2018年08月26日 12:08
2018年08月22日 18:54
![Zombie Lake [DVD] [Import]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/5188DMAZ4DL.jpg)
【原題名】ZOMBIE'S LAKE
【監督】J・A・レイザー
【脚本】ジュリアス・ヴァレリー、A・L・マリオー
【撮影】マックス・モンティエ
【音楽】ダニエル・ホワイト
【出演】ハワード・ヴァーノン、ナディーヌ・パスカル、ピエール・エスコーロー
1980年/フランス=スペイン映画/87分
【STORY】
フランスの片田舎。沼で泳いでいた女性が水中から現れた軍服姿の男に襲われる。実はこの沼は、第二次世界大戦中に待ち伏せにあって全滅したナチス軍人たちの死体が沈められていたところだったのだ。その後も、ゾンビと化したナチス軍人らは、次々に村人たちを襲い、生き血をすする。ナチスゾンビの中に死んだ父親を見つけた村娘は束の間の交流を図るが、最後は小屋に誘い込み、村人に火を放たれたナチスゾンビたちは燃え尽きていく。
【REVIEW】
監督のJ・A・レイザーなる人物はジャン・ローランの変名。この映画、実はジェス・フランコが監督としてクレジットされていたのが本人が投げ出してしまったため、ローランに話が回ってきたというもの。そのためか、肝心のゾンビが襲うシーンがちっとも怖くなかったり(もともと、ローランの映画もそれほど怖くはないけれども)、映画のテンポが恐ろしく悪かったりと、出来栄えは悪い。ゾンビは噛みついてくるものの、血を吸うのに専念して肉は喰らわないため、ゴア度も上がらない。ナチスゾンビの風貌がこの映画の見どころだろうが、登場シーンでもケン・ウィーダーホーンの『ゲシュタポ卍(ナチ)死霊軍団/カリブゾンビ』の方に格好よさでも劣り、自慢できるところがほとんどないのが辛い。沼に泳ぎに来た女性たちがやたらと裸になってくれるサービスはあるが、そもそも濁って水草がプカプカ浮きまくっているお世辞にも綺麗ともいえない沼で泳ごうという気がしれない。ゾンビ映画というジャンルは傑作ゾンビ映画があれば、見るに堪えない屑ゾンビ映画まで幅広い作品群が存在するが、本作は残念ながら出来の悪い方の部類。一度見たら、もう二度と見ることはない気がします・・・。
2018年08月18日 11:38

【原題名】THE FINAL GIRLS
【製作】マイケル・ロンドン、ジャニス・ウィリアムズ
【監督】トッド・ストラウス=シュルソン
【脚本】M・A・フォーティン、ジョシュア・ジョン・ミラー
【撮影】エリー・スモルキン
【出演】タイッサ・ファーミガ、マリン・アッカーマン、アダム・ディヴァイン
2015年/アメリカ映画/91分
【STORY】
マックスの母親アマンダは、スラッシャームービー『血まみれのキャンプ場』に出演していた女優だったが交通事故で死亡してしまう。それから3年後、友人に頼まれて『血まみれのキャンプ場』の上映会に渋々参加することになる。当日、マックスは友人らと劇場で鑑賞を始めるが、途中で火災が発生し館内はパニックになる。マックスらはスクリーンを破ってその裏の非常口から脱出しようとするが、そこは『血まみれのキャンプ場』の映画の中だった。
【REVIEW】
母親を亡くした娘が映画の中に入り込んでしまい、その中で出演していた母親と出会うという展開は割とありそうなストーリーだが、その映画が伝説のカルトスラッシャームービーだったというのが面白いところ。湖畔のキャンプ場にやってきた若い指導員たちが仕事そっちのけでいちゃつき始めると現れる殺人鬼。SEXした者は容赦なく殺されていき、最後に残った処女の娘が対決する・・・と、まんま『13日の金曜日』に代表される80年代スラッシャームービーのフォーマットを持ってきていて、さらに殺人鬼が過去に陰湿ないじめを受け大火傷を負って精神に異常をきたしていたというのももう大定番。その辺のくだりを、マックスの友人の兄が熱く語る場面も面白い。『スクリーム』なんかでもそうだけど、ホラー映画マニアな登場人物がマニアックな映画を熱く語る場面に思わず共感してしまったりするのは、普段の日常でもありがちな場面だからかも。まあ、大抵現実では周囲にその熱さが伝わらずに終わってしまうのがほとんどなんだけれども。
で、映画の方は、なんとか現実世界に戻ろうとあれこれ考える友人たちと、再会した母親と離れたくないマックスの話が並行して描かれ、ファイナルガールズが2人居ては殺人鬼は倒せないと分かった母親が自ら犠牲になっていくあたりはちょっと感動してしまうところ。そんでもって、急にパワーアップしたマックスが殺人鬼の首を鉈でスパーンと撥ねるとエンドクレジットが流れ、気が付くとそこは病院のベッドの上だった。で終わりなんだけど、最後のオチの「続編があった!」もニヤリと笑える。肝心の殺しの場面があっさりしていて、ゴア度を期待すると肩透かしを食らってしまうが、“B級ホラー映画のあるある”を見つけながらのんびり楽しむには丁度いい1本。


2018年08月08日 21:24

【原題名】CANDYMAN
【製作】シガージョン・サイヴァッツォン、アラン・プール、スティーヴ・ゴリン
【監督】バーナード・ローズ
【脚本】バーナード・ローズ
【撮影】アンソニー・B・リッチモンド
【音楽】フィリップ・グラス
【出演】トニー・トッド、ヴァージニア・マドセン、ザンダー・バークレイ、ケイシー・レモンズ、ヴァネッサ・ウィリアムズ
1992年/99分/アメリカ映画
【STORY】
大学院生のヘレンは都市伝説についての論文作成を進めている最中、“鏡に向かってその名前を5回唱えると、キャンディマンが現れる”という噂を聞き調べ始める。キャンディマンが犯人ではないかと噂される殺人事件の現場に向かったヘレンは、そこで奇妙な壁画を発見する。さらに興味本位で鏡に向かって名前を唱えてしまったヘレンの前に背の高い黒人の男が現れる。彼こそが、100年前に白人女性と禁断の恋に落ちたため、残酷な方法で処刑されたキャンディマンだった。単なる都市伝説だと決めつけその存在を否定してきたヘレンは夢か現実かも分からないまま、キャンディマンに追い詰められていく。
【REVIEW】
都市伝説を調査していく過程で触れてはいけないものに触れてしまったため、猟奇殺人事件に巻き込まれ、最後は自分自身がその伝説になってしまった女性の悲劇を映画いたホラー。人を殺す直接的な残酷描写はないが、おびただしい血糊や切り裂かれた死体の描写はあり、血なまぐささは感じられる。しかし、それよりも、伝承の中でしか生きられないキャンディマンが現実に現れ、主人公をあちらの世界にひきずりこもうとするやりとりが幻想的に描かれ、単なるゴアホラーで終わっていない。ヘレンがキャンディマンから逃れようともがけばもがくほど、抜けられない深みにはまっていく流れは心理的に絶望感が溢れていてドンヨリ来ます。特に、殺人犯として追われて病院から逃げ出してきたのに、自宅に戻ったら夫が他の女子大生とデキていたのを発見したときのヘレンの「もう、どうでもいいわー」感が切ない(そのあと、きっちり夫に復讐を果たすが)。また、アメリカに存在する根強い人種差別問題が物語の根底にあり、それが映画全体に重みも与えている。途中、登場する黒人たちの住む団地の怖さは格別、普通、白人女性が一人で行ったら絶対無事に帰ってこれない感が満載だ。この手の題材を扱う映画を見ていて思うのは、触れてはいけないものを見つけたらそっとしておけよ・・・!ということ。「やばそうだな~」と思ったあとには、絶対やばいことになっている確率100%なのに、それでも、首を突っ込まずにいられないのが人間なんでしょうなあ・・・。


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