悪魔のいけにえ

2010年09月22日 14:23

悪魔のいけにえ01
【原題名】THE TEXAS CHAIN SAW MASSACRE
【製作】トビ―・フーパー
【監督】トビ―・フーパー
【脚本】トビ―・フーパー、キム・ヘンケル
【音楽】トビ―・フーパー、ウェイン・ベル
【撮影】ダニエル・パール
【出演】マリリン・バーンズ、アレン・ダンジガ―、ポール・A・パーテーン、ウィリアム・ヴェイル、デミー・マクミン、ジム・シド―、ガンナ―・ハンセン
1974年/アメリカ映画/84分


【STORY】
1973年8月。真夏のテキサスをドライブしている5人の若者たち。途中、ヒッチハイクの男を拾う。ナイフで自分の手を切りつけ喜ぶ男の異常さに、当然車から放りだすが、それはこれから起こる惨劇の幕開けに過ぎなかった。

彼らは、サリーと彼女の兄で足が不自由なフランクリンが子どもの頃過ごした屋敷に立ち寄る。カ―クとパムは小川に泳ぎにでかけるが、途中で白い家に立ち寄る。声をかけるが誰も出てこない。家の中へ入ったカ―クは、突然現れたレザーフェイスに撲殺される。後を追って中に入ったパムもこの大男につかまり、屠殺場の鉤爪に吊るされる!

戻って来ない2人をジェリーが探しに行くが、やはりレザーフェイスにやられ、フランクリンもチェーンソーで切り刻まれる。一人残ったサリーはガソリンスタンドに助けを求めるが、逆に捕えられ例の家に連れていかれてしまう。やがて、冒頭の怪しいヒッチハイクの男も家族だとわかり、ミイラ同然の祖父も登場。勢ぞろいした殺人一家が繰り広げる地獄の宴に、サリーの恐怖は極限に達する。

【REVIEW】
ホラー映画の歴史を塗り替えた傑作がこの『悪魔のいけにえ』。低予算製作ながら、公開されるやいなや大ヒットを記録。マイナーデビューだった監督のフーパーは、これ一本でハリウッド入りを果たしたのだからたいしたものです。(ちなみにメジャー1作目は、大ガマを振り回す殺人鬼と人喰いワニが登場する『悪魔の沼』)“最も怖い映画”として、後に数多くの作品に影響を与えた本作は、ニューヨーク近代美術館にそのフィルムが永久保存されているほど。

それほど映画史に残る作品ながら、初めて見たのはビデオレンタルで、映像は粗かった記憶があります。で、DVDを買ったのも最近。初期リリースされたものが廃版になってから、権利関係でなかなか再発されなかったようですが、やっとキレイな画面で見直すことができました。(今ではBDも出てますが)

あらためて見てみると、陰湿で不気味な雰囲気はいっこうに衰えておらず、画面に血がほとんど出ないのに、ショックシーンでの怖さは特筆もの。説明不要で惨劇に巻き込まれる若者の不条理さ、有無を言わさぬレザーフェイスの残虐さ。ドキュメンタリータッチで淡々と撮ったフーパーの狙いは、想像以上の効果を上げています。予算の都合で16mmで撮影された粗いフィルムの映像も、リアルさを出すのに一役買っています。

人骨で作られた家具、羽毛で真っ白に埋まった部屋。異様な環境に登場する異常なキャラクターたち。家畜を屠殺するように何のためらいも持たずに殺人を犯すレザーフェイス、人肉ソーセージを作るオヤジ、ミイラと化しているじいさんは人の生き血をすする。そして、ヒロインの絶叫に歓喜の声をあげ喜ぶ姿は、背筋が寒くなる。(母親か祖母らしきミイラも登場するが、生死は不明)

途中、長時間にわたって続く、サリーとレザーフェイスの追いかけっこは息が詰まりそうで、その後の殺人一家によるいたぶられ方も痛々しい。物語後半、悲鳴を上げ続けるマリリン・バーンズの演技もリアルだ。恐怖にひきつった顔、極端な目のアップを写すなど、カメラワークもその異常さを醸し出している。ラスト、朝焼けの中、チェーンソーを振り回すレザーフェイスの姿は、幻想的で美しさすら感じさせ、瞼に焼きつきます。







コメント

  1. たかひろ | URL | -

    Re: 悪魔のいけにえ

    この作品はホラー映画ブームの頃に観ました。
    まだ、レンタルビデオ屋が普及してなくて、大阪の新世界の映画館で『寅さん』と『仁義なき戦い広島死闘篇』の三本立てで観ました。
    確かにラストのヒロインの狂気に満ちた笑顔は忘れ難いですね。
    後日、一緒に観に行った同級生のOの家に遊びに行ったら、お父さんとお祖父さんと叔父さんの4人暮らしで、思わず、
    「お前の家は『悪魔のいけにえ』か」
    とツッコミを入れた事があります(笑)。
    あの頃はPCが無い時代だったので、本作の情報を手に入れるのが大変で、古本屋でホラー関係の本を買い漁ってました。
    いい思い出です。

  2. Aki | URL | -

    Re: 悪魔のいけにえ

    いいですね、ご友人のご家族。『~いけにえ』みたく、長テーブルでディナーなんかをされてたんでしょうか(笑)。

    確かにネットが普及するまでは、なかなか情報を得るのは大変でしたよねえ。こちらは和歌山なんですが(しかも田舎です)、本屋も少なければレンタル店もまばらで、観るのも一苦労。古本屋をハシゴしたり、通販で取り寄せたり。手間ひまはかかりましたが、それだけ見れたときの喜びも大きかったものです。楽しい時代でした♪

  3. 迷子 | URL | SiG0sHTk

    Re: 悪魔のいけにえ

    名作ですね。
    ちなみに、この作品はトビー・フーパーを初めスタッフはビールを飲み、構想を練りながら撮影してたらしい。
    さらに、ヒロインのヌードシーンを撮ろうと、なんとかして裸にする展開を考えたらしいです。
    結果的にヌードシーンはボツになったけど、シャツの下の乳頭がクッキリ写っててエロかった・・・。
    マリリン・バーンズって出演作が少ないのが残念ですが大好きな女優さんです。

  4. Aki | URL | -

    Re: 悪魔のいけにえ

    仕上がりは怖い作品なのに、撮影現場は意外と和気あいあいとしていました―。ってけっこう聞きますが、『悪魔のいけにえ』もそんな感じだったのでしょうか。メジャー作品にはない、手作り感がいい方向に出たのかもしれないですね。(大手の会社はお偉いさんの意向がうるさいらしいですし)

    ヒロインのマリリン・バーンズ、いいですね。ホラーはやっぱり、キレイな女優さんがコワイ目にあってナンボのものでしょう!

  5. リキマル | URL | Ef5G3OlI

    Re:悪魔のいけにえ

    次回の新作は「屋敷女」の監督コンビで製作されるようで、第1作の前日譚となるみたいです。
    このシリーズ、レザーフェイスの人気で本当に息の長い人気タイトルですね。
    このオリジナルは超えられないにしてもリメイク版など良作もあってやはり新作は楽しみになりますね。

    「ハロウィン」シリーズはロブ・ゾンビ版2作で止まってしまいましたが、こちらもそろそろ新作を発表してほしいところです。

  6. Aki | URL | -

    Re:悪魔のいけにえ

    また新作が作られるのか・・・!でも、シリーズも長くなると、ある意味今度はどんな展開を持ってくるのか、やっぱり興味が湧いてきます。1作目を越える映画を作るのは不可能だと思われますが、違うアプローチでレザーフェイスを見せるのは可能なはず。そんだけ、レザーフェイスが魅力的なキャラクターだということなんでしょうが。それにしても、前日譚を描く!というのも多いですね。

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