ドリーム・ホーム

2019年10月22日 14:50

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【原題名】DREAM HOME
【製作】パン・ホーチョン 、コンロイ・チャン 、ジョシー・ホー、スービ・リャン
【監督】パン・ホーチョン
【脚本】パン・ホーチョン 、デレク・ツァン、ジミー・ワン
【撮影】ユー・リクウァイ
【音楽】ガブリエル・ロベルト
【出演】ジョシー・ホー、イーソン・チャン、デレク・ツアン、ローレンス・チョウ、ジュノ・マック、ミシェル・イエ
2010年/香港映画/96分
【STORY】
金融機関に勤めるOLのチョンの夢は、香港の湾岸エリアにそびえ立つ超高級マンション・ビクトリアNO.1に移り住むこと。彼女は幼い頃住んでいたアパート街が地上げ屋の不当行為によって退去せざるを得なくなった過去があり、その頃の苦い記憶が「いつか家族で海の見えるマンションに住む」という夢に繋がっていた。Wワークをして生活を切り詰めながら、やっとのことで売りに出されていたビクトリアNO.1の売り手の提示額を貯めたチョンは売買契約の日を迎える。しかし、当日不動産屋を通じて、売り手が突如提示金額を吊りあげたことにより契約は出来なくなり、チョンは引っ越しの準備をしていた自室で呆然となる。そこで何かを閃いたチョンは手元にあった引っ越し資材を持ってビクトリアNO.1へ向かう。

“あのマンションで大量殺人事件が発生したら、不動産価格は暴落して、私でも余裕で買えちゃうじゃん・・・!”

管理人室で守衛の男を絞殺したチョンは、売りに出されている階の住人を次々に殺していくのだった―。


【REVIEW】
「実話を基にしたヴァイオレンス・スリラー」というキャッチ・コピーは、使い古され過ぎて陳腐ではあるが、この映画にはよく似合っている気もする。大量殺人犯の犯行動機は、幼い頃のショッキングな出来事がトラウマになって人知れず狂っていたとか、常人には理解し難いサイコパスな人格を所有しているとか、常日頃に虐げられていたうっ憤が大爆発してやり返すとか、いろいろあるけれども、本作のヒロインの動機はただひとつ“家を買うため”。大量殺人が起これば、マンションの価値は暴落して買えるだろうと、超シンプルな発想の元、彼女はマンションへ向かう。あまりにも短絡的な思考とも思えるが、映画は彼女の貧しかった幼少期からマイホーム願望が強かったこと、家族で一緒に住むと決めていたのに両親が次々に亡くなって間に合わなかったこと、などを描いていて、追い詰められていった人間は普通では考え付かないことを起こすこともあり得るかも・・・と思わせる。

そんなヒロインの不遇さを説明しつつ、行う殺人は残忍極まりない。冒頭の管理人室のおじさんは結束バンドで首を絞められ、苦し紛れにカッターでバンドを切ろうとして頸動脈までぶった切ってしまい即死。その後は住人をターゲットに、ドライバーを後頭部から突き刺して目ん玉が飛び出たり、ビニール袋を頭にかぶせて中の空気をを掃除機でを吸い取り窒息死させたりと手近な物で殺していく。その後、なんやら騒いでいる部屋があったので、そこへも侵入し、ヤクをやって乱交していた男女4人も次々に殺害。ナイフで腹を掻っ捌いて内臓がデローン、指チョンパ、首に割れた瓶をぶっ刺す、背中から包丁を何度も突き立してナニをちょん切るなどなど。さらには、騒音の苦情でやってきた警官2人も成り行きで死んじゃって、辺りは血の海になる。被害者の反撃を受け怪我をしつつも彼女は後日、値下がりした一室をついに手に入れ引っ越しする。晴れて念願のマイホームを手に入れたチョンであったが、サブプライムローンによる世界的な経済不況をニュースが知らせつつ不穏なまま終わっていく。

経済や社会的な格差による問題を挟み込んでいるが、見せ場はやっぱりゴアシーン。殺される被害者の人数も多いが流れる血の量も多い。銃であっさり殺すのではなく、刺したり切ったりと見ていて痛々しい殺し方が良い。また、犯人が女性なので、意外に被害者から反撃を喰らったりしてせめぎ合う攻防もあり、とにかく殺しの場面は見ていて飽きない。ただ、よくよく考えてみると、ヒロインに殺される被害者たちは、直接の因果関係はなく、全くのとばっちりで殺されているのは理不尽である。しかしあまり同情心が湧かないのは、金持ちでいいところに住んでどこか人間的にもいけ好かない感じが滲み出ていて、それが庶民感覚からすると、やっぱり可哀そうに思えてこない原因なのかもしれません。


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