ショック! 残酷! 切株映画の世界

2018年02月01日 10:53

切株

出版社:洋泉社
編:高橋ヨシキ+DEVIL PRESS MURDER TEAM
ページ数:262頁
発行日:2008年2月21日
定価:1,300円(本体)


“手が!足が!首が飛ぶ!
 スクリーンに広がる地獄絵巻をあなたは正視できるか!?”
“映画界最大のタブー、スプラッターを超える残酷表現の限界
 人体破壊描写のすべて!”

・鮮血!野蛮!何よりも究極の娯楽!残酷表現に究極の娯楽を求めて
・残酷切株描写から辿る世界映画史
・観ずには死ねない切株映画入門ガイド
・アメリカ映画、残酷と血糊のブルース
・世界で最も有名な殺人鬼ジェイソンと『13日の金曜日』・・・スラッシャー映画の夜明け
・『ホステル』シリーズ監督イーライ・ロスへのインタビュー
・『死霊のしたたり』シリーズの肉体破壊表現
・痛みこそは究極の快楽!『ヘル・レイザー』
・残酷ソープオペラ『アンディ・ウォーホルのBAD』&NYゲイ系切株派
・世界に君臨する残酷描写の王者スティーブン・スピルバーグ
・ジョン・カーペンター、非情の切株アクションに流れるマカロニの血
・80年代最強・最愛の切株映画『悪魔のいけにえ2』
・ジョン・ウォーターズの「バッド・テイスト」切株路線
・SOMETHING WIERD VIDEOの過激な切株描写
・60年代から21世紀まで、未公開切株映画ベスト・チョイス21
・恐怖の切株怪獣洋画劇場!
・殺してよし!殺されてよし!ゾンビ映画は切株描写の宝庫!
・クローネンバーグ『クラッシュ』・・・交通事故の切株世界
・ジャーロ・・・イタリアン・ホラー最強の猟奇血まみれドラマ群
・ダリオ・アルジェント、イタリアン・ホラーの帝王
・アルジェント最新作『マザース・オブ・ティアーズ』
・異常性犯罪にカニバリズム・・・イタリア残酷映画事情をリサーチ
・ルイス・ブニュエルの切株メロドラマ『哀しみのトリスターナ』
・ポール・ナッシーからモンドまで・・・スペイン映画、血の歴史
・『ブラッド・ピーセス』ほかスパニッシュ・ビザール映画のゴア表現
・犬神家の切株!エスカレートする70年代横溝映画の残酷描写
・『私設銀座警察』と日本切暴力団映画
・『子連れ狼』のバイオレンス表現が世界を制圧した日
・本当は残酷なジャパン・アニメーション
・空とぶギロチンと残虐クンフー映画大行進
・00年代、新たなる血まみれ映画の始まり


「趣味は何ですか?」と聞かれて、「映画鑑賞です」と答えると、「じゃあ、好きな映画は何ですか?」と聞かれる。一瞬躊躇するが(その人との親密度にもよるが―そんなに親しい間柄でなければそこまで真剣に答えないだろう)、「ホラー映画をよく観ます」と答えると、大抵疑問的な答えが返ってくることが得てして多い。たとえば、「どこが面白いんですか?」とか「気持ち悪くないですか?」とか「怖くないですか?」とか。真面目に回答するならば、「面白いと感じているから見ているのであるし」「気持ち悪い描写もあるが、そういうのを見たいのであるし」「怖さを求めているのであるし」、普段日常では感じられない体験することができない“刺激”を求めてホラー映画を見ようとしたりしているわけである。その最たるものが人体破壊描写(本書では“切株”と表現)ではないだろうか。現実で、それを見ることはまれであるが(例えば、交通事故とか自殺現場とか―)、映画の中ならいつでもありとあらゆる人体破壊場面を見ることができる。リアルな場面もあれば、ありえないような無茶苦茶な描写があったりもする。でも、それ自体が見世物であって、エンタテイメントの真骨頂ではないかと思ったりする。

無論、これらは作り物であるから楽しめるのであって、実際の人体破壊や死体の映像を見て楽しいなんて思ったことはないわけで、あくまで空想の産物と分かっているから、というのが大前提。「いい年こいて、人が殺される場面見て楽しいですか?」なんて怪訝な表情で質問されるかもしれないが、楽しいものは楽しいんだから仕方がない。現実にはあり得ないような映像を見て「スゲー!!」「怖ぇーッ!!」「面白れーッ!!」と感じるんだから仕方がない。まるで、子供のような受け取り方と思われようが、子供のころのままの感情が今も消えずに残っているから、楽しいものは楽しいのである。とにかく、好きな人には堪らない。好きなものは仕方がない。切株・残酷描写が嫌いな方は見なければいい、ただそれだけの話である。

さて、前置きが長くなりましたが、ホラー映画に限らず、古今東西ありとあらゆる切株描写が出てくる映画を取り上げた本書、人が殺される映画には大抵切株描写は付物で、いろんな殺され方が昔から登場してきたが、それらをカタログ的に見ていくだけでも楽しめる。アクション映画やサスペンス映画、戦争映画などでは人はバッタバッタと死んでゆくし、当然そこでは様々な人体破壊のバリエーションが描かれている。ストーリー上必要なものもあれば、そこにスポットを当てた人体破壊ありきの映画もあるが、それはそれで見ていて楽しい映画なわけで、人によって様様な楽しみ方があると思います。取り上げられている作品数があまりにも多いので、どれが一番素晴らしいなんて決めるのは不可能ですが、印象に残っているのは『オーメン』のガラス板での首チョンパとか『サンゲリア』の目ん玉串刺し、『ブラッド・ピーセス~悪魔のチェーンソー』の切り刻むチェーンソーはやっぱり外せないし、『死霊のはらわた』『ブレインデッド』の切株描写は満載だ。ホラー以外だと有名な『プライベートライアン』の上陸シーンは印象的だったし、本書の後に公開された『ランボー 最後の戦場』なんかも、人体がバンバン破壊されていく。たぶん、これからも、ありとあらゆるジャンルで人体破壊は行われていくし、その描写もエスカレートしていくはずだ。ただ、規制が厳しくなっている中、見る場所は限られてきているのは寂しく感じます。地上波TVなんかでは、ほとんど切株描写を見る機会はなくなってしまい(映画自体が放映されなくなってきてますが)、スマートでおとなしいものしか流れない世の中。この前地上波で放映された『レイダース』も、ナチ残党の顔面崩壊場面はなかったですしね。行き過ぎた規制や自粛は、それはそれでどうかと思うのですが・・・。




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