Pro9 治験

2018年02月24日 17:00

Pro9-治験 [DVD]


【原題名】THE FACILITY
【製作】ミーガン・スチュアート・ウォレス、マット・ウェイカム
【監督】イアン・クラーク
【脚本】イアン・クラーク
【出演】アナイリン・バーナード、オリヴァー・コールマン、スティーヴ・エヴェッツ、スカイ・ローリー
2012年/イギリス映画/83分


【STORY】
新薬の治療実験に参加した男女7人、人里離れた医療施設で、彼らは2週間被験者として過ごすことになった。初日に新薬「プロナイン」を投与された7人は夜になり眠りにつくが、夜中になり被験者の一人ジェロームが苦しみだす。ナースコールを押し、医師たちがジェロームを処置室へ連れて行って手当てをすることになる。ほどなくして、被験者の一人アリフが血まみれになって部屋に戻ってくる。異常事態に他の被験者たちも慌てて逃げようとするが、病院職員の姿は無く、入り口は施錠されていた。館内を探すうちに食堂で担当医が血まみれで居るのを発見、医者は「プロナインの副作用でジェロームが狂暴化した・・・」と言い残して息絶える。そして、ジェロームの叫び声が聞こえてきた。

【REVIEW】
「新薬の治験ってこんな感じなのか~」みたいな導入部から、予期せぬ副作用による混乱が生じるまではなかなかドキドキさせてくれるが、中盤以降の展開が今一つ。被験者たちが閉じ込められた病院内で、狂暴化した人間から逃れようとしたり、いつ自分たちも発症するかもわからない恐怖に晒されたりするくだりはいいのだが、病院側の人間が逃げ出してしまって、かつ誰もこの事態を何とかしようとする人間が現れないのも不自然。最後に一人残っていた病院側の男が出てくるが、この男も部屋に閉じこもったままで出てこず、薬の秘密も明かさない。結局、副作用が切れる17時間後までひたすら放置で、何だかほったらかしのような終わり方。現実も、何か起こったらこんなものなのかも知れないが、やっぱり映画なんだからもう少し一捻り欲しかった。



『モンスター・パニック』がブルーレイに!

2018年02月24日 11:04

モンスター・パニック [Blu-ray]


ロジャー・コーマン製作総指揮、ロブ・ボッティンがモンスターをクリエイトしたB級ホラーの傑作『モンスター・パニック』がブルーレイ化!



≪商品仕様≫
■1080P HDマスター
■TV放映版日本語吹替収録(TBS「月曜ロードショー」1984年5月28日放映)
■メイキング・オブ「モンスター・パニック」(約23分)
■ロジャー・コーマン・インタビュー(SD・約3分)
■削除シーン集(一部音声なし)(約7分)
■日本TV放映版追加シーン(約2分)
■撮影時フルフレーム・スタンダードサイズ本編丸ごと収録(SD・約80分)
■オリジナル劇場予告(約2分)
■ドイツ版劇場予告編(約2分)
■TVスポット2種(約1分)
■ギャラリーアーカイブ(約4分)
■特製16Pブックレット封入

時間■本編80分+映像特典
映像■1080p FULL HD ビスタサイズ(1.85:1) 片面2層
音声■1:リニアPCMモノラル英語/2:リニアPCMモノラル日本語吹替
字幕■1:日本語字幕/2:吹替用字幕

≪以上、amazonより抜粋≫



『モンスター・パニック』はDVDで持っているものの、特典など全くない本編のみで寂しいもの。対して、こちらのブルーレイは、HDマスターで高画質化、メイキング、削除シーン集、日本語吹替え、特製ブックレットなど、特典盛り沢山!うーん、これ見てると欲しくなってきてしまう内容です。作品自体は、ボッティン製作の醜悪な半魚人モンスターが男どもは殺しまくって、女性を襲いまくるというエロ・グロ度の高いとんでもない内容ながらも、モンスターが小さな田舎町をパニックに陥れるという定番なストーリーとモンスターの造形が素晴らしくマッチした80年代を代表するモンスター映画の傑作!CGなんか糞喰らえ!手作り感漂うこの怪物だけで満点です!発売元は、目の付け所が違うスティングレイ。さすがです。


『人喰いエイリアン』がブルーレイ化!(ただし、輸入盤です)

2018年02月23日 22:23

雑誌『映画秘宝』には、ビデオマーケットさんの広告が掲載されているんだけど、今月号の“新入荷&お勧め”という欄で、あの珍作『人喰いエイリアン』のブルーレイの情報が・・・!さらには、同じくビデオマーケットさんのツイッタ―でも告知が!輸入盤なんで、字幕はなかろうが、ノーカット85分版で、高画質化でブルーレイ化とのこと!

ツイッタ―記事はコチラ

こんな作品まで(失礼)ブルーレイになるなんて、やっぱり海外のマーケットはすごいですね。どんな作品にも一定のコアなファンはいると思うけれども、監督のノーマン・J・ウォーレンにもそれなりに居るんだろうか?!作品自体よりも、そっちの方が気になったりします。映画自体は凡作だしね。でも、なぜか気になる奇妙な作品です。

『人喰いエイリアン』の記事はコチラ


人喰いエイリアン[DVD]
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一昨年出た、日本版DVD、売れてるんだろうか?



ホウリー・マウンテンの秘宝/密林美女の謝肉祭

2018年02月17日 19:52

ホーリーマウンテン01

【原題名】THE MOUNTAIN OF THE CANNIBAL GOD
【監督】セルジオ・マルチーノ
【脚本】チェザーレ・フルゴーニ、セルジオ・マルチーノ
【撮影】ジャンカルロ・フェランド
【音楽】グイド&マウリツィオ・デ・アンジェリス
【出演】ウルスラ・アンドレス、ステイシー・キーチ、クラウディオ・カッシネリ
1978年/イタリア映画/98分


【STORY】
ニューギニアで失踪した夫を探し出すため、妻のスーザンは弟と白人ガイドとともに現地へ向かう。密林の中を進んでいく内に大蛇やワニに襲われ、現地の案内人たちが犠牲になっていく。さらには、謎のお面を被った民族にスーザンたちは捕まってしまう。なんと、彼らは人間の内臓を貪り喰う食人族だった。


【REVIEW】
イタリア製のカニバリズム映画の1本。セルジオ・マルチーノが監督・脚本を担当しているが、映画の出来は芳しくない。全体の2/3程度がジャングルをひたすら歩いているだけで、その途中襲ってくるのは、ワニや蛇、タランチュラなど大自然の生き物たち。それもどこかで見たようなパターンが多くて、ひたすら襲ってくる眠気と格闘する方が大変に思えてくる。後半、やっとこさ食人族のアジトが出てきて「さあ、これからか!?」と思わせながらも、肝心の食人場面がとても短く、かつあっさりしていて拍子抜け。これでは、最初の方のトカゲの解体シーンの方がまだ気持ち悪かった。ボンドガールのウルスラ・アンドレスのヌード・シーンもちょこっと見せ場としてはあるが、なぜかおばさんっぽく見えていてあまりお美しく撮れていないのも残念。やるなら、もっとエロ・グロに特化してほしかった、どうにも中途半端な印象の作品。

ホーリーマウンテン03 (2)

ホーリーマウンテン02 (2)


地獄の貴婦人

2018年02月16日 02:48

地獄の貴婦人02

【原題名】LE TRIO INFERNAL
【監督】フランシス・ジロー
【脚本】ソランジュ・ファスケル、フランシス・ジロー、ジャック・ルーフィオ
【音楽】エンニオ・モリコーネ
【出演】ミシェル・ピッコリ、ロミー・シュナイダー、マーシャ・ゴムスカ
1974年/フランス、イタリア、西ドイツ映画/101分


【STORY】
弁護士のサレと情婦のフィロメーヌは、共謀して結婚詐欺まがいの悪事を働いていた。病弱な老人とフィロメーヌが結婚、老人に保険に加入させて死後保険金を頂くというもの。フィロメーヌの妹カトリーヌも呼び寄せたあとは3人一緒になり、金が尽きては新しいカモを見つけては同様の手口を繰り返していた。あるとき、悪事に加担していた男から強請られたサレはその男と連れの女を銃殺、姉妹とともに死体をバスタブに入れ硫酸で跡形もなく溶かしてしまうのだった。

【REVIEW】
1930年代に実際に起こった事件をモチーフにした犯罪サスペンスものだが、スプラッタームービーのジャンルでも取り上げられることもしばしば。映画全体は、悪事を積み重ねていく3人の行動を、エンニオ・モリコーネの軽快な音楽に合わせて描いていて、印象はとても明るい(何度も繰り返される結婚式の様は、ほとんどコメディーのよう)。しかし、この映画が今でも忘れられない存在になっているのが、問題の死体処理場面。1階から2階へ死体を引きずりながら運ぶところ、バスタブにドブドブ硫酸を流し込むところ、そしてドロドロに溶けた死体をバケツで庭まで運んで埋めていくところ、全てが淡々と作業をこなしていてそれが逆に異様な迫力を生み出している。勿論、70年代の作品でリアルな描写は少ないが、それでも、バケツに入った溶けた死体と同じようなミートパスタを作業の合間にモリモリと食べる場面は圧巻(これは、後にジョー・ダマトの『ビヨンド・ザ・ダークネス』でも引用されている)。下着姿の上に作業用のエプロンを付けて死体を処理する、ロミー・シュナイダーの美しさも格別(昔、VHSやLDでで発売されていたジャケットが忘れられないです)。

地獄の貴婦人01

地獄の貴婦人03


年に一度の大事なことを忘れていました

2018年02月15日 23:37

1日遅れですが・・・。

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よく見ると、“バレンタイン”の“バ”がハートだったりして意外にキュート。

死霊のえじき:Bloodline

2018年02月14日 17:06

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【原題名】DAY OF THE DEAD:BLOOD LINE
【製作】ジェームズ・デューデルソン、ラティ・グロブマン、クリスタ・キャンベル
【監督】エクトル・エルナンデス・ビセンス
【脚本】マーク・トンデライ、ラース・ジェイコブソン
【出演】ソフィー・スケルストン、ジョナサン・シェック、ジェフ・ガム
2017年/ブルガリア映画/90分


【STORY】
大学の医療センターでロッターと呼ばれるゾンビの研究をしている医学生のゾーイは、患者のマックスという男に強姦されそうになるが、マックスがゾンビに襲われて、ゾーイは助かる。数年後、ゾンビの群れから隔離された軍の施設に身を寄せ、ゾーイは研究を続けていた。ある日、施設内で伝染病にかかった少女を救うため、ゾーイと軍人らは薬を求めて施設外へ出かけていく。医療センターで、目的の薬を手に入れて一行は施設へ帰るが、そこでゾーイを見つけたゾンビ化したマックスが忍び込んでくる。

【REVIEW】
ジョージ・A・ロメロの初期リビングデッド3部作の最後『死霊のえじき』のセカンドリメイク作。1回目は、2008年にスティーブ・マイナー監督で製作された『デイ・オブ・ザ・デッド』で、全力疾走のみならず、壁を伝ってきたり、銃を撃ってきたりとかなりアクティブなゾンビが登場、で、リメイク2回目の本作では、主人公の女性を生前のみならず、ゾンビとなった後も食べずにひたすらすり寄ってくるストーカータイプのゾンビが登場・・・!ロメロの『死霊のえじき』で登場した“バブ”をモチーフにしたキャラクターのようだが、ローガン博士の仇討を成し遂げ他のゾンビとは一線を画したバブとは違って、ひたすら女の尻を追いかけていくゾンビ“マックス”。その志の低さが全てを物語っているようで、ロメロ作品には到底及ばない(比べるのも悲しくなるくらい)、普通のゾンビ映画の出来栄えとなっている。

主人公のゾーイはオリジナルのサラと同様、ゾンビの研究を続けているが、彼女に振り回されて生き残った者たちが悲惨な末路を迎えてしまうのがそもそもストーリーとして弱点。一人の少女を救うため、薬を取りに行って、隊員が犠牲になり、ゾンビのマックスを施設内におびき寄せてしまい、いったん拘束するが、逃げられてその後は内部の人間が襲われまくり。オリジナルでもあった、研究用ゾンビの捕獲場面でも失敗して犠牲者発生、ラストでは、マックスから血清を作り出してゾーイの恋人は助かるが、あれだけ犠牲者出しておいて、ハッピーエンドとは言い難い悲惨な話なのでは!?

また、ロメロ作品であった画面からでも伝わる重苦しい雰囲気、人間同士の争いや確執といったドラマ性は本作ではほとんど見られず、普通のホラー・アクション映画に仕上がっている。内臓を掴み出したり、喉元を噛み千切ったりと、ゴア度はけっこうあるので、ゾンビ映画としては平均点を突破していると思うが、いかんせん、『死霊のえじき』のリメイクと名乗ってしまった以上、比較されるのは仕方がなく、比べてみてどうだったかと言えば、やっぱり到底及びませんよ・・・!というしかない。個人的には、2008年版『デイ・オブ・ザ・デッド』にも負けているなあ、と思う。ゾンビ映画がとにかく好きなら見てよし、そうでないのなら別に見なくても問題なし。

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ザ・ミューティレーター/猟奇!惨殺魔

2018年02月13日 18:29

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【原題名】THE MUTILATOR、FALL BREAK
【製作】バディ・クーパー
【監督】バディ・クーパー、ジョン・S・ダグラス
【脚本】バディ・クーパー
【撮影】ピーター・シュノール
【音楽】マイケル・マイナード
【出演】マット・ミトラー、ルス・マルティネス、ビル・ヒッチコック、フランシス・レインズ
1984年/アメリカ映画 /86分


【STORY】
エドは父親の誕生日に喜んでもらおうと、猟銃の手入れをするが誤って銃が暴発し母親を銃殺してしまう。母親は、父の誕生日ケーキを作っている最中だった。それから月日は流れ、大学生になったエドは秋休みの過ごし方を友達らと話し合っていたが、事件後疎遠になっていた父親から、海辺の別荘の管理を頼まれる。バカンスを兼ねて友達カップルらと出かけることにしたエドたちだが、別荘には彼らの行動を見張る不気味な男が潜んでいた。

【REVIEW】
製作・監督・脚本を一人でこなすバディー・クーパー。彼が、大学の映画製作講座を受けて自らの資金で作り上げたスラッシャーホラー。オールロケで手作り感満載、当時のホラーブームに便乗して作った、若者がリゾート地で殺人鬼に殺されていく特段目新しくもないよくあるストーリーだが、血みどろ感がたっぷりの特殊メイクが映画の点数を上げるのに一役買っている。

この手のホラー映画で粗を探して突っ込もうものなら、いくらでも出てくるが、この映画もやっぱり突っ込みどころは満載。何しろ、殺人鬼の正体が最初から分かってしまっているため、「犯人は誰!?」というサスペンスが無く、まったりした青春映画のような前半が終わったら、怒涛の殺戮ショーへ突入あるのみ。しかし、息子への恨みがつのって復讐したかったのなら、「なんで今頃?」「といか、友達や巡視に来た警官も殺しちゃう?」と話の展開には少々疑問符が。「真っ暗闇で鬼ごっこしようぜ!」といったのに、全然暗闇じゃなくて丸見えだったり(ブルーレイで超鮮明!)、肝心の死体置き場の見せ場のシーンが逆に見えにくかったり(ここはカメラアングルの問題もあるかと)と、残念なシーンもあるが、それを補ってくれているのがやっぱりウリの残酷描写。首や足首を跳ね飛ばし、チェーンソーで胴体を切り刻む。極めつけは、釣り具のギャフを女性の股から突き刺して内臓を貫通!ラストの胴体チョンパの絶命シーンまで、とにかく残酷さに特化した内容で、スラッシャー好きなら外せない1本。


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バッド・バイオロジー 狂った♂♀ども

2018年02月12日 07:27

バッドバイオロジー02

【原題名】BAD BIOLOGY
【製作】R・A・ソーバーン
【監督】フランク・ヘネンロッター
【脚本】フランク・ヘネンロッター、R・A・ソーバーン
【撮影】ニック・ディーグ
【音楽】ジョシュ・グレイザー、プリンス・ポール
【出演】チャーリー・ダニエルソン、アンソニー・スニード
2008年/アメリカ映画/85分


【STORY】
女性写真家のジェニファーは異常性欲を満たすため、男と情事を重ねるが、興奮のあまり相手を殺してしまうこともしばしば。しかも異様に新陳代謝が速いため、妊娠・出産を2時間で済ましてしまい、生まれてきた異形の胎児はそのつど処分していた。そんな中、知り合ったバッツという男が異常なほど巨大な性器を持っていることを知り、彼に興味を持ち始める。しかし、バッツの性器はステロイドの打ち過ぎでそれ自身が意志を持ったモンスターとなっていた。バッツ自身も制御できない彼の性器は、自らの意志で女性宅に侵入し襲い始める。

【REVIEW】
ストーリーを書いていて、どう書いてもバカバカしさしか浮かんでこなかった、『バスケットケース』のフランク・へネンロッターの監督作品。物語の陳腐さ、役者の演技下手、監督の演出不足、特撮のチャチサ・・・など出来の悪い、底辺に属する映画は数多いが、本作は扱っている題材が中学生の妄想そのままみたいで、展開していく物語も無茶苦茶。特に、バッツのナニが本体から分離して、それだけで住居の壁や床を突き破って侵入し、女性を次々に襲っていく場面は失笑を通り越して唖然とするところ。しかも、続けざまに何人も同じことを見せ続けるしつこさに、「もう降参です」と言わせんばかり。その他にも、ナニに心臓マッサージしたり、ナニに人工呼吸したり(ナニがCGではなく、ちゃんと造形されているのは嬉しい)、最後には、新型のナニが生まれて終了!!総合的な映画の出来栄えはかなり疑問符が付くが、“異常な性欲と性器”という誰も映画にしてこなかったテーマだけで映画を作っただけでも価値ある映画、こんな映画があってもいいんじゃない!?

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巨乳ドラゴン 温泉ゾンビ VS ストリッパー5

2018年02月11日 09:44

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【製作】矢羽田昭彦、及川次雄
【監督】中野貴雄
【脚本】中野貴雄
【撮影】吉沢和晃
【出演】蒼井そら、かすみりさ、桜井まり、TAMAYO、相川イオ
2010年/日本映画/73分


【STORY】
ストリッパーのリサは欠員の出た温泉街の巡業の依頼を受けるが、そこは寂れた街で、他のストリッパーたちもゆるみっぱなし。ある日、客待ち時間の控室で謎の開かずの扉を見つけたリサたちは地下に続く階段を発見する。そのにあった古書の呪文を唱えたことによりゾンビが発生、旅館の従業員も食い殺され、リサたちは控室に立てこもる。

【REVIEW】
AV女優の蒼井そらとかすみりさがチェーンソーと日本刀でゾンビの群れに立ち向かうスプラッターホラー。原作は三家本礼の人気コミック。ゴア描写はチープすぎてリアルさに欠けるのが難点だが、首チョンパに内臓掴み出し、飛び散る血しぶきもドバーっとド派手に飛び散ってくれるので、結構楽しめます。出てくる俳優さんも、演技が下手とかセリフが棒読みとか、まあその辺は目をつぶってあげて、代わりに主演の綺麗どころ2人がゾンビ相手に大暴れするのが中々爽快なのでこの辺を楽しむべき作品。所々でポロリもあって、サービス精神もぬかりないし、ゾンビが女体盛りで内臓を箸で食べていたり、ゾンビ化したストリッパーの陰部から炎が噴き出したりと、悪趣味かつ笑いの要素もあって、B級テイストを味わえるので好きな人には堪らない作品化と思います(自分も好きですが)。オープニングがカッコいいのも好印象です。

巨乳ドラゴン03

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キャビンフィーバー(2016)

2018年02月09日 17:54

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【原題名】CABIN FEVER
【製作】エヴァン・アストロウスキー、クリス・ルモール、ティム・ザジャロフ
【監督】トラヴィス・Z
【脚本】イーライ・ロス、ランディ・パールスタイン
【撮影】ギャヴィン・ケリー
【音楽】ケヴィン・リープル
【出演】マシュー・ダッダリオ、ゲイジ・ゴライトリー、ダスティン・イングラム、サミュエル・デイヴィス、ナディーン・クロッカー
2016年/アメリカ映画/98分


【STORY】
森の中のキャビンでバカンスを楽しみにやってきたポール、カレン、バート、マーシー、ジェフの若者5人組。羽目を外して騒いでいる彼らの前に全身血だらけの男が助けを求めてきた。その不気味な風貌に5人は追い払おうとして、松明の火が男の体に引火、火だるまになった男はもがきながら逃げて行った。翌日、カレンの下半身の皮膚がめくれ上がり血が噴き出していることが分かる。昨夜の男の病気が移ったのではないかと思った彼らは、カレンを別の小屋に隔離する。車が故障して足を失ったため修理を試みるポールたち。その間にも、謎の皮膚病は仲間内で広がりつつあった。

【REVIEW】
イーライ・ロス版『キャビンフィーバー』1作目のリブート作。設定も展開もほぼ同じだが、細部が微妙に変更されている。出てくる保安官が男性から金髪の女性に変わっていたり、ラストシーンも病院の場面が無くなり、森の中で息絶えている場面に変わっていたり。グロ度は同程度保っているのだが、オリジナル版にあったちょっとした可笑しさ(店の子供の謎のカンフー場面とか、間抜けな保安官の行動とか)がリブート版にはなく、どちらかといえばひたすらグロシリアス路線というか。好みの問題もあるが、怖さと笑いをうまくミックスさせていたオリジナル版の方が、鑑賞後に不思議な印象を残す分やはり軍配が上がる。比較しなければ、リブート版も平均点クラスなので、見て損はないでしょう。

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キャビン

2018年02月08日 18:23

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【原題名】THE CABIN IN THE WOODS
【製作】ジョス・ウェドン
【製作総指揮】ジェイソン・クラーク
【監督】ドリュー・ゴダード
【脚本】ジョス・ウェドン、ドリュー・ゴダード
【撮影】ピーター・デミング
【音楽】デヴィッド・ジュリアン
【出演】クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース、アンナ・ハッチソン、フラン・クランツ
2011年/アメリカ映画/95分


【STORY】
山奥の小さな小屋にバカンスにやってきた大学生男女5人組。その小屋の地下室で見つけた日記を読み上げたとき、何者かが目覚め彼らを襲い始める。一人ずつ目覚めた怪物に襲われ殺されてゆくが、その様子をじっと監視する謎の組織の姿があった。


【REVIEW】
山小屋でいちゃつく若者たちが何者かに襲われていく、というパターンは王道中の王道ながらも、後半の展開はおおよそ予想できず、思わず「なんじゃこりゃ!?」と叫びたくなる、いい意味での予想裏切りホラー映画。若者5人が襲われるところから、最後は地球規模の問題にまで発展していくスケールのでかさに、やり過ぎ!?と思ったりもするが、細かな突っ込みどころも忘れてしまうくらいなんで、なんか良く分からんが面白いものを観たなあ~という感覚は残ります。特に、見どころは、後半の古今東西のモンスターが次から次へと出てきて殺戮を繰り広げる阿鼻叫喚の地獄絵巻。仕組みは分からんが、エレベーターが着いて、チンと鳴った後、扉が開いたら一瞬で襲われていくシーンは、恐怖というよりむしろ笑いが止まらない名場面。世界中で同時進行しているプロジェクトで、アメリカと並んで最後まで残っていた日本編が定番の女性の幽霊みたいなのも良く分かってらっしゃるなあと。ただ、バイクで崖を飛び越えた兄ちゃんがATフィールドみたいなバリアに当たって死んでいったのには、不満。ここで、リアルさが吹っ飛んでしまった。

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トランス/愛の晩餐

2018年02月07日 19:26

トランス03

【原題名】DER FAN
【製作】バーバラ・モールセ、マルティン・モスコヴィッツ
【監督】エックハルト・シュミット
【脚本】エックハルト・シュミット
【撮影】ベルント・ハインル
【音楽】ラインゴールド
【出演】デレジー・ノスブッシュ、ボド・スタイガー
1982年/西ドイツ映画/90分


【STORY】
ロックシンガー“R”の熱狂的なファンのシモーヌは、彼宛のファンレターを送る毎日。返事は来ないが、その想いが募って、家出し会いに行くことに。大勢のファンに囲まれているRを見つけたシモーヌは偶然にも声をかけられ、興奮のあまり失神してしまう。気が付くとそこはRの別荘で、シモーヌは彼と夢のような一夜を過ごすが、翌朝Rは別人のように冷たくなっていた。感情を抑えきれないシモーヌは衝動的にRを撲殺し、死体を電動ノコギリで切り刻んでゆく。


【REVIEW】
ドイツ製青春カニバリズムムービー。可愛さ余って憎さ百倍というのはよくあるが、自分のものにならないのならいっそ殺してしまおうか・・・。極端な発想のような気がするが、主人公がおそらくまだ10代で、夢中で周りが全く見えていない状況ならあり得そうな話だ。物語前半は、シモーヌが憧れのロックスターに思いを募らせる風景をゆったり描いていて、どちらかといえば退屈な運びだが、その想い人を殺してからは急転直下、電動ノコギリでバラバラに切断→冷凍庫に保存→調理して食べる→残った骨は粉砕して散骨、と怒涛の展開に。特に、殺した直後からの解体シーンは、全裸でセリフも一切なし、淡々と作業をこなすシモーヌの姿が切なくも美しく感じられる。この解体シーンの直接的な描写が少ないためゴア度は低い。もっとも、迷いなく彼の肉体を取り込んでいく様子は愛する者と一体化しようとする倒錯した愛情表現であり、ホラーというより異形の恋愛ドラマなのかもしれない。

主演のノスブッシュがその後、アイドル化して人気が出たため、本作の上映差し止め訴訟を起こしたのは有名なエピソード。でも、体当たりでこの役を演じきったからこそ、今もこうして作品が残っているのでは。ブルーレイ化もされましたしね。


トランス01
シモーヌがいつも身に着けている、ソニーのウォークマンが時代を感じさせます。


トランス02


ビーイング

2018年02月06日 15:21

ビーイング03

【原題名】THE BEING
【製作】ウィリアム・オスコ
【監督】ジャッキー・コング
【脚本】ジャッキー・コング
【撮影】ロバート・エビンジャー
【音楽】ドン・プレストン
【出演】マーティン・ランドー、ホセ・ファーラー、ルース・バッツィ
1983年/アメリカ映画/82分


【STORY】
アイダホの田舎町で失踪事件が相次ぐ。夜中の廃棄物処理場で若者が車に乗ったまま何者かに襲われて消えたのを皮切りに、次々と犠牲者が増えていく。捜査にあたるラッツ刑事は犯人が核廃棄物の放射能汚染で誕生した怪物であることを突き止める。

【REVIEW】
製作年度は1980年代ながら、怪物の発生原因が放射能で、田舎町の住人がぽつぽつと襲われてゆく様をゆったっりと描いた、まるで1950年代の雰囲気を漂わせる、ある意味レトロな作品。それがノスタルジックな路線を狙ったものではなく、凡庸な演出と脚本、そして素人の集団化のような役者の演技で出来上がった結果なのだから始末に負えない。犯人が怪物と分かったら、捕獲チームを結成するとか、プロのハンターを雇うとか、刑事と放射能の専門家が組んで息づまる追跡を行うとか、この手の映画の王道的な展開が予想されるが、あくまでマイペースを崩さず、刑事が頑張って追いかけていく。緊迫感は非常に薄い。

それなら、怪物映画なんだから、肝心のモンスターは?というと、全身ドロドロの(筋肉剥き出しみたいな・・・?)風貌で、一つ目ん玉に牙がいっぱい。まるで、幼稚園児に「怖い怪物を描いて」と頼んだら出てきそうな感じだが、悪くはない。悪くはないんだが、動きが鈍い。しかも、全体像と顔のアップの繰り返しで、人間と2ショットになっている場面も少なくて(ビーイングが動いたら、次のカットで人間が吹っ飛んでいる、みたいな)、あんまり映すと粗が見えちゃうんだよ・・・!という製作陣の心の声が聞こえてきそう。コイツをもうちょっと頑張ってたら、見どころの一つくらいは出来たかもしれないのに。

評価的には、劇場で見るのはまず無理、レンタルしても返金を是非お願いしたくなる、たぶん見ても見なくても大差ないレベルです。

ビーイング02

ビーイング01

悪魔のしたたり/ブラッドサッキング・フリークス

2018年02月05日 12:46

悪魔のしたたり02

【原題名】BLOODSUCKING FREAKS
【製作】アラン・G・マーゴリン、ジョエル・M・リード
【監督】ジョエル・M・リード
【脚本】ジョエル・M・リード
【撮影】ゲーリー・トール
【出演】シーマス・オブライエン、リネット・シェルドン、ニルズ・マクマスター
1974年/アメリカ映画/89分


【STORY】
見世物小屋で行われている拷問ショー。オーナーのサルドゥは誘拐してきた女性たちを飼い馴らして、舞台で拷問の上死に至らしめる本物の殺人ショーをウリにしていた。ある日、インチキだ!と難癖を付けてくる客の男が居たので、サルドゥは監禁し拷問する。さらに、バレリーナを誘拐し調教した挙句、SMバレエの舞台に立たせるのだった。助手の小男とともにやりたい放題を続けるサルドゥだったが、悪徳刑事が近づいてきたことによって、彼の栄華は崩壊へと向かっていく。

【REVIEW】
裸の女性が延々と拷問され殺されていくカルト中のカルト血みどろ残酷映画。ショーで殺人を実演してしまうといえば、ルイスの『血の魔術師』が思い浮かぶが、本作はストーリーは二の次で、ひたすら女性を凌辱して苦しめる、エロ・グロにサディスティックさをごちゃ混ぜにミックスしたあくまで見世物に徹した低俗映画の極みといった感じ。主人公のオーナーと小男のコンビが、終始笑顔を絶やさず、もう人権なんか糞喰らえ!と言わんばかりの拷問を続けていく様をひたすら見せられ、多分シナリオはあってないようなもので、出てくる役者の演技もグダグダなため、見ているこちら側もある種の拷問を受けているような気になってくる(映画を見て楽しむというスタンスではなく、不快なものを見せられる我慢大会のよう)。

頭に付けられた鉄の輪を締め付けられたり、首チョンパ、指チョンパ、足首チョンパはお手の物、磔台で四肢を引き裂かれたり、くりぬいた目ん玉をそのまま食べてしまったり。極めつけは、頭部を電動ドリルで穴をあけ、長~いストローで脳みそを吸いまくる変態医者・・・!監禁され調教された女たちは精神も崩壊して、放りこまれた男性の内臓を抉り出して被り付く。女性蔑視の描写も数多いため、不快さは格別だが、低予算で特殊メイクがチープでいかにも作り物に見え、役者の演技下手のおかげで拷問されていてもあまり痛そうに見えないところが救いかもしれない。この手の好事家にとってはマスター・ピースでしょうが、間違いなく一般受けすることのない恐るべき作品。

悪魔のしたたり01

悪魔のしたたり03

悪魔のしたたり04




最近知りましたが、昔JVDからリリースされていたものは廃盤となって、『ハロウィン・ナイト 悪魔のしたたり』と改称されて再発されていたんですな。
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ホラー映画のサントラの記事

2018年02月03日 12:05

サントラ記事01

いつの時期に買ったかももう覚えていないけれど、ホラー映画のサントラの記事だったので、切り取っておいてあった紙面。何が嬉しいかというと、取り上げられている作品がほとんど70~80年代のものばかりだということ。ベスト10も選出されているが、例外は『ジェイソンX』くらい。個人的にはこの中では、『チューブラー・ベルズ』『サスぺリア』『フェノミナ』がベスト3。この年代では、『ゾンビ』も入れてほしかったが、そうすると、ほとんどゴブリンで埋まってしまうか。


サントラ記事02



ショック!残酷!切株映画の逆襲

2018年02月02日 17:27

切株逆襲

出版社:洋泉社
ページ数:239頁
編:高橋ヨシキ+DEVIL PRESS MURDER TEAM
発行日:2009年6月2日
定価:1,300円(本体)


“衝撃!神よ!人間はどこまで残酷になれるのか!?
 サイコ画像も裸足で逃げ出す衝撃の人体破壊描写シーン、その極北に迫る!”
・中原昌也と往く地獄めぐり これが切株映画だ!
・世界切株映画ポスター集
・切株派宣言
・映画に潜む切株の魔
・切株派提唱者 中原昌也が語る「切株とは何か」
・スプラッターからアジアン・ホラーまで、残酷表現の変遷を辿る
・日本人の知らないドイツ・ホラー史
・インドネシア・グログロ・ホラーの世界
・モンド映画の切株の価値
・アメリカの映倫MPAAの正体
・恐怖去勢映画
・マスター・オブ・ゴア、トム・サヴィーニの肖像
・フランク・へネンロッター、最新作『バッド・バイオロジー』とサムシング・ウィアードビデオの黎明について語る
・『スリーピー・ホロウ』で切株ゴロゴロ! 本当は怖いティム・バートンのダーク・ファンタジー
・リドリー・スコットの残酷描写
・チャールズ・マンソン事件の映画化にとりつかれたインディー・ホラーの巨人ジム・ヴァンベッバー
・『マーターズ』監督パスカル・ロジェ
・あなたの知らない切株紳士録
・21世紀の残酷王子マイケル・ベイ
・ささくれた心に刺さる切株ノワール・ブックガイド
・ロンドン大殺戮!漫画もアニメも凄いことになっている『HELLSING』に注目
・牧口雄二と70年代東映エログロ路線こそが最高!
・増村保造が描く暑苦しい切り口
・あっ!怪獣が切株に!!大映『ガメラ』路線の残酷バトル
・小水ガイラと佐藤寿保、エロス以上に暴力に興奮する80年代ウルトラ・ポルノ
・こどもが教師の生首でサッカー!地球は壊滅!ヤクザは皆殺し!三池崇史の切株ワールド
・新世紀の日本切株映画を背負って立つ、残酷効果請負人・西村喜廣の世界


映画における人体破壊及び切断シーンを通称“切株”と命名し、古今東西の切株シーンの登場する映画を集めた『切株映画の世界』の続編。取り上げられる映画はやはりホラー映画が圧倒的ですが(人が殺されるのがほぼ当たり前だし)、それ以外のジャンルの映画も合わせれば、まだまだネタは尽きないのか!という感じで、今回もいろんな映画が登場します。人体破壊と言えば、それをクリエイトしているのが特殊効果やメイクアップを仕事としている人だが、本書ではトム・サヴィーニにスポットを当てて紹介。彼の生み出した数々のスプラッターな描写はファンを歓喜させたが、70~80年代にはこのメイクアップ・アーティストたちが一番輝いていた時代で、サヴィーニ以外にも、ディック・スミス、リック・ベイカー、ロブ・ボッティン、スタン・ウィンストンなどなど、多種多様な人物が腕を競っていた時代でもあったわけで、彼らを特集するだけでも本が1冊出来上がってしまうくらいでしょう(できればどこかで出してほしいけれど)。

他にへネンロッターとパスカル・ロジェのインタビューが掲載されているが、これは同時期に新作がちょうど公開されるタイミングであったからかと思われるが(へネンロッターは『バッド・バイオロジー』、ロジェは『マーターズ』)、普段あまり日の当たることの少ない、切株映画監督にスポットを当ててくれるのは嬉しいところです。で、このシリーズ、巻末に『切株映画の帰還』が刊行予定と記載されているが、それ以降出ていないようなので、残念ながら立ち消えになってしまったようです。


貞子と伽倻子が女子会してるギャグ漫画2

2018年02月01日 11:45

第2弾です。

「夫には惨殺されたけど~」のセリフがさばさばしていてよい。

https://twitter.com/hisakawa_haru/status/955816925463891968

ショック! 残酷! 切株映画の世界

2018年02月01日 10:53

切株

出版社:洋泉社
編:高橋ヨシキ+DEVIL PRESS MURDER TEAM
ページ数:262頁
発行日:2008年2月21日
定価:1,300円(本体)


“手が!足が!首が飛ぶ!
 スクリーンに広がる地獄絵巻をあなたは正視できるか!?”
“映画界最大のタブー、スプラッターを超える残酷表現の限界
 人体破壊描写のすべて!”

・鮮血!野蛮!何よりも究極の娯楽!残酷表現に究極の娯楽を求めて
・残酷切株描写から辿る世界映画史
・観ずには死ねない切株映画入門ガイド
・アメリカ映画、残酷と血糊のブルース
・世界で最も有名な殺人鬼ジェイソンと『13日の金曜日』・・・スラッシャー映画の夜明け
・『ホステル』シリーズ監督イーライ・ロスへのインタビュー
・『死霊のしたたり』シリーズの肉体破壊表現
・痛みこそは究極の快楽!『ヘル・レイザー』
・残酷ソープオペラ『アンディ・ウォーホルのBAD』&NYゲイ系切株派
・世界に君臨する残酷描写の王者スティーブン・スピルバーグ
・ジョン・カーペンター、非情の切株アクションに流れるマカロニの血
・80年代最強・最愛の切株映画『悪魔のいけにえ2』
・ジョン・ウォーターズの「バッド・テイスト」切株路線
・SOMETHING WIERD VIDEOの過激な切株描写
・60年代から21世紀まで、未公開切株映画ベスト・チョイス21
・恐怖の切株怪獣洋画劇場!
・殺してよし!殺されてよし!ゾンビ映画は切株描写の宝庫!
・クローネンバーグ『クラッシュ』・・・交通事故の切株世界
・ジャーロ・・・イタリアン・ホラー最強の猟奇血まみれドラマ群
・ダリオ・アルジェント、イタリアン・ホラーの帝王
・アルジェント最新作『マザース・オブ・ティアーズ』
・異常性犯罪にカニバリズム・・・イタリア残酷映画事情をリサーチ
・ルイス・ブニュエルの切株メロドラマ『哀しみのトリスターナ』
・ポール・ナッシーからモンドまで・・・スペイン映画、血の歴史
・『ブラッド・ピーセス』ほかスパニッシュ・ビザール映画のゴア表現
・犬神家の切株!エスカレートする70年代横溝映画の残酷描写
・『私設銀座警察』と日本切暴力団映画
・『子連れ狼』のバイオレンス表現が世界を制圧した日
・本当は残酷なジャパン・アニメーション
・空とぶギロチンと残虐クンフー映画大行進
・00年代、新たなる血まみれ映画の始まり


「趣味は何ですか?」と聞かれて、「映画鑑賞です」と答えると、「じゃあ、好きな映画は何ですか?」と聞かれる。一瞬躊躇するが(その人との親密度にもよるが―そんなに親しい間柄でなければそこまで真剣に答えないだろう)、「ホラー映画をよく観ます」と答えると、大抵疑問的な答えが返ってくることが得てして多い。たとえば、「どこが面白いんですか?」とか「気持ち悪くないですか?」とか「怖くないですか?」とか。真面目に回答するならば、「面白いと感じているから見ているのであるし」「気持ち悪い描写もあるが、そういうのを見たいのであるし」「怖さを求めているのであるし」、普段日常では感じられない体験することができない“刺激”を求めてホラー映画を見ようとしたりしているわけである。その最たるものが人体破壊描写(本書では“切株”と表現)ではないだろうか。現実で、それを見ることはまれであるが(例えば、交通事故とか自殺現場とか―)、映画の中ならいつでもありとあらゆる人体破壊場面を見ることができる。リアルな場面もあれば、ありえないような無茶苦茶な描写があったりもする。でも、それ自体が見世物であって、エンタテイメントの真骨頂ではないかと思ったりする。

無論、これらは作り物であるから楽しめるのであって、実際の人体破壊や死体の映像を見て楽しいなんて思ったことはないわけで、あくまで空想の産物と分かっているから、というのが大前提。「いい年こいて、人が殺される場面見て楽しいですか?」なんて怪訝な表情で質問されるかもしれないが、楽しいものは楽しいんだから仕方がない。現実にはあり得ないような映像を見て「スゲー!!」「怖ぇーッ!!」「面白れーッ!!」と感じるんだから仕方がない。まるで、子供のような受け取り方と思われようが、子供のころのままの感情が今も消えずに残っているから、楽しいものは楽しいのである。とにかく、好きな人には堪らない。好きなものは仕方がない。切株・残酷描写が嫌いな方は見なければいい、ただそれだけの話である。

さて、前置きが長くなりましたが、ホラー映画に限らず、古今東西ありとあらゆる切株描写が出てくる映画を取り上げた本書、人が殺される映画には大抵切株描写は付物で、いろんな殺され方が昔から登場してきたが、それらをカタログ的に見ていくだけでも楽しめる。アクション映画やサスペンス映画、戦争映画などでは人はバッタバッタと死んでゆくし、当然そこでは様々な人体破壊のバリエーションが描かれている。ストーリー上必要なものもあれば、そこにスポットを当てた人体破壊ありきの映画もあるが、それはそれで見ていて楽しい映画なわけで、人によって様様な楽しみ方があると思います。取り上げられている作品数があまりにも多いので、どれが一番素晴らしいなんて決めるのは不可能ですが、印象に残っているのは『オーメン』のガラス板での首チョンパとか『サンゲリア』の目ん玉串刺し、『ブラッド・ピーセス~悪魔のチェーンソー』の切り刻むチェーンソーはやっぱり外せないし、『死霊のはらわた』『ブレインデッド』の切株描写は満載だ。ホラー以外だと有名な『プライベートライアン』の上陸シーンは印象的だったし、本書の後に公開された『ランボー 最後の戦場』なんかも、人体がバンバン破壊されていく。たぶん、これからも、ありとあらゆるジャンルで人体破壊は行われていくし、その描写もエスカレートしていくはずだ。ただ、規制が厳しくなっている中、見る場所は限られてきているのは寂しく感じます。地上波TVなんかでは、ほとんど切株描写を見る機会はなくなってしまい(映画自体が放映されなくなってきてますが)、スマートでおとなしいものしか流れない世の中。この前地上波で放映された『レイダース』も、ナチ残党の顔面崩壊場面はなかったですしね。行き過ぎた規制や自粛は、それはそれでどうかと思うのですが・・・。




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