昨日は、ルチオ・フルチ 生誕祭でした。

2018年06月18日 18:26

昨日6月17日は、ルチオ・フルチの誕生日でした(お生まれになったのは、1927年)。
多彩なジャンルの映画を撮ったが、とりわけホラー映画というジャンルにおいて、スプラッタームービー史にその名を刻んだ残酷映画の巨匠。今見ても色褪せない名作の数々は、これからも世界中のホラーファンを驚かせ続けるはず。

サンゲリア1
『サンゲリア』

地獄の門2
『地獄の門』

墓地裏の家1
『墓地裏の家』

ビヨンド7
『ビヨンド』

ザ・リング2

2018年06月09日 11:30

ザ・リング202

【原題名】THE RING TWO
【製作】ローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス
【監督】中田秀夫
【脚本】アーレン・クルーガー
【撮影】ガブリエル・ベリスタイン
【音楽】ハンス・ジマー
【出演】ナオミ・ワッツ、サイモン・ベイカー、デヴィッド・ドーフマン、シシー・スペイセク
2005年/アメリカ映画/128分(完全版)


【STORY】
あの事件から半年後、レイチェルとエイダン親子はシアトルを離れ、アストリアという小さな町へ引っ越してきた。地元の新聞社で働き始めたレイチェルだが、10代の青年が変死体で発見される事件を知り、呪いのビデオテープがまだ存在していたことを知る。忌まわしき因縁を断ち切るためそのテープを処分するが、それからエイダンに異変が起こり始める。サマラが再びエイダンに憑りつこうとしている事を知り、レイチェルはサマラの出生の秘密を追っていく。

【REVIEW】
ハリウッドリメイク版『ザ・リング』の続編。ストーリーは日本版とは違いオリジナルもので、監督はこれがハリウッド初進出となった中田秀夫。1作目が日本版とほぼ同じ内容で作られていたのに対し、オリジナルストーリーである2作目は、レイチェル親子を執拗に狙うサマラと、そこから何とか逃れようとするレイチェルの奮闘が主なお話。冒頭で、ビデオを見た青年が変死するが、ビデオテープはこれ以降登場せず、エイダンの周囲や夢の中から徐々に侵食していく。ビデオを見ていないのに変死するレイチェルの同僚や家の中の家具が突然動き出したりと、前作にはなかったルールの変更に戸惑うが、サマラの目的も恐怖の拡散から母親への愛情を求めていた、に変わっており、ホラー映画としてはそれほど恐怖感が感じられないのがイマイチ。日本版では、自分の親に井戸に投げ込まれ、暗い井戸の中で死んでいった貞子の怨念が無差別に拡散して人が死んでいくという、何とも言えない理不尽な怒りや恐怖があったが、このリメイク版2作目は家族愛に焦点を当てたことにより、全く別物という感じに仕上がっているのは、人によって評価が分かれるところでしょう。

レイチェルは息子のエイダンを救うため必死に行動する母親を演じ、最後はサマラの呪いからも解き放たれ、ハッピーエンドになっているが、見方を変えれば、とても自己中心的な行動にも取れる。助けを求められた同僚のマックスは呪いで変死し、エイダンを助けようとしていた精神科医も死亡、サマラから逃れるために井戸から這い上がった後、ドスンと容赦なく井戸に蓋をして閉じ込めてしまうのも逆にサマラが可愛そうに思えてくるくらい。そもそも、1作目のラストでエイダンを救うため、ダビングされたビデオテープを見た人はどうなったのか!?松嶋菜々子は自分の親を犠牲にいていたが、赤の他人を犠牲にして我が子を助けていたのなら、なんとも言えない気分になる。

本作も水が象徴的に使用されているが、母子愛を絡めたストーリーも含めて同じ中田秀夫の『仄暗い水の底から』連想される(特に、中田秀夫が監督していたことをすっかり忘れて観ていたので、「なんでこんなに似ているんだろ!?」と不思議に思いながら観ていた)。また、サマラの出生を辿っていく内に生みの親を探し当て会いに行くが、母親役をシシー・スペイセクが演じており、その鬼気迫る様な演技が印象深い。しかし、結局、なぜサマラが異形なる力を持っていたのかは説明されず、消化不良気味に終わっているのは残念。


ザ・リング203

ザ・リング201



ザ・リング

2018年06月06日 06:06

ザ・リング01

【原題名】THE RING
【製作】ローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス
【監督】ゴア・ヴァービンスキー
【脚本】アーレン・クルーガー
【撮影】ボジャン・バゼリ
【音楽】ハンス・ジマー
【出演】ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、ブライアン・コックス、デヴィッド・ドーフマン
2002年/アメリカ映画/115分


【STORY】
若い男女4人が夜の10時ちょうどに同時に死亡する事件が発生する。その中に自分の姪が居たことから、記者のレイチェルは彼らが亡くなった原因を探り始める。死の一週間前に山荘に泊まりに行っていたことを突き止め、そこで見たビデオテープが関係しているのではないかと推測するが、そのビデオを見たことから自身も1週間後に死ぬのではないかと考える。1週間というタイムリミットが迫る中、レイチェルは元夫のノアに相談、2人でビデオの内容を探っていくが、その途中で、一人息子のエイダンもビデオを見てしまう。エイダンは「女の子からビデオを見るように言われた」と呟く。やがて、ビデオに移っている場所が判明し、レイチェルとノアは現地へ向かうが、ビデオに映っていた女性はすでに自殺していた。そして彼女の娘サマラにまつわる怪現象の話を聞いた2人は、ビデオテープはサマラに原因があったのではないかと推測する。

【REVIEW】
ヒットシリーズ『リング』のハリウッドリメイク版。登場人物、ストーリーはほぼオリジナルに忠実で、舞台を日本からアメリカに置き換えたが、ほぼ違和感なく見られるが細かいところでは少しアレンジもされている。まず、高山竜司役のノアには超能力は持っておらず、一般人と変わりがないので、貞子の呪いを解く過程での説明役としての役割は無くなっている。また、サマラは少女のままで井戸に投げ込まれていて、大人になっていた貞子との印象に少し差があるのと、被害者の死に顔にも変化が。日本版では恐ろしい形相で死んでいたが、ハリウッド版ではさらにメイクアップされ恐怖の死に顔がパワーアップ。これを見たら、普通の死に方ではないなと一目でわかるでしょう、そんな顔です。

全体的に暗い色調で(雨が降り続いているので、それも影響しているが)、モノトーンに近い雰囲気は好みが分かれるところだろうが、ホラー映画としての雰囲気は良く出ている。また、サマラの登場前後に滴ってくる水の使い方も恐怖を盛り上げるアイテムとしてなかなかいい。ただ、肝心のサマラと貞子を比較すると大人と子供との比較になる感じもあり、やはり怖さは貞子の方が上。サマラは『エクソシスト』の悪魔に憑りつかれたリーガンのような顔を見せてくれるが、肝心の顔は見せず、黒髪の隙間から見える目のドアップだけで表現した貞子の方がインパクトは勝っていた感がある。そして、当たり前だが、先にオリジナルの『リング』を見ていたら、当然展開が分かっているので、先が読めてしまえば恐怖感も薄れてしまうのは当然。それはそれで仕方がないので、異国版『リング』として割り切って見ればこれはこれでアリと思える1本。

ザ・リング04

ザ・リング05


呪いのビデオ~オリジナル版『リング』

2018年06月05日 23:45

ハリウッドリメイク版・呪いのビデオは、時間が長く、色々なイメージ画像が流れるが怖さよりもむしろ美しい感じさえする。
対してオリジナルの日本版は、尺は短いものの、パッと見意味不明なもの、理解不能な映像が流れ、不気味な感じが良く出ており怖さはコチラの方が上でしょう。後ろで流れる耳をつくような効果音も印象的。






輪廻

2018年06月01日 21:14

輪廻04

【製作】一瀬隆重
【監督】清水崇
【脚本】清水崇、安達正軌
【撮影】柴主高秀
【音楽】川井憲次
【出演】優香、香里奈、椎名桔平、杉本哲太、小栗旬、松本まりか
2005年/日本映画/96分


【STORY】
35年前に群馬県のホテルで大学教授が11人を惨殺し、自身も自殺したという痛ましい事件をもとに映画化が進められている。そのオーディションで監督の松村に見初められた新人女優の杉浦渚は主演に抜擢される。しかし、渚は撮影が近づくにつれ、見知らぬ少女の幻覚を見るようになる。一方、女子大生の木下弥生は幼い頃から行ったことのないホテルの夢を見続けていた。ある日、弥生は前世の記憶を持っているという女性森田由香と知り合う。由香は35年前に起きた11人殺人事件の被害者が自分の前世だと説明する。興味を持った弥生は今では廃屋となっている夢で見たホテルへ向かう。その頃、映画の撮影中、渚はセットに再現されたホテルから35年前の事件当時のホテルを行き来するようになり、次第に記憶が曖昧になっていく。

【REVIEW】
『呪怨』の清水崇監督の、リーインカネーションをテーマにしたサスペンスホラー。35年前の殺人事件の当事者たちが輪廻転生し、再び惨劇に巻き込まれていく様子を描いているが、劇中に映画撮影シーンを加えているのがポイント。35年前の営業していた頃のホテル、今現在の廃墟と化したホテル、そしてスタジオ内に建てられたセットのホテル。その3つのホテル内を彷徨う優香の視点が目まぐるしく変わり、現在と過去が入り混じった独特の世界観を構築しているのが興味深い(この時間軸が巧みに交錯して、段々と現在地が分からなくなっていく流れは、『呪怨』の清水崇らしいところ)。途中まで、優香が被害者の少女の生まれ変わりと思わせておいて、実は―という最後の種明かしも悪くない。しかし、正気を失って別人のようになってしまった優香以外の転生したものたちの末路が放りっぱなしの終わり方が少々残念。あれだけ映画化に執念を燃やしていた松村があまりにもあっさり死んでいるのもあっけないが、事件後の顛末が何も語られないのも説明不足気味。

主演の優香は、感情の起伏が無さ過ぎて演技的には物足りなさを感じるが、最後の狂気の表情は印象に残る。その優香にそっと被害者兄妹の形見の品を差し出して、怯える優香を見てほくそ笑む唯一生き残っていた教授夫人の笑顔も怖い。が、一番怖かったのは、少女の抱えていた人形。物語にはそれほど絡んでこなかったが、あの人形の顔はトラウマレベル。果たしてあの人形をプレゼントされて子供が喜ぶのだろうか!?視聴後もそこが疑問に残って、頭から離れない・・・。

輪廻05

輪廻02





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