食人族

2015年08月18日 00:13

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【原題名】CANNIBAL HOLOCAUST
【製作】ジョヴァンニ・マッシーニ
【監督】ルッジェロ・デオダート
【脚本】ジャンフランコ・クレリチ
【撮影】セルジオ・ドフィッツィ
【音楽】リズ・オルトラーニ
【出演】フランチェスカ・チアルディ、ルカ・バルバレスキー、ロバート・カーマン、ペリー・ピルカネン、サルヴァトーレ・ベイジル
1981年/イタリア映画/95分


【STORY】
アマゾンのジャングルの奥地“グリーン・インフェルノ”へ取材に行った4人のジャーナリストたちが消息を絶った。捜索隊の一人に任命されたニューヨーク大学のモンロー教授は現地へ向かう。案内を引き受けたガイドによれば、行方不明になった当地は他の部族も恐れる木族と沼族という人肉喰いの部族のテリトリーで、非常に危険なエリアだという。それでも、危険を顧みず、部族たちと接触を試み、彼らの信頼を得たモンロー教授らは村に招待される。しかし、そこで発見したものは4人の白骨化した遺体と、遺品の取材テープだった。テープを持ち帰った教授は、事の顛末をドキュメンタリーとして放送しようとするTV局の人間と内容を視聴するが、そこにはジャーナリストたちが現地で行った数々の蛮行と、逆襲を受けて次々に殺されていく彼らの姿の一部始終が撮影されていた。


【REVIEW】
70~80年代前半に沸き起こった食人映画ブーム。その中の2大巨頭といえば、ウンベルト・レンツィの『人喰族』と、ルッジェロ・デオダートの『食人族』になる。特にこの『食人族』の方は当時正月映画として公開されて大ヒットを記録、R指定なんかがなかった頃なので、見ようと思えば小学生でも見ることができていた、今からすればとんでもない内容の映画。そもそも、人が人を食うという行為自体がタブーなわけで、カニバリズム映画というジャンルはかなりマイナーなジャンルですが、「現地から持ち帰ったテープを編集して製作したドキュメンタリー」風なプロモーションを展開したのもヒットした要因でしょう。一応、デオダートの演出もドキュメンタリーを意識した内容ですが、ちゃんとカット割りされた画面でも分かるように、よく見ていけばフィクションであることは分かってきます。

それでも「もしかして事実なのかも?」と思わせるのは、ショッキングな行為の連発が冷静な感覚を麻痺させているのかもしれません。また、原住民の不思議な風習や生活様式は画面にリアリティーを与え、フィルムのざらつき感や不鮮明なのが逆にそれもリアリティーにつながっているようにさえ思われます。そして、人喰い場面や殺害シーンはもちろん作り物だが、途中挿入されるフィルムの虐殺場面は本物だったり、食すために殺される動物も本物なので、虚構と現実が入り混じっているのもリアルさにつながっている。特に亀のシーンは強烈で、頭を切り落とされても手足をばたつかせていたり、甲羅をバリバリと剥がされて中身がデローンと剥き出しになるあたりは吐き気を催すインパクト!動物愛護協会からしたら、とんでもない映画でしょうねえ。

でも、考えてみれば、人間は生きるために様々な動物・植物を殺して食しているわけで、その行為自体はこの地球上で普通に行われているものだ。生きるために、必要な命をいただいて、自分たちの生命が続いていく。命を奪う瞬間は確かにショッキングだが、それは生きていくための必要最低限の範囲なら、自然の摂理であるといえる。反対に、食べるためではなく、意味もなく命を奪う行為の方が問題であって、取材に箔をつけるために、原住民を焼き殺したり、レイプして殺してしまう白人ジャーナリストたちの方が野蛮な人種ということになる。まあ、それらの蛮行の報いが最後の逆襲に遭って、食べられてしまうという流れになっているわけなんですが、見終わって、理解はできても、なんとも言えない重苦しいどよ~んとしたものが残るのも事実。正直、ホラー慣れした人でも、皆が皆楽しめるジャンルではないでしょうね。

さて、そんなタブーさゆえか、永らく埋もれていたカニバリズム映画ですが、今年は久々に光が差してきた感があります。一つは、本作『食人族』の初ブルーレイ化!ホラー・マニアックスシリーズ第8期のラインナップで8月に発売予定になっていて、どれだけ食人ファンがいるのか甚だ見当も尽きませんが、よく発売してくれたな~というのが正直な感想。あと、もう一つは劇場公開予定のタイトルもズバリの『グリーン・インフェルノ』!『ホステル』シリーズのイーライ・ロスが監督した大残酷スプラッターに仕上がっているそうで、こちらも期待大です。

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