ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

2011年12月01日 09:42

ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版 HDリマスター・バージョン [DVD]ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版 HDリマスター・バージョン [DVD]
(2010/11/04)
ゲイラン・ロス、デヴィッド・クロフォード 他

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【原題名】ZOMBIE DAWN OF THE DEAD
【製作】リチャード・P・ルービンスタイン、クラウディオ・アルジェント、アルフレッド・クオモ
【監督】ジョージ・A・ロメロ
【脚本】ジョージ・A・ロメロ
【撮影】マイケル・ゴーニック
【音楽】ゴブリン、ダリオ・アルジェント
【特殊メイク】トム・サヴィーニ
【出演】デビッド・エンゲ、ケン・フォーリー、スコット・H・ライニガー、ゲイラン・ロス
1978年/アメリカ・イタリア映画/119分
【STORY】
突如、死者が甦り、人間に襲いかかり始めた。原因は不明、分かっていることは、彼らが人間を襲うのは人肉を貪り喰うためであり、そして人間社会が崩壊の危機に瀕していることだった。

フィラデルフィアのTV局に勤めるフランは恋人のヘリパイロットのスティーブンと街から脱出することを決意する。途中、友人のSWAT隊員のロジャーとピーターと合流し、4人はヘリコプターで夜空へ飛び立っていく。しかし地上を歩くゾンビの群れは途切れることなく続き、燃料の補給に立ち寄った先でも、襲いかかってくる。悲壮感と披露感が漂う中、郊外のショッピングモールを見つけた彼らは、その屋上に降り立つ。そこには、安全に休息が取れる場所と食料があった。

その後、ショッピングモール内を自由に行き来するために、建物内のゾンビの一掃を計画し、入口をトラックで塞ごうとするが、その途中でロジャーはゾンビに襲われ片腕と片足を噛まれてしまう。苦難の末、出入り口を封鎖に成功し、ゾンビの居なくなったセンター内で自由な生活を謳歌する4人。しかし、ロジャーの容体は日増しに悪化し、息を引き取るが、ゾンビとなって甦る。ピーターは苦悶の表情で拳銃の引き金を引く。

3人になった彼らは静かな生活を送るが、閉塞感に包まれたショッピングモール内とは裏腹に、外の世界ではさらにゾンビの数が増していた。そんな中、武装した強奪団が現われ、モール内になだれ込んできた。ゾンビと強奪団が入り乱れる中、スティーブンは負傷し、ゾンビの群れに襲われる。ピーターはフランに1人でヘリで逃げるように告げるが―。

【REVIEW】
言わずと知れたゾンビ映画のマスターピース。その影響はホラー映画に“ゾンビ”というジャンルを確立させ、その後数多くの亜流作品を生み出させることになった。これだけ有名な作品なだけに、いろいろなところで語り尽くされた感がありますが、再確認も含めてちょっと振り返りたいと思います。

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』発表後、ロメロは『マーティン』や『ザ・クレイジーズ』などの作品を手掛けていたものの、思ったほどの評価は得られず、興行成績も芳しくなかった。そして『ナイト~』から10年、満を持して公開された続編の『ゾンビ』は世界中で大ヒット、ロメロの名は一躍知れ渡ることになる。それまで、日本でもほぼ無名に等しかったが(実際、『ゾンビ』も当初、資金提供で協力したダリオ・アルジェントの名前の扱いの方が大きかったよう)、本作以後、未公開作品も次々にビデオリリースされ、『クリープショー』や『死霊のえじき』も劇場公開、熱烈なロメロファンが生まれる事になる。

『ナイト~』で確立させたモダンゾンビのスタイル(ゾンビに咬まれると感染する、ゾンビを倒すには頭部を破壊しなければいけない、など)は、トム・サヴィーニの特殊メイクを得てよりリアルに実現。掴み出される内臓や、ライフルで吹き飛ばされる頭部などがフルカラーでスクリーンに登場し、公開された年代を考えるとかなりセンセーショナルだったはず(その前に、『ナイト~』の換骨奪胎版『悪魔の墓場』がカラーで劇場公開されてはいましたが)。そして、適度にゆるいアクションとユーモアを加え、娯楽作品としても非常に見応えのある内容に仕上がっている。それは、衝撃を受けた初見のときも、DVDで見直す今現在も変わりません。それだけ、完成度が高いと言えると思います。

そんな『ゾンビ』ですが、多数のバージョンが存在するのも有名。英語圏での権利をロメロ側が、その他(ヨーロッパやアジアなどの非英語圏)の地域をアルジェント側が持つことになり、それぞれが編集したものが出回ったためだが、それぞれ時間や音楽に違いがあり、仕上がった印象はかなり別物になっています。基本的には、ロメロが編集した米国劇場公開版、ディレクターズ・カット版、そしてアルジェント監修版が有名。日本で1979年に初めて公開されたものは、このアルジェント版をベースに残酷シーンをカット、冒頭に惑星の爆発により地上に降り注いだ宇宙線により死者が甦ったという独自のフッテージを挿入したものになっている。さらに、日本でTV放映されたもので、音楽がサスペリアのものに差し替えられたバージョンもあったとか。

で、今回視聴したのはダリオ・アルジェント監修版。米国劇場公開版の127分、ディレクターズカット版の139分に比べると119分と短いが、残酷シーンを中心にテンポ良く編集されていて、なるほど仕上がりはサバイバル・アクションな趣き。全編に流れるゴブリンサウンドもご機嫌で、人気の高いバージョンなのも頷けます。ショックシーンやスプラッタ描写は残して、人間ドラマ部分はバッサリカット、息つく暇さえ与えないゾンビの襲来はまさにこの世の地獄を感じさせます。タイトルは“ZOMBIE DAWN OF THE DEAD"表記で、エンディング・クレジットは黒バックロールにBGMはゴブリンの「サラトザム」。ほのぼのした音楽が流れて終わるロメロ版エンディングと比べると、こちらの方がカッコ良さはダントツ。(ロメロ版のそれは、それで味があるんですが)なんにせよ、ロメロ版とアルジェント版は全く別物と考えた方がいいくらいです。

ホラー映画が好きな人で『ゾンビ』を見たことがない人は少ないと思いますが、もし未見の方はぜひぜひ一度見てください。また、ふだんあんましホラー映画は見ないんだよなあ~・・・という人も、騙されたと思って一度みてほしいです。ゾンビ映画、ホラー映画という枠を超えて、名作であるのに間違いはないです(好き嫌いの好みは人それぞれなんで、血の赤い色を見ただけで気絶しちゃうような方は見ないほうがいいかもしれませんが)。個人的には、オールタイム・オールジャンルでベストの1本です。
ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版01

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド 死霊創世記






コメント

  1. リキマル | URL | 1jhbtX.k

    Re: ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

    昔テレビで「ゾンビ」初めて見て以来、このアルジェント版こそ自分にとっては最高の「ゾンビ」です。
    全編をゴブリンのサントラが鳴り響き、テンポの良い編集で世紀末アクションサバイバルホラーに仕上がっていますね。
    初公開劇場版ではこれをカット&修正で編集し、冒頭に例の惑星爆発シーンを加えて日本独自のオリジナルバージョンになっていました。
    ビデオブームの頃にCICビクターから127分版が出た時にはもうこのアルジェント版「ゾンビ」は二度と見られないのではと心配でしたが、ディレクターズカットと同時配給したくれた時には本当に喜びました。
    スティングレイのDVDBOXでは高画質マスター&テレビ放映の吹き替え入りという文句なしの仕様なのが嬉しいです。
    何度見ても全く飽きることのないマイフェイバリットムービーです。

  2. Aki | URL | -

    Re: ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

    私も、小学生の頃にTVの深夜放送で『ゾンビ』を観て、ホラー映画にはまった人間なので、ロメロのゾンビは特別な思いがあります。初めて見たときの衝撃と言ったら・・・。「こんなおもしろい映画があったのか!?」としばらく頭の中は“ゾンビ”でいっぱいだったのを思い出します。(今も、たいして変わらない気もしますが・・・)

    それにしても、何度見ても本当に飽きない、かつ何度見てもおもしろい作品なんて、ほかにそうそうあるもんじゃない、素晴らしい映画だと思います。

  3. リキマル | URL | Ef5G3OlI

    Re: ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

    日本オリジナルの珍バージョン「サスペリア版」ですが、「ゾンビ」のテレビ初放映(木曜洋画劇場)で放映を待ちわびた「ゾンビ」ファンが鑑賞しながらパニックになったことで有名ですね。
    放送時のサブタイトルは「地球SOS 死者が甦った日」というなんとも味のある演出です。
    この製作経緯はスティングレイから出た「新世紀完全版DVDBOX」のブックレットでようやく明かされましたが、BGMのみならず銃声やタイピング音、屋上でのテニスシーンなどの効果音すべてが入れ替わっていたのにはちょっと意外でした。
    正確にはゴブリンの「サスペリア」と「ローマ麻薬ルート大追跡」のサントラ+海外プログレアーティストのアルバム曲も数曲使われています。(オープニング&ショッピングモール到着時)
    たしかニコニコ動画などでもアップされていたので機会がありましたら是非見て下さい。
    ピーターのラストのセリフにはびっくりします。

  4. Aki | URL | -

    Re: ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

    「赤ん坊を育てる場所を見つけなきゃ・・・」

    「まかしとき!」

    たしかに、この終わり方はびっくり!
    ある意味、貴重なバージョンですね。

  5. リキマル | URL | Qi8cNrCA

    Re:ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

    こんにちは。
    12月にいよいよ「ゾンビ」3バージョンが国内ブルーレイ発売ですね。
    発売はDVD単品版をリリース中のハピネットです。

    現段階で発表されている仕様は、DVD単品版をそのままのブルーレイ化のようで新たな特典も無くて正直がっかりです。
    ブルーレイ化で高画質の鑑賞は確かに嬉しいことですが、せっかくの発売に合わせて新たな特典収録を検討して欲しいと思います。
    3バージョン収録BOX35周年記念究極版(?)にはたった16P解説書付きというなんとも微妙で、これのどこが究極版でしょうか。

    出来れば2種の復刻パンフレット、米アンカーベイのDVDBOXに収録されたキャスト&スタッフのインタビュー満載の特典映像などを入れて欲しいですが。
    発売までは数ヶ月あるので今後の情報に期待したいです。

  6. Aki | URL | -

    Re:ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

    こんばんは~。

    ホントだ!『ゾンビ』のブルーレイ出ますね。お知らせ、ありがとうございます。

    でも、確かに、この収録内容はいかがなものか・・・!?画質、音質は進化していて当たり前・・・それだけでも嬉しいですが、この特典の少なさは???

    35周年記念究極版の名前が泣きますね。それとも、まだ何か隠し玉でもあるのか?無いのか?

    BOXだけでなく、単品でも発売するのは良いと思いますが、数年後に特典を追加した最終版とかを商魂逞しく出してきそうで、嫌な予感がします・・・。

    とりあえず、後で記事にも載せてみようと思います。DVDまだ持ってない人は買ってもいいかもしれないけれど、今あえてロメロの『ゾンビ』を購入する人はコアなファン以外にはほとんどいないと思うし、そういう人ならば当然DVDも持ってると思うし。これ以上、無駄な出費を強要するのはやめて欲しいですね~。

  7. 田中孔治 | URL | -

    Re:ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

    大夫前に、このゾンビ劇場公開映画見ましたがダリオアルジェント監修版は、映画ではないが、ビデオになってから、多数の別になってしまい、そもそも、一本にすればいいのにと思って居ります。劇場公開映画では、惑星爆発してタイトルに出てくるのを当たり前ですが、ビデオから、DVDに変わりになってから、5枚セット新しい販売になってしまい、その中に、惑星爆発シーンタイトルが無かったために、もう、悔しく思います。ブルレイに、新たな、もう一度惑星爆発シーン付きにして欲しいです。

  8. Aki | URL | -

    Re:ゾンビ ダリオ・アルジェント監修版

    この惑星爆発シーンで始まる、日本独自の仕様はある意味貴重なヴァージョンでしょうが、ソフト化される可能性は極めて低いのではないでしょうか。ゾンビ発生の原因に惑星爆発を絡めて説明していたり、セリフもところどころアレンジしてあって、これはこれで面白いのですが、肝心のゴアシーンが大幅カットで魅力半減です。TV放映のためやむを得なかったのでしょうが、ゴアシーンの消えた『ゾンビ』って、カツの入っていないカツ丼のようなもの。ほとんど別物です。

    ただ、ホラー映画がゴールデンタイムに全く放映すらされなくなった現在と比べると、バシバシ流れていたこの頃はなんていい時代だったのかと思います。

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