イタリアン・ホラーの密かな愉しみ~血ぬられたハッタリの美学

2016年01月10日 16:41

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出版社:フィルムアート社
出版年月:2008年3月
ページ数:205頁
定価:2,000円(本体価格)


“ゲテモノ上等! 恐怖映画、一挙解凍”

・ポスター・ギャラリー

・まずはコレ! イタリアン・ホラー10選
『吸血鬼』
『生血を吸う女』
『白い肌に狂う鞭』
『顔のない殺人鬼』
『炎のいけにえ』
『サスぺリアPART2』
『サスぺリア』
『サンゲリア』
『デモンズ』
『デモンズ’95』

・テーマで覗く、イタリアン・ホラーの恐ろしい秘密
1.イタリアン・スプラッター小史
2.家庭内権力争いが怖い!
3.少数派が恐怖の源となる理由
4.女が一番、恐ろしい
5.人肉食映画と植民地主義の関係
6.イタホラは漫画から生まれる
7.ゴシックホラーにみる性的抑圧

・怪奇!猟奇!無敵のサブジャンル×6
1.ジャッロ
2.ゾンビ
3.吸血鬼
4.魔女
5.オカルト
6.生物パニック

・Who's WHO? ハッタリのマエストロ×10
1.リッカルド・フレーダ
2.マリオ・バーヴァ
3.レナート・ポリセリ
4.ルチオ・フルチ
5.アントニオ・マルゲリーティ
6.ジョー・ダマト
7.セルジオ・マルティーノ
8.ルッジェロ・デオダート
9.ダリオ・アルジェント
10.ミケーレ・ソアヴィ

・イタリアン・ホラーAtoZ


製作された本数で言えば、アメリカ産ホラーが質量ともにNO.1だが、NO.2は何処かと聞かれれば、個人的にはイタリアを挙げたい。2000年代になってからは、勢いを失ってしまっているが、1970~80年代のイタリアン・ホラーのパワーは物凄いものがあった。それは、単純に作られた数が多かったということだけでなく、その内容もインパクトのあるものが多かったからだ。とかく、イタリア産は「二番煎じ」とか「ゲテモノ映画」とかいうイメージが先行しがちだが(あながち、間違いではないだろうが・・・)、論理性やストーリーの整合性よりも、見た目にこだわった結果、他国では有り得ないようなイマジネーションが突出した映画や、超ゴアシーン連発の映画、タブーを突き破ったような映画が出来上がってしまった。それらは、お世辞にも上品な映画とは言えず、どちらかといえば下世話で上っ面だけの内容の映画も数多く含まれているが、それだけに見るものを選び、かつ好きになってしまった人にはたまらない魅力が存在するジャンルともいえる。そんなイタ・ホラのみにこだわった、イタ・ホラ好きな方なための1冊。

イタ・ホラが全盛だったのは、80年代までなので、おのずと紹介されているのはその時代の作品が多く、それ以降になると、ソアヴィの『デモンズ’95』やアルジェントの作品群になってくるが、そのアルジェントも近年はこれといったヒット作も少ないため、本当に昔の作品の紹介が中心になっている。作られた年代は古いものが多いのだが、そのインパクトは今見ても強烈なものが多く、バーヴァやアルジェント、フルチらの監督した代表作は素晴らしいものが数多く存在している。また、イタ・ホラといえば、忘れてはならないのが食人映画。その二大巨頭といえば『食人族』と『人喰族』そして、ダマトの諸作品群が挙げられるが、ここにきて、『食人族』のブルーレイ発売騒動や、イーライ・ロスの『グリーン・インフェルノ』が公開されたりと、にわかに食人映画が話題になったのもトピックだが、やっぱりイタリア産のカニバリズム映画のいかがわしさは群を抜いてい居ると思う。個人的にも、中学生のころまでは、イタリアと言って思い浮かぶのは、「スパゲッティ」と「ゾンビ」と「食人族」!というくらいで、それくらい強烈なインパクトがあったんだと思います(偏見!)。

とにかく、有名作品から少々マイナーな作品、ジャンル別、監督別など、多方面からイタ・ホラの魅力を解説してくれていて、イタリアン・ホラー初心者の方でも、どっぷりハマっているマニアックな方でも楽しめる内容だと思います。欲をいえば、詳細なイタリアン・ホラー年代史や作品解説が付いていれば嬉しかったけれど、読み応えはけっこうあります。マニアックなサントラのコラムもあるよ!






コメント

  1. リキマル | URL | Ef5G3OlI

    イタリアンホラーの全盛期は70〜80年代でしたね。
    最近のアルジェントもあの頃の様な勢いはありませんし。

    ゾンビ映画も数は相変わらず多いですが、どれも低予算ばかり目立ち、ストーリーが在り来たりで駄目なモノばかり。
    もう「サンゲリア」の様な奇跡の作品は出来ないのでしょうか。

    未ソフト化作品はまだまだ多いので、これからはソフト化に期待したいと思います。

  2. Aki | URL | -

    Re:イタリアン・ホラーの密かな愉しみ~血ぬられたハッタリの美学

    自分の年齢もあると思いますが、やっぱり観て熱くなるのは70~80年代の作品群が多いです。最近のよくできた作品を観て、面白いと思っても、内面からググッとくるものはあんまり感じないんですよね。やっぱり、あのころの何か特有の雰囲気が重要なんだと思います。まだまだ、眠っている未ソフト化作品に日の目が当たればいいんですけどね・・・。

    ちなみに私の最近見てよかったのは、ブルーレイ化された『シャドー』と『フェノミナ』です。やっぱり80年代。

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