夢の中では彼女は中世の村娘で、預けられた祖母からいろいろな話を聞かされる。“行商人の夫が行方不明になり、数年後戻ってきたときには狼男になっていた” “領主の息子に捨てられた村娘がその息子の結婚式に現れ、参列者の貴族たちに呪いをかけると、狼に変身した” “眉毛のつながった男は狼だ”

ある日、母親から手土産の酒を持って祖母の家に向かっていたロザリーンは森の中で猟師と出会う。猟師はロザリーンに賭けを持ちかける。自分が先に祖母の家に着いたら彼女のキスを頂くと。猟師はロザリーンよりも先に到着すると、祖母の首を跳ね飛ばし、その体を食べてしまうのだった。

【REVIEW】
『狼の血族』が公開された当時は(1985年ごろ―)、まだまだホラー映画が熱かった頃で、特殊メイク技術を競ったような映画も話題を集めていた。狼男モノも往年のクラシックなものとは一線を画したリアルな変身シーンを売り物とした『ハウリング』や『狼男アメリカン』が公開され、これも人気を博し、この『狼の血族』も当時は斬新な変身シーンがフューチャーされたが、本質はおとぎ話をモチーフにした文芸ファンタジー映画といった趣が強い。ストーリーは、主人公のロザリーンの見る夢の中に狼にまつわるエピソードが数珠つなぎになったような感じで、抽象的で何を訴えかけているのかは分かり辛い。むしろ、ここはやはり、良くできた中世の村や森のセットから醸しだれる幻想的な映像美に酔いしれたり、所々で出てくる独特の変身シーンを楽しんだ方がいいと思われます。特に、変身場面では、男の口から狼の口が出てきたり、人間の皮をバリバリ剥いでいくとやがて狼になっていったりと様様なバリエーションを見せてくれ、飽きさせないのが嬉しい。また、ヒロインのロザリーン役の、サラ・パターソンの美少女っぷりも見どころの一つです。

狼の血族02

狼の血族03


ハウリング

2018年01月16日 00:21

ハウリング01

【原題名】THE HOWLING
【製作】マイケル・フィネル、ジャック・コンラッド、スティーヴン・A・レイン
【監督】ジョー・ダンテ
【脚本】ジョン・セイルズ、テレンス・H・ウィンクレス
【撮影】ジョン・ホラ
【音楽】ピノ・ドナッジオ
【出演】ディー・ウォーレス、パトリック・マクニー、デニス・デューガン、ジョン・キャラダイン、クリストファー・ストーン、ベリンダ・バラスキー
1981年/アメリカ映画/91分


【STORY】
女性キャスターのカレンは、連続殺人事件の情報提供をしてきた男エディと接触することになる。彼の指定してきたポルノショップで襲われそうになった瞬間、駆け付けた警官の銃弾でエディは撃ち殺される。カレンは間一髪で助かるが、事件のショックで精神状態が不安定になり、医者の勧めでコロニーに静養することになり、夫と2人で滞在することになるが・・・。

【REVIEW】
「狼男映画」のそれまでの固定概念を変えたのがこの『ハウリング』と『狼男アメリカン』少し遅れて製作された『狼の血族』だと思う。クラシックな狼男は顔や体の体毛が濃くなり、牙が生えているものの、まだ人間の風貌を残していたが、この3作品からは、完全に狼に変身したといっても過言ではない変わり方を見せてくれ、当時は本当に衝撃的な出来事であった。胸や腕がモリモリと膨れ上がり、爪や牙も伸びてゆき、顔面が獣に変わっていく様は素晴らしく、CGでは味わえないアナログ感が感じられ、何度見ても飽きない出来栄え(CGのスムーズすぎる変身シーンは、やっぱりなんだか馴染めない。味気がないというか、なんというか)。本作と『遊星からの物体X』とあわせて、ロブ・ボッティンの仕事っぷりは「あっぱれ!」というか脱帽しかありません。いや、本当に凄い。

特殊メイクの凄さがどうしても目立ってしまう本作ですが、リアリティーよりも劇画っぽさを出したジョー・ダンテの演出も随所に感じられ、怖さの追求よりも、どことなくほのぼのしたものを感じてしまうのもこの映画の特徴。コミックやアニメーションの影響が見て取られて思わずニヤリとするところがあります。変身シーンの凄さに気を取られて、その後の「狼男がなかなか襲ってこない」とか「車を囲んできても窓ガラスを割らずに触っているだけとか」ちょっと気の抜けたようなところはご愛嬌ながらも、全体的には愛すべきB級映画の範疇ということで。


ハウリング03

ハウリング02



ハウリングI.II(最終盤) [Blu-ray]
昨年末に発売された、ブルーレイ版Ⅰ・ⅡのコレクターズBOX。ジャケットデザインには賛否両論あるようですが、ブルーレイ化されるということは、それだけ需要・人気ともあるわけだということで・・・。





最新記事