サンゲリア2

2009年12月18日 02:03

サンゲリア2 04

【原題名】ZOMBI3
【製作】フランコ・ガウデンツィ
【監督】ルチオ・フルチ
【脚本】クラウディオ・フラガッソ
【音楽】ステファノ・マイネッティ
【出演】デラン・サラフィアン、ビアトリス・リング、アレックス・マクブライド、リチャード・レイモンド
1988年/イタリア映画/90分


【STORY】
東南アジアの研究所で極秘裏に開発された生物兵器「デス・ワン」。それを運搬中にテロリストの集団の襲撃に遭い、強奪されてしまう。テロリスト集団の一人は逃げる途中で、このデス・ワンに感染してしまう。苦しみもがきながら、逃げ込んだホテルで、感染は拡大。軍は逃亡先でテロリストを発見し、焼却するが、舞い上がった煙によって空中の鳥にも感染、凶暴化した鳥は人間を襲い始め、さらなる感染が広がることになる。感染した人間はゾンビ化し、他の人間を襲い始めるのだった。

休暇中の軍人のケニーたちは鳥ゾンビに襲われていた若者たちと廃墟化していたモーテルに逃げ込むが、そこにもゾンビたちが押し寄せてくる。何人かが犠牲となり、なんとか脱出を試みるが、皆殺し作戦で事態の収拾しようとする軍部とも戦うハメになる。ケニーたちは生き残ることができるのか!?

【REVIEW】
あの『サンゲリア』の続編ということで期待半分、いろいろな悪評を耳にしていたので冷やかし半分で視聴したものの見事に玉砕。数あるゾンビ映画の中でも最底辺の出来といえる作品になってしまっています。とりあえず、いいところを探すのは至難ですが、目を覆うばかりの酷いシーンは多々あります。

一番の原因は監督のルチオ・フルチが体調を崩して途中降板し、後をブルーノ・マッティ(ヴィンセント・ドーン)が引き継いで完成させてしまったこと(公けではないですが、そういう説が主流のようです)。フルチのゾンビ像は頭を垂らしてふらつきながら人間に近づいて襲うタイプだったはずなのに、本作では勢いよく飛びかかるゾンビに変わっています。頭上から飛びかかってきたり、首を締めにきたりと、やたらとアクションしたがるゾンビが続出。さらに蹴ったり投げ飛ばしたりと応戦する主人公たち。この微妙なアクション演出がフルチらしからぬ感を醸し出しているような気がします。

さらに、行き当たりばったりな脚本を書いたクラウディオ・フラガッソ。ゾンビ発生の原因が化学兵器だったり、ゾンビを燃やしたら煙になって、さらに感染が拡大するところなど、まんま『バタリアン』からのいただきですね。場所が東南アジアで、化学兵器が登場するということでは、マッティ監督の『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』にも似ています。

ご都合主義的な展開も、恐怖度を盛り下げる要因になっています。ただのモーテルにマシンガンや火炎放射器がなぜか置いてあったり、ゾンビに囲まれた主人公たちがトラックの下になぜか落ちていた手榴弾を使ってゾンビを蹴散らしたり、ふと気がつくと「どうぞ使ってください」と言わんばかりにヘリコプターがあって、脱出できたり・・・と、スムーズにお話しが進んでいきます。それに、ゾンビは喋っちゃいかんと思うのですが、ヒロインを襲う元恋人ゾンビと、ラジオのDJゾンビは普通に会話してしまいます。ほかのゾンビは「あ~」とか「う~」なのに、この2人はなぜか話すことが出来ています。『バタリアン』のゾンビも喋っていましたが、本作の方は適当に喋らしているような感があります。

とまあ、悪いところを言い出したらきりはないんですが、ゾンビ映画ファン、フルチファンなら避けては通れない道だと思って見るしかないでしょう。一般の方は見てても、辛いだけかもしれませんが・・・。

原理は不明ですが、突然冷蔵庫から首だけなのに飛び出して襲いかかる首ゾンビ、通常の人間の3倍くらいのスピードで動いて鉈を振り回す“寛平ゾンビ”など異色ゾンビもいて、見所といえば見所かも。


コメント

  1. リキマル | URL | 1jhbtX.k

    Re: サンゲリア2

    この作品、久しぶりに見たのですがこんなに酷い出来だったんだと改めて痛感しました。
    これは絶対にフルチ作品ではないですね。
    「サンゲリア」「ビヨンド」ではゾンビを倒すのはヘッドショットをきちんと見せたフルチがこんないい加減なゾンビ映画を撮ったとうは到底思えません。
    ビンセント・ドーンが代役で完成させたとの一般的な噂ですが、実は脚本担当のフラガッソが完成させてしまった様に思えてしかたありません。
    フラガッソの同時期の監督作「ゾンビ4 アフターデス」と作風が似すぎですし。
    「サンゲリア」のタイトルを名乗って欲しくない最低なゾンビ映画でした。

  2. Aki | URL | -

    Re: サンゲリア2

    ゾンビ映画のワースト10を集計したら、間違いなくトップ3に入ってくるだろう本作。製作者たちは、こうしたらおもしろくなるだろうとか、観客が喜ぶシーンを撮ろうとか、思わなかったんでしょうか。もし、そう思って真面目に作ったのがこの結果なら、どうしようもないのですが。

    私も、こんなアクションしまくりのゾンビ映画はフルチの作品と名乗ってほしくないですね。全力疾走するゾンビですら違和感ありありと感じるくらいなので・・・。

  3. フルチン | URL | -

    作品自体は嫌いですが、寛平ゾンビは嫌いではありませんw

    『サンゲリア』におけるミミズゾンビ的な位置付けかも。

  4. Aki | URL | -

    Re: サンゲリア2

    走るゾンビがメジャーとなった今では、高速で動くゾンビは普通になってしまいましたが、やっぱりあの動きはすごい違和感があります。そして、その攻撃を全てよけてしまうお姉ちゃんも素晴らしい。武術でも習っていたんでしょうか。

  5. リキマル | URL | 1jhbtX.k

    Re: サンゲリア2

    先日、ホラーマニアックス4期からDVD発売されましたが、どうも鑑賞者のレヴューを見ると今回の画質はリマスターが不完全でよくないそうです。
    フルチが約70分を撮影したものを編集し、その追加分をビンセント・ドーンが代わって完成させたという証言らしいですがこの話もどうも本当のようには思えません。
    殆どをビンセント・ドーンと脚本のフラガッソが共同で作ったとしか思えないのですが。
    つい先日改めて旧版で見直しましたが何度見てもつまらない出来です。
    ラスト近くのシーンなんてマシンガンを適当に撃ってるだけでゾンビの集団が全員揃って倒れてくれるという手抜き演出に呆れます。
    こんなものまでリリースしてホラーマニアックスのタイトルが泣きそうですね。

  6. Aki | URL | -

    Re: サンゲリア2

    「元々は、フルチ監督作品と公表されていた」

    →「フルチは体調不良で途中降板し、続きはビンセント・ドーンが撮った」

    →「実は、フルチはあまり関わっておらず、ほとんどの部分はフラガッソとドーンが作ったものだった」

    ・・・こんなオチでしょうか。(ただし、真相は闇の中?)

    出来があまりに惨たらしいので、いろいろな憶測を呼ぶ、ある意味話題作・怪作ですが、おもしろくないと分かっていても見てしまうのは、何なんでしょうか。一種の麻薬みたいな感じ!?それとも、ゴミのようなゾンビ映画が増殖したため、皆さん慣れてしまったのかも。

    名作『サンゲリア』の続編と謳っていなければ、ここまで論議を醸し出さなかったはずですが、話題性だけでも存在意義はあるのかな・・・という気もします。

    しかし、せっかくのデジタル・リマスター版として再発しているんだから、画質がイマイチだったら、残念ですね。

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