2016年02月18日 17:17

【原題名】I SPIT ON YOUR GRAVE3 VENGEANCE IS MINE
【製作】リサ・ハンセン 、 ポール・ハーツバーグ
【監督】R.D.ブラウンシュタイン
【脚本】リチャード・ヴィアレット
【音楽】エドウィン・ウェンドラー
【出演】サラ・バトラー、ジェニファー・ランドン、ガブリエル・ホーガン
2015年/アメリカ映画/92分
【STORY】
森の避暑地で暴漢に襲われた経験を持つジェニファーはその忌まわしき記憶を封印し、ニューヨークで名前も変えてひっそりと暮らしていた。それでも、ときどきフラッシュバックするあの惨劇の場面は彼女を苦しませる。そんな状態から逃れようと、性犯罪のPTSDに悩むグループの集まりに参加し、少しずつ心を開いてゆくジェニファー。しかし、友人のマーラがレイプ魔に襲われて死亡し、犯人は証拠不十分で釈放されてしまう事件が起きる。ケダモノたちは自分が殺すしかない―。再び復讐の鬼と化したジェニファーは、夜の街に姿を潜めて狩りを始める。
【REVIEW】
メイル・ザルチの伝説のレイプ・リベンジムービー『発情アニマル』のリメイク作『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』のヒロインを務めたサラ・バトラーを再び迎えて製作されたシリーズ第3作目。あの避暑地で自分を凌辱した男たちに復讐を果たしたジェニファーはニューヨークで普通の生活を送っているが、どんなに忘れようとしても、あの忌まわしい記憶を消し去ることは出来ず、苦しめられている。そんな中、自分と同じ苦しみを持つ被害者らの集いの中で、心を許せる友人もでき、何かが変わろうとした矢先、その友人も殺されてしまい、再び絶望のどん底に突き落とされてしまう。何かがぷつんと切れたかのように、その後のジェニファーはケダモノである男どもを抹殺していく。
犯罪被害を受けた人は社会復帰を果たしても、決して事件前に戻れるわけではなく、忌まわしい記憶や忘れたくても忘れられない感情を抱えながら生きている。加害者を抹殺し、復讐を果たしたジェニファーも、その過去の記憶に苦しめられ日常生活もままならない。そんな中で、友人が殺されたことにより、眠っていた暴力的な衝動が爆発、ケダモノ野郎どもは生かしてはおけない・・・!豹変した彼女は、一人で男たちに復讐を仕掛けていく。定番の局部切り裂き&喰いちぎりに、尻に極太鉄パイプをブチ差して内臓を貫通・悶絶死させたりと、今回もえげつない殺し方が登場。ただ、後半、人が変わったかのようにひたすた男どもを追い詰めていく彼女は、レイプ魔によって人生を狂わされて、人格も凶暴になってしまった被害者の哀れな変貌ぶりが滲み出ていて、物悲しい。副題の『~VENGEANCE IS MINE』(復讐するは我にあり)は、確かにそうなんだろうだが、復讐を果たした側ももう元には戻れないんだというのを常に感じてしまいます。
『発情アニマル~アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ(1978)』
『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』
『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ 2』

コメント
ミカン | URL | -
Re:アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ3
たしか「復讐するは我にあり」って、言ってるのはキリストで、つまり復讐を担う存在がいるとしたら神だけだろう=復讐はしないほうがいいorダメって意味だったかと。だから副題にそうあるなら、ヒロインもある種行ってはいけない道に行ってしまった~って意味かも知れない、と思いました。
( 2021年03月01日 18:08 [編集] )
Aki | URL | -
Re:アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ3
コメントありがとうございます。
この手のリベンジものは、酷い目に遭った人がやり返してスッキリする・・・という単純なストーリーのような気もしますが、当の本人にとっては忘れられないそして耐え難い記憶であるし、以前に日常には戻れない苦しみでもあるわけで、この先もじっと耐え忍んで生きていくのか、人の道を踏み外してでも復讐を遂げる方が良いのかどうかは分かりません。
願わくば、こういったお話は映画やドラマなどの架空のものであってほしいと思います。
( 2021年03月03日 10:24 [編集] )
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