インフェルノ

2011年05月10日 08:20

インフェルノ08
【原題名】INFERNO
【製作】クラウディオ・アルジェント
【監督】ダリオ・アルジェント
【脚本】ダリオ・アルジェント
【撮影】ロマーノ・アルマーニ
【音楽】キース・エマーソン
【出演】リー・マクロスキー、アイリーン・ミラクル、サッシャ・ピトエフ、ダリア・ニコロディ、エレオノア・ジョルジ、アリダ・ヴァリ、ヴェロニカ・ラザール
1980年/アメリカ・イタリア映画/107分


【STORY】
ニューヨーク。女流詩人のローズは骨董店で買った「三人の母」という本を読んで、自分が住んでいるアパートが魔女のために建てられたものではないかと思い、不安にかられる。ローズはローマにいる弟のマークにそのことを知らせ、すぐに来てほしいと手紙に託すが、嵐の晩に何者かに惨殺されてしまう。

マークは急いでニューヨークに駆け付けるが、すでにローズの姿はなかった。マークは姉の所在を探し始めるが、彼の近辺では「三人の母」の本に関わった者が姿を消していく。ローマでは偶然手紙を読んで本に興味を持った女友達のサラがナイフで背中をえぐられ死亡、ローズの知り合いであった同じアパートに住むエリーゼも多数の猫に襲われたあと刺殺される。次いで、ローズが本を買った骨董店の店主、アパートの管理人なども次々に殺されていく。マークは手紙に残されていた“第三の鍵は靴の底にある”という謎を解き、隠し通路を見つけ、その先で事件の張本人と出会う。

【REVIEW】
サスぺリア』に続くアルジェントの魔女を題材にした作品。マーテル・サスピリオルム(嘆きの母)、マーテル・ラクリマルム(涙の母)、マーテル・テネブラルム(暗闇の母)の三人の母について書かれた本をきっかけにストーリーは進みますが、ニューヨークの館に住むのは暗闇の母。ちなみに、ローマでマークが出会う美女(演じるのはアニア・ピエロニ)は涙の母だそう。しかし、『サスぺリア』とは直接の繋がりは無い。

魔女の秘密を知ろうとした人々が次々に殺されていくわけですが、プロットはそれだけで、細かな設定はけっこういいかげん。「三人の母」は骨董店にも図書館にも所蔵されていて、誰でも気軽に読めてしまうのも安易な気がするし、ローズが見つけるアパートの地下に水没した部屋も簡単に見つけられてしまうのはどうなんだろうか。大事なところなら鍵くらいかけとかなくちゃ!?

それに意味不明なシーンも続出。唐突にインサートされる首吊り女性のカット、転倒しネズミに襲われ助けを求める骨董店の主人の首に突然ナイフを振りかざすホットドッグ屋のコック。エリーゼの執事と管理人の女性が殺された理由は分からない。そして、ラスト、魔女はその姿をついに(というか突然)現すが、マークに襲いかかるでもなく、炎上する館で炎にまかれていく。本当に姿を現しただけだった。このラストは何かを明示しているのか、それとも何もないのか、よく分からない。

ただ見方を変えれば、それらも気にはならない。『インフェルノ』は魔女を題材にしたアルジェントのイマジネーションを映像化したものであって、純粋な謎解きやサスペンス映画ではないのだ。殺人のシーンも恐怖感を徐々に積み上げていく手法は取らず、突然行われ、そして終わる。観客に理解を求めていない。一見、乱暴で無責任な印象がありますが、ただ素直に見たままを受け取ればそれでいいのでしょう。おもしろいか、そうでないかは個人の判断によるでしょうが。イタリアンホラーの重鎮だったマリオ・バーヴァの特殊効果、キース・エマーソンの荘厳な音楽、それらに彩られた不可解な出来事を堪能するのが『インフェルノ』の正しい鑑賞法ではないでしょうか。

マーテル・ラクリマルム役のアニア・ピエロニは『シャドー』の冒頭で殺される万引きの常習犯の女役でも出ていましたが、『インフェルノ』ではセリフが一切なく、印象が全然違います。また、アパートの管理人には『サスぺリア』のアリダ・ヴァリ、マーテル・テネブラルム役のヴェロニカ・ラザールはフルチの『ビヨンド』でもみかけました。







コメント

  1. リキマル | URL | 1jhbtX.k

    Re: インフェルノ

    魔女3部作では一番好きな作品です。
    確かにストーリーと関係ないシーンやラストのあっけなさもあるのですが、「サスペリア」とはまた違った映像美とキース・エマーソンの音楽、そして女優陣の魅力もあって何度も繰り返し見てしまいます。
    海外ブルーレイは特典映像が入ってましたが、国内版にはテレビの吹き替え音声が入っていたので国内版BOXを買ってしまいました。
    昔FOXから出たDVDソフトもジャケットがカッコいいので保管してます。

  2. Aki | URL | -

    Re: インフェルノ

    『インフェルノ』は、ストーリーを理解する映画ではなく、感覚でアルジェントの世界観を体験する映画なんでしょうね。だから、リキマルさんがおっしゃるように、見所は沢山あります!そう考えればヒットした『サスぺリア』も似たような映画です。どちらもいい映画です♪

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