ラビッド

2011年10月10日 06:44

ラビッド02
【原題名】RABID
【製作総指揮】アイヴァン・ライトマン、アンドレ・リンク
【製作】ジョン・ダニング
【監督】デヴィッド・クローネンバーグ
【脚本】デヴィッド・クローネンバーグ
【撮影】ルネ・ヴェルジェル
【音楽】アイヴァン・ライトマン
【出演】マリリン・チェンバース、フランク・ムーア、ジョー・シルヴァー、パトリシア・ゲイジ、スーザン・ロマン、ハワード・リシュパン、ジュリー・アナ
1977年/カナダ映画/91分


【STORY】
ローズは恋人のハートとバイクで走行中事故に遭い、重傷を負う。最寄りのケロイド医院に運ばれた彼女は皮膚を中性化する手術を受けなんとか一命を取りとめる。しかし、ローズの体には異変が起こっていた。手術の影響で体には謎の器官が生まれていて、彼女は無意識のうちにその器官を使って人間の生き血を吸わなければ生きていけない体になっていたのだ。

さらに、血を吸われた人間も数時間後には狂犬病のような症状になり、他の人間を襲いだす。病院を抜け出したローズは行く先々で犠牲者を増やし続け、やがて街はパニックに陥り、政府は戒厳令を出す。ローズが友人のマンションに身を寄せていることを知ったハートは急いで駆け付けるが、全ての原因が彼女にあることを知り愕然とする。自分が事件を引き起こしていることを自覚していないローズはその場から逃走、自分が犯人なのかを知る為、ある実験を行う。

【REVIEW】
『シーバース』(日本劇場未公開、ビデオで発売時には『~人喰い生物の島』のサブタイトルが付いてました)で商業映画デビューしたデヴィッド・クローネンバーグが続いて発表した1本。手術の影響で未知なる器官が出来た女性。彼女はそれを使って血を吸わないと生きてゆけない体になってしまう。その姿は現代的な吸血鬼であり、彼女に血を吸われて発狂する犠牲者たちはモダンゾンビとよく似ている(正常な人間に襲いかかるが、人肉を食べたりはしません)。やがて、犠牲者は増え続け、モントリオールの街全体に広がっていく・・・。この流れは、クローネンバーグお得意の“テクノロジーの作用により、予期せぬ肉体の変容が生み出す恐怖と悲劇”だ。


このヒロインを演じたマリリン・チェンバースはハードコアポルノでその世界では有名な女優さんらしいが、当時はその話題性もあって『ラビッド』はなかなかの興行成績を収めたそう。実際、彼女の危うい美しさは、自分が生きていくためとはいえ、無意識のうちに他人を犠牲にしないと生きてい行けない悲劇のヒロインという役柄によく合っていると思います。ラスト、自身も犠牲者に襲われ息絶えるローズ。戒厳令の敷かれた市街地の路地で横たわる彼女の死体を、防護服に身を固めた作業員たちが無造作にゴミ収集車に運び込んでいく。あまりにもあっけなく、そして救いようの無い終わり方が、カナダの寒々しい風景と相まって、冷たい余韻を残します。
ラビッド01

ラビッド03ラビッド04




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