ゾンビ サスぺリア版

2015年05月07日 23:45

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【原題名】DAWN OF THE DEAD
【製作】リチャード・P・ルービンスタイン、クラウディオ・アルジェント、アルフレッド・クオモ
【監督】ジョージ・A・ロメロ
【脚本】ジョージ・A・ロメロ
【撮影】マイケル・ゴーニック
【音楽】ゴブリン、ダリオ・アルジェント(オリジナル版)
【特殊メイク】トム・サヴィーニ
【出演】デビッド・エンゲ、ケン・フォーリー、スコット・H・ライニガー、ゲイラン・ロス


【REVIEW】
1980年、木曜洋画劇場で当時目玉としてされたロメロの『ゾンビ』のTV放映。しかし、実際に放映された内容は、残酷シーン大幅カット、そして劇場公開時で流れていたゴブリンのBGMは一切使用されず、代わりに『サスぺリア』のBGMが使われていた・・・。同じゴブリンとはいえ、全く別の映画である『ゾンビ』に『サスぺリア』の曲が流れているのは違和感甚だしいし、今からすれば考えられない話ですが、なぜ、そうなってしまったかは、DVD『ゾンビ 新世紀完全版 5枚組DVD-BOX』付録の冊子に詳しく記述されているので、持っている方はもうご存知でしょうが、意図的なものではなく、製作時間がなかった、サントラが用意できなかった、など予期せぬアクシデントが重なり出来上がってしまったとのこと。そんな“珍ヴァージョン”な本作ですが、作品が作品なだけに、30年以上たった今でも話題に上ることがあるわけです。

ほかにも、TVサイズに収めるためと、ゴールデンタイムで放映するため残酷シーンは軒並みカット!プエルトリコ人が住むアパートをSWATが強襲する場面や、クライマックスの暴走族がゾンビに内臓を抉り出されるシーンなんかはまるまる無くなり、何が何だかよくわからん流れになってしまっています。その他にも、残酷シーン以外でもバシバシカットされていて、ある意味テンポの良さはアルジェント監修版よりもリズミカル!その代わりに、冒頭の惑星イオスの爆発シーンは収録されていて、TV中継の場面でも、学者が「惑星の爆発により宇宙線が降り注ぎ、その影響で死者が甦り・・・」という日本独自の解釈が展開される羽目になっています。また、唐突に挿入されるタイトルが『ゾンビ 地球SOS 死者が甦った日』というのも、レトロさが滲み出ていて、なんとも言えない哀愁さえ感じさせてくれています。

TV放映までの製作時間がタイトだったためBGMが差し替えられたのが最大のトピックですが、それ以外にもオリジナルから変わっている個所はけっこうあります。特に気になるのは、銃声とタイプ音。TV中継で画面下部に流れるテロップのタイプ音がありえない効果音に変わっていて、思わずギャグ!?かと耳を疑ってしまうほど。しかもそれが何度も続き、笑ってしまいます。また、ピーターのテニスの壁打ちの場面でのボールの跳ねる音もこれまた気の抜けたありえない音に!音響担当者は本当にホラー映画だと分かっていて使用したのか、一度聞いてみたいところ。かなり笑えます。

極めつけはラストのピーターとフランのセリフでしょうが、こんなヴァージョンが日本に存在していたのかと思うと、驚きを通り越してある意味微笑ましく思ってしまうほど。時代が生んだ珍ヴァージョンですが、改めて本家『ゾンビ』の偉大さを感じさせてくれたわけで、ソフト化されることはないでしょうが、記憶のどこかに留めておいてあげるべきでしょう。







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