地獄の門

2010年12月21日 00:13

地獄の門11

【原題名】CITY OF THE LIVING DEAD,THE GATES OF HELL
【製作】ジョヴァンニ・マシーニ
【監督】ルチオ・フルチ
【脚本】ルチオ・フルチ、ダルダノ・サケッティ
【撮影】セルジオ・サルヴァルティ
【音楽】ファビオ・フリッツィ
【特殊メイク】ジャネット・デ・ロッシ
【出演】クリストファー・ジョージ、カトリオナ・マッコール、カルロ・デ・メイヨ、アントネッラ・インテルレンギ、ジャネット・アグレン、ファブリツィオ・ジョヴィーネ
1980年/イタリア映画/92分


【STORY】
ニューヨーク。降霊会に参加していた霊媒師のメアリーは、遠く離れたダンウィッチという町で神父が首吊り自殺するのを霊視するが、ショックで息絶える。メアリーは埋葬されるが、棺の中で息を吹き返し、新聞記者のピーターに助け出される。彼女が視た神父は、自殺という冒涜行為により、地獄の門を開こうとしていたのだった。万世節の夜までに門を閉じないと、この世は悪霊に支配されてしまうという。メアリーとピーターは地獄の門を閉じるべく、地図にも載っていないダンウィッチという町へ向かう。その頃、ダンウィッチでは不穏な空気が町に漂い、謎の死を遂げる住人が続出。さらに一度死んだ者も甦り、生者に襲いかかる死霊の町と化していた!

【REVIEW】
口から内臓をぶちまける美女、頭皮ごと脳味噌をえぐりとられる人々、電動ドリルがこめかみを貫通し、息絶える青年、突然降り注ぐ大量の蛆の雨・・・。その鬼のようにグロい描写からL・フルチの代表作とも言われるのが、この『地獄の門』です。“地獄の門が決壊し、邪悪なものがこの世に溢れだす”という、フルチ監督の十八番をテーマに据えた本作は脂の乗った演出と、特殊メイクに支えられ、有無を言わさず見る者をぐいぐいと引っ張っていく怪作だと思います。

『ビヨンド』と並んで、残酷シーンが際立っているのと、シナリオが脆弱で意味不明なのも特色です。冒頭で自殺したトマス神父はなぜ地獄の門を開けようとしたのか、動機も不明だし、そもそも自殺したらなぜこの世が終わる仕組みになっているのかも分からない。そして、死霊となった神父に見つめられると、それだけで目から血の涙を流し、口から内臓を吐きだしてしまう!ある意味、すごい力の持ち主だ。そして、犠牲者もゾンビ化して生きている人間を襲うのだが、いきなり現われたり、消えたりと、扱いは幽霊みたいな感じにもなっています。でも、見た目は相変わらず腐っていて、人肉喰いシーンも少しあるので、分類はやっぱりゾンビでしょうか。

そして、有名な電動ドリルでの殺害シーン。ダンウィッチでの殺人事件の犯人に間違われた青年が、たまたまそこにあったドリルに~それもたまたまスイッチが入って動き出して~頭を押し付けられて、ドリルがズコズコーとめりこんでいきます。絶叫し息絶える青年。しかし、青年を殺したのはただのおじさんで、死霊とは何の関係もない!いいのかこんなことして?!と突っ込みたくなりますが、多分このシーンを撮りたかったから入れたんでしょうね。

終盤、主人公たちは諸悪の根源である神父と対峙します。すでにタイムリミットは過ぎていて、周りでは大量の死人が蠢いています。どうするんだ、この後は!?と思っていると、手近にあった杭を腹に刺された神父は炎上、ゾンビたちも一緒に燃え上がり消えてしまいます。それで終わり!?・・・とあっけないほどのラストもフルチ監督らしいといえば、らしいかもです。で、その後、子供が駆け寄ってきて、メアリーの悲鳴で終わるのも意味不明。う~ん、よく分かりません。

と、展開の謎を突っつくのはさておき、死霊に支配された町に起きる数々の惨劇を凄惨なゴアシーンで描き切ったフルチの手腕を楽しめればそれでいいのかな、と思う作品。『サンゲリア』から本作、そして『ビヨンド』『墓地裏の家』へと続くこの頃のフルチの勢いは何かスゴイものがあるなあと思います。年数も1980年~1981年にかたまって発表してますし、よくこれだけ製作できたなと感心です。

そして忘れてはならないのが主演のK・マッコール嬢。『ベルサイユのバラ』でコケたものの、本作で復活。続く『ビヨンド』『墓地裏の家』と連投し、フルチ作品のスクリームクイーンとなりました。知的ですが少しアンニュイ感じがする女優さんです。本作では、ウジ虫の降り注ぐ気持ちの悪~いシーンも熱演。お疲れ様でございます。





コメント

  1. たかひろ | URL | -

    Re: 地獄の門

    画質や音質の違いは如何ですか???

  2. Aki | URL | -

    Re: 地獄の門

    SPO版ですが、ニューマスター使用ということですが、それほど鮮明な感じはしませんでした。この辺、やはり30年前の映画なんで、元が元ということでしょうか。ただ、フィルムの傷やノイズはきれいさっぱり除去されていて、JVD版のチラチラ気になっていたものが無くなりました。16:9のワイド化も素直に嬉しいところです。

    音声は①モノラル②5.1chサラウンド収録ですが、5.1chの方はサラウンド効果は期待しない方がいいかも。ちょっといいステレオといったところ!?(視聴した機器がPC+ヘッドホンだったので、あまり参考にならないかもしれませんが)でも、ファビオ・フリッツィのBGMが鮮明に聴こえるのはグッドです。

    そして、今気付いたんですが、以前出ていたJVD版、パッケージには「英語(5.1chドルビーサラウンド)」って表記があるけれども、どういうこと?間違い?それとも、なんちゃって!?

  3. たかひろ | URL | -

    Re: 地獄の門

    有難う御座います。
    参考にさせて頂きます。

  4. リキマル | URL | 1jhbtX.k

    Re: 地獄の門

    以前のJVD版DVDは本当に画質が暗くてビデオのほうがマシでした。
    SPO版はそこそこ改善されていてよかったです。
    海外ではブルーレイまで出ていて画質もさら鮮明らしいです。
    そのブルーレイまで買うかと聞かれたら正直悩みますけど。
    フルチ絶頂期だっただけあって全編残酷&ショックシーンの連続ですが、クライマックスの地下墓地の幻想的美しさとメインテーマをバックに復活するゾンビ軍団のシーンは鳥肌ものでした。
    ビデオソフト発売前に深夜のバラエティ番組(確かトゥナイトだったような)のホラー映画特集でこれが「ゾンビ2」と紹介されたのは笑いました。

  5. Aki | URL | -

    Re: 地獄の門

    最後の地下墓地のゾンビの復活シーンはいいですよねえ~。ゾクゾクします!ただ、その後元凶の神父が倒されると、みんな一斉に燃えてやられちゃうのはご愛敬でしょうか。

  6. 茶宇田 | URL | -

    Re:地獄の門

    ワタシハフルチ作品の中で1番好きな作品かも
    最後のオチもよいですよね
    結局地獄の門はとざされなかったのですよね

  7. Aki | URL | -

    Re:地獄の門

    最後のは―。地獄の門を閉じるのに失敗したのか、それとも、新たな終末の気配をメアリーが予知したのか・・・、はてさて。結局、思わせぶりで微妙な感じですが、どよーんとしたまま終わる嫌~な感じは後々まで余韻に浸れていいですよね。ストーリー、プロット、エンディング等々、意味不明、謎の多い作品ですが、不思議と何回も見たくなる愛すべき作品だと思います。

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