サンゲリア

2009年12月11日 00:48

サンゲリア1125
【原題名】ZOMBIE2
【製作】ウーゴ・トッチ、ファブリ―ゾ・デ・アンジェラス
【監督】ルチオ・フルチ
【脚本】エリザ・ブリガンティ
【音楽】ファビオ・フリッツィ、ジョルジョ・トゥッチ
【特殊メイク】ジャネット・デ・ロッシ
【出演】イアン・マカロック、ティサ・ファロー、リチャード・ジョンソン、オルガ・カルラトス
1980年/イタリア映画/91分


【STORY】
ニューヨーク。湾内を漂流する無人船を調査していた警官が、潜んでいた全身腐乱状態の男に襲われる。警官の1人が喰い殺され、男は全身に銃弾を浴びて海中に姿を消した。事件を取材に来た新聞記者のピーター(イアン・マカロック)は、船の持ち主の娘アン(ティサ・ファロー)と出会う。彼女の父親がマツール島へ向かったまま消息不明になっているのを知り、2人はマツール島へ探索に向かう。

一方、マツール島では原因不明の奇病が蔓延していた。この病気にかかって死ぬと、2日後に甦って人間を襲うのというのだ。この島で病気の研究に取り組んでいたメナード医師(リチャード・ジョンソン)と出会ったピーターたちは、この事実を聞かされ驚愕する。そして、半信半疑なピーターたちの前に、腐った体を引きずった死者の群れが次々に姿を現すのだった。

【REVIEW】
劇場公開がロメロの『ゾンビ』の後だったこと、紛らわしい原題名などから“所詮、二番煎じじゃないか”と厳しく揶揄されたりもしたようだが、リアリティーに徹したロメロに対して、こちらはひたすら残酷描写に熱を注いだ結果、ひ弱なストーリー(一応、ゾンビの発生原因にブードゥーの匂いを漂わせているが、それ以外のオリジナリティーは薄い)を忘れさせてあまりある、ショックシーンのつるべ打ちで大ヒットとなりました。

有名な眼球串刺しシーン、カニバリズム、噴き出す血しぶき、そして、土中から立ちあがってくる腐乱したゾンビの群れ、また群れ。見た目にも分かる低予算な作りながら、映画の見せ場を作りあげた特殊メイクのジャネット・デ・ロッシの仕事ぶりは見事。『ゾンビ』の顔色の悪そうなゾンビとは対極の、腐って腐って、腐りまくったゾンビの造形は、ある意味特殊メイクの神様トム・サビーニを越えているのではないでしょうか。

この後、フルチは『サンゲリア』のヒットを受けて、『ビヨンド』や『地獄の門』などの一連のゾンビ物を監督していくことになりますが、ゴアシーンは素晴らしいもののストーリーは難解の一途を辿り、特に続編の『サンゲリア2』などを見ると「サンゲリアはなんてまともな映画なんだ」と感じずにはいられません。それだけ晩年のフルチ作品の質は悪化していくばかりだったようです。

『サンゲリア』といえば、必ず思い出させるのが海底ゾンビvsサメの場面。本編とはほとんど関係のないシーンですが、何故海にゾンビが居たのか?何で、サメと戦うのか?疑問は多々あるが、説明はありません・・・。しかし、忘れられない迷シーンです。
サンゲリア1126-1
サンゲリア1127-1


【DVD】

最初に発売されたのが、2001年のJVD版。
1枚組で、特典は予告編くらいしかない(JVDの他作品の予告編集ははっきりいって興ざめ)。本編は少しざらついた粗い印象。まあ、それがまたサンゲリアの舞台と丁度いいのかもしれませんが。音声は英語のモノラルのみ。ただジャケットは、眼からミミズを垂らしたゾンビをメインに、メナード夫人の内臓ぶちまけ解体シーン、ふらつくゾンビ集団、体を燃やされるゾンビなど、盛りだくさんでなかなか素晴らしい出来。当時、レジに持っていくのがかなり恥ずかしかった記憶があります。(一般の人ならひきますよね・・・)

2005年に同じくJVDから発売されたのが、『サンゲリア・25TH ANNIVERSARY SPECIAL EDITION』。
キャスト&スタッフの膨大なインタビュー集、オリジナル予告編、ラジオスポット、スチール集、スタッフ&キャスト紹介などの特典ディスクを付けた豪華2枚組。
本編ディスクもグレードアップした鮮明な映像と、5.1chサラウンドを含む英語版、イタリア語版、解説など7つのトラックを収録。『サンゲリア』を一番素晴らしい状態で鑑賞できるバージョン。
ただ、惜しむらくはジャケットデザインがイマイチなこと。眼球串刺しシーンをメインにしたものだが、なんとなく安っぽい感があって惜しい。2枚組のセールスシールがパッケージの外側ではなく、内側のジャケット本体に貼られているのも少々不親切。
だが、それ以外はほぼ完ぺき。この先、BDが出れば分かりませんが。

2006年に出たのが『廉価版サンゲリア』。前年に出た、アニバーサリー・エディションから特典ディスクを抜いたもの。安いのが魅力。特典ディスクに興味の無い方はこちらをどうぞ。
ジャケットは、映画冒頭シーンで出てくる腐乱デブゾンビ。

2009年発売の最新版が『サンゲリア パーフェクト・コレクション』。発売元はキングレコード。
今まで収録されていなかった日本語吹き替え版(昭和57年にTV放映されたもの)を加えたのが今回のセールスポイント。他には初回特典として、BOX仕様、オールカラー12P解説付ブックレットなどが付いています。
今回も、インタビュー集の特典は付いているが、JVD版よりも内容がカットされているもようです。そして、本編と特典を1枚のディスクに収めているため、かなり圧縮されているのでは。マスターは同じもののようですが。
日本語吹き替え版が欲しい人は買いかもしれないが、こだわりがなければ25周年記念版の方がオススメです。


コメント

  1. たかひろ | URL | -

    初めまして。

    たまたま、このブログを拝見しました。
    素晴らしいですね!
    懐かしくて、ネットでパーコレを注文しました。連投OKなら、また観た感想を書かせて頂きます。
    確か中三でサンゲリアを劇場で観て、2年前のゾンビが急速に過去の作品になってしまったことを覚えています。
    それでは失礼致します。

  2. Aki | URL | 135frwwY

    Re: サンゲリア

    こんにちは。
    こんな拙い文章を読んでいただきましてありがとうございます。感想寄せていただけるのは、とても嬉しいです。
    『サンゲリア』公開時、某飲料メーカーのサンガ○アと混同して、友達とギャグにして話していたのが、映画の内容を見て仰天したのを思い出します。今では、地上波で放送するのも難しいんではないでしょうか。ホラー映画全盛だった頃が懐かしいですね。
    ぼちぼち記事も増やしていこうと思いますので、よろしくお願い致します。

  3. たかひろ | URL | -

    Re: サンゲリア

    やっとパーコレを観終えました。
    いや~面白かった!懐かしかった!
    30年前にかなり大きな劇場で観た時は、メナード夫人の遺体をサング達が食べてるシーンに思わず目を逸らしたのですが、今回は普通に観れました(笑)。
    二枚組みでも無いのに値段が少々高目だったのが不満だったのですが、美しい画質だったので納得です。
    シネフィルの友人は、
    「『サンゲリア』より『ビヨンド』の方が勝ってる」
    と言うので、再発売された「ビヨンド」も欲しいのですが、「サバイバル・オブ・ザ・デッド」を先に買いたいし(笑)、2010年はホントに「イヤー・オブ・ザ・ゾンビ」で、マニア泣かせの年です。
    明日は、パーコレの特典映像と日本語吹き替えver.を観て、放送局の規制が緩かった古き良き時代を楽しむことに致します。
    Akiさん、本作をブログで紹介してくれて本当に有難うございます。

    PS.少し前にニコニコで「地獄の門」を観ましたが、製作年度を考慮すると、充分に合格点を付けられる作品でしたね。

  4. Aki | URL | -

    Re: サンゲリア

    『サンゲリア』と『ビヨンド』、どちらが勝っているのか!?なんとも答えが出しづらいですねえ。まだ、まともに筋が通っている『サンゲリア』の方が、映画としての出来はいいと思いますが(あくまでホラーというジャンルで、かつフルチ作品としては)、残酷場面オンパレードでプロット無視しまくりの『ビヨンド』の潔さも捨てがたい。音楽も雰囲気出ていていい感じ♪

    『地獄の門』~『墓地裏の家』まで、この頃のフルチの作品は本当に素晴らしい。(その後が酷すぎる気もしますが・・・)結局、どれもこれも魅力的なので、あとは個人のお好みということで!

  5. たかひろ | URL | -

    ジャケ買い

    先日、JVD版の『~廉価版』をネットで購入しました。
    Akiさんのレビューで初めて廉価版のジャケットを見て欲しくなったのですが、僕はアマゾンでは無く、義理で楽天を利用しているので、楽天の中古市場で色々と探した上での購入となりました。
    パーコレはバタリアンズファンの友人に譲ったので、久し振りに作品を見直したのですが、やっぱり面白いですね(笑)。惚れ直しました!
    フルチ万歳!!!(笑)

  6. リキマル | URL | 1jhbtX.k

    Re: サンゲリア

    この作品、昼間のテレビ放映で初めて見て衝撃を受け、その後レンタルビデオで鑑賞、SONYのレーザーディスク2枚組を奮発して購入、海外DVD、JVD版DVD、パーフェクトコレクションも購入と本当に好きな作品です。
    数多いソフトの中でベストジャケットは米アンカーベイのDVDで当時のアメリカ公開ポスターと同じ例のミミズサングのアップのみという大変シンプルな
    やつが気に入っています。
    JVDの2枚組本編を見たときはあまりの高画質でまた感動しました。
    ロメロの「ゾンビ」も大好きですが、この「サンゲリア」も何度見ても面白い
    ですね。

  7. Aki | URL | -

    Re: サンゲリア

    私も地上波で初めて本作を見た時、ぶっ飛んだ記憶があります。(確か休日の昼間、2時~4時とかのまったりした時間帯でした!)
    今では、絶対に放送されないであろう内容のオンパレードですが、当時は本当にいい時代でした。
    リキマルさんも、かなり「サンゲリア」にはまっておられますねえ!私もLDはすごく欲しかったんですが、結局買えずじまいでした。そう思えば、手頃な値段で、良い画質でDVDやBDなどのソフトが買える今は恵まれているのかもしれませんねえ。

  8. リキマル | URL | 1jhbtX.k

    Re: サンゲリア

    初めて地上波で見たのが山陽放送(香川です)で14:00-15:25の放映時間帯でした。
    当然ながらほとんどの残酷シーンとサングVSサメもカットでしたね。

    数年前に海外コミック版(サントラCD付き)というのが出てますが、このコミックの中身が映画版をよりグレードアップした内容らしいです。
    限定版だったので買いそびれてしまい、その後も中古で探しているのですが見つかりませんね。

  9. Aki | URL | -

    Re: サンゲリア

    こちらの局は和歌山放送だったような気がします。ローカルですねえ。深夜ではなく、真昼間に放映というのもすごいです。ところどころカットされていたのはやむを得ないでしょうね。

    サングVSサメのシーンも無かったですねえ。ダイビング中に海ゾンビに驚きながらも、女性がからくも逃げた後、サメとの格闘シーンになるはずなんですが、私が見たやつも、サメしか画面に映らず、海上に出て船に戻ったときも「う・海の中にサメがいたの・・・!」みたいなセリフで終わってたような気がします。

  10. リキマル | URL | 1jhbtX.k

    Re: サンゲリア

    10月にアメリカのブルーアンダーグラウンド社からブルーレイ2枚組が発売予定です。
    ジャケットデザインも今回センスいいものになっています。
    予定ですが、本編は日本語字幕も収録らしくてちょっと期待したいです。
    これでまた「サンゲリア」のソフトコレクションが増えますが。

  11. Aki | URL | -

    Re: サンゲリア

    ビデオ→LD→DVD→BDと、ソフトが変わるたんびに増えていくコレクション。DVDだけでもいくつも出ているのに困ったもんです。でも、『サンゲリア』のブルーレイは欲しいなあ。

  12. リキマル | URL | Ef5G3OlI

    Re: サンゲリア

    少し前になりますが海外版ブルーレイ、発売されたので即効購入しました。
    本編のみですが日本語字幕付きという嬉しいオマケ付きです。
    再生したメニュー画面もなかなか凝ってますね。
    Akiさんも既に購入済みかもしれませんが、期待通りの高画質になっていてさらに残酷シーンのグロ度がアップしています。
    特典ディスクではホラーコンペでの主要キャストへのインタヴューが入っていますが、イアン・マッカロック(ピーター)、リチャード・ジョンソン(メナード医師)、アル・クリパー(ブライアン)が揃って登場していたのでちょっと感動です。
    できればティサ・ファローら女性陣にも登場して欲しかったです。
    この作品こそ「ゾンビ」に並ぶゾンビ映画のマスターピースですね。

  13. Aki | URL | -

    Re: サンゲリア

    日本語字幕も収録されていて、サングファンなら買いの1枚ですね。ゴア・シーンは画質が良すぎて鮮明な分、なんだかいかがわしさが減ってしまったかもと思いましたが、30年以上たった今でもやっぱり強烈なインパクトがあります。この雰囲気はCGじゃ表現できない!何度観ても、飽きない作品の1つです。

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